この記事はこんな人におすすめ
- 考えているけど、何も思い浮かばずに悩んでいる
- 仕事のすすめ方を学びたいけど、何を参考にしたらいいかわからない
- 俯瞰してみろとか言われてもよくわからない
色々な角度や高さを変えながら視ましょう
事務処理方法はワンパターンでいいですが、仕事のすすめ方の持ち駒が多いほうがいいです。
通常、仕事をする場合は仕事の本質を理解して進めますが、型にはめてしまっては新しい発想はでません。
ゼロベースで考えるには、高さや角度、方向を変え色んな視点で視てみましょう。
約2,500年前の兵法書にも、同じようなことが書かれていますので、先人の知恵を拝借して仕事にとりくんでみましょう。
なじみ深い「風林火山」も、そんな孫子の兵法書から来ている1つです。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
目次
- 知者の虜は必ず利害を雑う(九変篇)
- 鳥の起つ者は、伏なり。獣の駭く者は、覆なり(行軍篇)
- 用兵の法は、十なれば則ち之を囲む(謀攻篇)
- 上兵は謀を伐つ(謀攻篇)
- 彼を知り己を知らば、百戦殆うからず(謀攻篇)
- 我は専まりて一と為り、敵は分かれて十と為らば、十を以て其の一を攻むるなり(虚実篇)
- 兵の形は水に象る(虚実篇)
- 千里を行きて労せざる者は、無人の地を行けばなり(虚実篇)
- 用兵の法は、その来たらざるを恃むこと無く吾が以て待つこと有るを恃むなり(九変篇)
- 昔の善く戦う者は、先ず勝つ可からるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ(形篇)
- 百戦百勝は、善の善なる者に非ざるなり(謀攻篇)
- 勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む(形篇)
- 勝者の民を戦わしむるや、積水を千仭の谿に決するが若き者は、形なり(形篇)
- 戦いの地を知り、戦いの日を知らば、千里なるも戦うべし(虚実篇)
- 其の疾きこと風の如く、其の静かなること林の如く(軍争篇)
- 金鼓・旌旗は人の耳目を一にする所以なり(軍争篇)
- まとめ・個人的所感
知者(ちしゃ)の虜(おもんばかり)は必ず利害を雑(まじ)うれば、而(すなわ)ち務(つとめ)めは信(まこと)なる可(べ)し。害に雑(まじ)うれば、而(すなわ)ち患(うれ)いは解(と)く可(べ)し。
〇現代で言うと・・・
物事は一方向からだけで見ないこと
要約
知将が物事を考えて判断する時は、必ず利害を合わせて熟慮する。
有利なことにもその不利な面を合わせて考えるから、成し遂げようとすることがその通りに動く。
不利なことに対してもその利点を考えるから心配事は解消し、困難を乗り越えられる。
物事には必ずプラス面とマイナス面があり、どちらか一方だけではありません。
有利な状態にあってもそれに慢心せず、その裏の不利なことも起こり得ると考えます。
そうして慎重に物事を進めることで、ビジネスが信じた通りに動きます。
逆に、厳しい状況に置かれたとしても、それをプラスに転じる方法を考えます。
前向きにとらえることで、あきらめてしまうのでなく、問題を解決していくことができます。
ピンチはチャンス!に似ていますね
経験が加われば、即決即断ができるようになります
鳥の起(た)つ者は、伏(ふく)なり。獣の駭(おどろ)く者は、覆(ふう)なり。塵(ちり)高くして鋭(するど)き者は、車(しゃ)の来(きた)るなり。
〇現代で言うと・・・
ちょっとした変化を見逃さず、その先を読む
要約
鳥が飛び立つのは伏兵がいるのを示している。
けものが驚いて走り出すのは、敵の奇襲があることを示している。
砂塵(さじん)が高く舞い上がり、その先が尖っている場合は、戦車部隊が進撃して来ている。
相手の動きの予兆を掴むのは大切です。
鳥や獣の動きだけでなく、樹木がザワザワと動いたら相手が近づいてきている、水汲みの兵がまず自分から飲もうとするのは渇きに苦しんでいる。
かなり細かく色々な例を挙げて、相手の動きや状態のつかみ方を知るのが大切です。
ビジネスの場合、些細な変化をつかみ、そこから予測される次の動きに備えましょう。
仕事仲間が最近声色が変わっている、後輩の業務を覚えて成績が伸びだした。
そこから先、いったいどうなるのかを考えれば、次の行動に移しやすくなります。
後輩が育つ→些細な仕事を任せられる→重要な仕事に取り掛かれる、という図式になりますね
マーケティングや営業担当は敏感でありたいところです
用兵の法は、十なれば則ち之を囲む。五なれば則ち之を攻む。倍すれば則ち之を分かつ。敵すれば則ち能(よ)く之と戦う。少なければ則ち能(よ)く之を逃(のが)る。若(し)かざれば則ち能(よ)く之を避(さ)く。故に小敵(しょうてき)の堅(けん)なるは大敵(たいてき)の擒(とりこ)なり。
〇現代で言うと・・・
撤退する勇気も必要
要約
軍隊を運用する時の原則として、自軍が相手の10倍の戦力なら包囲する。
5倍であれば攻撃し、2倍ならば分断し、互角であれば必死に戦う。
自軍の兵力が相手より少なければ退却し、全く及ばなければ衝突を回避する。
小兵なのに無理をして挑んでも、敵の餌食になるだけである。
相手と自分の兵力を客観的にみて、確実に勝てる戦い方をすべきであり、兵力が劣っていたり勝ち目がなければ撤退することも必要です。
現代ビジネスも会社同士での競合シーンが多く、勝ちたい場面が多いです。
孫子の時代は敗ければ命を失いますが、現代ではそこまでいかないかもしれませんが、精神的にも経済的にも辛くなる可能性が高いです。
戦う前から逃げることを考えるのは悪くなく、むしろ「当たって砕けろ」の特攻的考えは非常に危険です。
精神論で戦うのではなく、規模が小さければ小さいなりの競合方法を考えればいいのです。
大には大なりの弱点もありますので、そこを見極めてから行動しても遅くはありません。
私の先輩も当たって砕けて精神病んでそのまま退職していましたね
ビジネスはスピードが命ですが、精度も高いことが必要です
上兵は謀(はかりごと)を伐(う)つ。其の次は交(まじわり)を伐(う)つ。其の次は兵を伐(う)つ。其の下は城を攻(せ)む。
〇現代で言うと・・・
戦う前には相手を封じ込めることから考える
要約
最上の戦い方は、相手の謀略を読んで無力化すること。
その次は相手の同盟や友好関係を断ち切り孤立させる。
それができなければ相手と戦うが、その際にNGなのが相手の城を攻めること。
相手と競合する前にはやることがあります。
それができるからして戦わずして勝つことにつながります。
相手の意図や狙いをつかんで、その作戦を意味のないものにすることができれば、相手は戦いをあきらめるかもしれません。
相手の友好関係や資源を調べ、その協力関係を断ち切ることができれば、相手は戦いをあきらめるかもしれません。
また、「敵の敵は味方」とも言え、上手くいけば相手を包囲することもできるかもしれません。
このように、競合して戦う前にはやることが多く、備える準備はたくさんあります。
どうしても戦わなければならない時は戦うのですが、その際は、相手が得意としている分野=守りを固めている城を攻めるのは得策でないです。
事前調査は大切ということですね
ビジネスでは、競合相手を収入源にしてしまう方法もありますね
彼を知り己を知らば、百戦殆(あや)うからず。彼を知らずして己を知らば、一勝一負(いっしょういっぷ)す。彼を知らず己をしらざれば、戦う毎(ごと)に必ず殆(あや)うし。
〇現代で言うと・・・
相手との力関係を冷静に見極める
要約
相手の実情や実態を知って、自分の状況や実態を知っていれば、何度戦っても危険な状態にはならない。
相手の実情を把握せず、自分の実情だけ知っていれば、五分五分の勝敗になる。
相手のことも自分のこともわからずに戦えば、必ず危険性が出る。
相手と味方の兵力(経済力や人的資本等)を冷静かつ客観的に判断すると、3つの状況に分けられます。
相手のことも自分のこともよく知っていれば、仮に勝ち目がなくても撤退するのもありですので敗けることはありません。
自分のことだけわかっている状態だと、言わば普通の状態であり、勝ったり負けたりとなります。
自分のことも相手のこともわかっていないのは、非常に危険な状態です。
大切なのは、競う前から情報を掴み、相手の作戦もつかんでおくことです。
競い相手は何も会社だけではなく、顧客に対しても同じことが言えます。
現在はいかに消費者の需要と供給がどうなっているのかが重要です。
たとえ、すごくいい商品を作ったとしても、買い手がいなければ商売に成功したとは言えないでしょう。
自分自身、会社のこと、知らない人も多そうですね
情報はいつの時代も大切だと言うことです
我は専(あつ)まりて一と為(な)り、敵は分かれて十と為(な)らば、十を以(もっ)て其の一を攻(せ)むるなり。
〇現代で言うと・・・
相手が大きくても分散させれば勝てる
要約
我が軍は兵を一点に集中させる。
相手は分散して10の部隊に分かれている。
そうすれば、相手の10倍の戦力(自分の10分の1の戦力)で攻めることができる。
一点集中型の競い方ですが、得意分野のみにフォーカスし、相手が多方面に展開していたら、こちらの得意分野では有利に競えます。
もし、もともと同規模の相手であれば、相手は分散すればするほど、こちらは一転集中で各個競合ができるわけです。
相手が大規模であったとしても、分散範囲が広かったりすれば、こちらの得意なエリアでは競えるのです。
いわば、大企業と中小企業のような関係で、ローカルにはローカル的な戦略があるのです。
ただし、あくまでも得意な分野にフォーカスした場合なので、こちらも分散してしまえば競合力は減っていきます。
フリーランスにはフリーランスの戦略があるということですね
自分の得意を活かせないフリーランスは、稼げないという事です
兵の形は水に象(かたど)る。水の行(こう)は高きを避けて下(ひく)きに走る。兵の勝(かち)は実(じつ)を避けて虚を撃つ。
〇現代で言うと・・・
水のように柔軟に戦い方を変える
要約
軍の形は水にとたえることができる。
水は高いところを避けて、低いところへと流れる。
軍も相手の兵力が充実した地を避けて、手薄になっている地を攻めることで勝利できる。
孫子は戦い方には決まった形がないと言っています。
形がなければ相手から動きを読まれることがないからです。
相手の動きや人数を見極めが大切なのは、反対から見ればこちらの動きや意図を読まれないことも大切という事です。
ワンパターンな戦い方をしていれば、相手に簡単に読まれます。
無形の象徴として「水」があります。
マンガ「鬼滅の刃」にも登場する「水の呼吸」も決まった形がなく、その場の地形ごとに戦いを変えられる型です。
ビジネスもそうですが、球技や対戦ゲームも同じ攻め方では勝ち続けられないのは、そういうことです。
仕事はパターン化しますが、戦略は無形にということですね
得意な形はあっても、それをワンパターンに使わないようにしましょう
千里(せんり)を行きて労(ろう)せざる者は、無人(むじん)の地を行けばなり。攻めて必ず取る者は、其の守らざる所を攻むればなり。
〇現代で言うと・・・
敵のいないところを狙う
要約
千里もの長距離を遠征しても疲労が少ないのは、敵のいないところを進むから。
攻撃すれば必ず奪取できるのは、敵が防御していないところを攻めているからである。
当たり前に勝てるようにするのも大切です。
ビジネスだと、差別化戦略、オンリーワン戦略、ニッチ戦略と言い換えれば伝わりやすいですね。
大企業の場合、手間暇かけた商品は採算に見合わない可能性がありますが、中小企業の場合はそこそこな売り上げになり得ます。
相手がやりたがらないところで戦えば、自ずと勝ちやすくなります。
当たり前なことを意図的に作り出すことに意味があり、それをうまくできると結果もでますね。
ハンドメイド作品は、個人と相性がいいということですね
誰もいないところを攻めて旗を立てましょう
用兵の法は、その来たらざるを恃(たの)むこと無く吾(わ)が以(もっ)て待つこと有るを恃(たの)むなり。
現代で言うと・・・
備えておけば万が一のことが起きても心配事はない
要約
用兵の原則は、憶測を当てにするのではない。
相手がいつやってきてもよいだけの備えがあることを頼みにする。
敵がいつせめてくるかといつもビクビクしているようでは、そもそも話にならない。
しかし、「きっと攻めてこないだろう」と根拠のない楽観的な憶測で心の平穏を求めているのも、勝てる戦いにならない。
「これだけ準備したんだから、いつなにが起こっても大丈夫」と言えるだけの備えができて初めて安心できるわけです。
IT化やDX化で将来的にどうなるかわからない業界も多いでしょう。
変化が起こらないことを祈るのではなく、変化が起こってもいいように今のうちに備えておくべきです。
懸念があるなら手を打っておく。
これがどんな時代に変化しても、生き残るビジネスができるのです。
老舗のお店だって、試行錯誤といった備えをしているから今いるんですね
もちろん、備えていてもそれ以上の変化が起きれば生き残れません
昔(いにしえ)の善く戦う者は、先ず勝つ可(べ)からるを為(な)して、以(もっ)て敵の勝つ可きを待つ。勝つ可らざるは己に在(あ)り、勝つ可きは敵に在り。
現代で言うと・・・
勝てるかどうかは敵次第だが、敗ける理由は自分にある。原因自分論。
要約
昔から戦い上手は、まず相手が自分たちを攻撃しても勝てない状況にする。
相手が弱点を露呈し、自分たちが攻撃すれば勝てるようになるのを待ち受ける。
相手に敗けないようにするのは自分でできるが、勝つかどうかは相手によって決まる。
孫子のいた時代から「昔から」と言うのも私たちから見れば違和感がありますが、まず負けないように備えることが大切であるということです。
資材を備えたり、守りを固めることは自分たちの力でできます。
ですが、勝てるかどうかは、相手の出方やその時の状況次第という面が強いです。
ビジネスでも、自社が倒産しないように備えたり、強みを活かして競合に負けない準備をすることは、自社次第でできます。
それを事前にやっておけば、急に景気が悪くなったり取引先が倒産したりしても、耐えることができます。
状況が厳しくなってから対処するのではもう遅いです。
倒産の原因の殆どは、景気の良いときに過剰投資や放漫経営などの原因を作っていたと言われています。
そのうえで、勝てるきっかけを相手が作ってくれるのを待ちます。
勝てる見込みが出るまでは、安易に勝負をしかけてはいけません。
景気が悪い時に動けるのは、普段から備えてあるからですね。
投資中に投資先が暴落することを考えると、守りはやはり肝心ですね
百戦百勝は、善の善なる者に非(あら)ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。
〇現代で言うと・・・
戦わずして勝つことができればベスト(ドメインの機能的定義)
要約
百回戦って百回勝っても、それは最善の策とは言えない。
実際に戦わず、敵を屈服させるのが最善の策である。
百回戦って百回勝つことは理想的だと思いますが、降伏してきた相手が同盟を結ぼうとしてきてくれる方がベストということです。
戦うとなると、勝ったとしても少なからず被害が出ているわけです。
相手にも被害が出ていますし、自分にも被害がある。
そんな中で第三者に攻められたら、ひとたまりもありませんね。
ビジネスでも、競合企業と熾烈(しれつ)な競争をすると、お互いが疲弊することがあります。
価格競争はまさにそうであり、利のない戦いはするべきではありません。
自分のビジネスや商品を機能として考えることがコツです。
牛丼屋だからといって、牛丼を売るのではなく、牛丼を通じて顧客にどういう機能や成果を提供しているかを考えるのです。
もちろん、1つではなく色々考えられますから、独自に決めてみましょう。
ドメインの機能的定義という考え方です。
要は、「本屋でも売るのは本ではなく、エンタメを提供」と考るということです。
何を売るかの軸をずらすということだね
あくまで手法の話しなので、目的を忘れないようにしましょう
勝兵は先ず勝ちて而(しか)る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而(しか)る後に勝を求む。
〇現代で言うと・・・
勝利を確信してから、戦いを始めましょう
要約
勝利を収める軍は、先ず勝利を確定しておき、実現するために戦いを始める。
敗北する軍は、先ず戦いを始めてから、その後に勝利を得ようとする。
勝つ方は、先に勝利が見えていて、勝算があるから、それに基づいて戦いを進めればいいだけです。
しかし敗ける方は、勝つイメージを持たず段取りも決めてないため、戦ってからどうやるかを考え始める。
勝つべくして勝つのは、勝算と、それを実現する段取りが十分できているからです。
イベント開催やプレゼンでも、段取りは大切です。
成功するイメージをして、成功できる段取りをつくっていれば、少なくても大きな失敗にはならないでしょう。
とりあえず始めるというのも悪くないですが、それは成功するための段取りを模索することが重要です。
段取りで仕事の大半の時間を使ってもいいくらいですね
行動力と考え無しの行動を勘違いしないように
勝者の民(たみ)を戦わしむるや、積水(せきすい)を千仭(せんじん)の谿(たに)に決するが若(ごと)き者は、形なり。
〇現代で言うと・・・
勢いづけるには、まずダムを作って力を溜める
要約
戦いに勝利する者は、勢いを作り出すことである。
満々とたたえた水を深い谷底へ決壊させるような勢いを作り出す。
これが、勝利に至る態勢である。
積水とは、ダムのことです。
水を貯めたダムを決壊させたら、一気に水が流れ落ち、すごい勢いを作り出せます。
チョロチョロと流れる水だと、力も弱く大したことはできませんが、大きな水流は想像を超える力を発揮します。
戦いで「戦力の逐次投入」が愚策と言われるのがこのためです。
ビジネスでも、トレンドや売れ筋が大切でありますが、これと同じです。
「売れるものは更に売れる。だから大量投入して売れ筋を作る」ということにつながります。
行列ができているところには、並んでみたくなる心理が働きますが、これとも似ていますね。
現代では、情報・データの蓄積も当てはまります。
取引情報、人やものの移動情報は溜めれば溜めるほど価値が増してきますが、漏洩には気を付けましょう。
小出しにしても、すぐになくなっちゃいますからね
大きな勢いは、すぐに枯渇しやすいのも特徴ですね
戦いの地を知り、戦いの日を知らば、千里(せんり)なるも戦うべし。
〇現代で言うと・・・
ビジネスをデザインして、主体的な計画で動けば主導権をとれる
要約
戦う場所、戦う日時もわかっている状況であれば、遠方でも主導権を以て戦える。
どこで、いつ戦うか分かっていれば、多少遠くても事前の準備も出来るから戦ってもいいということです。
現代ビジネスでも、競合から仕掛けられ、応戦する形になっては、小は大に勝てません。
しかし、小でも、こちらの得意分野、領域、数年後まで見据えて準備していれば十分勝機はあります。
主体的にストーリーを描くことが大切です。
戦わずして勝つドメイン(事業領域)を考えるのも、いつ、どこで戦うかを決めることだと考えればいいでしょう。
ですが、多くの中堅・中小企業は、大企業の後追いや真似が多く、下請け的に仕事をもらいに行こうとすると、主体的な経営や戦略的経営もできません。
ビジネスに限らず、個人のキャリアデザインでも、当てはめられる考え方です。
真似をするにしても、自分の得意分野に昇華させる必要があるんですね
そういった経営で成功している人もいますが、しっかりとビジネスの軸は持っているはずです。
其(そ)の疾(はやき)きこと風の如(ごと)く、其の静かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如く、知り難(がた)きこと陰の如く、動くこと雷震(らいしん)の如し。
〇現代で言うと・・・
スピード感を持ち、相手に傾聴し、行動を起こし、信念をもち、実態を表に出さず、機敏に動く(風林火山陰雷)
要約
動きは風のように敏速に、待機するときは林のように静かにする
侵攻するときは火が燃えるように攻め入り、動かないときは堂々と座す
陰のように表情を出さず相手に情報を与えず、動き出すときは雷のように機敏に動く
日本でも戦国時代の将軍武田信玄が使っていたことで有名な「風林火山」ですね。
現代ビジネスでも、経営でも営業でも当てはめることができます。
風:仕事をするのはスピード感を持ち、ダラダラとしない。
林:自分の主張だけではなく、相手の意見も尊重して聞き入れる。
火:行動力を持って、考えるだけで終わらせない。
山:目的と目標をもって、余計なことはやらない。
陰:相手に内情をペラペラと喋らず情報を集める。
雷:行動に移す際の初動は早めにする。
これは私なりの考えなので、みなさんも自分の仕事の信条に当てはめるのも面白いですね。
時間を起点に考えてもいいですね
PDCAサイクルにも当てはめることができそうですね
軍政に曰(いわ)く、言うも相い聞こえず、故(ゆえ)に金鼓(きんこ)を為る。視(しめ)すも相い見えず、故に旌旗(せいき)を為る。是の故に昼戦(ちゅうせん)に旌旗多く、夜戦(やせん)に金鼓多し。夫(そ)れ、金鼓・旌旗は人の耳目を一(いつ)にする所以(ゆえん)なり。人既に専一なれば、すなわち勇者も独り進むことを得ず。怯者(きょうしゃ)も独り退くことを得ず。此(こ)れ衆(しゅう)を用(もち)うるの法なり。
〇現代で言うと・・・
全員が心を1つにして動くには、目指す先のビジョンが必要
要約
古い兵法書では、口や手では伝わらないので、夜は鉦(かね)・太鼓、昼は旗・幟(のぼり)を使う。
鉦や旗は、兵たちの耳と目を統一して集中させるもの。
大軍を動かす秘訣は、意識を統一することで、勇敢な行動や臆病な行動も制限することができる。
組織を動かすときは、全員の意思統一をすることが重要です。
その時の手段は、時と場合により使い分けても構いません。
手段はなんでもいいですが、自分たちが何者で、何のために、どこを目指しているか、ゴールまでの道筋を共有する必要はあります。
例えば、キーワード・スローガンを用い、視える化をしてパッと見で分かるようにすることも大切です。
組織全体で、「これならできそうだ」と思ってもらえることで、自信につながり組織力が高まります。
もっと単純にいうと、「日本と言えば?=富士山」と一言で表せるようになるといいですね。
私たちは笑顔を届けるのも仕事です
「この会社と言えば?」で相手が答えてくれれば、御の字です。
スポーツや料理もそうですが、先人たちの知恵の積み重ねで今があります。
仕事のすすめ方も、同じように考えられますが本質は見失わないようにしましょう。
孫子の兵法書から気づくことのまとめです。
- 物事は1方向からでなく、複数視点で視る
- 些細な変化を見落とさず、予見して動く
- 手におえないと思ったら手を引くのも勇気
- ライバル企業、同僚のレベルを見極める
- 競合企業が大きすぎれば、分散した手薄なところを攻める
- 得意な分野で柔軟に、集中して戦う
- 備えておけば時代の変化に対応できて生き残れる
- 失敗の原因は自分にある「原因自分論」
- 戦う前から勝敗を決め、犠牲(浪費)を出さないのがベスト
- 段取りが上手くいかなければ、成功は程遠い
- 主体的に動いて主導権を握れば思う通りに動かせる
- 目先のビジョンが明確だと、チームの結束力が高まり生産性がでる
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