この記事はこんな人におすすめ
- 何事も「自分だけは大丈夫」とは思っていないから騙されない
- 自分と相手の話しがかみ合わずに悩んでいる
- 仕事で報酬(給料)アップの話しがしづらくて悩んでいる
結論は、バイアスを認識して自分を振り返る
認知バイアスは、世界を単純化し、決断を早めようとする私たちの脳の働きによって起こる思考の誤り。
過去の経験からみんなバイアスを抱えており、「自分だけは大丈夫」だと囚われている。
他人と比べて自分はそれほどバイアスに影響されないと考えようとする傾向にある人もいます。
私たちは毎日、判断を繰り返していますが、それもバイアスの影響を受けている可能性が高い。
認知バイアスの影響を受けやすい部分と、緩和する方法をご紹介しますので、自分に合った方法を実践してみましょう。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
固定観念や思い込みの類のことを「ステレオタイプ」と表現したりします。
例えば、実業家には男性が多く、介護職には女性が多い。
言い換えれば、起業家精神を男性的な性質、介護を伴う職業には女性が向いている、こう思い込んでしまうという事です。
自分が新しい道に進むとき、チャンスを与えてくれそうな人からアドバイスは多種多様な人間から話を聞くことが大切。
自分と似たような境遇、共感を得られやすい人ばかりから話を聞いても、いいネットワークは構築しにくいでしょう。
自分の周囲を同類の人たちで固めようとする性質のこと。
人間は、自分と似たタイプの人ばかりを仲間に引き入れようとします。
自分と同じような視点を持ち、こちらの提示した意見や考えにすぐ賛同してくれる。
結果として、確証バイアスの影響を受けやすい。
意義があった場合でも、その内容がみんな似かよっていたりする。
自分が成長をするなら、共に時間を過ごし、助言を求めたい仲間について考えてみることも手段の一つ。
「似たような仲間と一緒にいることが、本当に自分の成長に助けになるだろうか」と自問してみます。
早く成長するための近道は、多様な経歴や人生経験をもつ人たちからフィードバックをもらうこと
異なる考え方の持ち主は、異なる内容のアドバイスが得られます。
自分と似た人って、居心地はいいんですけどね
優秀なリーダー・マネージャーというのは、常に自分よりも優秀な人を傍に置くことを心がけているそうです。
その理由は2つ
①チームの平均的な生産性が引き上げられる
②治部煮よりも優れた人と一緒にいると、自分のパフォーマンスも向上
ですが、一般的なリーダーやマネージャーはこのやり方は採用したがりません。
エゴに囚われ、自分と同等以下のパフォーマンスしか出せない人たちしか置きたくないと思うから。
もし、自分がつねに成長したいのであれば次のことを意識すること。
自分よりもはるかに多くの知識を持ち、はるかによいパフォーマンスを発揮する人が周りにいたほうが、自分にとっても有益。
2009年にアレクサンダー・マスとエンリコ・モレッティがスーパーのレジ係を対象に実験を行った。
自分が努力する度合いは一緒に働く人次第で変わる、ということが明らかになったもの。
平均以上の優秀な人が仕事に加わると、他の労働者たちの仕事ぶりが1%向上することを発見。
生産性の高い労働者がフロアにやってくるのを目にしただけでも他の労働者たちの生産性が上がることも分かった。
※ここでいう生産性は、1秒あたりにスキャンされた商品の数
その道の専門性が高い人は貴重ですね
社会的プレッシャーによって新しい基準が生まれると、人の行動はそれに応じて変化。
会社でも、終業時間になっても急いで家へ帰ろうとしない同僚に囲まれると、自分も遅くまで仕事をしてしまう。
私たちは周りの人の足跡を辿ろうとする一方で、それが自分の意志だと思い込んでいる。
気が付かないうちに与えるのは、一緒にいる人は自分の行動やスキル。
つまり、私たちは、周囲の人たちによって作られています。
自分が他人に染まっていくって感じですね
こういったバイアスもあると知ることが大切
自分で今進んでいる道が間違っていることに気が付いたならとても素晴らしいことです。
助言を求めたメンターたちが認知バイアスの影響を受けていたなら、自分の決めたゴールが同じバイアスの影響下にないと言い切れる保証はないし、影響を受けている可能性は高い。
それでも自分が決めたゴールをとことん目指すなら、あとから振り返ったときに、それが良い選択だった思うでしょう。
自分の選択をあとから振り返ったとき、私たちはそれが正しかったと考えがち
選んだものを高く評価し、選ばなかったものを低く評価すること。
なぜ、このバイアスに陥るかは原因ははっきりとはわかっていない。
この本の著者は、後悔の念をもたずに夜眠るために生まれた必然のスキルで、事後の正当化は、様々な罪悪感を抱えている私たちの心を浄化する作用があると考えています。
合理的な考えですね
自分のゴールについて検証を続けたい場合は、次のバイアスと、それが自分のゴール選択に与えた可能性について振り返るのもいいでしょう。
選択肢について、情報が抜けているものは選びたがらないこと。
よりよく見えるけれど成功するかどうか判然としない未来より、成功する見込みが立っている未来を選びがち。
例えば、親がやっている仕事を選ぶ、流行にのって周りと似たような仕事をする。
しかし、その人たちが楽しく仕事をしているからと言って、自分も同じ道を選ぶ必要性はない。
なりたい自分について想像したとき、日々の仕事はどんなことをしているでしょうか。
自分が喜びを感じられる仕事を見つけようとすることはとても重要。
一方で、選択の自由が脅かされるときにその自由を回復しようとする心理的リアクタンス(reactance bias)バイアスがあります。
人から言われたことを素直に受け入れられないというタイプは、バンドワゴン効果(bandwagon effect)ではなく心理的リアクタンスの影響を受けている可能性も。
心理的リアクタンスにより、相対的な優位性とは無関係に、自分の考えに固執しようとする強い決意が生まれてしまう事には意識しましょう。
キャリア形成ゴールについて考えた時、そのゴールに到達した自分はどんな業務をしているか。
それは仕事をやめる日まで毎日続けても楽しめるか?
はい→そのまま継続してください
いいえ→ゴール設定プロセスから考え直す
会社員や公務員が人気なのもわかりますね
どういう成長をしたいかの軸はずらさないように
損失回避は、私たちがこれから体験する損失をどうイメージするか次第で、その後のキャリア形成を加速させるきっかけになるはずの会話を遅らせてしまうほどの力を持つ、と言い換えられます。
たとえば、仮に昇進をゴールにしていて、そのために要する器官を5年と決めた場合、なぜ5年なのかを、その理由をもう一度検証すべきかもしれません。
企業の昇進基準はとても曖昧。
昇進のために自分は何をすべきなのかが不明確。
基準が曖昧なほど、予想よりも昇進が早かったり、逆に押しケースが増える。
昇進を果たすために人より前に出ようとするかどうかは、自分のリスク回避度によります。
日常的な仕事においては、リスクをとればキャリアが進むというのは評価基準とは呼べない。
リスク回避度は、女性は男性よりも、高学歴よりも低学歴、富裕層よりも貧困層よりも低いと考えるのは適正さを欠きます。
スキルや能力の違いはなんの関係もない。
早い昇進を進むためには「リスクをどれだけ受け入れられるか」がポイント。
職務遂行にまつわるどんな能力よりも、応募すると言う行為そのものが自身の強さやリスク回避度を伝える。
さらに、「実力」と「自信」の間にはほとんど相関感性はない。
アレクサンダー・フロイントとナディーン・カステンは、2012年に「自分の知力にどれほど自信があるか」と実際の知力に関する150人以上を対象とした相関分析の調査を行いました。
ふたつの変数に共通する要素はわずか10%にすぎないと推定した。
「自信がある者」がその自己評価どおりに能力が高いわけではないとわかった。
自信がある人やリスクを取りたい人が前にでようとすることは間違っていません。
行動に対する「コスト(費用)」と「ベネフィット(恩恵)」を比較考慮したうえで、行動することが多いです。
つまり、成功チャンスは、可能性は低くても確かにあるのであれば行動するということ。
ノーペイン・ノーゲインという考え方ですね
ほとんどの人は、達成よりも損失を強く感じやすい。
リスク回避は断られた時の苦しさを予測する「予測損失回避(anticipatory loss aversion)」ことによって発動します。
失敗の予測は、それ自体がネガティブな人生体験。
あまりにも強烈なので、失敗することを考えただけで、人はそもそも挑戦事態をあきらめる。
リスク回避、損失回避、自信の弱さは、人の全身をはばむ危険性があります。
リスクを好む人たちは、いち早く、そして何度も、出世競争に参加します。
企業の中には、行き過ぎた争いを避けるためにあらかじめ社員との定期的な評価セッションを設けているが、その会社の経営層には、多くの自信過剰な外向型がいる。
このシステムも完ぺきではないということ。
自分が内向型のタイプなら、少しでも自分が優位にたてるように、考えられる手は打っておくこと。
①成果の見込みが不透明なときには、成功する見込みはたとえ低くてもゼロではないため、自ら前に出ることを考える
②成果に注目するのでなく、自分がコントロールできる意思決定プロセスに着目
③失敗予測は、失敗そのものよりもつらい経験だが、実際の失敗はプロセスに学びがある
④損失回避の状況にさらされ続けると、負けることがおもったほどつらくないとわかってくる
失敗を経験した人って強いですからね
最速で失敗することを心がけます
たとえば、自分で選んだ専攻を途中でやめるかどうかといった判断の難しい状況では、いったん頭を空っぽにすると、よりよい決断につながる場合があります。
先に与えられた情報によってその後の行動や判断に影響が及ぶもの。
人は意思決定の前から存在していた情報に頼りすぎている。
アンカーとは、船の「錨(いかり)」のこと。
たとえばショッピングで「定価〇〇円が、今だけ〇%オフ!!」と表示されていると、お得と感じ飛びつく心理状態。
このアンカリング効果は、時には給料アップや昇進への邪魔をすることにつながっています。
自分が現在受け取っている給料の算定根拠について考えた時、自分の仕事に見合う額をもらっているだろうか。
アンカリング効果の影響を受けていないか振り返ってみます。
現在の自分にとって適正な給与水準を考える時、心のなかで参照する主な指標は以前からもらっていた金額
アンカリング効果はとても強力で、たとえば今の業種は高収入だが、やりたい業種が別にある場合、その転職先の給料が今の給料と見合わないと転職する気がうせてしまいます。
そのために、多くのチャンスや成長を棒に振ることだってあります。
価格じゃなくて価値をみることは重要ですね
このような問題は、まず、一度自分のなかのアンカーをリセットします。
フリーランスの場合は、報酬の水準がわからないままクライアントと契約することもあります。
その時は、新しいクライアントと仕事を始めるたびに、アンカーをリセットするチャンスだと捉えます。
先方からの希望金額を示してもらい、以前こちらから出していた金額よりも高いかどうかチェックする方法や、これまでの金額を5%増額しtて、反応をみる方法もあります。
大企業の場合は、職種別の給与水準が公開されていることも多いので、自分の給料を同僚たちと比べるのは簡単。
公開されていなければ、企業訪問やつてをたどって調べる方法もあります。
自分に対する社内評価は、他人がもつ認知バイアスに影響されていることは知っておきましょう。
低価格競争という泥沼を思い出しました
大切なのは、価格じゃなくて「価値」ですね
キャリア目標の立て方のアドバイス、職場での環境づくりの相談、高い専門性に基づいた会話。
自分達は無力だと思いたくないために、こういった会話をするのをためらいます。
相手がどんな答えを返すのかわからない不安から、私たちはよく長い間、問題を放棄する。
自分の昇進、進路、報酬、あるいはキャリアについて問いかけてみたいけれど、私たちは自分が強欲で物欲しげな人間に思われないか心配になる。
昇給(あるいは報酬アップ)の話しを考えてみる時、自分は今の仕事をとても好き、だから昇給を望むのは間違っていると感じやすい。
ですがこれではものごとの考え方としては本末転倒。
毎日仕事でなんらかの付加価値を生み出していれば、私たちはその価値に見合った割合で対価を得る資格はある。
私たちの労働は、自分と相手の双方にとって有益な取引であるべき。
自分が生んだ価値に見合った報酬(給料)を受け取ったうえで、なお自分が強欲な人間なのではという不安がある人は、寄付や慈善事業でその気持ちを鎮めましょう。
お金を稼ぐために働いていることを認識しましょう
同じ事実を認識していない人がいる「知識の呪い(curse of knowledge)」にも気をつけます。
【知識の呪い】
自分がある事実を知っていると、それを知らない人もいるとは考えなくなるというもの。
自分が知っていることは世間一般的な事だと思ってしまうバイアス。
業界人や専門家が一般人相手に業界用語や専門用語などの会話を多用している人に当てはまる。
【ティアラ・シンドローム】
毎日懸命に頑張っていればいつか必ず報われる日が来る、という期待。
成果が出たら褒美として誰かが「ティアラ(冠)」を乗せてくれるから来ている。
知識の呪いは「ティアラ・シンドローム(tiara syndrome)」と呼ばれるバイアスにもつながる。
相手に対して、自分の価値や前へ進みたいという気持ちに関心を持ってもらえるかは、自分次第。
助言や指導は、つねに自分の責任で相手に求めなければならない。
他人に自分の進捗と目的を説明することで、より多くのチャンスが生まれます。
受け身の姿勢ではチャンスはやってきません。
自分から支援を求めるときは、相手の視点も持っていればすばらしいです。
忙しい上司や他人はそこまで自分をみてないということですね
原因は自分にあるため、責任も自分で負います
バイアスは数多くあります。
自分もバイアスにかかっているという認識を持つのが重要
なりたい自分になるショートカット思考のまとめです。
- 自分とは異なる性格の人間と会うことで成長の機会に
- 自分の決めたゴールに軸はあるか、他人に左右されていないか振り返る
- 失敗のイメージは強いが実際の失敗はそうでもない
- 仕事の付加価値を生み出していれば報酬を受け取る資格はある
- 自分から求めて行動して相手に認識してもらう
他にも知りたいかたはこちら、
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思考
【確証バイアス】
以前から持っていた考えを裏付ける情報を好んで選択しようとする
【フューチャーセルフ】
視覚化された未来の自分。
人はよく未来の自分に感情移入し、長期的に恩恵が得られるような投資を行う。
【システム1(速い思考)・システム2(遅い思考)】
素早く直感的に、無意識に行うのがシステム1
慎重に決断したり、熟慮するのがシステム2
【ベン・フランクリン効果】
他人に恩恵を施した人は、次回も同じ相手に恩恵を施す可能性が高い。
他人から恩恵を施されるよりも、その効果がでかい。
【フレーミング効果】
ある情報や選択肢を、プラス面とマイナス面の両方に焦点を合わせて伝えるかによって、伝わるイメージの違いが生じる
【即時コストと即時恩恵の配分調整】
日々活動するためにかける時間はいま発生するコストだが、恩恵は遠い将来にしか得られない。
活動をやり通すためにアメとムチを用意して、長期コスト・ベネフィットも今感じられるように調整。
【自身を育む】
自信をつけることは簡単だと認識。
いざ困難な作業に取り組むときは、自分の能力に対する不安は一時的な感情なため、キャリア形成の過程で消える
【時間の見積もりは1.5倍以上】
スケジュール表での作業は、考えている1.5倍に修正。
【キャリア形成ゴールに立ち返る】
定期的に時間をとり、振り返りを行う。
プロセスの大切さを自覚すれば、活動を続けようとする意識も高まる。
【意義はモチベーション】
理想的な自分がしている仕事を明確にして、折に触れて思い返せばモチベーションを維持できる
【成果を測定】
活動内容を定期的に事後評価して、活動を妨げる障壁を突き止める。
【運と努力の分類】
作業の進捗や結果は、自分がコントロールできるところかできないところを検証。
自分の決断が成果につながった局面や、自分のコントロールが及ばない要因が結果を出したのか明確に。
【感情でなく合理的に】
キャリア形成に重大な影響を及ぼす判断は必ず冷静な時に。
【オール・オア・ナッシングでない】
作業量はToDoでなく、大量・普通量・少量に分類し、その日のエネルギー量に見合ったレベルで妥協してこなす。
【毎週の計画に罰を組み込む】
小さなアメとムチで原動力にならなければ、出来なかった場合のコストを今負担する。
コミットメントデバイスで、お金や同等の価値を持つものを失う危険性を認識。
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