自分のことを知りたい場合、たとえば自分の強みや弱みを知りたい場合は、自分自身で振り返って分析することも大切ですが、相手からのフィードバックを受けるということも取り入れてみましょう。仕事をするうえで、そこはとても勉強になるところなので、精進したい場合は、まずやってみることをおすすめします。ですが、相手が不快に思わないように配慮することが大切です。
この記事はこんな人におすすめ
- 自己分析をしたが、それが本当に妥当なのかを確認してみたい
- 色々と聞きたいことがあるけれど、相手に不快に思われたくない
自分こそが資本だけど、社会の中では今、自分のレベルなのかを把握しないといけませんね。
他人と比較する必要はありませんが、自分のことは知っておく必要はありますね。
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
「敵を知り、己をしれば、百戦危うからず」(相手と自分を知っていれば、何回戦っても負けることはないという意味)と言ったのは孫子ですが、己をしるためにも質問は有効です。
自分のことは、自分が一番よくわかっていると思いがちですが、実際には、自分のことを他人からきづかされることはよくある話です。
たとえば、自分(自社)の強み、弱み、どのような点を改善すべきか、などを一番よくしっているのは顧客です。
今、自分が何をすればいいのかというのは、現場にいると、目の前の仕事にとらわれて見失いがちです。
その答えを知るには、顧客(相手)に質問をするのがいちばん早い時もあります。自分で考えてもよくわからないことなどがそうですが、たとえば
「取引相手に自分(当社)を選んだポイントはなんでしょうか?」といったものです。
この質問により、自社(自分)の優位性に関する情報を得ることができます。
ビジネスは競合相手がいるのが普通ですが、顧客はどの取引相手を選ぶのも自由です。しかしそれでも、顧客はその中のどこかの企業から選ぶ必要があります。
多くの場合の選ばれる理由は、顧客が求めるものを他の企業よりも多く持っていたということになるからなのですが、まず、何故選ばれたのかを知りましょう。
その情報を得て、自分(自社)の強みにさらに磨きをかけられれば、もっとビジネスを拡大できるはずです。顧客が最もよく知っているあなたの魅力が、質問によって明確になっていきます。
一般的に言うと、「フィードバック」を受けるということです。成功した点でも失敗した点でも、相手から指摘を受け続けることで、成長していけます。
数ある探偵事務所から、私に依頼を頂いた理由をお聞かせ願えないでしょうか。
「依頼料は高いですが、数々の難事件を解いた、その御力をお借りしたかったのです。」
といった具合に、実績がある会社というのも、それだけで選ばれる理由にもなりますね。
逆に、もし自分の会社が取引を打ち切られた場合にも、必ずその理由を聞く必要があります。
「今後の課題といたしますのでお聞かせください。当社から他社へ取引変更をされた一番の要因はなんでしたのでしょうか。」
といった具合に質問をすることで、顧客が何を求めているのか、自分に何が足りないのかが明らかになります。
通常、離れていく顧客はわざわざその理由を告げようとしません。「それは自分で考えてください」と断られるのが多いでしょう。
クレームをつけてくれるのは、1%もあればいいでしょう。勇気がいりますが、あえて踏み込んで、自分(自社)の弱みもしることで、今後取り組むべき課題が明らかになります。
これは、個人で働く場合も一緒です。
自分に足りないところを相手に聞いてみることで、自分の課題がみえてきます。
質問という形で聞けば、耳に痛い話しも素直に聞けます。これによって弱点を補強して、競争相手にも強くなれます。
なんだか、就職活動の時の「自分の強み・弱み」を話すときみたいですね。
就活時だと、「何故そう思うのか」ということを論理的に説明できればいいのですが、
仕事をする場合だと、弱点を補強するために、どう仕事をするのかという行動も必要となりますからね。
相手から情報を得るには、質問をするのが一番早いのですが、こちらの知りたいことばかりをあからさまに質問し続ければいいというわけではありません。
それは、相手に「取り調べ」のような印象を与えてしまいます。
一方的に質問をされ続け、それに答えると言うのはかなり苦痛だと思います。初対面の人に一方的に「年齢は?」「出身地は?」「住所は?」「仕事は?」「年収は?」
といった具合に質問され続ければ、嫌になりますよね。
相手の情報を得ようとするなら、自分の情報も開示するようにしましょう。それが、会話を進めていく上でのマナーです。そうして話題を広げながら、質問を進めていきましょう。
ようは、少なくとも自分の情報も与えることで、相手も同じレベルの情報を教えてくれることが多いです。
ねぇねぇ、私、実家で猫を飼っていて「ソウセキ」って名前なんだけど、この子が毎日千円札をどこからか持ってきてくれるんだ~。ソウセキはとっても頭がよくて、私の言っていることもわかるみたいなんだけど、ところであなたって猫飼ってる?
ネコネコネコネコネコ🐈
飼いたいですね~
ただ、上記のようなマナーも全ての相手に当てはまるわけではありません。
相手が自分よりも年配だったり、役職が上の人だったら、自分の話しをすることが不適切な場合もあります。
一般に目上の人、年配の人、特定分野の専門家(成功者)は、自分の話しをするのが大好きです。自分の成功体験や考え方を、若い人たちに教えるのが大好きです。
なので、このような場合には、こちらが話すのは相手から聞かれたことに答える程度に抑えて、または、自分の悩みを相談するにとどめて、むしろ質問攻めにしても大丈夫な場合があります。
「今の仕事をやろうと思ったきっかけとかはあるんですか?」「事業でしんどかったことはありますか?」「どうやって乗り越えてきましたか?」
などなど、相手の成功への軌跡をたどるような質問には、喜んで答えてくれるはずです。ただ、それでも寡黙な人も中にはいるので、質問をしたときに相手がどのくらい話してくれるのかを聞きながら判断してみましょう。
どんな場合でも、人間は、何かを与えた時は、その対価を無意識に要求する返報性の法則があります。質問に答えた時も同じです。相手はあなたの質問に答えて、情報を与えることにより、無意識のうちに対価を求めます。
質問に答えてもらったら、あなたは相手に対して「尊敬と感謝の気持ち」という対価を捧げましょう。それによって、ギブ&テイクの取引が成立します。
そして「また、あなたの質問に答えてもいいかな」と相手は思うでしょう。そうした関係を築いていけるのも、上手な質問の力です。
自分のことは自分が一番よく知っているかというとそうではなく、時には相手からフィードバックを受けることで、自分の強みや弱みといったことを理解できます。そして、自分の強みを生かしながら、弱点を補強することで、ビジネスでは競合他社に劣らない強い自分(自社)となることができます。
ただし、相手に聞く場合は、矢継ぎ早のように立て続けに質問をするのは控えましょう。答える相手は、基本的にメリットはないので、質問を受け続けるだけでは嫌な気持ちになります。
自分の情報も与えることで、相手からも情報提供を受けるということを意識して質問をしましょう。
ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。
随時更新していきます。
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