物事は「表裏一体」ということは耳にしたことがあるかと思います。世の中のほとんどは、「表側」しかみえてこないので、裏側のことまでは考えに至らなくなることがあります。
しかし、発想力を大切にする場合は、この裏側を見ることが大切です。
表裏一体、光り輝くほど濃くなる影
僕はいったい、どっちの結末を願う
それは、
「ゆず」の「表裏一体」ですね
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
「裏側思考」というと、なんだか怖い言葉のように感じられます。表ではなく裏というと、常識的でなかったり、非正攻法ではなかったり、そんな印象があるかと思います。
しかし、頭のいい人はこの「裏側」を考えることに長けている人が多いように感じられます。
裏側というのは、具体的にはどんなことなのか。
それは、見る角度を変えた時に見えるもののことです。実際に多くの人は、これが見えていないかもしれません。
どんな物事にも、裏側は存在します。
たとえば、東大の合格率は約30%であり、3人に1人しか合格できていません。
しかし逆に考えれば、3人に1人も合格しているということです。
ある人にとっては否定的な情報が、違う人にとっては肯定的な情報になるわけです。
また、多くの人は「自分は将来どうしようか」「明日はどちらの服を着ていこうか」など、物事を選択する時に思い悩みます。
何故思い悩むかと言えば、「選ぶ」ということは「他のことを選ばない」ということと同義だからです。
つまり、「赤い服を着ていく」ということは「青い服は着ない」ということです。選ばなかったことを思って、人間は悩みます。
すべての物事には裏側が存在します。その裏側をしっかり見ることができれば、一を聞いて十を知ることの訓練になり、よいアイデアが思いつくようになります。
裏側と言えば闇。闇と言えば真実を隠すためのミスト。
ミストの中に真実があるということね。
言い回しが面倒ですが、そんなところですね。
裏側を見るためには、どうすればよいのでしょうか。
実はこれを計るような問題が、過去の東大の問入試問題に出題されたことがあるようで、その問題がこちらとなります。
次の文章は、数年前の東京大学入学試験における、日本史の設問の一部と、その際、受験生が書いた答案の一例である。当時、日本史を受験した多くのものが、これと同じような答案を提出したが、採点にあたっては、低い評点しか与えられなかった。なぜ低い評点しか与えられなかったかを考え(その理由は書く必要がない)、設問に対する新しい解答を5行以内で記せ。(1983年度第1問)
という内容ですが、つまり、「数年前の答案に、ダメ出しをしろ」という問題です。
こんな問題、当時でも相当話題になったかと思いますし、今の受験生も過去問を勉強していたら、間違いなく話題になるような問題となります。
そしてまた、なんでこんな問題を出題したのだろうと、感想をもつかと思います。
たしかに、この問題には驚かされましたよね。
他人の解答をダメ出しするとは、思いもしなかったですよ。
出題された問題の意図も、考えてみようか。
(今の子どもはもうそんな勉強をしているのかな?)
上記の問題ですが、これは、発想力を鍛えるためには非常に大切なヒントになります。
賛成意見と反対意見を考えることで、一を聞いて十を知ることができるようになりますが、その具体的なやり方が、この問題には表れています。
つまり、発想力を鍛えるためには、目の前にあることを「正しい」と思ってみるのではなく、「間違っている」と思ってみることで、裏側を探せばいいのです。
人間は目の前のことには肯定しがちになります。
例えば、論理的に組み立てられた何かの意見を聞いたら「反対です」と言う人はほとんどいないかと思います。「そうですね」「いいんじゃない」「否定する理由がない」と肯定してしまうかと思います。
なぜ肯定するかというと、答えは単純で、否定するにも否定するなりの考えを持ったり、理由を考えたりと、肯定するよりもエネルギーが必要になるからです。
ですがここであえて、「否定」をしてみる。肯定的にとらえていることを否定してみる。そうすることによって、裏側をみることができるようになります。
なんとなく人の話しを聞いたら「正しそうだ」と思ってしまうし、何か賛成意見を聞いたら「これでいい」と考えてしまう。そこに「確証バイアス」が加わればなおさらです。
「いや、でも本当にそうだろうか?」「何か間違っているポイントはないか」と考えてみることも大切です。
これこそが、裏側思考。いわば、斜に構えて物事を見る(皮肉っぽくとらえてみる)ことが大切です。
よーし、明日から俺も世の中の全てを否定してやるぞー!!
極端な考え方はやめておきましょう。
それに、やりすぎると人間関係に支障がでますよ。
誰かに何かを意見を求められるとき、肯定することも大切ですが、発想力を大切にする場合は、あえて否定的な意見を言うことも大切です。
否定意見を言うという事は、ダメ出しの意見を言ってみるという事です。そうすることで、新しい角度で物事を捉えることができるようになります。
否定することは勇気やエネルギーが必要ですが、もし今の職場や仕事の仕方などを変えたい場合は、まずは否定する(ダメだしする)ことから始めることで、変化へとつなげていくことができます。
いうまでもないですが、重箱の隅をつつくような意見や、粗探しをするような意見は、本質的な問題とはかけ離れるのでしないようにしましょう。
また、否定するにしても、言い方に気をつけないと、人間関係にも影響が出るので注意しましょう。
今まで、頭がいい人について書いたことを復習していきます。
それではここからは、復習となります。
過去記事の内容をまとめたものなので、
さらっと読む程度で大丈夫です。
日常の解像度
普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。
日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。
日常の解像度のあげ方
例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。
答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。
このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。
覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ
頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。
九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。
記憶するには関連付けておぼえると楽
物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。
丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。
記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです
なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。
覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。
そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。
原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける
物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。
それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。
原因を調べるための具体的な方法4つのコツ
- 特徴的な言葉や数字の原因を探す
- その言葉、数字を使って「何故」と考える
- その数字、言葉の背景を調べる
- 「何故」に対する解答を考える
これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。
他の物事に関連付けて覚える
関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。
そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。
一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。
具体的な関連付けるやりかた
- ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
- 原因から派生する結果を書く
- 原因と結果をつなげる
- そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする
要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人
人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。
要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。
つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。
要約をするためのプロセス
- 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
- その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
- この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる
自己紹介は要約する力を発揮できる
自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。
就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。
20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。
自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。
上流探しをするコツ
①その言葉の定義をはっきりさせる
②そもそもどうしてなのかを探してみる
③その前に何があるかを考える
この3つを踏まえながら考えてみる。
上流と下流が繋がったときに、要約が成立する
下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。
しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。
また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。
要約づくりの具体的な方法
①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する
②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる
③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する
要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要
自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。
説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。
人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。
説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ
人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。
そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。
その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。
目標を設定しても手段ばかりに囚われては、結果に結びつかない
目標と手段、どちらが大切かというと目標の方が大切です。
目標を達成するために手段があるのですが、手段にはテクニックや技術を使うことが多いので、こちらに焦点を当ててしまいがちです。
しかし、手段ばかり重視していると、目標があいまいになってしまい結果が出にくくなります。
必ず、目標を抽象的ではなく明確に設定し(細かく設定する)、手段は二の次と考えましょう。
何を伝えたいのかを徹底的に考える
相手が既に知っている知識が手段で、相手にとって未知の知識が目標となるのですが、この目標を徹底的に考えることで、手段も明確になってきます。
たとえば、会話をするときにも「~について」など、タイトルをつけると相手にも伝わりやすくなります。
話し方の技術も大事なのですが、何をするにも、目的を明確にすることのほうが先決です。
人に何かを説明する時に、相手を過大評価しない
人間は自分の知らないことは理解が難しいですし、そしてその説明が上手くないと、なおさらです。
人に何かを説明する時には、例えば「A」→「B」→「C」と説明する時には必ずこの順番で説明しなければなりません。
説明が下手な人の特徴は、この「B」の部分をはしょって説明することが多いです。そうすると、聞いている側は「なんでそうなった」と思うから、本質的には理解できません。
「これくらい説明しなくてもわかるだろう」という、相手への過大評価をすると、説明をはしょりたくなるので、説明する時は丁寧に説明するように心がけます。
目的探しの具体的方法
①ゴールづくり:何を伝えられれば終わりなのかを考える
②目的選び:達成したいことから逆算して、何を伝えるべきかを考える
③目標づくり:目的をより具体的にする。目的の中に数字に基づいた「目標」を入れたり、期限を設定したり、具体的に
手段選びの具体的方法
①目的の分解:その目的に含まれる言葉を抽出する。
②たとえ探し:①で抽出した言葉やイラストを、見やすいところに貼っておき、定期的に例を探すようにする
③たとえ貯め:見つけた例を、ノートやメモ帳に残しておく。また、文章を読んでいて「いいな」と思った例があった場合も同様に、メモとして残す。
一を聞いて十を知る本当の意味
一を聞いて十を知るという言葉は、みなさんも聞いたことがあるかと思います。
しかし、1つの情報から10の情報を得ると言う意味ではなく、実際には、1つの物事に対して10の視点を持って見ることができることです。
さまざまな角度(立場)からみることで、おのずと色んな発想や考え方を思い浮かぶというものです。
発想力の高い人は確証バイアスにとらわれない
人間には、「これはこうだ」「これはそうに違いない」という確証バイアスにとらわれることがよくあります。
発想力の高さにつなげるには、まずは先入観や偏見をなくすことが必要です。
そして、様々な視点、目の付け所というのをたくさん持っていることで、発想力を上げることができます。
二頂対立の考え方で、発想が枝分かれで増えていく
物事に対して、賛成と反対、両面で答えを考えることで、その1つの情報を様々な角度からみることができます。
この思考法は、考える立場を増やせば増やすほど、その分だけ発想が生まれてきます。
「この人はこういう理由で賛成している」「あの人はこういう理由で賛成している」など、賛成意見のなかでも理由が違うので、その分だけ違う発想になるということです。
参考文献
前月のブログ状況報告↓
2021年8月近況報告