この記事はこんな人におすすめ
- 自分の得意なことや不得意なことがわからない気がする
- どういった環境にいれば集中できるかが知りたい
- 自分の能力を最大限発揮するにはどうしたらいいか知りたい
結論は、感覚が得意につながります
自分の得意や不得意は、案外知っているようで実は知らないって方は多いかと思います。
例えば、好きでやっていることと、得意でやっていることは別もので、混合してしまっている人がたまにいます。
さらに、自分がどういう環境にいれば、集中しやすい、いわゆる自分の能力を発揮しやすいかも関係してきます。
そのことを知るには、自分の子どもの頃にヒントがあるかもしれません。
どういった嗜好やクセがあったかによって、自分の感覚特性を大まかにですが把握することができます。
自分の能力を最大限生かすには、自分のことをよく理解しておく必要があります。
※自分の認知特性を知るにはここからどうぞ!
このブログは、以下の書籍を参考(引用)に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
小学校に上がる前の子ども同士では、発達に差が出てくることはあります。
例えば、駅名や車をスラスラ言えたりする子もいる一方で、他の子と比べると出来ないことが多いといったこと。
「天才」と呼ばれそうな子でも「問題がある」と思われる子どもも、発達の過程からみれば当たり前のことです。
人は、発達段階を飛び越えることなく、階段を一段一段上るように発達していきます。
人の能力を獲得するには、子どもの発達から説明することができます。
発達には「知的」「運動」「社会性」の3つに分けられます。
●知的能力
色、形、数を操作、積み木やパズルを組み立てる、あるいは経験的な知識力といった学校学習に直結する能力。
●運動能力
歩く、走る、ジャンプなどの「粗大運動」、字を書く、はさみを使うなどの手先の「巧緻運動」。
●社会性能力
他者を認識して人見知りをする、衣服を着る、同年代の子どもと仲良く遊ぶなどの能力。
その他、「言語能力」、「生活能力」も当てはまります。
この他にも、「注意集中力」「記憶力」「感情のコントロール」等も年齢相応に発達します。
これらの全てがバランスよく発達し、統合してからみ合わないと能力は発揮されません。
こういった全ての能力のベースとなるのが、感覚となります。
子どもの頃に何が得意だったかは、なかなか思い出せないですね
親に聞くことで、自分がどんな子だった聞いてみましょう
能力のベースは感覚にありますが、まずは「自分のからだを正しく認識する」ことが能力を鍛える第一歩となります。
自分の体を認識するには「固有覚」「前庭覚(平衡感覚)」「触覚」の3つの感覚が基礎となります。
固有覚は力加減、手足の位置、動きの感覚などの情報。
前庭覚は立っているか、寝ているかといった、自分の体の位置やバランスの感覚で、主に耳の中にある感覚器から入る情報です。
固有覚、前庭覚、触覚の3つの感覚が「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」といったほかの感覚と脳内でうまく統合され、運動能力や知的能力のベースができます。
①視覚、聴覚、嗅覚、味覚、固有覚、平衡感覚、内臓感覚などの感覚を獲得する
②姿勢やバランスを保つ能力、自分の体をイメージし、見通しを立てて計画通り行動する能力が身に付く
③形、モノ、数を認識、注意、集中、自信、自己統制する能力が備わる
これは子どもに限らず、大人にも影響を与えます。
仕事に集中できなくなる、上記③がうまく機能しないとき、姿勢が崩れていたり、耳障りな音(聴覚刺激)、目に入る気になるもの(視覚刺激)がある可能性があります。
物事に集中できないときは、一度自分の姿勢や周囲の環境をチェックしてみましょう。
能力を発揮できる状態だと集中状態になりやすいのか
万全な体調と環境に気を配る必要がありますね
全ての感覚は、ボディイメージを獲得するために重要なものですが、自分の感覚は自分にしかわかりません。
そのため、客観的に判断する場合は、その感覚に対して反応が敏感なのか鈍感なのかで判断することになります。
例えば、子どもの聴覚の場合。
敏感な子は、大きな音や特定の音、救急車のサイレン、劇場内での音の反響、手洗い乾燥機の音を嫌がる場合があります。
多少大きな音を、ほとんどの人は嫌悪感を抱くことなく脳内処理できますが、できないと敏感といえます。
逆に、黒板やガラスを指でひっかく音を好んだり、その動作を繰り返す場合は鈍感といえます。
鈍感な自分の感覚に刺激を与えている行動でもあります。
黒板をひっかく音、俺は気にならなかったな
視覚的にいやなのか音がいやなのかでも分かれますね
子どもの頃の気になる行動は、感覚の偏りが原因となります。
大人になっても自分が、他の人よりも違うというところがある場合も、同じことが言えるかと思います。
●触覚が敏感
乳児が哺乳瓶が嫌がるのは唇や口の中の触覚過敏なため嫌がっている可能性があります。
また、抱っこを嫌がるのも、触覚が刺激されることからかもしれません。
幼児期以降、過度なくすぐったがりや、特定のものを嫌がる、汚れるとすぐ手を洗いたがるのも、敏感な行動です。
●触覚が鈍感
身体にふれても気がつかない、注射やケガに強いなどが挙げられます。
●味覚・嗅覚
偏食が激しい、味やにおいの違いに敏感、臭いを嗅ぎたがる、または嫌がる。
●視覚
幼児期におもちゃを一列に並べたり、色分けして遊んだり、扇風機を眺めている場合は、視覚からの情報を好む傾向がある可能性があります。
上記のとおり少し例を上げましたが、幼少期の自分に、何か心当たりがある行動があれば、その感覚が鋭かったのかと思います。
自分の特徴を過去の自分からヒントを得ることで、強みや弱みの発見につながるかと思います。
発達の過程で目立たなくなり、今では気にならないかもしれません。
しかし、「ついやっていたこと」というのは自分の好きなことと言えるので、そこからきっかけをつかんでみましょう。
子どものときは不可思議なことをしていますからね
過去の自分からヒントを得るのもいいかと思います
感覚発達から起る不可思議な行動は、年齢を重ねるにつれ、五感を通して入力された感覚が脳内で統合・認知されていくために、表れにくくなっていきます。
しかし、バランスや好みは生まれ持っての特性として、得意不得意や嗜好として残ります。
普段から自分自身の感覚入力を意識していると、集中したい時や能力を最大限に発揮したいとき、どんな環境なら叶うのかを考えます。
例えば、聴覚が敏感な人は静かな環境の方が集中できますので、テレビを消したり、雑音の少ない図書館だと集中しやすいでしょう。
視覚が敏感な人は、散乱とした部屋だと多くの不要な情報が入ってくるため、必要最低限のモノにのみに整理すると集中しやすくなります。
鈍感な感覚に対策しても効果は薄いってことか
敏感な感覚を把握していると楽ですね
子どもの感覚を鍛えるには結構単純です。
感覚にはどのようなものがあり、どのような状況でその感覚が使われるかを知り、そのうえで目の前の子どもの感覚特性や感覚の偏りを把握します。
つまり、子どもの好き嫌い、クセ(よくやる行動)などを観察することです。
そして、色々なモノを見て、聴いて、触って、においを嗅ぎ、運動をする。
身体をフルに使って外の世界を体験させることで、子どもの感覚は鍛えられていきます。
著書では、6歳ごろまでに体力づくりや運動を進められているのは、この感覚を鍛えるためです。
もちろん、個人差もあるかと思いますので、就学後でも遅くはありません。
しかし、大人になってから感覚を鍛えるのは、子どもの頃のようにはいきません。
発達段階を終えた大人の脳も学習はしますが、子どもの脳ほどの感受性はなく、感覚を鍛えようにもなかなかうまく行きません。
大人は感覚を鍛えるよりも、自分の感覚特性を見極めて、自分の能力、つまり得意なことを活かす環境設定に力を注いだ方が効率的です。
感受性では子どもと張り合えないか
大人でも運動すると脳が鍛えられますが、予め得意なことに注力しましょう
感覚を鍛えるのは簡単ですが、2点ほど注意が必要です。
1点目は、弱い感覚があったとき、その感覚だけを鍛えようとして、1つの感覚刺激のみを鍛えないことです。
例えば、脳梗塞などで半身に麻痺がある場合、麻痺のある身体のほうの訓練こそがリハビリだと思われがちです。
しかし実際には反対で、麻痺のない身体のほうをまず鍛え、そのサポート役として麻痺のある側も一緒に鍛えます。
これは、弱い部分のみを鍛えても、本人には苦痛が伴ったり、ぎこちない動きになったりで、本人へのモチベーションが上がらないためです。
2点目は、鍛え方に段階をつけることです。
例えば、リハビリのプランを立てる時、「長期目標」と「短期目標」を設定します。
歩くことを長期目標とすると、座る訓練、身体を起こす訓練、立つ訓練等は短期目標となります。
社会人であれば、仕事で長期目標と短期目標の設定をやっているかと思いますが、感覚を鍛える場合も一緒です。
不得意な部分を鍛える必要が出た場合は他の能力で補うってことか
得意なことだけをやれと言われても、実際にはそうはいかないですからね
得意不得意をするには子どものころの生活がヒントになります。
今の自分に合う合わないのきっかけを探してみるといいでしょう
認知特性や頭の良さのまとめです。
- 感覚が人の能力のベースになる
- 能力は五感、姿勢、自己統制力の順で育っていく
- 自分の感覚が敏感か鈍感かで特性を知る
- 気になる行動は感覚が偏っている証拠
- 集中するには敏感な感覚が反応しないように意識
- 大人は感受特性を把握した方が集中しやすい
- 不得意な感覚を鍛えるには他の得意な感覚も鍛えるべき
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