この記事はこんな人におすすめ
- 仕事に取り組んでいるけど、臨機応変な対応ができない
- チームとして働きたいけど、上手くできずに悩んでいる
- 部下(上司)が厳しく、仕事がスムーズに進まない
人が働く環境で動きを変えましょう
仕事を進めていくことは、戦場で戦うような動きに似ています。
約2,500年前に書かれた「孫子の兵法書」は戦術についても記されていますが、これは仕事にも当てはめることができます。
実際に行動するのは人間ですから、そこには感情が付きまといます。
仕事が上手くいかない、質問攻めにあっている、もしかしたらそれは人間関係からくるからかもしれません。
組織として力を発揮するためには、どんな場面でも対人スキルは重要です。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
古(いにしえ)の善(よ)く兵を用うる者は、能(よ)く敵人(てきじん)をして前後相い及ばず、衆寡(しゅうか)相い恃(たの)まず、貴賎(きせん)相い救わず、上下相い扶(たす)けざらしむ。
〇現代で言うと・・・
内なる敵に備える
要約
昔から戦上手な戦い方は、敵の前衛と後衛の連携を断つ。
大部隊と小部隊が協力し合わないようにする。
身分の高い者と低い者(上司と部下)が支援し合わないようにした。
孫子のいた時代から昔からというのも変ですが、孫子は「昔から戦いが上手い人は、相手の内部を弱らせ、組織力を弱体化させてから攻撃をしかける」と説明しています。
チームとして一体感がなく、みながバラバラに動いては勝てるものも勝てなくなります。
スポーツでも、個々の能力が高くても、連携が活かしきれてなければそこが弱点になり、攻められればひとたまりもありません。
組織は強力な力を生み出す反面、協力しないと成果をだすことすらかないません。
ビジネスでチームの連携が大事なのは、団体競技していイメージできやすいですね
当たり前だけど、ビジネスだと出来てないチームも多いです
呉人(ごひと)と越人(えつひと)の相い悪(にく)むも、其の舟を同じうして済(わた)り、風に遇(あ)うに当たりては、其の相い救うこと左右の手の如し
〇現代で言うと・・・
共通の敵対関係がいれば、ライバルとも手を組める。呉越同舟。
要約
呉の人と越の人は互いに憎み合う関係である。
しかし、同じ船に乗って河を渡ろうとしたときに、嵐に遭遇する。
すると、左右の手のように連携して助け合う。
共通の目標がある場合、それを達成せざるを得ない状況になれば、人はそのように動くということです。
逆に言えば、そうせざるを得ない状況に人を置けば、やる気になって行動するようになります。
多くの企業で、社内運動会などのイベントを取り入れているのは、チームとして互いに競わせることで、日ごろ協力し合えない関係でも協力させることができるからです。
なんとなく会話が少ない、なんとなく関係が進まない人同士が同じチームになれば、共通の目標を達成するために距離感が縮まり、仲良くなるという事もあります。
もう少し身近に言うと、飲み会が当たるでしょう。
チームを結束するための飲み会であるならば参加するメリットはありますが、酒飲みがメインであれば、あまり意味はないかもですね
互いに気を使う飲み会なんて嫌ですけどね
懇親会と言う名の酒飲み会もあるので注意ですね
卒を視ること嬰児(えいじ)の如し。故に之と深谿(しんけい)にも赴く可し。卒を視ること愛子(あいし)の如し。故に之と俱(とも)に死す可し。
〇現代で言うと・・・
人は自分を褒めてくれるに人のために尽くす
要約
将が兵を視る視線は、赤ん坊や我が子を見るようみている。
だからこそ、兵をいざという時は危険な深い谷底にも率いていくことができる。
さらに、将とともに死を覚悟して戦いに臨むことができる。
部下への関心や愛情は日ごろから伝えていなければ、いざという時に部下は働いてくれません。
兵たちに人権なんてものがなかった時代に、このように孫子は指摘したというわけです。
現代でも、心理学研究により、人は自分の存在を認められたいという欲求があります。
その欲求が満たされなければ、問題行動にもつながったり、心の病を患ったりもします。
ビジネスであれば、上司は部下に関心を示し、コミュニケーションをとることです。
関心を持っても、相手に伝わっていなければ意味がありません。
思っていること、考えていること以外に、実際に伝えないと、相談やいざという時に動くことはないでしょう。
相手の存在や価値を認めて、伝えることまでするということですね
1回だけではなく、大事な事なので何回もいいましょう
之(これ)を往(ゆ)く所無きに投ずれば、諸(しょ)・劌(かい)の勇(ゆう)なり。
〇現代で言うと・・・
やるしかないとわかれば、人は勇者になれる。背水の陣。
要約
兵士たちを逃げ場のない窮地に投入する。
するとみんなが(勇者として有名な)専諸(せんしょ)や曹劌(そうかい)のように勇敢に戦うようになる。
逃げ場のない絶体絶命の状況におかれたら、誰しも決死の覚悟となり、勇者になれます。
背水の陣は、漢の韓信(かんしん)が超と戦った際に、川を背にして退却できないように布陣したことで、不利な状況を活用して勝利したという故事成語です。
孫子の時代も、兵の大部分はしぶしぶ借り出された農民兵であり、戦意がとても低かったそうです。
いつ逃げ出すか分からないため、いっそのこと逃げ場をなくして覚悟を決めさせたわけです。
現代においても、ぶらさがり社員やしぶしぶ働いている人もいるでしょう。
こういう人は、背水の陣に追い込んでやると、実力を発揮できるかもしれません。
他に手段がなく、やるしかない状況になれば集中することができます。
逆に気を張り続ける状況になるんですね
絶体絶命の状況が続けば心が折れるので、使うのは時折にしましょう
主は怒りを以(もっ)て師を興(おこ)す可(べ)からず。将は慍(いきどお)りを以て戦いを致(いた)す可からず。
〇現代で言うと・・・
感情的にまかせて軽はずみな行動や言動はしない
要約
リーダーは、一時の感情的な怒りで戦いをしてはいけない。
将は、憤怒に任せて戦いを始めてはいけない。
個人的な感情で戦いをしてはなりません。
怒りの感情はやがて収まって喜びに変わる可能性もありますし、一時の怒りもそのうち爽快な気分に変わります。
ですが、1度国が亡べば、立て直すことはできず、亡くなった人を生き返らせることはできません。
多くの人の命運を左右する責任者が、軽はずみな行動をするのは非常に危険です。
ビジネスは、会社は倒産しても、再び別の会社を作り直すことができますが、メンタル面では傷が残ります。
そもそも、社長が感情的になって仕事をしても、どんなビジネスも上手くいくことはないでしょう。
始めるきっかけは感情的でもいいですが、仕事は冷静に
どうしても感情的になるなら、運動するといいですね
始めは処女の如(ごと)くにして、敵人、戸を開くや、後は脱兎(だっと)の如くす。敵、拒(ふせ)ぐに及ばず。
〇現代で言うと・・・
謙虚にふるまい、余計な敵を作らない
要約
始めは大人しい少女のように慎重な姿勢をする。
相手が油断して隙を見せたら、逃げるウサギのように機敏に動く。
そうすれば相手は防ぎようもない。
最初はしおらしくしておいて、相手が油断するように仕向けて、警戒を甘くさせる。
相手が油断したら、一気に城内へなだれ込むイメージ。
ビジネスでも、最初からライバルと敵対関係になるのではなく、どこの会社とも仲良くしておくことが得策です。
その間に、いつでも機敏に動けるように準備して機会をうかがっておく姿勢でいましょう。
あいさつにきた人が低姿勢だったら、心を許したくなりますね
笑顔で対応は必要ですが、腹のうちは読まれないように
社会では否応なしに誰かとコミュニケーションをとる必要があります。
自分が優位になろうと考えていては、いい関係性を築くことはできません。
これは、フリーランスでも会社員でも、根本的な働き方の1つです。
孫子の兵法書から気づくことのまとめです。
- まずチームとしての体制を整える
- 共通の目標が明確ならば、手を取って協力できる
- 部下や上司を動かすには、普段からの付き合いが必要
- やるしかない状況であれば動き出せる
- 感情的な行動は危険をさらす行為
- ライバルでも謙虚な姿勢で敵対関係を作らない
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