お知らせ

説明するにしても、そのことを理解していないとできないし、ましてや要約することすらできません。

川の上流と下流のように、物事の結果は下流で、原因や背景は上流にあるという考え方で要約することができます。

しかし、その上流と下流の組み合わせ次第では、経過が変わってくるので、要約の解釈も変わってきます。

今回はそこを詳しく紹介します。

文章を読み上げてくれます(.WAV)

みんながうなずく説得力を身につける

前回からの続きですが、流れ探しによって川の上流を理解できるようになったら、次は、その上流と下流をつなげなければいけません。

上流と下流をつないだときに見えてくるものが、要約となります。

たとえば、「スナック菓子」とはどういうお菓子のことを指すかわかりますでしょうか。

ポテトチップスなどの袋に入ったお菓子のことを想像する方が多いかと思います。

しかし、この「スナック」という英語を辞書で調べてみると「軽食・間食・少量」と出てきます。

流れ探しに当てはめると、これで上流がわかったことになります。

そしてこれから、「スナック菓子」が実際にはどういう意味なのかを要約できるようにしなければなりません。

そう考えて、下流をみてみます。具体的な「スナック」と、先ほど調べた「軽食・間食・少量」とをどうつなげるのかを考えます。

この場合、「スナック菓子」は「軽めで少量のお菓子」のことだと考えることができます。

これで、スナック菓子は「軽めのお菓子」だと要約できます。

つなぎ合わせる対象はたくさんある

しかしここで注意が必要なのは、「つなぎ合わせる対象」によって、全然違う要約ができるという点です。

たとえば海外で「スナック」という言葉を使う時です。

「スナック菓子を下さい」と言うと、ハンバーガーやサンドイッチなどの軽食が出てくる場合があります。

海外ではスナックというとお菓子ではなく、軽めの食事のことを指します。

これを上流の「軽食・間食・少量」とつなぎ合わせて考えると、スナックは軽食なのだとわかります。

「日本のお菓子」とつなげたら「少量」で、「海外での使い方」とつなげたら「軽食」となりました。

先ほどの川のイメージで、もう少し詳しく書いていきます。

たとえば、川には、1つの上流からいくつも派生して、たくさんの下流が存在するものがあるかと思います。

1つの上流が、1つの下流につながっているわけではないのです。

例えば、産業革命(=多くの国が工業化し経済発展した)という上流が、ペリー来航という下流に結びつくことになります。

しかしそれ以外にも、産業革命という上流には、1851年の万国博覧会の開催や、工業化に伴う環境破壊、今も続いている労働問題など、さまざまな下流が存在します。

1つの上流が、1つの下流につながっているのではなく、複数の川になっています。

文章の最初と最後が重要な場所?

この上記の考え方は、文章を読むときも応用できます。

本の要約や速読が得意な人たちはみんな、ほんの同じところに線を引く傾向があるそうです。

その場所というのが、本や文章の最初と最後です。

なぜ最初と最後に線を引くのかというと、それはどんな文章でも

  • なぜその文章を書くに至ったのか
  • 紹介する概念がいったいどういうものなのか

などを説明するところから始める場合が多いからです。

哲学の本であれば、「哲学とは」から始まりますし、一般的に売られている自己啓発系の本や、投資関係の本にも「はじめに」と書かれている場所には「この本を書くに至った経緯」が書いてあります。

そして文章の最後には

  • この文章の結論はなんなのか
  • この本を読んだ人には、どんなことをしてもらいたいのか、
  • 何を伝えたかったのか

といったことが書いてあります。

最初のところで上流で、最後のところが下流です。

この2か所に線を引いておけば、後は「その2つをつなげる」ための中身が書いてあるだけです。

その間に書かれているのは、上流と下流をつなげる川となります。

おわりに

要約づくりというものは、いろんな言葉や物事からでも作ることは可能です。

しかし、要約をするときに元となる「上流(背景)」は1つでも、その下流(結果)は複数にまたがることがほとんどです。

この上流、下流という考えは、文章で言うところの最初と最後の部分となります。

この部分を読めば、筆者の背景や、なにが言いたかったのかを理解することができます。

当然ですが、ライトノベルやRPG系のゲームでは、こんなことをすると興ざめになりますので、気を付けましょう。

復習

頭のよさについて今まで書いてきたことです。

日常の解像度

普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。

日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。

日常の解像度のあげ方

例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。

答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。

このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。

覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ

頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。

九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。

記憶するには関連付けておぼえると楽

物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。

丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。

記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです

なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。

覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。

そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。

原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける

物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。

それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。

原因を調べるための具体的な方法4つのコツ

  1. 特徴的な言葉や数字の原因を探す
  2. その言葉、数字を使って「何故」と考える
  3. その数字、言葉の背景を調べる
  4. 「何故」に対する解答を考える

これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。

他の物事に関連付けて覚える

関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。

そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。

一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。

具体的な関連付けるやりかた

  1. ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
  2. 原因から派生する結果を書く
  3. 原因と結果をつなげる
  4. そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする

要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人

人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。

要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。

つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。

要約をするためのプロセス

  • 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
  • その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
  • この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる

自己紹介は要約する力を発揮できる

自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。

就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。

20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。

自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。

上流探しをするコツ

①その言葉の定義をはっきりさせる

②そもそもどうしてなのかを探してみる

③その前に何があるかを考える

この3つを踏まえながら考えてみる。

 

参考文献



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