この記事はこんな人におすすめ
- データを手に入れたはいいが、結局何をどう切り分けていいかわからず悩んでいる
- 調査や調べものをしたけれど、どうやって報告すればいいかわからない
- 一覧表を作りたいけど、上手く表現できずに悩んでいる
情報はどんな視点でみるかが大切です
世の中には、数値化しているデータと数値化していないデータがあります。
特に、数値化していない、いわゆる定性的なデータは情報が多くなる傾向にあるので、その時はいったんバラして考えてみることが有効です。
元あるものをバラすため、結局は同じものをみるのですが、視点を変えてみることができるので何が十分、不十分かをみることができます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
例えば、「あなたの職場はどんなところですか?」と聞かれたら、どのように答えますか?
「はい、私の職場は経営戦略を立案する仕事で、5人のメンバーでアットホームな雰囲気でやっています」
と答えてもいいのですが、これだと聞いている側は具体的なイメージが持てません。
では、どうすれば説明する内容を思い浮かべることができるでしょうか。
こちらも、イベントなどを開催した後の反省会をイメージして、多くの課題がでたとしましょう。
それを「準備不足で色々と困ったことがあったので、次回は改善しようと思う」などとまとめてしまっては、その後の具体的な案にはつながりません。
反省会なのに、反省材料がわかりません。
とくに定性的(数値化できない)なデータを入手したとき、一度にさまざまな種類の情報が手に入ります。
それをどのように整理するかで、アウトプットは変わってきます。
こうしたときは、いったんバラしてみるといいでしょう。
例えば、自分の職場について説明する時、思いついたことを話すということではありません。
これをすると、内容が偏ったり、本人が重要だと思うところしか出てきません。
業務 | 職場メンバー | 職場の雰囲気 |
業務内容 | 性別などの属性 | コミュニケーション頻度 |
業務目標 | 入れ替わり頻度 | 全体の活気 |
顧客 | スキルレベル | コミュニケーションを取り合ってるメンバー |
大きなサイクル | 育成の必要性 | |
突発的な業務の発生度 | 業務への意欲 |
定性的データを扱う場合、まずどんな項目があるかというデータを分ける箱を作って、そこに仕分けていく発想が必要です。
データを仕分けることで、定期的なデータをアウトプットに結び付けていくことができます。
これは、データを集める前の段階だけでなく、何の準備もなくデータを入手しているときにもしておくと効果的です。
商談や反省会でも、「全体的にこう言っている」のではなく、頭の中で話している内容を個々の項目レベルに切り分けます。
そして、それぞれがどんな内容化を理解しておけば、その後の提案も問題意識に沿ったものにできます。
1人の声だけならこの考え方は必要ではないですが、相手が複数人いる場合は、バラす必要があります。
考えがまとまらないのはこのせいだったんですね
仕分けることで、誰が相手でも同じことができます
データをバラすときのカギとなるのは、仕分け方法です。
例えば、スマートフォンについて仕分ける場合、色々と思い浮かぶかと思います。
メーカー、価格、ディスプレイサイズ、通信速度・・・
- メーカー
- 価格
- 発売時期
- カメラ画素数
- 本体サイズ(重量)
- パーツ性能
- 容量
- OS
- バッテリー持続時間
- 利用できる携帯電話会社
この仕分けは具体的なデータを入れ込む引き出しようなもので、ここのスマートフォンに対してそれぞれの内容を当てはめれば、詳細データを作れます。
この仕分けをあらかじめ考えておけば、データの抜けや漏れを防ぐことが出来るメリットが生まれます。
特に定性的なデータでは特に有効で、今までにどんな内容が出ていたのか、出ていなかったのかも簡単につかむことができます。
そうすれば、効率的に調査やヒアリングがおこなえます。
しかし、前もって準備をしておくということができない場合もあるので、その時はデータの入手と仕分けを同時進行で行う必要があります。
事前のデータチェックができるってことですね
定性的なものを定型的に答えられるようにするということですね
データをバラすというのは、イメージとしては簡単ですが、実際にやると難しいです。
特に、次のようになってしまい、失敗することが多いです。
情報を全て箇条書きに書き換えて、バラしたと思い込んでしまうこと。
箇条書きは単一の内容を1つ1つ洗い出しているのでデータをバラしている感覚がありますが、同じ内容を書いているにすぎません。
この状態では、仕分けていることにつながらないため、データを活用しきれていません。
現時点では、どんな情報があるのかないのかといったことが、可視化できません。
入手した情報は、常に偏りやヌケ・モレがあると想定しておく必要があります。
大雑把にバラしてしまうと、一見バラしたように見えますが、それをアウトプットに活用するのが難しくなります。
他のデータと比べる際、何が共通なのか、何が違うのかが見えにくくなります。
手元にあるデータのうち、どんな仕分けが欠けているかもわかりづらいです。
さらに、その仕分けに入るデータがあるかどうかわからず、関係ありそうなデータも「特になし」としてしまいます。
「これは無関係」「このデータは無意味」と、特定の仕分けや切り口を排除してしまうことです。
これは、先入観からおこるもので、バラす段階では、先入観なくさまざまな仕分けでバラす必要があります。
バラしたものに意味があるかないかは、読み取る段階からでも遅くありません。
箇条書きは「要点」を簡易的に書き出すのに便利ですけどね。
データを上手にコーディネートすることも大切ですね
仕分けをベースにばらすのは「丁寧」のミクロ視点と「俯瞰する」というマクロ視点を合わせることが必要です。
アウトプットする際は、できるだけ細かく仕分けをしていきます。
スマートフォンを例にとってみましょう。
まず、あまりミクロにできていない場合、
「D社の最新モデルで、前モデルより一回り小さく、重さも100g軽量化を実現。解像度も上がり、カメラ機能の向上。OSは従来と同様」
のような説明になります。
「前モデルよりディスプレイサイズは小さくなったが、解像度は向上。カメラ機能は静止画、動画ともにレンズ性能が向上。各パーツも前モデルよりも軽量化と縮小化が向上し・・」
と、こんな感じでより細かい仕分けにばらしていけば、最新モデルの特徴を伝えることができます。
基本的なポイントは、細かくするということです。
サイズ一つにとっても、「縦×横×幅」と分けてみれば、特徴を出すことができます。
仕分けをするときのコツは、「〇〇についての情報」という言い換えです。
こうした言い換えができると、物事を一段高いレベルで俯瞰してみることができます。
人の話しや本を読んでいる時も「〇〇の情報について言っている」という要領でつかめます。
例えば、ある製品について説明をする際の一覧表を見てみましょう。
仕分け | この製品の状況 |
以前の購買要因 | 価格や製品の品質 |
最近の購買要因 | アフターサービスの迅速さ |
最近のビジネスモデル | ネットを介しての作動状況の確認から素早い対応 |
最近のビジネスモデルの導入企業 | S社 |
ライバル社のS社業績 | 急成長 |
自社の業績 | 落ち込み気味 |
自社システムの対応状況 | 遅れ気味 |
ネットを介したビジネスモデル導入見込み | すぐには難しい |
この表からは、「S社以外の競合企業の動向」や「過去の購買要因に対する各社の最近の取り組み」など、ライバル社以外の動向をみたほうがいいことがわかります。
この表を口頭で説明しようとすると、具体的な状況のほうに目がいきがちです。
すると、「ネットを介したサービスは優位性が出そう」などと思い浮かび、関連する話をしたり、具体的な提案をしようとします。
ですが、いきなり具体的な話しをしても全体像がつかめないので、どんな内容の話しをしているかを冷静にとらえることが重要です。
ミクロの視点とマクロの視点の切り替えが重要ですね
業界全体での視点でみることで、全体像をつかむということですね
あまりにも細かく仕分けしてしまって、収拾がつかなくなってしまうことがあります。
そこで考えておきたいのが、「枠組み」思考法です。
個々の特性を似たものでグルーピングしてみると、枠組みのようなものが出来上がります。
その意味で、情報を見て仕分けしているときには、似たようなものはまとめてみるとどうなるかを、イメージすることも重要です。
「購買要因」「ビジネスモデル」「自社の特徴」など、仕分けしたものを大まかな枠組みに当て込んでいきます。
この枠組みがあれば、どの部分の仕分けが十分あって、どの部分が不十分なのかがわかります。
いくつか仕分けしてみたらグルーピングして枠組みを作る。
その枠組みで十分か、まだ枠組みの中であがっていないものは何かを考えてみる。
これを繰り返すことで、仕分けをより幅広くできるようになります。
出来上がったものをみると、全体像をつかむこととデータをバラすことは、実は視点が違うだけで同じものだとわかります。
マクロで全体像、ミクロでバラした視点をみることは、偏りなく物事を捉えるという共通のポイントがあります。
このとき、とくに個々の仕分けから枠組みを考える際に重要なのが、俯瞰するという考え方です。
個々の特徴は何の話かを一段上がってみてみると、結果的に丁寧に情報を整理することができます。
情報が点在したら枠にはめ込んでいけばいいんですね
慣れないうちは、1つ1つタスクをこなし、マルチでやらないようにしましょう
相手と話している時、なんだか話が合わないと感じたら、見ている視点の高さが違うからかもしれません。
この情報は全体像でいうところのどのレベルで話しているかがイメージしにくいと、思うようにいかないことがあります。
難しいですが、マクロとミクロの視点の切り替えができてくると理解度が高まります。
思考についてのまとめです。
- 数値化していないデータはバラして考えてみる
- 仕分けする内容をあらかじめ考えておけば、ヌケやモレが防げる
- 箇条書き、大雑把、先入観があるとバラすのに失敗する
- ミクロ視点ではより丁寧に分解する
- マクロ視点では一段高いところから俯瞰してみる
- 仕分けで収集がつかなくなりそうなら「枠組み」を使う
- データは偏りなく、モレなく、ダブりなく抽出する
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