この記事はこんな人におすすめ
- ランニングしているがスタミナが思ったようにつかずに悩んでいる
- マラソンで勝ちたいけど、どうすれば勝てるようになりか知りたい
- 貧血を予防するにはどうすればいいかわからない
結論は、持久力をつける体は食事でつくる
持久力はほとんどの競技では必要ですが、フルマラソンなどの長時間からだを動かし続ける競技は特化する必要があります。
トレーニングや本番では数時間も動き続けるためスタミナ切れを起こさないことが大切です。
特に貧血状態では満足にパフォーマンスを発揮できず、持久力をつけることすらままなりません。
持久力をつけるにはただ走るだけでなく、糖質・鉄分・ミネラル・ビタミンの摂取がポイントです。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
持久力強化が最優先
マラソンやクロスカントリースキー等、長時間の試合を戦い抜く競技がローパワー競技とここでは呼びます。
他の競技でもある程度の持久力は必要ですが、ローパワー系はそれ以上に持久力強化のトレーニングが最優先です。
ローパワー系競技の選手は、スッキリですが引き締まった上半身、太くないがしなやかで丈夫な筋肉をつけています。
もちろん、フルマラソン選手と10,000m選手では、トレーニング方法が異なりパワーも必要になったりしますが、根本的に数十分、数時間と体を動かすので持久力が必要です。
陸上長距離 | 水泳長距離 | スピードスケート(長距離) |
マラソン | 自転車(ロード) | スキー長距離 |
陸上中距離 | カヌー | など |
基本的に競技中は体を止めないですからね
ウォーキング1時間やるには持久力と忍耐力も必要ですね
過酷な環境をイメージする!
ローパワー系競技は、多くの練習時間を持久力強化のために行われます。
他のスポーツでも持久力トレーニングは行いますが、それ以上に高いレベルで行います。
どんなトレーニングも積み重ねは大切です。
長時間体を動かす競技であるため、普段の練習から本番の過酷さを想定して練習しないと勝利することは難しいでしょう。
マラソン選手は1回のレースで2,000~2,500㎉消費すると言われ、体重も4㎏近く体重を減らすこともあります。
※発汗による水分消失も含む
ローパワー系競技は、トレーニング時・試合本番時ともに非常にエネルギーの消耗が激しい状況が続きます。
つまり、それに耐えうるだけのスタミナを維持する食生活が不可欠というわけです。
持久力がないと競技の土台にすら立てないんですね
完走するには体力(カロリー)が必要ですね
グリコーゲンを意識して貯蔵する
ローパワー系競技は全て、試合中のスタミナ不足になるのを防ぐことができるかが勝敗を決めるカギになります。
トレーニングも、試合を戦い抜く持久力をつけるために、試合以上に体を過酷な状態に持って行います。
つまり、ローパワー系競技は常にエネルギー不足に悩むため、確保することが重要です。
また、エネルギー消耗による疲労も増えるため、効果的にエネルギー補給とすみやかな疲労回復がポイントです。
筋肉や肝臓の中にあるグリコーゲンと、体内に貯蔵されている脂肪の2つが、運動中の主なエネルギー源になるものです。
グリコーゲンの正体は、食事から摂った糖質 → 消化 → グルコース → 吸収 → 体内で再合成されたものです。
筋肉を動かすエネルギー源となるのは筋グリコーゲンで、主に脳を動かすエネルギーとなるのは肝グリコーゲン※から供給されるグルコース(血糖)です。
※肝臓に貯蔵されたグリコーゲン
体脂肪をエネルギーとして使うには、グリコーゲンが必要です。
グリコーゲンが枯渇した状態では、体脂肪をうまくエネルギーとして使うことができず、運動が続けられない状態になります。
人が体内に貯蔵できるグリコーゲンの量は、肝臓に約100g、筋肉に約250g
糖質を少ない食事をしていると、摂取より消費したグリコーゲンが多くなります。
トレーニングを行った翌日に、元のレベルまで筋グリコーゲンを回復することができなくなります。
その状態が続くと、グリコーゲンの低下 → 運動持久力の低下につながります。
糖質は一般社会人には敬遠されますが、運動をする人にとっては、トレーニングするためのエネルギー源となり、疲労回復にも役立ちます。
糖質だけじゃなく、ビタミンB群もとったほうがいいですね
糖質の代謝はビタミンがサポートしてくれます
グリコーゲン・ローティングを知る
エネルギーの消耗が激しいローパワー系競技の選手は、1日に体重1㎏あたり7~10gの糖質を摂るように推奨されています。
体重60㎏の人だと、420~600gの糖質が必要になり、ご飯換算だとお茶わん(150g)で7~10杯相当です。(めちゃくちゃ多いです)
もちろん、白米だけで糖質を摂る必要はなく、他の食べ物からでも糖質は摂取できるのでバランスを意識することが大切です。
体内に貯めておけるグリコーゲンの量は多くありませんので、試合に合わせて貯蔵量の限界まで糖質をため込む「グリコーゲン・ローティング」を行うことがあります。
試合3~4日前から、食事でとる総エネルギーに対して糖質の比率を70%まで引き上げるという方法です。
糖質の多い穀類、イモ類、フルーツ類の組み合わせで糖質量をコントロールします。
グリコーゲン・ローティングのポイントは、ビタミン・ミネラル類も減らさないようにすることです。
試合前に調子を崩さないようにするためで、油脂類は減らしつつも野菜類はしっかり摂るようにします。
ただ、試合前はからだの状態が神経質になるので、いきなり始めるのはリスクがあります。
普段の食事で取り入れることで、食後に体にどういう変化が起こるかを観察するのもポイントです。
糖質を味方につけるのも大変ですね
結局は自分の体はあなたしか知り得ませんからね
鉄分を適度に補給する
長時間運動をし続けるローパワー系競技の選手は、貧血によるパフォーマンスへの影響がでかいので対策は超重要です。
貧血にもいくつか種類がありますが「運動性溶血性貧血」と「鉄欠乏性貧血」には注意です。
足裏から衝撃を受け続けることで赤血球が壊れやすくなるために起こる貧血です。
産生される赤血球<破壊される赤血球が多くなると貧血状態になります。
靴のソールのクッション性を上げることで対策ができます。
ミネラルの一種である鉄が不足した状態で起こる貧血です。
大量の汗をかくとともに、ミネラルも排出されるため貧血状態になります。
鉄分の補給と吸収を阻害する食べ物を食べないことで対策することができます。
女性に多いイメージですが、男性にも起こりうるので無視はできません。
鉄の大半はヘモグロビンとして赤血球の中にあり、酸素をからだの隅々に運ぶ役割をします。
食べたものを体内で燃やしてエネルギーにしたり、運動中の酸素供給だったり、活躍の場は多いです。
ヘモグロビンの量が多いほど効率よく酸素を運ぶことができるしくみになっていますが、不足すると当然エネルギーを供給できません。
つまり、酸欠のような状態で運動しているようなもので、これでは持久力の低下が起こります。
鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。
〇ヘム鉄・・・動物性食品に含まれる。レバー、牛肉など。
〇非ヘム鉄・・・植物性食品に含まれる。ほうれん草、納豆など。
ビタミンCは鉄分やタンパク質の吸収率を上げる効果があるので一緒にとりましょう。
ただし、食後のコーヒーや緑茶に含まれるタンニンは鉄分の吸収を抑制するのでなるべく控えましょう。
※通常の食生活では過剰摂取の心配は不要ですが、サプリメントと併用する場合は気を付けましょう。
便秘、吐き気、嘔吐などの胃腸障害が起こります。
食後のコーヒーは、時間が経ってから飲むしかないですね
貧血は長距離選手にとっては致命傷です(実体験)
骨密度を低下させない
長時間運動を続ける競技は、疲労骨折のリスクが高くなります。
骨の同じ部位に小さな力が繰り返し加わることで骨にひびが入り、それが進んで骨折になります。
スポーツは筋肉収縮の連続作業でもあり、筋肉を収縮させるにはカルシウムが必要です。
筋肉収縮で使うカルシウムが不足すると骨からカルシウムを補おうとするため骨密度が低下します。
この状態を続けていれば当然、骨折リスクが高くなります。
運動中に発刊しますが、この際にもカルシウム(ミネラル類)は排出されます。
一般的には1日に2~2.5ℓの汗をかきますが、運動する人は夏場だと1回のトレーニングで2~3ℓを越えます。
体内のカルシウムの99%は骨と歯の材料になり、残り1%は能と筋肉をつなぐ神経系の伝達や筋肉の収縮、血液凝固につかわれます。
運動選手にとっては、カルシウムはとても大切な栄養素ですが、日本人の食生活はカルシウム不足になりやすいです。
カルシウムは精神面にも影響するため、イライラしやすい、カッとなりやすくなったりします。
試合中には冷静な判断をすることも多いなか、精神面の不安定さはマイナスに作用します。
日本人は、欧米人に比べて乳製品を摂る機会が少ないと言われています。
成人男性が1日に必要なカルシウム量は約700㎎ですが、運動選手は約1,000㎎です。
乳製品のカルシウムの吸収率は40%で、他の食品よりも相対的に高いです。
大豆製品もカルシウムが豊富に含まれています。
日本人含むアジア人は乳糖不耐症の人も多く、乳製品で体調を崩しやすいのでその時は大豆製品を多く食べましょう。
カルシウムのとり方には考える必要がありますね
小松菜やひじきにも多く含まれますね
長距離運動選手は持久力が最重要です。
いくら爆発力があっても、それを維持できなければ記録を出すのは困難です。
普段の食生活とトレーニングの積み重ねが勝利をつかむポイントとなります。
アスリートの栄養学のまとめです。
- マラソン選手などの長距離選手は持久力が全て
- 過酷な状態が長時間続くことを想定してトレーニング
- トレーニングでも試合でもエネルギー不足にしない
- 糖質のコントロールで本番の勝利は決まる
- 鉄分摂取で貧血を防ぐことを第一優先で考える
- カルシウムをとり疲労骨折リスクを減らす
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