ミクロ視点とマクロ視点の両方を持つことはとても重要なことですが、これを自由自在に視点を切り替えて調整しながら思考できる人は、確実に頭がいい人です。物事を考えることが苦手な人も、見ていただければと思います。
この記事はこんな人におすすめ
- 頭がいい人の考え方は、どこが違うのか知りたい
- 本質的に考えるには、どうしたらいいのか悩んでいる
考えるのは苦手なんですが、考えるフリは得意なんですよ♪
今日からこれで、「う~ん」と言いつつ思考停止になることはないですよ
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
ミクロ視点とマクロ視点もどちらも重要な役割を持つため、片方だけじゃなく両方を持つことが大切です。
物事を考えるときに、「マクロとミクロを自由に行き来する視点」を持っている人が、頭のいい人の本質となります。
どちらか片方に偏らず、マクロとミクロの両方を行ったり来たりすることができる人は、問題を解決できる人です。
推理系のドラマや漫画でも、ミクロな視点でみつけた「痕跡」という手がかりを、マクロな目線で全体と結びつけることで、事件解決の糸口をみつけられます。
東大入試問題では(以下参照)、ミクロな視点で「過去10年」を見つけただけでなく、マクロな視点で問題を広い視野でとらえることで「航空便利用者が増えたというのは、中国に行く人が増えた。なら、中国で過去10年に何かが起こったんだ」という思考が可能になり、キーワードに気が付くことができそうです。
問題 成田空港から北京や上海に向かう航空便の利用者数は、過去10年間に増加してきている。その理由を60字以内で述べよ。 (2005年東大地理第3問A問題より抜粋。一部改変)
大切なのは、「ミクロ」と「マクロ」の両方を行き来することです。
ミクロとマクロ、この両方の視点を持つことで
大人になれるんでしょうか?
ミクロ&マクロの視点を両方持つことで、考える力は大人顔負けですよ。
ただ、大人になるということは、頭のよさだけではありませんよ。
過去に、原因思考、上流思考、目的思考、裏側思考ということを書いてきましたが、これらは全て、ミクロとマクロの視点を行き来する手段でもあります。
原因思考
結果から原因を思考するやり方です。
世の中のほぼ全てのことは結果だととらえて、その結果を引き起こしたであろう原因をさぐる思考法です。
これは、結果というマクロな物事から、原因というミクロな事柄を見出す行為です。
事件という結果があって、その原因となった犯人を探すのと同義です。
つまり、「マクロ」から「ミクロ」へと至る思考法です。
上流思考
下流から上流を思考するやり方です。
ほぼ全ての物事は下流だととらえて、その下流に行きつくに至った上流となる背景を探す思考法です。
これは、見えているミクロな物事から物事の流れというマクロを知ろうとする行為です。
犯人の犯行という下流のミクロな事象があって、そこに行きついてしまった動機や経緯、背景をマクロな目線で調べるのと同義です。
つまり、「ミクロ」から「マクロ」へと至る思考法です。
目的思考
目的から手段を導き出す思考です。
ほぼ全ての物事を手段だととらえて、いかにして目的を達成するかを考えるやりかたです。
これは、手段というミクロなものを、目的というマクロなものから逆算する行為です。
事件を解決するという目的があって、その犯行の手口は何なのか手段を探す。
つまり、「マクロ」から「ミクロ」へと至る思考法です。
裏側思考
表側から裏側を思考します。
ほぼ全ての物事は表側だととらえて、裏側を考えてみる思考法です。
これは、見えているミクロな事象に対して、マクロな見方を考える行為です。
キーワード等、些細で小さい物事を、さまざまな目線で眺めて解決の糸口を探します。
つまり、「ミクロ」から「マクロ」へと至る思考法です。
思考法 | 起点 | 考え方 |
原因 | マクロ | 物事が起こった原因を考える |
上流 | ミクロ | 物事がそこに行きついた背景を考える |
目的 | マクロ | 目的を達成するには、どうすればいいのかを考える |
裏側 | ミクロ | 物事の裏側には何が起こっているのかを考える |
思考法を分別すると、
ミクロ→マクロか、マクロ→ミクロ
この二つのパターンしかないんだね。
思考法の名前までは覚えなくても大丈夫です。
わかりにくい人は、ミクロを起点に考えるか、マクロを起点に考えるか。
この2つだけ覚えておけば大丈夫です。
日常の解像度を上げるという考え方もまた、マクロとミクロを行き来することに他なりません。※日常の解像度については、復習編をご覧ください。
日常生活を送っていると、マクロでものを見ることもあれば、ミクロでものを見ることもあります。
「日本の経済が落ち込んでいる」という話しをニュースで聞くこともあれば、「近所のスーパーがつぶれるらしい」と噂を聞くこともあります。
頭のいい人とは、何かを見た時、もっとマクロに考えることも、もっとミクロに考えることもできる人のことです。
「日本経済が落ち込んでいるから、近所のスーパーがどんどんつぶれていくかもしれない」と考えることも、「近所のスーパーがどんどん潰れているのは、日本経済が落ち込んでいるという事なのかも」と考えることもできるということです。
マクロとミクロは、色々な方法で行き来できます。
「日本経済が落ち込んだのは理由があるはず」と原因を考える。
「近所のスーパーがつぶれている背景は何だろう」と上流を考える。
「日本経済が落ち込んでいる中で、どんなことができるだろう」と目的や手段を考える。
「近所のスーパーがつぶれたという事実には、どのようなとらえ方があるか」と裏側を考える。
近所のスーパーがつぶれたという1つの事実から、こんなに色々なことを考えられます。
でも、世の中の殆どの人は「ふーん、つぶれたんだー」で思考が止まってしまいます。
マクロとミクロを行き来する努力をする人こそが、頭がいい人になれます。逆に言えば、頭がいい人とそうでない人の違いは、その程度のことと考えられます。
普段からよりマクロに、よりミクロに物事をとらえるようにすれば、原因を知ることで結果を覚えられ、上流を知ることで火竜を要約でき、目的を知ることで説明しやすい手段を得られ、裏側を知ることで多くの見方で表側を見ることができます。
マクロとミクロを行き来する、本質的な思考をすることで、問題解決が可能になります。
なんだ、じゃあ俺も今日から天才になれるんだー
ヤッフゥー!
何をもって天才と呼ぶのかはひとまず置いておきます。
思考が苦手だという人は、まずは上記の方法を試してみるといいでしょう。
- ものごとを「俯瞰」と「掘り下げ」の視点で見ることができる
- 結果と原因の両方の視点を持つことで、ものごとの本質をみることができる
- 日常のありふれた出来事から、マクロ視点とミクロ視点でみることを常に行う
ミクロ視点とマクロ視点、この両方を持つことが大切ですが、それを自由に行き来してマッチングさせる力が特に重要です。
考えるということは、このミクロ視点とマクロ視点が基本となっています。
ミクロを起点を起点としてマクロ視点を思考していく。マクロを起点としてミクロ視点を思考していく。この両方の視点から物事を捉えられるようになると、本質を見落とさない考え方ができるでしょう。
今まで、頭がいい人について書いたことを復習していきます。
それではここからは、復習となります。
過去記事の内容をまとめたものなので、
さらっと読む程度で大丈夫です。
日常の解像度
普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。
日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。
日常の解像度のあげ方
例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。
答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。
このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。
覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ
頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。
九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。
記憶するには関連付けておぼえると楽
物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。
丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。
記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです
なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。
覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。
そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。
原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける
物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。
それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。
原因を調べるための具体的な方法4つのコツ
- 特徴的な言葉や数字の原因を探す
- その言葉、数字を使って「何故」と考える
- その数字、言葉の背景を調べる
- 「何故」に対する解答を考える
これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。
他の物事に関連付けて覚える
関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。
そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。
一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。
具体的な関連付けるやりかた
- ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
- 原因から派生する結果を書く
- 原因と結果をつなげる
- そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする
要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人
人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。
要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。
つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。
要約をするためのプロセス
- 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
- その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
- この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる
自己紹介は要約する力を発揮できる
自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。
就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。
20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。
自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。
上流探しをするコツ
①その言葉の定義をはっきりさせる
②そもそもどうしてなのかを探してみる
③その前に何があるかを考える
この3つを踏まえながら考えてみる。
上流と下流が繋がったときに、要約が成立する
下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。
しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。
また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。
要約づくりの具体的な方法
①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する
②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる
③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する
要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要
自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。
説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。
人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。
説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ
人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。
そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。
その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。
目標を設定しても手段ばかりに囚われては、結果に結びつかない
目標と手段、どちらが大切かというと目標の方が大切です。
目標を達成するために手段があるのですが、手段にはテクニックや技術を使うことが多いので、こちらに焦点を当ててしまいがちです。
しかし、手段ばかり重視していると、目標があいまいになってしまい結果が出にくくなります。
必ず、目標を抽象的ではなく明確に設定し(細かく設定する)、手段は二の次と考えましょう。
何を伝えたいのかを徹底的に考える
相手が既に知っている知識が手段で、相手にとって未知の知識が目標となるのですが、この目標を徹底的に考えることで、手段も明確になってきます。
たとえば、会話をするときにも「~について」など、タイトルをつけると相手にも伝わりやすくなります。
話し方の技術も大事なのですが、何をするにも、目的を明確にすることのほうが先決です。
人に何かを説明する時に、相手を過大評価しない
人間は自分の知らないことは理解が難しいですし、そしてその説明が上手くないと、なおさらです。
人に何かを説明する時には、例えば「A」→「B」→「C」と説明する時には必ずこの順番で説明しなければなりません。
説明が下手な人の特徴は、この「B」の部分をはしょって説明することが多いです。そうすると、聞いている側は「なんでそうなった」と思うから、本質的には理解できません。
「これくらい説明しなくてもわかるだろう」という、相手への過大評価をすると、説明をはしょりたくなるので、説明する時は丁寧に説明するように心がけます。
目的探しの具体的方法
①ゴールづくり:何を伝えられれば終わりなのかを考える
②目的選び:達成したいことから逆算して、何を伝えるべきかを考える
③目標づくり:目的をより具体的にする。目的の中に数字に基づいた「目標」を入れたり、期限を設定したり、具体的に
手段選びの具体的方法
①目的の分解:その目的に含まれる言葉を抽出する。
②たとえ探し:①で抽出した言葉やイラストを、見やすいところに貼っておき、定期的に例を探すようにする
③たとえ貯め:見つけた例を、ノートやメモ帳に残しておく。また、文章を読んでいて「いいな」と思った例があった場合も同様に、メモとして残す。
一を聞いて十を知る本当の意味
一を聞いて十を知るという言葉は、みなさんも聞いたことがあるかと思います。
しかし、1つの情報から10の情報を得ると言う意味ではなく、実際には、1つの物事に対して10の視点を持って見ることができることです。
さまざまな角度(立場)からみることで、おのずと色んな発想や考え方を思い浮かぶというものです。
発想力の高い人は確証バイアスにとらわれない
人間には、「これはこうだ」「これはそうに違いない」という確証バイアスにとらわれることがよくあります。
発想力の高さにつなげるには、まずは先入観や偏見をなくすことが必要です。
そして、様々な視点、目の付け所というのをたくさん持っていることで、発想力を上げることができます。
二頂対立の考え方で、発想が枝分かれで増えていく
物事に対して、賛成と反対、両面で答えを考えることで、その1つの情報を様々な角度からみることができます。
この思考法は、考える立場を増やせば増やすほど、その分だけ発想が生まれてきます。
「この人はこういう理由で賛成している」「あの人はこういう理由で賛成している」など、賛成意見のなかでも理由が違うので、その分だけ違う発想になるということです。
あえて反対の意見を考える必要もある
どんな物事にも、裏側があります。この裏側をしっかりとみることができれば、一を聞いて十を知る訓練になり、よりよいアイデアを思いつけるようになります。
言い方に気をつけながら、ダメ出しをしてみるのも時にはいい発想へとつなげることができます。
視点探しで、様々なものの見え方ができる
ディベートをすることで、議論をしてアイデアや考えを深めることができます。
ディベート自体は、3000年以上前から行われてきたものですが、今の時代になっても、この思考法は有効です。
発想力やアイデアを深めるのは、いろんな視点を持つ、つまり、多くの人の意見を出してもらうのがてっとり早いのかもしれません。
問題解決をする力が高い人も、頭がいい人の特徴
問題を解決するトラブルシュータ―と呼ばれる人たちも、頭がいい人の特徴となります。
彼らは、普段から細かいところに気がついたり、物事が起こった痕跡を探すのが上手です。
そしてそこから、問題解決をするための糸口をみつけられます。
推理系でいうと、探偵役の人に当てはまりますね。
ミクロ視点とマクロ視点を持つことの大切さ
ミクロは小さいこと、細かいこと、マクロは大きいこと、広いことを指します。
頭のいい人はこの二つの視点を上手に使い分けることができます。
どちらかに偏って使っていては、部分的な解釈鹿できなかったり、全体がどんな状況なのかがわからなくなります。
この両方の視点を持ち、ミクロとマクロの視点をマッチングさせることができるといいです。
参考文献
前月のブログ状況報告↓
2021年9月近況報告
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