この記事はこんな人におすすめ
- 自分のステータスが今一よくわからず、何を頑張ればいいかわからない
- 仕事でいい成績を出せずに悩んでいるが、何を知ればいいかわからない
- 苦手なことを避けて得意を活かしたいけど、どんな能力があるか知りたい
結論は、人本来の能力を知って得意を活かす
自分の好きなこと、苦手なこと、得意なこと、不得意なことは、どんなものがあるか案外わからないものです。
人間の能力は数多くあるため、一部分が不得意でも、他の得意な能力で補うことも可能です。
人に本来備わっている能力と、自分がどれくらい得意なのかを理解することで、勉強や職業選択に活かすことができます。
得意な方法を選ぶことで、社会や勉強で成果を出しやすくなるため、知っておくだけでも個性を出すきっかけになります。
※自分の認知特性を知るにはここからどうぞ!
このブログは、以下の書籍を参考(引用)に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
目次
- 能力の種類
- ワーキングメモリー(短期記憶)は認知特性ごとに違う
- 言語操作力は認知特性とワーキングメモリーの強弱で違いがでる
- 数操作力は九九の覚え方で認知特性が現れる
- 推論力は多くの能力に作用する
- 空間把握力は右脳を中心に使う力
- 視覚認知力で似たような見た目を判別
- 聴覚認知力は聞きとった情報を整理する力
- 一般常識はコミュニケーション能力の一つ
- 処理能力で時間管理能力があらわれる
- 巧緻性は手先の器用さに関する能力
- 粗大運動能力は自分の身体を把握している能力
- 柔軟性でトラブル発生時にもすぐ対応できるか
- 秩序性は決まったパターンや思考ができる能力
- 創造性は閃きや直感に作用する能力
- 社会性は人間本来の集団生活をする根本的な能力
- 衝動性は短時間で次々生み出す力
- 遂行機能は論理的に計画を立てられる能力
- 継続力は物事を続けられる能力
- 時間感覚は決まった時間内にどう行動できるか判断する能力
- まとめ
人にはもともとどのような能力があり、能力が低いとどのようなことが起るのか見ていきましょう。
能力の種類 | 能力が低い時 |
視覚的ワーキングメモリー | 文字や人の顔を覚えにくい |
聴覚的ワーキングメモリー | 電話番号や人の名前を覚えにくい |
言語操作力(読む) | 文章の意味がわからない |
言語操作力(書く) | 文章がかけない |
言語操作力(聞く) | 聞いたことが理解できない |
言語操作力(話す) | 上手に話をまとめられない |
数操作力 | 足し算や割り算ができない 単位が理解できない |
推論力 | 時計が読めない クイズが苦手 |
空間認知力 | 運動やパズルが苦手 足の小指をぶつけやすい |
視覚認知力 | 似た漢字の区別がつかない 文章を読むときに行を飛ばしがち |
聴覚認知力 | 救急車が近づいてきているのがわからない 周囲の音に気を取られる |
一般常識 | 他人に不快感を抱かせる |
処理能力 | 決まった時間に仕事を終わらせられない |
手先の巧緻性(こうちせい) | 折り紙を折るのが下手 きれいな字をスピーディーに書けない |
粗大運動能力 | 目的に合った運動を効率よくできない |
柔軟性 | トラブルが続いた時に対策を立てられない |
秩序性 | 考えに一貫性がなく、新しいことにチャレンジできない |
創造性 | 新しいアイデアを生み出せない |
社会性 | コミュニケーションが取れない |
衝動性 | 思い付きで行動する 行動に移せない |
遂行機能 | 時間配分、優先順位や手順を考えて効率よく仕事ができない |
継続力 | 同じ作業を続けることができない |
時間感覚 | 5分が自分の中でどれくらいの時間かわからない |
知能には様々な側面があるため、上記だけで人を評価することはできません。
しかし、社会人になればどれも自ずと求められる能力となります。
自分がどんなことが得意で、どんなことが不得意かを改めて振り返ると、新しい発見を得られるかもしれません。
1か0など、極端な判断をしてはいけませんね
自分の中では相対的に・・・と考えてみましょう
人の能力には様々なものがありますが、その中のひとつ「ワーキングメモリー」についてです。
記憶には短期記憶と長期記憶があります。
●短期記憶・・・作業台の上に一時的に情報を置いておくもの
●長期記憶・・・クローゼットの中にストックしてしばらく置いておくもの
ワーキングメモリー(作業記憶)は、短期記憶ともいわれ、脳の前方にある前頭前野が担っています。
買い物に行くときに買うもの、次に何をするかといったことなどが当てはまります。
脳の中にあるワーキングメモリーのための作業台は大きさが大体決まっていますが、人によって異なります。
作業台が大きければ多くの情報を一度におけますし、さらに作業台の上の情報を整理して操作できます。
ワーキングメモリーは計画を立てて実行するために必要な力です。
「計画・段取り・手順・実行」の4つの遂行機能と言えるでしょう。
・色々な情報刺激に引っ張られて物事を最後までできずに、色々と手を出しがちです。
例)部屋の掃除をやっていたら洗濯機が視界に入ったら洗濯機を回そうとしますが、洗濯物の中にティッシュがないかチェックしたり・・・と、当初の部屋の掃除が中断されてしまうようなこと。
・忘れ物が多い、またはどこに置いたかを忘れて捜しまわる
ワーキングメモリーは、「視覚的ワーキングメモリー」と「聴覚的ワーキングメモリー」の2つに分けられます。
視覚的ワーキングメモリー:目で見た空間位置、物体、文字、モノの数などを記憶
悪い場合、文字を覚えずらい、一度通った道や会った人の顔を覚えにくい
聴覚的ワーキングメモリー:耳で聞いた言葉、音、音階を記憶
悪い場合、指示されたこと、説明された内容を頭の中で整理して処理しにくい
記憶の方法は、それぞれの認知特性によって異なります。
そのため、世間一般で言われている「記憶術」も、人によって合う合わないのは当然のことと言えるでしょう。
認知特性 | 覚える方法 | 絵を覚える場合 |
視覚優位者 | 見たままの映像を記憶 | 絵そのものをよく見る |
言語優位者 | 情報を頭の中で言語に置き換えたり、論理的に置き換えて記憶 | 語呂合わせやエピソードなど、言葉に変える |
聴覚優位者 | 口に出したりして、最終的には音を記憶する | 言葉を声に出して記憶 |
リスニングが得意な人に映像で覚えさせようとしても大変ということですね
特性を間違えると、地獄をみます
読む、書く、聞く、話すときには、言語操作力が発揮されます。
言語操作力は、日常生活はもちろん、学校生活や仕事をする上でも関係するので最も必要な能力です。
言語操作 | 特徴 | 付随する力 | 認知 |
読む | 文字を視覚的な形、聴覚的な音として認識 | 内容を理解する力 | ・視覚認知が弱いと形が似ている文字を間違える ・聴覚認知が弱いと文字を飛ばしがちになる |
書く | ・文字書く力 ・文法や表現力を駆使して文章を作る力 | 協調性 表現力 手先の器用さ 空間認知力(適切な字の大きさ) | – |
聞く | 正確な音を聞き取る力と言語理解力 | 聴覚的ワーキングメモリー 注意集中力 | – |
話す | 文の構成力 言葉と意味との正確な対応力 | 発音時のリズム感 声の大きさ 表現力 創造性 | ・視覚優位者は言葉数が少ないか苦手 ・言語優位者は論理的に伝える |
上記は一例ですが、言語優位者だからといって、話すのが得意かというとそうでもありません。
例えばワーキングメモリーが弱い言語優位者の話しは、話しの内容があっちこっちに行ったりで、要点を得ず蛇足的な話しもあるので冗長になりがちです。
また、正論を言うだけ言って、相手とコミュニケーションがとれないようであれば、話す力が強いとは言えないでしょう。
話をしているとき、「あの~」「えっと・・・」と間をとる人は、視覚的ワーキングメモリーが弱く、記憶している事柄を整理しながら説明しています。
視覚優位者がでも説明が上手いひとだっているからな
当然ながら、互いに優劣はありません。そういう傾向にある程度に捉えてください
数の概念とは、数は永続的なもので、増える・減るという操作によって変化し、その永続性が保たれ、大小という関係が成立すると言う量的な認識をすることです。
例えば、リンゴが3つあったとき、それを「3」と書き、「さん」と発音すること。
そして、3つのリンゴのうち1つを食べると2つになることが理解できないと、足し算引き算といった数の操作ができません。
九九や分数というのは、量概念となります。
しかし、概念が確立していない子どもにとっては、九九は意味を持たない音の羅列のことが多く、聴覚的ワーキングメモリーが必要です。
そのため、聴覚的ワーキングメモリーが弱い子どもは、九九ができずにへこたれることが多いです。
このような場合、視覚的ワーキングメモリーを活かした「九九表」など、ビジュアル面を手掛かりにして覚えさせた方が上手くいくかもしれません。
割り算でつまづく場合は、系列と量の概念がゴッチャになっていることが多いです。
量概念がつきにくい子どもは、九九、分数、60進法の時計、リットルやメートルなどの単位でもつまづきやすいです。
計算が得意でも、文章問題が苦手な場合は、数操作力が得意な一方で言語操作力が弱いことを意味します。
どちらもいいが、単純な計算ミスや書き待ちがえなどのケアレスミスが多い場合は、ワーキングメモリーや注意集中力に問題があると言えます。
覚えにくかったらやり方をかえるしかないですね
みんながやっているやり方でなく、自分に合うやり方を見つけましょう
推論力は、言語的、数操作的、時間的、空間的に抽象的な思考ができること、言語を用いた論理的な思考ができること、過去の記憶や経験をもとに応用ができること、柔軟に対応できることなどの力です。
推論力は言語操作力や数操作力など、他の能力とともに働くことで発揮される力です。
読む力、書く力があっても、推論力がなければ文章の意味は理解できません。
計算ができても、単位が理解できなければ、時計を読むことすらできません。
大小の比較や似た漢字の違いの理解も難しいでしょう。
推論力が低いと場当たり的な対応しかとれなくなるってことかな
「これはこうなるから・・」という考え方が不得意ということです
空間認知力は、モノの形、大きさ、位置や方向などを把握する能力です。
右脳によってコントロールされているので「右脳の力」ともいわれます。
・狙った場所にボールを当てる
・とんど来るボールを掴む
・左右を間違えない
・行を飛ばさず文字を読む
・画用紙いっぱいに絵を描く
・ノートのマス目に合わせた大きさで文字を書く
・片付け、棚に整理しながらモノを入れる
・地図を見ながら目的地にたどり着く
・車の車庫入れ
よく足の小指をドアにぶつけたり、つまづきやすい人、車をぶつけやすい人は空間認知力が弱いからかもしれません。
空間認知力は、視覚、聴覚、前庭覚や固有覚などの様々な感覚と連動し、脳の中で認知されます。
目で見たものの形、大きさ、距離やあるいは聞こえてくる音の強弱などの情報を、自分のからだのボディイメージと経験・記憶に統合させ、空間として認知し、行動に変えます。
認知特性からいえば、右脳優位でもある視覚優位者が得意な能力です。
車をぶつけやすい人は治しようがないってことですかね
細い道を通らないように、ルートを考える必要がありますね
「鷹」「と「鷲」のように、複雑でよく似ている漢字はたくさんあります。
このような漢字を覚えるのが、得意か苦手とった目の力が「視覚認知力」となります。
・眼球を対象物に合わせて動かす力(眼球の運動神経)
・図の細部まで注意集中して見落とさない力
・一度に多くの情報を見る力(情報として認知できる力)
・違いに気づく観察力
視覚認知力が弱いと、以下のような影響がでてきます。
- 点や線の位置関係がわからない
- 区別がつきにくいため文字を覚えるのが難しい
- 文章を読むときに行飛ばしが出やすい
- 文章を最後まで読まず、雰囲気でわかったつもりになる
- 距離感やスピード感がつかめないため、運動にも影響
学習のつまづきがある子どもには、視覚認知力に問題を抱える子どもが多いことがわかっており、視覚認知力に焦点を当てた「ビジョントレーニング」という支援教育も行われるようになっています。
視ることの得意不得意は案外、日常生活に影響があるんですね
意図的に読み飛ばすのと、雰囲気で読むのでは別ですからね
聴覚認知力は、耳から聞こえてくる音情報を処理する能力で、聴覚優位者がすぐれている力です。
目力と同じように言うなれば「耳力」であり、音に対する処理能力です。
・救急車のサイレンがどの方向から聞こえてくるか判別
・人の話している内容を理解する力
・不必要な音情報を遮断する力
聴覚認知力が弱いと、音の発生源の特定や、聞き取った情報のアウトプットが難しくなります。
救急車のサイレンが思ったのと違う方向から来た、他人の話している内容をまとめるのが苦手といったことが起ります。
「ちょっと何言ってるかわからない」と言うことになりやすいんですね
電話が不得意なタイプですね
一般常識は、実生活の中で自然と獲得し、理解していくものなので、個人の能力とは無関係に思えます。
しかし、一般常識は人が社会で生活していくのに欠かせません。
所属する社会(職場など)によって常識は異なりますが、ある程度の常識がないと誰かに迷惑をかけたり、不快感を抱かせることになります。
その結果、コミュニケーションが取れにくくなるため、一般常識も能力としてみなされます。
例えば、「電車に乗るとき、なぜ切符を買うのか?」と問われた場合、「料金を払わないと乗車できない」「料金を払ったことを証明するため」など、必要である理由を答えられれば大丈夫です。
そのためには、論理的な思考能力が身に付いている必要があります。
余談ですが、社会に出て就職をすると、会社には会社独特の文化もあります。
その会社の中で一般常識化していることに、溶け込めるか、溶け込むことができないか、そういった能力も一般常識の能力が問われてきます。
一般常識がないと就職や学校生活で苦労するな
マナーや作法なんかもそうですね
処理能力は、言語を介さずに作業をこなしていく能力で、論理的思考を必要としない単純作業能力も含まれます。
簡単に言うと、同じ事柄をスピーディーにミスなく繰り返し作業する能力です。
・視覚認知力
・ワーキングメモリー
・注意集中力
・注意持続力
・継続力
・情報を瞬時に判断する判断力と転換力
・手先の巧緻性
このように、多くの能力を必要とするため、鍛えれば鍛えるほど効率がよくなる力ともなります。
処理能力がないと、何事も最後までやり遂げられない、決まった時間に何かを終わらすことができないなど、日常的にも影響がでます。
好きなことなら処理能力が上がりやすいけどね
単純作業だからといって侮れませんよ
「巧緻」とは、「精巧で緻密なこと」という意味です。
線の上をハサミでまっすぐ切る、折り紙を折る、字を書く、箸を使うといった、日常で道具を使う手の操作力です。
端的に言うと、器用か不器用かというもの。
手先の巧緻性には、視覚や触覚などの感覚入力と、それに対する手の微細な動きや力の調整が必要です。
たとえば、線の上をハサミで切る時は、線を視覚的にとらえつつ、ハサミを持つ指の力や方向を、適切なスピードで処理します。
巧緻性を高めるには視覚認知力も大切ですが、細かい作業を行うための手指の使い方も重要です。
赤ちゃんからの成長の過程で、指の発達には「分離」があり、この際に指一本一本を分離して操作できるようになります。
指の分離には、「静的分離」と「動的分離」があります。
【静的分離】
指を一本あるいは二本伸ばしたまま、ほかの指を曲げた状態が維持できること
キツネの形や、OKのサインができるようになる
【動的分離】
指それぞれが別の動き・操作する状態。
指を順々に曲げたり伸ばしたりできるようになる
指の分離運動ができることは、脳できちんとコントロールできていることになります。
つまり、手先が器用な人は、脳を効率よく上手に使え、幼いころから手作業を多くしていると脳が発達しやすいとも言えます。
手先の巧緻性が高いと、字をきれいにスピーディーに書けるので、効率よく学力アップできたり、仕事をこなすことにつながります。
イラストとかを細部まで書き込めるってことかな
手先を器用に動かせるとちょっとしたことがはかどりますね。
粗大運動は、走る、歩く、跳ぶといった身体の動きを言い、簡単に表現すると運動神経です。
粗大運動はまず自分の身体を理解することで発達していきます。
自分の身体の大きさ、力、バランスの保ち方などで、ボディイメージを確立します。
これを踏まえて、コーディネーション能力(協応性)によって、目的に合った運動が効率よく実行できます。
コーディネーション能力とは、目や耳などの感覚器から入力された情報を脳で処理し、筋肉を動かすという一連の運動プロセスを、瞬時に適切に行うための能力です。
つまり、手足のコーディネーション能力が良いことは、脳をうまく使いこなせていることにつながります。
巧緻性と同じく、運動が脳の発達にいい理由だな
自分の身体のことを知らなければ能力は発揮できませんね
ここでいう柔軟性は、脳の柔軟性のことで、この手法がダメならあの手法、という戦略的な意味合いです。
ある課題に対して、「仮説」→「検証」→「思考」をする力のことなので、「仮説思考力」と言い換えられます。
頭の中の経験記憶をいち早く選択し、状況に合わせて転換させ、新しいアイデアとして応用させます。
このことから、様々な体験をしてきた人のほうが柔軟性は高いと言えます。
柔軟性は、日常生活で生じる問題を解決するときに、最も必要な力です。
記憶することよりも思考することを重視しないと、柔軟性は身に付かないように思えます。
緊急時に普段と同じ対応策を考えてもしかたないからね
小学校頃に色々体験させるのは、柔軟性アップにつながるからですね
秩序性は、コンビニに行くといつも同じものを買う、お弁当を頼むときはいつも同じメニューを頼む、といった場合は高いと言えます。
秩序性が高い人は、決まったパターンでの行動や思考をするので、失敗のリスクが低くなります。
一方固執することで、周囲に合わせることが難しくなる、社会性が低くなる、新しい発想が浮かびにくいなどの弊害もでます。
いわゆる、融通の利かない人と呼ばれるタイプです。
秩序性は、高すぎても低すぎても、社会の中では問題が出てきます。
一貫性のある行動ばかりとると変化が起こらないため、日常生活がマンネリ化しやすくなります。
柔軟性と秩序性は表裏一体のため、柔軟性が高いと秩序性が低く、柔軟性が低いと秩序性が高い傾向にあります。
いずれかが高いから良いとは言えず、自分の能力が柔軟か秩序か、どちらの傾向にあるか考え、適正にあった環境にいることで自分の能力を発揮できるでしょう。
秩序性が高いと規律の中だと働きやすくなるのかな
秩序性が低い≠基本ができない、ということではありませんからね
ここでいう創造性とは、「イメージ力」「独創性」などにより新しいものを生み出す能力です。
気をつけたいのが、人は柔軟性によって新しいアイデアを生み出せるということです。
しかし、経験記憶に後押しされたアイデアを生む力が柔軟性なのに対し、創造性は直感やセンスでひらめく能力です。
社会人として評価される項目の中に「創造性」がありますが、これは新しい価値を生み出す力のことで、経験によるものだろうがセンスだろうが関係ありません。
創造性は知能や知恵と相関性は低いとされていますので、個人の経験やセンスに委ねられるところが大きいです。
勉強ができなくても直感力がすごい人ってたまにいますからね
経験者の話しや本を読むなどで、経験を疑似体験することができます
社会性は、集団をつくって生活しようとする人間の根本的性質であり、社会生活を営むための能力です。
コミュニケーション能力と同義と捉えることもできます。
・他者に対して適切な対応ができる
・集団の中で協調的に行動できる
・仲間から好かれたいという欲求、仲間として認められたい欲求
・社会的関心、時代情勢、風潮に関心を寄せる
特に子どもの場合、私立小学校などの受験で求められる能力と言えるでしょう。
ちなみに、独りでいることが好きでも、社会性が低いことにつながるわけではありません。
相手の立場にたって考えられる、社会全体がどう動いているか考えらえる力となります。
社会性が低いと、集団行動時に何をすればいいかわからなくなるってことか
独りで行動しても、相手のためを思っているのであれば社会性が低いとは言えないでしょう
衝動性は文字通り、衝動的な行動を意味しますが、一般的にはあまり良くない評価をされます。
衝動性の反対語は、計画性でしょうか。
じっくりと物事を考え、起こりうる結果を予測しながら言動へ移すので、衝動的な行動よりも失敗は低くなるでしょう。
しかし、衝動性が低いということは、行動に移すまでに時間がかかるということを意味し、周囲からは「遅い」と評価されることもあるでしょう。
衝動性が高いメリット
・様々な考えや行動を短時間で次々生み出す
・創造性と組み合わさると、人のやらないことを考えついて行動に移せる
・社会で大成する可能性がある
衝動性が高いデメリット
・思い付きで行動する
・他人の言動について背景を考えず、短絡的に受け止める
・思い違いや勘違いを起こしやすい
他にも、衝動性が高い人は、レストランのビュッフェ(バイキング)で、手当たり次第に料理を手に取ります。
結果として、残してしまったり、無理して食べようとして体調を崩す可能性があります。
衝動的な行動は必ずしも悪いことではないんだ~
良い面悪い面がハッキリと現れる能力ですね
遂行機能は、物事を計画、段取り、手順、実行に移す一連の流れを指します。
ワーキングメモリーとも関連が深い、脳の前頭前野で司られる脳機能です。
処理能力と似ていますが、こちらは単純作業をこなす能力です。
遂行機能は、論理的なもので、長期的な計画を達成していくための力と言えるでしょう。
会社で例えると、仕事の納期を把握して、成果品を収めるための必要な物品を手配し、相手の要望を叶える力となります。
家事であれば、一日の中で炊事、洗濯、掃除、買い物をこなしていく力です。
期日内に仕事を終えられない、時間配分が上手にできない、机の上や部屋の片づけ、整理整頓ができない。
こういった場合は、遂行機能が弱いでしょう。
遂行機能が弱いと、シングルタスクをこなすにしても、何からやっていいかわからないです。
そのため、まずは紙とペンを用意して、やることを書き出して、その中から一番重要なものを一つ選び、選んだものから手をつけるようにするといいでしょう。
お店の経営が上手くできない人も遂行機能が弱いってことね
遂行機能が弱いと感じたら、中間ゴールを置いてみるのもいいでしょう
継続力はその名の通り、物事を継続していく力です。
勉強も仕事も継続力が必要ですが、同じ作業を繰り返しこなすには、忍耐と根気が必要になります。
継続力が高い人は、秩序性も高い人が多いかと思います。
決められた枠組みの中で、繰り返し作業を続けることができるためです。
ジョギングを何年も続けられる人、ダイエットを続けられる人も継続力が高いと言えます。
逆に、何事も三日坊主になったり、ブラックな職場でもないのに次々と理由もなく転職するのは継続力が低いと思います。
継続力は、職業選択をする上で重要な能力となります。
転勤が全くない、異動もないような職場だと継続力が低いと辛いかもしれません。
逆に、全国転勤や、毎年環境に変化がある職業だと、継続力の低さが天職になるかもしれません。
小さな変化を見落とさないようにすれば、継続力が低くても長い間同じ環境で働くことができるかもしれません。
社長になればどんな事業に手を出すのも自分次第だからね
フリーランスとして働く人にも合っているかもしれません
時間感覚は個人個人で大きく異なることが特徴です。
1日は24時間であり、これは誰でも平等に与えられたもので、その中で私たちは仕事や勉強をしていきます。
学校にしろ会社にしろ、始業時間に間に合うように朝出かけなければなりません。
「あと何分だから頑張ろう」「あと数分しかないから急いでやろう」といったように、時間間隔と自分の実行能力を照らし合わせながら行動しなければなりません。
つまり、時間感覚は、遂行機能とも大きく関係します。
「5分間」というのが自分の中でどれくらいの時間であるかという感覚が曖昧だと、日常生活では支障がでます。
また、時間間隔が分かっていても、自分の実行能力を過大評価しすぎると時間内に終わらせられません。
一例をあげると、「約束の時間にいつも5分程遅刻する人」は時間感覚が甘い可能性が高いです。
自分にとって都合の良い選択肢しか思いつかない、いわゆる楽観視が過ぎると、失敗につながります。
社会では、仕事を余裕を持って終わらせたり、ギリギリに終わらせても、結果が伴っていれば問題ありません。
しかし、時間感覚は、自分の性格や思考と大きく関係している能力であります。
楽しい時間はあっという間にすぎるってのと同じですね
時間感覚を認識すると、仕事で成果を出しやすいですね
人の本来備わっている能力を知ることで得意不得意を見極めます。
社会人だと得意な能力を活かせる環境にいるほど活躍できます
認知特性や頭の良さのまとめです。
- 得意な記憶方法の種類で勉強法は異なる
- 推論力が高いと抽象と具体の思考法を活かせる
- 空間把握力が高いとモノの位置関係を把握したり、文章を読みやすい
- 視覚認知力が高いと細かい違いを見つけやすい
- 聴覚認知力が高いとリスニングだけで情報整理できる
- 一般常識があると環境に溶け込めやすい
- 処理能力が高いと単純作業をミスなくこなせる
- 巧緻性が高いと手で細かい作業をこなせる
- 粗大運動能力が高いと自分の身体を効率よく使える
- 柔軟性が高いとトラブル時に次々と処理できる
- 秩序性が高いとパターン化しやすく失敗リスクを減らせる
- 創造性が高いと経験やセンスから新しい物事を生み出せる
- 社会性が高いと集団生活でも労せず営める
- 衝動性が高いと短時間で行動に移せる
- 遂行機能が強いと長期的な計画を達成しやすい
- 継続力が高いと数十年レベルで物事を続けられる
- 時間感覚が強いと締め切りまでの時間管理を把握できる
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