この記事はこんな人におすすめ
- 具体的に考えたいけど、どうやって考えていけばいいか悩んでいる
- 問題解決策が、いつも同じような方法に行きついてしまい悩んでいる
- 相手を注意したいけど、なかなか言う事を聞いてくれなくて悩んでいる
視点を意識すれば最強のアイデアが出せる!?
「相手の立場に立って考えろ」とよく聞いたことがあるかと思いますが、物事を考える時にはこれはヒントになります。
自分が今、見ている高さ・広さ・角度・立場を意識することで、考え方を変えるきっかけになります。
問題が発生したときも、視点を意識するのとしないのでは、解決策に場当たり感がなくなり、根本的な解決方法につなげることができます。
これは、ビジネスだけでなく、プライベートにも使えるアウトプット方法です。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
たとえば、後輩に仕事で使うデータの作成依頼をしたのに、なかなかしてくれない場合や、お店で集客用にPOPを作ったのに、客足は伸びずに売り上げに結びついていない場合、どうすればよいでしょうか。
どの場合でも、まずはなぜ上手くいかないかを考える必要があります。
ただ、そうはいっても原因は簡単に思い浮かべることはできません。
そこで、資料作成やPOPが、相手方(後輩やお客さん)にはどのように見えるかをイメージするといいでしょう。
上記の例えですと、後輩に依頼したデータ作成ですが、次のような仕事だと思い浮かびます。
・ほかの人でもできそう
・面倒
・自分の成長に役立つかわからない
・目的がみえない
・すぐにできる(あるいは期限がない)
もちろん、後輩がここにあげたようなイメージでとらえているかはわかりませんが、とっかかりがあれば、後輩に対してどのように説得すればよいか糸口がみえてきます。
同様に、POPによる集客も、どうみえるか思い浮かべてみます。
・店員の実感がわかるもの
・実際の使用感がわかるもの
・読みにくい者
・客観性に欠けるもの
・作成者によってクオリティに差が出る
このような見方を手掛かりにかんがえていけば、手書きPOPはそのままにし、各商品のスペック一覧表をベット展示するなどの改善策が思い浮かびます。
大切なのは、「視点」を変えることです。
視点を変えることで、発想を広げ、考えるための新たなヒントが浮かんできます。
相手の気持ちを理解しようとするということですね
お店の場合、20代男性など、年代や性別でそれぞれで視点を変えるのもいいです
「頭が固い」と相手から言われたりすることもあるでしょう。
これは、考えていないからではなく、むしろ深く突き詰めて考えようとするほど、この傾向になっていきます。
こうしたときに浮かんだアイデアは、今まであがってきたアイデアの焼き直しである場合が多いです。
そんなとき、ここでも有効なのが「視点を変える」ということです。
たとえば、飲料で使うペットボトルは、多くが薄い材質のものを使っています。
これは、ペットボトルを「飲料の容器」から「環境資源」という見方に変えたからできました。
すると、環境資源を効率的に使うためにどうすればよいか、という課題をみつけ、改善のための工夫につながっていったからです。
インプットした情報を活用するという観点は、情報を消化するだけでなく、使いやすいように変える必要もあります。
視点を変えると考え方もかわるということですね
結構大胆に、ガラッと変えるのがコツですね
視点を変えることは、無味乾燥事実やデータに意味を持たせてくれます。
事実やデータは、それ単体だけではあまり意味を持ちません。
例えば「この地域の営業店舗は最も規模が大きい」という事実も、「そうなんだ」程度の印象しかありません。
これを営業所全体の統括する立場でみて初めて「この地域の営業店舗は重要度が高い」と意味を持ちます。
一方で、営業実績の管理だけする人からみれば「いつも売り上げの大きい営業店舗」というレベルの意味しか持ちません。
つまり、事実やデータは見方次第で大きな意味を持ったり、逆に持たなかったりします。
言い換えれば、インプットした情報を生かすのも殺すのも、その人の見方次第ということです。
情報収集ばかりして、集めた情報を全て活かせない場合もありますし、情報量が少なくても視点の変化だけで的確な見方で意味のある情報に変えることができます。
大切なのは、「これは大事化も」と感じるような情報は、自分がみている視点以外での見方ができるかということです。
情報収集事態を目的にしてはいけないですね
仕事では感性も大切ということです
「様々な視点でみてみよう」と、口でいうのは簡単ですが、実際にやってみるとなかなかうまくいかないことも多いです。
うまくいかないパターンは、次の2とおりがあります。
①力技で色々な見方をする
とにかく、今の自分が持っている知識や情報を引き出して、いろいろな見方をするパターンです。
本当にそうできればいいのですが、実際にはその半分も思い出せず、もどかしく感じます。
なので、思ったよりも早く限界を迎えることになります。
②きづかないうちに同じような見方をする
色々な見方をしようとしているはずが、周囲からは同じような見方を繰り返しているだけと感じられることもあります。
例えば、部署全体での懇親会の企画を任された場合、まずは懇親会を色々な視点でとらえてみようと考えます。
その時に思い浮かんだことが
・全員の意見を集約するのが面倒
・店の予約が面倒
・出欠確認が面倒
・当日の出し物を考えるのが面倒
・店の人との交渉が面倒
と出てきますが、これでは、幅広い見方をしているとは言えません。
全て、企画・運営側の負荷に関する見方ばかりです。
このように、結局すべて同じ視点で見てしまうことは多々あります。
参加者やお店側、自分以外の視点に広げてみることですね
考えた視点は、ノートにまとめておくと便利です
視点は、大きく分けると「高さ・広さ・角度」を変えることで大きく変化させることができます。
視点はつぎの3種類に分けられます。
四角い段ボールをイメージするとわかりやすいです。
高さ:低くみたり高くみたり、視点を変える
広さ:どの程度まで視点を広げるか
角度:それぞれの立場で、角度を変える
それでは、具体的にみていきましょう。
①高さを変える
仕事では経営者と現場で働く人、学校では教師と生徒。
たとえ同じ状況でも違ってみえてきます。
この視点の高さを様々にかえることで、状況は驚くほど違って見えます。
例えば職場で、自分の部署に1名人員増員された事実も、経営的な目線であれば人員増ですが、部署的には戦力増加となります。
②視点を広げる
自分の取り組んでいることに関しては、視点が狭くなりがちです。
すると、独りよがりな発想になってくるので、広い視野を持って状況を見るのは、常に意識する必要があります。
広さは、空間軸と時間軸の2つに分けられます。
〇空間軸
広い場所を見ているということ。
例:ある営業店舗の実績が昨年と大きな変化がないという結果を見た場合、その営業店舗だけをみれば「変化なし」になる。
しかし、他の営業店舗の成績が軒並み好調だと、この営業店舗は「成長が追いついてない」という視点に変わる。
〇時間軸
過去からの経緯や将来の動向をどこまで踏まえるかということ。
例:営業成績が落ち込んだ事実について、その時点でみれば「問題」でも、長い目でみて好不調を繰り返していれば「スランプ」という視点に変わる。
③角度を変える
ものごとを見る角度を変えること。
常に視点を広く、高く見ていればいいということではなく、状況に応じて狭くみたり、低くみたりする必要がある。
つまり、柔軟性をもって視点を変化させるということです。
高さ・広さ・角度は変化させてみるのがコツということですね
大変で時間もかかりますが、実行すれば確実に身になります
柔軟性をもった目を持つには、状況をみる「立ち場」に注目してみることです。
視点の高さも広さも、どの立ち場から見ているかが大きな違いとなります。
まず、色々な立ち場に立ってみると、自然と色々な高さ・広さ・角度でみることができます。
資料作成を依頼する場合でも、依頼された側の立ち場、資料を見る人の立ち場などを踏まえると、依頼する時のポイントも幅が広がります。
さらに、新たな発想を生み出すときにも、立ち場を変えることは役立ちます。
販売用のPOPを作るときも、作成者側だけでなく、購入する側、メーカー側の立ち場を考えれば、どんな形とか、商品コンセプトを盛り込んだPOPに仕上げることができます。
頭のいい人がやっていることですね
同じものでも、ある部分に焦点をあてるのか、思いっきり対象を広げるかでも見え方は変わってきます。
目の不自由な人が象を触ったときの逸話などは、一部に絞ったときの見え方の違いをよく示しています。
ここでも有効的な考えが「特性」をつかむことです。
例えば、仕事で使う資料作りをイメージしてみましょう。
〇役員がみる資料
→誰が?に焦点を当てた視点
〇役員によってはその場で初めてみる議案の資料
→何を?いつ?に焦点を当てた視点
〇会議室以外で見る機会のなさそうな資料
→どこで?に焦点をあてた視点
〇議案を判断するための資料
→なぜ?に焦点をあてた視点
〇短時間で判断を下す材料となる資料
→どのように?に焦点をあてた視点
ここからさらに、もう一段階視点をズームインしてみましょう。
たとえば、「〇役員がみる資料」の特性からどんなことが見えるでしょうか。
〇年齢
→高めのため、文字の大きさなど、見えやすい書き方が求められる
〇担当業務
→多彩なため、議案になじみがなくても理解できる資料
〇業務経験
→豊富なため、業務の基礎的な内容に触れる必要のない資料
このように、役員対象にしぼっても色々と特性がみえてきます。
逆に、ズームアウトし、見ていた対象を意図的に大きくとらえてみても、冷静にその位置づけをとらえられます。
たとえば、「〇役員がみる資料」でも、役員会の議案の1つだとわかります。
すると「経営判断のための資料」という見方をすることができます。
また、自身の業務のひとつとしてとらえると、提案内容が自分の担当業務の方向性を決定するようなものだとしたら、「自身が担当している業務を推進する資料」となります。
この特性を意識するかで、資料作りの完成度は変わります
焦点をくっきり当てるか、ぼやかせるか、具体性と抽象性のピントをずらしながら見る方法もあります。
たとえば、次のようなクレームを受けたとします。
・梱包段階での不具合
・今、対応が求められていること
・そのお客様が今回の発想で不満に感じたこと
では、ピントをぼやけさせる(抽象化)とどうなるでしょうか。
・自社が解消すべき問題のひとつ
・自社に対して顧客が持つ不満
・自社の弱み
具体的と抽象的なみえかたはそれぞれ次のような特性があります。
今やるべきことがはっきりする
・お客様への対応をすぐにしなければならない
・梱包担当者に状況の確認や改善依頼
やるべきことが具体的なことよりも大掛かりになり、他の類似状況も含めた判断ができるようになる。
・自社の解決すべき問題の1つは、「梱包が解決すべき問題なのか、クレームになっていないものも含めて確認し、さらに担当者が問題意識を持っているかも確認」
抽象的な視点のメリットをいかせば、大きな観点から物事を捉えることができます。
ピント調整は意図的に行う必要があります
視点を変えるのは、常に同じペースでなく、メリハリをつけて変えていきましょう。
〇現在の自分の視点を確認
視点を変えるときに意識するのは、自分が今どんな視点でいるかということです。
誰の立場、どのような高さ・広さ・角度で見ているか、どこまで具体性を持っていみているのかをつかんでおきましょう。
〇テンポも変えてみる
無意識に視点を変えると、場当たり的になります。
なので、まずは提供者側、次は消費者側から、そして生産者側で見てみる。
このように意図的に変えていきましょう。
①頻繁に視点を変えるとチェックにつながら
ある視点で見たら続けて別の視点でもみることは、考えていることが妥当かを判断するかも役立ちます。
ゴールからスタートを考える時、視点を変えてみると思わぬ落とし穴を発見できます。
②じっくりひとつの視点のでみると考えが深まる
一方で、ある視点をずっと続けていると、意外にもより掘り下げたものが出てきます。
意図的に視点を固定している場合、そこにフォーカスしているので掘り下げて考えようとする意識が強まります。
視点を変えると言うのは、意図的にやると自分のスキルとして大きく役立ちます。
ただ、日々の仕事で忙殺されたり、タスクが多すぎて考える余裕がないときがあります。
視点を意識しながら考えると、場当たり的な考えになることはまずありませんので、結果としていい成果が出やすくなります。
思考についてのまとめです。
- 自分が働きかけても相手が動かない場合は、視点を変えて考えてみる
- 多くの問題は視点を変えると解決できることが多い
- 資料データは視点を変えることで活用する
- 視点を変えるとデータの意味合いも変わってくる
- 幅広い視点ができない人は、自分の知識や同じ視点でみている
- 視点を変えるコツは、高さ・広さ・角度を意識する
- 柔軟性を持った考えは、立場も意識する
- 物事を「ズームイン・ズームアウト」でピントを調整して具体と抽象で考える
- 視点を変えることを意識すると、幅広い視野を持てる
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