この記事はこんな人におすすめ
- 一覧表の作り方がわからず悩んでいる
- トラブルを解決したいけど、どうしても解決手段が見いだせない
- 場当たり的な対策でなく、具体的な対策をしたいがどうすればいいか悩んでいる
一覧表で可視化しましょう
職場内や学校でトラブル(問題)が起こったときには、何かしらの対策をしなければいけません。
そのためには、その問題の特性を洗い出すのですが、口頭の議論だけで答えを導き出すのは難しいです。
そこで、丁寧に作った一覧表で比較することで、特性を比べてみることで問題解決への糸口へとつなげていきます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
たとえば、仕事でアルバイトやパートを採用していたとしますが、すぐにやめてしまうアルバイトが一定数出ていたとします。
この場合、どんなことで対応すればいいでしょうか。
まずそもそものところで、すぐに辞めてしまうようなアルバイトを採用しないのが一番です。
しかし、どんな人ならすぐ辞めないかは、業種や業務内容によって答えはまちまちです。
そこで、辞めてしまうアルバイトと定着したアルバイトで何が違うのかをみていくことがアプローチの一つです。
①共通点や相違点から意味を見出すための比較をする
一見関連のないデータに共通点があれば、何かあるという意味を見つけることができます。
また、似たようなものの間の相違点が見つかれば、独自の意味を見出せます。例えば、自己紹介で他人とちょっと差をつけたい時に、相違点をみつけて自分の特徴を活かすようなことです。
②比較対象の意識のしかた
定性(量がわからないもの)データを比較する場合、データ集めが難しいので、まずは手元にあるデータ同士で比較していきます。
この際、「比較対象としているデータは分析の目的に沿ってるか」という観点でデータ確認をするのがコツです。
相違点を見つけられる=特徴がわかるということですね
深堀していくと、よくわかります
いろいろなデータや情報から共通点を探し出すのは、単純作業のようにみえます。
しかし、アウトプットにつかえるレベルで共通点や相違点を探り出せている場合は、少ないです。
たとえば、次のパターンはアウトプットにはあまり使えません。
①見た目で判断する
文字情報が主体の場合、ざっと読んだだけで「共通点はこれ」と結論出してしまうことです。
これは、データを比較したよりかは、読んだ印象をもとに比較したような状況です。
こうした結論は、おかしくはないですが、細部の見落としが発生しやすく、アウトプットにつながらないことが多いです。
②データを整理せずに比較
「一次情報は大切だから加工しない」と、元データのままで比較してしまうことです。
元データだと、どれがアウトプットにつなげられるかがハッキリしないので、うまく比較できません。
③ざっくりまとめる
漠然としたレベルでデータを比較すると、分析としては役に立ちません。
ヒアリングすると、全員が同じ意見というのは少ないです。
すると、誰しもが当たり前のように言っているようなこと(給料は高いほうがいい等)でまとめてしまう傾向にあります。
わざわざ、何名もの人に聞いた結果がこれだと、深堀したにしてはお粗末な結果です。
表面上でまとめようとするとダメなんですね
分析は、複雑な事柄を明らかにする意味があります。
それでは、上記のアルバイトの例で、最近退職した4名のアルバイトの状況で当てはめてみます。
各4名はつぎのとおりです。
Aさん:大学1年生の女子。主に日中の時間帯に勤務。勤務地から徒歩15分程度のところに住み、自転車通勤。退職理由は、学業との両立が難しいから。
Bさん:36歳主婦で日中の時間帯に勤務。スーパーのパート経験者だが人間関係の悪化によりアルバイトに応募。勤務地から徒歩30分程度のところに棲み、自転車通勤。退職理由は、時給などの条件面。
Cさん:21歳大学生。勤務地から徒歩10分程度に住み、自転車通勤。日中の時間帯に勤務。退職理由は、過去の飲食店アルバイトと比べて時給が低いから。
Dさん:20歳の男子専門学校生。深夜の時間帯に勤務。勤務地から徒歩10分程度のところに住み、自転車通勤。アルバイト自体未経験。退職理由は、思ったより仕事がきつかったから。
退職するアルバイトの特徴をこれでとらえるため、共通点を探してみましょう。
まずは、共通点や相違点を探る下地をつくります。
具体的には、次の2つを行います。
いきなりデータを比較するのではなく、まずそれぞれのデータにどんな特性があるかをあげ、その特性をベースに比較します。
特性ベースをつくることで、それぞれのデータのどれが比較できそうかをつかむことが可能です。
すると、どこに共通点があるか、どこが違っているかを簡単に、客観的にとらえられます。
いきなり比較しようとすると、どのデータ同士を比べてよいかわからなくなります。
そこで、一覧表をつくって、一見して比較できるようにしておきます。
Aさん | Bさん | Cさん | Dさん | |
年齢 | 18歳 | 36歳 | 21歳 | 20歳 |
性別 | 女性 | 女性 | 男性 | 男性 |
職業 | 大学生 | 主婦 | 大学生 | 専門学生 |
通勤時間 | 15分 | 30分 | 10分 | 10分 |
通勤手段 | 自転車 | 自転車 | 自転車 | 自転車 |
アルバイト経験 | なし | スーパー | 飲食店 | なし |
勤務時間 | 日中 | 日中 | 日中 | 深夜 |
退職理由 | 学業との両立 | 低時給 | 低時給 | 仕事がきつい |
定性データの場合、一概に「優劣」と言い切るのが難しいです。
そこで、一覧表を作り、それぞれのデータを比較できるようにします。
特性を一問一答のレベルまで細かくしておけば、票を作成するのは簡単です。
一覧表を作るときの注意点は2つあります。
ひとつは、一覧表に記載する内容はレベルを合わせることです。
共通点や相違点をみつけるには、レベルを合わせないと探し出すことができませんし、意味がありません。
一覧表の枠だけつくって満足しないようにしましょう。
ふたつめは、一覧表の中にある情報は、少ないほど良いということです。
ひとつ箱に、あれもこれもと書き込んでしまうと、かえって共通点や相違点が見つけづらくなります。
もし少ない情報量で書けない場合は、枠の作り方が甘いということです。
特性をあげて、表をつくるということですね
一覧表は、単語で見比べられるとわかりやすいですね
比較しやすくできていれば、そこから共通点や相違点を探すことには苦労しません。
ただ、比較するだけで満足するのではなく、せっかくなので色々な視点でみるのもいいでしょう。
①全データの共通点から意味を読み取る
データを比較して見出された共通点を洗い出していきます。
この共通点はすべてのデータからいえるので、データ全体から言える傾向になります。
上記のアルバイトの例ですと、「自転車通勤」が共通点ですが、これが原因とは考えづらいです。
全データの共通点から意味のあるものが読み取れるケースは少ないですが、その可能性を全て否定しないように気を付けましょう。
②一部のデータの共通点から意味を読み取る
定性データを比較するるとき、すべてのデータに共通するものが少なかったり、全くない場合があります。
この場合は、さらにデータを分けて共通点を探していきます。
すると、「~という対象では〇〇〇が共通点」という読み取り方が可能になります。
上記のアルバイトの例で分けてみます。
Aさん | Bさん | Cさん | Dさん | |
年齢 | 18歳 | 36歳 | 21歳 | 20歳 |
性別 | 女性 | 女性 | 男性 | 男性 |
職業 | 大学生 | 主婦 | 大学生 | 専門学生 |
通勤時間 | 15分 | 30分 | 10分 | 10分 |
通勤手段 | 自転車 | 自転車 | 自転車 | 自転車 |
アルバイト経験 | なし | スーパー | 飲食店 | なし |
勤務時間 | 日中 | 日中 | 日中 | 深夜 |
退職理由 | 学業との両立 | 低時給 | 低時給 | 仕事がきつい |
すると、アルバイト経験の有無と退職理由に何らかの関係性がありそうに読み取れます。
アルバイト経験者は金銭面が退職理由である一方、未経験者は当初の想定以上の業務負荷であることがわかります。
当然、他の情報も加えて、退職するアルバイトにはどんな特徴があるかさらに深める必要がありますが、このように特徴がわかれば、対応策も具体的に考えることができます。
安易に「時給をあげよう」という対策はしなくなるということですね
今あなたの職場で起きている問題にも当てはめてみてはいかがでしょう
上記のアルバイトの例ですと、退職するアルバイトの特徴についてさらに深めていくには、2つ方法があります。
①さらに情報を集める
さらに多くのアルバイトの情報を集めていきます。
その際には、単に退職したアルバイトの情報を集めるのでなく、現在勤務しているアルバイトの情報も集めてみることです。
そして、退職者と現勤務者の相違点を探し出します。
すると、退職したアルバイト全員に共通していた「自転車通勤」が退職したアルバイトに特有のものかそうでないかが判断できます。
仮に、今も勤務しているアルバイトの多くが自転車通勤なら、自転車通勤の人がすぐに辞めるのはおかしいということがわかります。
逆に、定着したアルバイトが全員徒歩通勤だとしたら、自転車通勤を続けられないような理由があるかもしれません。
共通点を探る場合は、自分が知りたいこと以外についても広げてみると、よりその共通点が適切かを把握できます。
②意外な相違点を捉える
これまでのような流れでデータの共通点を捉えると、データの傾向が見えてきます。
すると、似たようなデータなのに違う特性がある、もしくは、全てのデータで同じ結果なのに一部だけ違う、と言った意外な意味を読み取ることができます。
比べてみる対象を広げてみると意外な結果がでてくるんですね
問題をみつける楽しみがわかってきますね
一覧表自体はよくみかけると思いますが、実際に自分で作ってみると、「なんか変」と思う時があります。
それは、レベル感が違ったり、一部の項目だけ具体的に書きすぎたりが原因です。
比較するには、下地をそろえることが、基本ですね。
思考についてのまとめです。
- 問題が出てきたら、共通点や相違点をみつけることから始める
- ざっくりとまとめたり、感想で終わらせると比較できない
- 問題解決する場合は、特性を洗い出すことをする
- 内容を合わせた一覧表を作って、比較してみる
- 視点を広げて、全データや一部データを深堀していく
- 対象者以外からも情報を集めて、特性が適切か確認する
- 意外な相違点を捉えて、問題解決のヒントにする
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