記憶力がよかったり、要約するのが得意だったり、あるいは説明する力が高かったり。頭のいい人の特徴はこのような人のことを言う人もいます。
しかし、最もたる特徴となるのが、誰しも聞いたことのある言い回しだと「一を聞いて十を知る」ことだと思います。
あーあ、僕も一を聞いて十を知るような人になりたいな~~
それじゃあ、一を聞いて十を知る人はどんな人かを話していきますね!
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
1から10の情報を作るわけではない
昔から日本では、「一を聞いて十を知る」をことができる人が頭のいい人だと表現をすることが多かったようです。
1つのことを聞いただけなのに、10個以上の情報を理解することができる人。たしかに頭のいい人のイメージがあるかと思います。
学んだことが1個だけなのに、学んでいない9個を知ることができるなんて、素晴らしい頭脳の持ち主だと思います。
こんな能力があれば、それこそ世の中のどんな物事をみても、日常生活を送っていても勉強していても、人の10倍知ることができるわけです。
色々と結果も出せるでしょう。なんだかアニメに出てくる頭脳明晰キャラのようにも思えます。
ですがこれは、いったいどういう能力なのでしょうか。本当に1を聞いて10を理解することができるのでしょうか。
しかしこれは、よく勘違いされがちでいます。
「一を聞いて十を知るということは、1つの情報から10の情報を想像することができる。つまり、1つの情報から10個の情報を発想できる思考回路の人」だと、そう思う人が多いかと思います。
しかし、一を聞いて十を知る本当の意味は、1に対する「ものの見方」を10持っている状態なのです。
ものの見方はたくさんある
あらゆる物事は、見る方向、見る立場が変わってくれば違って見えてくるものです。
男性の立場ではわからないことが、女性の立場からならわかるかもしれない。年配の人が見てもわからないことが、若者にはわかるかもしれない。教師には見えないことでも、生徒には見えるかもしれない。
目の前にリンゴがあったとして、多くの人はリンゴをみても、リンゴとしか思いません。
ですが、色々な視点を持っている人なら、「聖書では、リンゴは知恵の実と呼ばれていたそうな・・・」「英語だとappleだなー」「リンゴと言えば引力があったな」など、色々な角度からリンゴをみることができます。
つまり、「リンゴ」というただそれだけの情報から、複数のことを想起できるのです。
一を聞いて十を知る学生は、インスピレーションとでも呼べるような、何か先天的な能力を持っているわけではありません。ただ、視点(ものの見方)を10個持っているにすぎません。
つまり、想像力とかインスピレーションとかそういう言葉で語られているものは、後天的な努力によって作られるものです。
ちなみにこれは、知らず知らずのうちに、これと同じことをやっている人が多いです。
ものの見方を増やすには、他人に相談するのが手っ取り早い
たとえばみなさんが何か悩みがあるとき、どうやって解決するでしょうか。
1人で悩んでいるだけだと、なかなか解決しないことが多いかと思います。
そういう時は、友達や同僚に話してみるなり、本を読んだりして解決方法を探すかと思います。
これは、自分一人の「ものの見方」からではわからないことが、他の人の「ものの見方」を学ぶことでわかるようになるからです。
「なるほど、そういう考え方もあるのか」「あ、意外に大したことのない悩みだったのか」と、ものの見方1つ変われば解決することもあります。
そしてそれを、ほとんどの人は結構な頻度で実践しているというわけです。
人間にはいろんな立場があって、いろんな考えがあります。
頭のいい人は、1つの考え方、1つの立場に縛られずに物事を考えることができるのです。
それができるからこそ、「1」を聞いた時に、それを「10」の別の方向・立場から眺めて考えることができる。
これが一を聞いて十を知ることの本当の意味です。
余談ですが、三人寄れば文殊の知恵なんて言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これもほぼ同様の意味になります。
1人で考えるよりも、複数人で集まって考えればいろんな視点を持ちながらアイデアを出せるので、思いがけないアイデアや、解決方法を出すことができます。
おわりに
一を聞いて十を知るとという言葉は、聡明な人の特徴としてよく表現される言葉です。
実際には、1つの情報から10の情報を発想できるものではなく、1つの情報に対して複数の視点を持っているにすぎません。
つまり、男性、女性、大人、子ども、老人、もっと細分化すると、男性の大学生、女性の新社会人、この職業についている人等、様々な立場に立った視点を見ることができます。
一を聞いて十を知ることは、他人に相談することでも同じことをすることができますので、もし何か悩みや相談があったら、友達、本で調べる、国や法人のコールセンターに相談するなど、そういった解決方法を探してみましょう。
復習
頭のよさについて今まで書いてきたことです。
日常の解像度
普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。
日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。
日常の解像度のあげ方
例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。
答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。
このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。
覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ
頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。
九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。
記憶するには関連付けておぼえると楽
物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。
丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。
記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです
なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。
覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。
そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。
原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける
物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。
それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。
原因を調べるための具体的な方法4つのコツ
- 特徴的な言葉や数字の原因を探す
- その言葉、数字を使って「何故」と考える
- その数字、言葉の背景を調べる
- 「何故」に対する解答を考える
これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。
他の物事に関連付けて覚える
関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。
そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。
一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。
具体的な関連付けるやりかた
- ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
- 原因から派生する結果を書く
- 原因と結果をつなげる
- そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする
要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人
人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。
要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。
つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。
要約をするためのプロセス
- 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
- その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
- この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる
自己紹介は要約する力を発揮できる
自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。
就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。
20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。
自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。
上流探しをするコツ
①その言葉の定義をはっきりさせる
②そもそもどうしてなのかを探してみる
③その前に何があるかを考える
この3つを踏まえながら考えてみる。
上流と下流が繋がったときに、要約が成立する
下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。
しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。
また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。
要約づくりの具体的な方法
①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する
②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる
③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する
要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要
自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。
説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。
人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。
説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ
人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。
そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。
その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。
目標を設定しても手段ばかりに囚われては、結果に結びつかない
目標と手段、どちらが大切かというと目標の方が大切です。
目標を達成するために手段があるのですが、手段にはテクニックや技術を使うことが多いので、こちらに焦点を当ててしまいがちです。
しかし、手段ばかり重視していると、目標があいまいになってしまい結果が出にくくなります。
必ず、目標を抽象的ではなく明確に設定し(細かく設定する)、手段は二の次と考えましょう。
何を伝えたいのかを徹底的に考える
相手が既に知っている知識が手段で、相手にとって未知の知識が目標となるのですが、この目標を徹底的に考えることで、手段も明確になってきます。
たとえば、会話をするときにも「~について」など、タイトルをつけると相手にも伝わりやすくなります。
話し方の技術も大事なのですが、何をするにも、目的を明確にすることのほうが先決です。
人に何かを説明する時に、相手を過大評価しない
人間は自分の知らないことは理解が難しいですし、そしてその説明が上手くないと、なおさらです。
人に何かを説明する時には、例えば「A」→「B」→「C」と説明する時には必ずこの順番で説明しなければなりません。
説明が下手な人の特徴は、この「B」の部分をはしょって説明することが多いです。そうすると、聞いている側は「なんでそうなった」と思うから、本質的には理解できません。
「これくらい説明しなくてもわかるだろう」という、相手への過大評価をすると、説明をはしょりたくなるので、説明する時は丁寧に説明するように心がけます。
目的探しの具体的方法
①ゴールづくり:何を伝えられれば終わりなのかを考える
②目的選び:達成したいことから逆算して、何を伝えるべきかを考える
③目標づくり:目的をより具体的にする。目的の中に数字に基づいた「目標」を入れたり、期限を設定したり、具体的に
手段選びの具体的方法
①目的の分解:その目的に含まれる言葉を抽出する。
②たとえ探し:①で抽出した言葉やイラストを、見やすいところに貼っておき、定期的に例を探すようにする
③たとえ貯め:見つけた例を、ノートやメモ帳に残しておく。また、文章を読んでいて「いいな」と思った例があった場合も同様に、メモとして残す。
参考文献
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