この記事はこんな人におすすめ
- 原因を見つけたが、原因が大きすぎて自分では解決方法が思い浮かばない
- 因果関係を考えろと言われても、どういう視点で考えればいいかわからない
- トラブルシュータ―になりたいけど、どういう思考をすればいいか悩んでいる
情報はどんな視点でみるかが大切です
頭の中で情報を整理しようとするとき、どうやって考えていいかわからなくなります。
ビジネスシーンでは、「課題解決」は山積みであり、常日頃からこの問題は付きまとっています。
因果関係で考えることは、課題解決の基本ですが、原因と結果の結び付け方によっては、かえって悪化しますので、丁寧に考えていきましょう。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
例えば、お客様から次のようなクレームがきたとします。
「お願いしていた試作品が納期に来なかった。それと、遅れるという連絡もなかった。お互いの信頼関係にも影響があるので、今後改善してほしい」
このようなクレームがあったら、まずはなぜ試作品の納入が遅れたのかと、なぜ連絡しなかったのかを探しくていくでしょう。
すると、次のような意見が出てくると思います。
「試作品の配送依頼がこないので、配送しようがない」
「最後に試作品の確認をしてもらおうと思ったが、上司が出張でいなかった」
「最終仕上げで試作品をお客さんに確認してもらっていたが、返事がこなかった」
「出張前に試作品最終確認をしたかったが、その日までに試作品ができてなかった」
「試作品の最終仕上げに予想以上に時間がかかった」
と、色々とこえがあった場合、どのように改善策を考えるでしょうか。
そもそも、これらの声をどのように整理すればいいでしょうか。
このような場合は、出ていいる声を関連づけてみましょう。
関連付けるのは「原因と結果」という観点です。
すると、大元の原因になっているのは、次の4つだとわかってきます。
①誰も発送が遅れることを共有していない
②確認の方法を共有していない
③この業務を統括する人が明確でない
④顧客への確認に手間取る
職場ではよくあるミスですね
組織としてのリカバリー力も試されるシーンです
仕事をしていると、いろいろな問題や事情が絡みあい、身動きが取れなくなります。
それがクレームにつながると目も当てられなくなります。
クレーム対応をしていると、別のクレームが入って・・と、その状況が繰り返されることもあります。
このような場合は、トラブルやトラブルに起因した事態を全てつなげてみることが有効です。
つまり、因果関係を考え、大元の原因をみつけて対処していくということです。
ビジネスでは、どれが原因かを簡単に判断することはできません。
誤った原因で捉え、誤った結果を出してしまうこともあります。
①時間的順序
原因が先で、結果が後が基本。「〇が起きたから×が起きた」と考えてみる。
例:「コミュニケーションが悪化したから、職場の雰囲気が悪くなった」
「職場の雰囲気が悪くなったからコミュニケーションが悪化した」
→ビッグワード(抽象的で様々な解釈ができる言葉)で因果関係が存在するかのように、安易につなげていないか、という点に注意する。
②相関関係
一方が変わればもう一方も変わる関係。過去の実績(事実)から推測する。
例:「他店でも営業所に人員増員したから、売上高も改善したので、当店でも行う」
→表面的に気づいた傾向は、他のデータでも同様なのかをチェックする。
③第三因子
相関関係はあっても因果関係はないく、2つの事象両方の原因になっているもの。
2つの事象の間に相関関係、因果関係があると錯覚しやすくなる。
→物事は単純に1対1の原因と結果ではつながってなく、他の原因もないか視野を広げる。
このときに注目したいのが、現実感です。
一見関係なさそうな2つの意外な関係がありそうとわかると、「新しい発見をした」と興奮します。
そこで、「現実としてこれは原因になるか」と振り返ってみることが、因果関係のチェックのポイントです。
原因がわからないのは、掘り下げ方が間違っていることもありますね
「こう考えれば解決できる」と、バイアスには気を付けましょう。
何か問題が起きたら「なぜ?」と問いかけることは重要です。
よく、「何故は5回繰り返す」と耳にすることもあるでしょう。
1回だけの問いかけでは、改善策も表面的なものになりがちです。
なぜ、という問いかけは、問題の深堀をできるいい質問になるため、そして丁寧に考えることにもつながります。
例えば、発注処理をしていたところ、急いで行ったため、ミスが出たとします。
ここで何故を使うと
なぜ急いで発注処理をするとミスが増えるのか
→本人のスキル不足or書式が急ぐとミスしやすいもの
→書式に重要項目がはっきりわからないフォーマット
→なら、フォーマットを変え、見えやすい様式に改善する
解決方法が精神論だった場合は危険信号ですね
営業で成績がでないのも、何故と問いかけてみましょう
改善策を考えるための原因探しは大切ですが、この作業は大変で案外うまくいきません。
それは、原因は1つでなく、複数ある場合があるからです。
そこで、考えられる要因をまずは幅広く洗い出してみることが大切です。
①いきなり個別具体的な原因にいかない
いきなり具体的な原因を考えると、様々な要因が思いつき収集がつかなくなり、ヌケモレも出てくる
②視点を統一する
例えば、会議が時間通り始まらない問題があったとしますが、会議は通常様々な立場の人が出席します。
すると、その様々な立場の人の意見を集めると、同じ原因でも見方が違うだけで異なる原因のようにみえて収集がつかなくなりやすいです。
視点を統一することで、原因をうまく整理することができます。
雑多に見える原因も、すっきりとし、より幅広く原因を探ることができます。
因果関係でつなげるための材料が出そろったら、この材料をつかって構造図をつくってみましょう。
収集した情報レベルで、まず構造化をしてみる
(この段階では厳密さは求めない)
↓
丁寧に関連付ける
(分解/ヌケモレを埋めてい)
↓
因果関係の強そうなところを強調する
構造図を作る場合、2つの方法があります。
1つ目は、問題となっている事象に、「なぜ?」をつかって掘り下げたり、幅広く要因を上げていく方法。
2つ目は、問題となる事象を上げるのでなく、幅広く情報を集めて結び付けていく方法。
①手元にある情報のレベルで関連づける
多少の飛躍があっても構わないので、入手できた情報をつなげてみて、仮の構造図をつくる
②丁寧に関連付ける
仮の構造図をみて改善したい点があればそれを補う。
補ったものが事実かどうかの確認も必要。
③因果関係の強そうなところを強調
細かくなりすぎて一覧できそうでなければ、特に重要な部分(因果関係が強い)にフォーカスする。
情報の可視化というやつですね
強調することで、原因がわかりやすいですね
原因をつかむのは大切ですが、それが本当に役立つことがあるのかというと、上手くいかないこともあります。
原因を探ってみたら、一般論に落ち着いたというケースです。
どんなトラブルも、「原因を探ってみたら、自分たちの意識が低いから」という結論になってしまっては、原因を探る意味もありません。
さらに一般論を拡大解釈すると「日本経済の不調」「海外事情が原因」になり、自分たちではどうすることもできない理由を述べているだけになります。
もちろん、原因の一因ではありますが、「なら、日本経済の不調を改善するため、私が選挙に立候補して改善する政策を立てます」というのも、現実的ではありません。
原因を探っていったら、特定の個人に行きついてしまうというケースです。
個人攻撃になってしまうと、その後は気まずい雰囲気になるのは目に見えています。
同じ人がよくミスをする場合、個人が原因というよりも、その個人が働く環境が要因であることが多いです。
直接個人を責め立てるのは、よほどの事情がない限り控えておきましょう。
原因を探る場合は、次回に生産的になることが求められます。
そのためには、「なぜ?」だけではなく、もう一歩進む必要があります。
社会を原因にしても、一個人の原因ばかりにしても進展はなさそうですね
いずれも、自分たちは悪くないみたいな考え方になりますね
「なぜ?」という質問は、繰り返すことで本質にたどり着くことができます。
しかし、本質的な原因にたどりついたとしても、それが意味のあるものかどうかは別の話しです。
少なくとも、ビジネスシーンでは自分の抱える問題を解決するのが目的です。
そんな時に、本質をついたことであっても、目的と不一致であれば、その原因にはなんら意味がありません。
「なぜ?」という問いかけには、しっかりとガイド(目的)をつけておくといいでしょう。
仕事の現場では、問題が起きる原因は様々です。
中には自分たちとは無関係なこともあります。
また、「なぜ?」という質問は、圧迫感を与えます。
特に、相手がいる場合だと、相手は詰問されているような印象を受けやすいので、あまり乱発していると関わりたくないと思われてしまいます。
「なぜ?」という質問は、乱発せずに必要最低限の使用に留めておきましょう。
「なぜ?」は自問するならいくらでも使いますけどね
使いどころが肝心ですね
因果関係でつなげていく際にきをつけたいのが、丁寧に関連付けることです。
大雑把に「これとこれがつながりそう」とつなげてしまうと、ヌケやモレの原因になります。
「〇〇だから〇〇になった」と表現して違和感がないかを意識することが必要です。
ダメな例
①ライバル会社が新商品を発表した。
②だから当社の売上が減少した。
丁寧な例
①ライバル会社が新商品を発表した。
②しかし、当社は何も手を打たなかった。
③当社の主力商品のシェアが低下した。
④だから当社の売り上げが減少した。
丁寧に考えるポイントは、次の2点です。
1つめは、2つの間に何かあるかに注意することです。
上記の丁寧な例でいうと、③のことです。
2つめは、その結果になるために他の原因は必要ないかに注意することです。
他の原因がないと成立しないのでは、という目線をもつことです。
上記の丁寧な例でいうと、②のことです。
考えが飛躍しすぎているということですね
いわゆる、ロジカルシンキングをつかっていくということですね
原因を考えるていく際に陥りがちなのが、ネガティブなものだけを見てしまう事です。
色々な事実をあげた後、ポジティブなものとネガティブなものに分類して、ネガティブなものだけをつなげようとすることです。
ある事実が、ポジティブなものかネガティブなものかは、その人の判断一つで変わってしまいます。
言ってみれば、よかれと思ってやったことが裏目に出た、という状況になります。
構造図を使って考えていく場合は、ポジティブな事実も加えて、それが原因と結果の要因になっている可能性もあると認識しましょう。
課題と聞くとネガティブな印象に囚われがちです
ある状況の全体像を「システム」としてとらえ、それがどのように変化するのかを示す、という考え方もあります。
システム思考では、「ストック(蓄積)」と「フロー(流れ)」に分けて考えます。
例えば、お店にある商品在庫というストックは、仕入れ(インフロー)と販売(アウトフロー)のフローという差分が生まれます。
システム思考では、フローで変化があれば、その結果はいろいろな形でフィードバックされます。
お店にある商品在庫だと、販売が増えればそのフィードバックで在庫の減少という形で、ストックに影響を与えます。
このままでは在庫がなくなるので、仕入れを増やすというフィードバックがなされます。
システム思考でとらえたい対象は、木本お大きなものが多いため、フローがストックに与える影響やフィードバックがもたらされる影響には時間的なズレがでます。
システム思考は、システムに関わる関係者が、自分たちの振る舞いは長期的にどのような影響をもたらすのかを確認するのに役立ちます。
そのため、より関係者の多い大規模なテーマで活用すると、関係者ひとりひとりが自分たちの振る舞いがどのような影響を及ぼしているかをつかめ、改善策をうつ必要があると認識できます。
システム思考は複雑な考え方ですね
この場では、こんな方法があるくらいの認識で大丈夫です
頭の中を整理すると言っても、どう整理していいか分からない人は多いと思います。
そういう時は、一度紙に書き出して、目に見える状態にするのもいいでしょう。
DX化で紙を使わない時代になっていますが、「考える」ことを最大限に活かせば、それ以上の生産性は引き出せます。
思考についてのまとめです。
- 物事を因果関係で考えてつなげていく
- 「なぜ?」という質問で、問題の深堀をしていく
- 原因は1つでない場合が多い
- 構造図を使って、原因と結果の流れを作ってみる
- 社会全体が原因であると決めつけない
- 特定の個人が原因と責め立てない
- 大雑把に関連付けないで、丁寧に関連付けていく
- ポジティブな要因も、原因の一つになり得る
関係ページのタグです。
気になる方はどうぞ!!
本シリーズのタグ
思考
こちらにも参加しています↓