ビジネスの場面では、質問をしたりされたりということが頻繁にあるかと思います。それは、分からないことを聞くというのもありますが、交渉事を有利に進めたいということにもつながってきます。
質問を上手に使える人は、優秀な社会人になれるかもしれません!
あなたが優秀だと考える仕事のやり方は、いったいどんなことをイメージしますか?
この記事はこんな人におすすめ
- ビジネスシーンで、あまり交渉が上手にいかずに悩んでいる。
- 質問を使って、もっと上手に世渡りしたい。
質問ひとつで、かなり大きな話になってきましたね
質問というのは、コミュニケーションツールになりますからね。
今回の話しは知っておいて損はないと思いますよ。
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
人間は、質問をされると、その答えを考えます。これはいわゆる、条件反射というものです。
この「質問の答えを考える」ということが、実は重要となります。
答えを考えるためには、質問内容の道筋に合わせなければならないからです。
たとえば、「青いたぬき」という生き物を考えたことがない人でも、「青いたぬきは、日本に何匹いる?」と質問されるだけで、「青いたぬき」について一度は考えるわけです。
あるいは、「自分がフリーランスになったとき」のことなど考えていなかった会社員でも、「君がもし今の会社をやめて、フリーランスになったらどういう戦略で働いていく?」と質問されれば、フリーランスになった前提で思考が働き始めます。
そこで、相手に一定の方向で考えさせるのが目的で、「質問」という形式をとることがあります。
これは、自分の考えを主張して相手に納得させるよりも簡単に、相手を動かす力となります。
なぜなら、基本的に人間は「人の考えに従って動くこと」は嫌いですが、「自分の考えに従って動くこと」は好きだからです。
自分で考えて動くという事は、少なくとも自分では納得している状態ですからね
「皆さん、ブログを書いた方がいいですよ!」
というよりも、
「皆さん、ブログを書くとしたら、どんなテーマで書きたいですか?好きなことを自分の言葉で書けますよ!」
というほうが、書きたくなるかと思います。
質問を仕方次第では、マイナス思考で考えがちな人を、プラス思考に考えさせることもできます。
たとえば、人事異動で年齢のわりに重要なポストに抜擢された社員がいるとします。そのとき、重要な地位についたことで発憤し、力を発揮する人間と、逆に委縮して力を発揮できない人間がいます。
後者の人には、ここでプラス思考にさせることが必要となります。
そんなときは、次のような質問が役に立ちます。
「会社は、あなたのどこを評価して今回の人事異動をしたか、わかりますか?」と、こんな感じで、その社員は自分が他人よりも秀でているところを考えます。
「会社は、今後のあなたに何を期待しているか、わかりますか?」これで、自分がすべきことを考えます。
「あなたは、会社の期待に応えるために、どうしたらよいと思いますか?」すると、必要になることを考えるようになります。
つまり、会社が期待する力を、さらに引き出すこともできます。漫画やドラマでもよく使われる会話だと思います。(そうでもないかな)
質問に対する答えというのは、ある程度あらかじめ決められた方向で出てきます。相手の力を引き出すには、質問の方向性をプラス方向にすることです。
それによって、相手の思考をプラス方向に向けて、力を引き出すことができます。
私が管理職になったら、みんなを導いてみせることが役目だ!
うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
仕事をする上だと、先輩が上司がよわよわしいと、あまりうれしくないですよね。
ネガティブ発言を連発されると、部下も滅入ってしまいますね。
私たちは誰もが、論理一貫した矛盾のない人間でいたいと考えていますので、いったん意思表示をしたことに矛盾した行動をとることには抵抗がでてきます。
たとえば、新しい車を買うかどうかを決めかねている際に、「今ならカーナビと被膜コーティングを無料でつけてくれる」と言われたので、購入を決断したとします。
しかしそのあとで、営業(スタッフ)さんが「申し訳ございません。上司の決裁までは通ったのですが、会社のほうでカーナビのサービスがどうしても通りませんでした」と言われたとしたらどうでしょうか。
その分の値引きを要求することはあっても、購入をとりやめることはならないかもしれません。
これは、いったん「購入する」という方向での意思を表明したため、「購入自体をやめる」という行動がとりづらくなっているからです。
いったん意思表示した立場と一貫した行動を取ろうとする傾向を、「一貫性の法則」といいます。
ハンバーガー店なども、この原理を利用しています。
たとえば、マクドナルドでハンバーガーを注文すると、「御一緒にポテト(セット)はいかがですか?」と聞かれるかと思います。注文する前には聞かれません。まずお客様に「購入する」という意思表示をしてもらうためです。
もし、最初から「ハンバーガーとポテト(セット)はいかがですか?」と聞かれると、ハンバーガーとポテト(セット)を購入するかを考えるため、購入率は低下してしまいます。(もしお金があったとしても)
ところが、いったんハンバーガーを購入する意思を示したあとでは、「ハンバーガーを購入する」という立場は変わらず「追加でポテト(セット)を買うかどうか」だけが問題になります。
とっても濃厚白ダブルチーズバーガーと一緒にソーセージベーコンマフィンと5種類のトリプルチーズバーガーとからあげ大王とポテトとサラダとコーヒーはいかがですか?
後ろが詰まっているのでとっとと答えてくださいねー!ありがとうございますー!
細かいところを見ていくと、企業の努力をたくさんみることができますね。
(こんなに食べられるかな・・・)
他人を説得するときは、この一貫性の法則を利用するといいです。
つまり、相手に立場を表明させるような質問をして、その答えを引き出すことで身動きを取れなくさせてしまうことができます。
たとえば、営業先でプレゼンテーションを終えて、「この商品について、今の説明どうでしたでしょうか。」と聞いても、相手は「ふーん」とうなっているようなとき(興味はあるけど、魅力的ではない)は、「これで、あとは価格で他社よりも安ければ、購入の決断をいただけるのではないでしょうか」と質問をします。
これに対して「そうですね」という回答が得られれば、「価格面さえクリアすれば、購入する」という立場を表明したことになります。
そのあとは、価格交渉のみとなり、他の部分で難癖をつかられにくくなります。交渉の途中でも、この質問テクニックを使えます。
自分が、「仮に三万個発注するとしたら、100万円割り引いてもらえますか?」という質問したとき、「何とかします」という答えなら、「では、1万5千個でも、50万円は割り引けますね」と切り返せます。
「仮に~」と質問することにより、相手の値引きの立場を表明させてしまうのです。
これは相手に立場を表明させることがポイントなので、言い切りではなく、必ず質問の形にすることが大切です。
質問を上手く使うことで、自分が説明して納得してもらうよりも、相手に考えさせて相手自身に納得してもらって行動をしてもらうことができます。
また、質問を上手く使えば、ネガティブ思考の人をプラス思考にすることもできます。相手がプラス思考の答えにたどりつくような質問をしてあげると、上手にいきます。
人間には「一貫性の法則」というものがあり、一度意思表示をしたことには、矛盾をとった行動を取りたがらない傾向にあります。これを使うことで、ビジネスや買い物などでも、上手く質問を使って交渉をすることができます。
ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。
随時更新していきます。
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