この記事はこんな人におすすめ
- 魚が体にいいと聞くけど、いったいどんな効果があるのか知りたい
- タンパク質を摂るため、肉類中心に食べているけど身体の調子が悪くて悩んでいる
- 最近病気になりがち、体調が優れずに悩んでいる
肉と魚は、きのこの山とたけのこの里の戦いと同じくらいのレベルかな・・・
タンパク質を摂取する場合、まずイメージするのは「お肉」だと思いますが、少し思いとどまってください。肉をメインに毎日食べすぎると、体への悪影響が出てきて、次第に炎症を起こすことにつながることは聞いたことがある人もいるかと思います。
一方で、魚は「身体にいい」「頭がよくなる」とよく聞くかと思いますが、肉と魚、それぞれの効果についてお伝えしていきます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
タンパク質をしっかりととることは食事の重要なポイントですが、「何からどれくらい摂るか?」について考える人は少ないのではないでしょうか。
栄養学を学んでいるほとんどの人は、タンパク質は肉、魚、卵、豆などからバランスよく摂ることが重要だと考えています。
もう少し言えば「週の半分は魚を食べる」ことが、さまざまな疾患を防ぐ健康投資にもつながります。
逆に、タンパク質をとろうとするあまり肉食に傾いてしまい、結果、体内に炎症を起こしている人も少なくありません。
適切なタンパク質と体内の炎症の関係、そして魚の効用についてお伝えします。
肉、肉、肉、偏った食事をして恥ずかしくないのか!?
好きなものを食べるのも大切ですが、食事の偏りも気を付けましょう。
体調が優れないとき、検査結果として「炎症を起こしている」と言われることがあります。
炎症とは、細胞が傷つくことで生まれる現象で、炎症のレベルが上がると、あらゆる病気が発症しやすくなります。
炎症が引き起こす代表的なものは、つぎのとおりです。
- 歯周病(歯周炎)
- 関節炎
- 膠原病(こうげんびょう)
- アトピー性皮膚炎
- 肝炎
- 腎炎
- 動脈硬化
- 認知症
- がん
関節炎などは痛みがあるため炎症に気が付くことができますが、慢性的な炎症は自覚症状が少なく、内臓や血管などで炎症が起きた場合には痛みがないために察知こと自体が厳しくなります。
例えば、心臓の血管で炎症が起きていると、やがて狭心症や心筋梗塞を併発する危険性がありますが、それに気が付くこともできません。
これらの炎症を予防するためのポイントは2つあります。
1つ目は、検査で炎症をみつける方法です。
炎症の有無は、血液検査における「高感度CRP」で調べることができます。CRPとは、「C Reactive Protein/C反応性タンパク質」のことで、体のどこかで炎症がおこると増加するタンパク質の一種です。
高感度CRPの至適値(してきち:理想的な値)は0.1%未満です。通常のCRP測定では0.1㎎/dl以下の量は検出できませんが、高感度CRPでは0.001㎎/dlまで測定することができます。
2つ目は、なるべく炎症が起きにくいものを食べて、逆に炎症を起こしやすい食べ物は食べないという防御力を鍛える事です。
炎症を抑える代表的な食べ物としては、魚の油です。意外ですよね。
魚介類は「オメガ3系脂肪酸」と呼ばれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの脂肪酸を豊富に含み、慢性炎症を抑える働きを持つことが知られています。
なので、タンパク質を摂取するなら、週の半分を魚メインにして、残りは鶏、卵、豆を摂るようにしてみましょう。
魚は体にいいとは聞いていましたが、油にも効能があるんですね・・・
肉食に偏ると、炎症物質である「アラキドン酸」が体内で生成されて、体内の炎症が促進されてしまいます。
牛や豚の肉は腸内細菌によって発がん性物質をつくるという報告や、タンパク資源としての肉類の摂取が増えると、特に男性の場合は死亡率の上昇につながるといった報告もあります。
さらに、赤身肉の定期的な摂取が、腸内細菌が消化中に生成する副産物の一つ「TMAO(トリメチルアミンN-オキシド)」の血中レベルを上昇させ、同時に腎機能を低下させると言われています。
この病態は、動脈硬化と心疾患の合併症を引き起こします。
また、消化しきれなかったタンパク質は大腸へと運ばれ、悪玉菌によってアンモニアなどの有害物質に変化します。
アンモニアは腸管から吸収され、肝臓で無害化され、腎臓を通って尿中に排泄される仕組みがありますが、これらの臓器の負担を増やすことにつながります。
あくまでも、肉類を摂るなということではなく、偏った食事でなくバランスよく食べましょうという主旨です。
さばやいわしなどの青魚や鮭には、ビタミンDがとれるという大きなメリットがあります。
ビタミンDには様々な健康効果がありますが、中でも体内の炎症を抑える働きもその一つです。
以前もご紹介しているので、よければこちらもご参照ください。
ビタミンDはビタミンという名前ですが、その実態はホルモンとほぼ同じです。
その化学構造は、「ステロイドホルモン」に似ており、体内の炎症を抑える働きをしています。
その他、ビタミンDの働きは主に次のとおりです。
- 丈夫な骨づくり
- 大腸がん、乳がん等、様々ながんの発症を抑える
- うつ病予防
- 風邪ウイルスへの抵抗力強化
- 鼻水・鼻づまりの反応軽減
- インフルエンザ予防
- etc・・・
と、様々な効果があります。
つまり、特に多忙なビジネスパーソンには欠かせない栄養素の一つです。
毎日遊びほうけるためにも、ビタミンDは欠かさないぞ~♪
とはいえ、魚は食べるのにはひと手間ふた手間がかかり、嫌煙しているひとも多いかと思います。
一人暮らしだと、生の魚をそのまま買うよりかは、缶詰、切り身、刺身など、下処理が必要ないものから選択して購入するようにするなど、工夫してなるべく食卓に出てくるようにしてきましょう。
もし魚が苦手な場合は、サプリメントやプロテインからビタミンDを補給しましょう。
目安としては、1日当たり1000~5000IU(25~125㎍)です。
ちなみに、ビタミンDといえば干しシイタケをイメージする人もいますが、しいたけに豊富なのは「ビタミンD2」であり、人体が必要としているのは「ビタミンD3」です。なので、しいたけでなく、青魚や鮭を食べる必要があるんですね。
また、ビタミンDは紫外線に当たることで皮膚で合成されます。
天気のいい日には20分程度、週3回ほど日に当たるだけでも血中濃度は上がります。
紫外線は悪の化身とも呼ばれていますが、適度な紫外線はアンチエイジングにもつながり、健康には大切なものとなります。
もちろん、紫外線は個々の事情により短い時間でも浴びられない人もいますので、自分に適した日光浴をしましょう。
タンパク質を摂るには、まずどんな食べ物から摂ろうかと考えますが、おすすめしたのは「魚」となります。
一週間の半分は魚にして、あとは肉、卵、豆から摂るようにしてみましょう。
特に、肉食は偏って摂りすぎると、体の炎症を促進してしまいますので、過剰な摂取は禁物です。
また、魚にはDHAやEPA、そしてビタミンDが豊富で、健康にも十分良く、できれば魚の油まで摂取しましょう。
- タンパク質を摂る場合、魚をメインにする
- 肉、卵、豆類は偏らせずに、バランスよく摂取する
- ビジネスパーソンは、ビタミンDを摂取することを心がける
ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。
随時更新していきます。
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