相手への質問をするときは、特に重要なことを聞き出したい場合は、信頼関係が重要です。これが足りていないと、いい質問をしても、深い情報を含んだ答えは返ってこないかもしれません。
人間は、自分の話しを聞いてくれる人が大好きです。そこに注目してみましょう。
この記事はこんな人におすすめ
- 質問をしても、表面的な答えしか返ってこない
- 話しを広げたいのに、質疑応答のような、単調な作業のような質問になってしまう。
いっぱい聞いて、相手に好意を伝えるゾー
自分が話しすぎていないですかね、それ。
あまり質問攻めしても、相手にプレッシャーをかけてしまいますよ
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
人間というのは、自分を尊重してくれる人に対して好意を抱きます。アメリカの作家であるデール・カーネギーの言う「自分の重要感を満たしてくれる人」に対して好意を抱きます。
そして、そのように「自分を尊重してくれる」と相手に感じてもらうには、相手が聞いてもらいたいことに関する質問をすることによって、それは可能となります。
つまり、自分に興味を抱き、自分の知識、経験や意見を積極的に聞いて、共感や関心を示し尊重してくれると、人間は自分が重要な人物であるような気になります。
そして、そのような気持ちにさせてくれた相手に好意を抱きます。
「愛情の反対は、憎しみではなく無関心」と言ったのはカトリック教の修道女マザー・テレサですが、無視されることほど、人間の尊厳が大きく傷つくことはありません。
たとえば、部下が残業続きのときは「最近、残業続きでずいぶん頑張っているけど、体調大丈夫?」と一言部下に質問をします。
こうした問いかけを受けると、部下は、自分のことに関心を持ってくれている、と安心をします。
こうした質問は「関心を持って、あなたをちゃんとみています」という合図を相手に送ることになりますので、これが相手と信頼関係を足場を築くことにもなります。
私も毎月残業100時間やっていたときは死ぬかと思いましたが、社長が声をかけてくれたから少し安心しましたよ。
そんな状況だと、対策を立てていないことのほうが問題が大きい気がしますが、
それでも頑張っているときに声をかけてくれるとありがたいですよね。
イギリスの大政治家であったディズレイリは、「人と話をするときには、その人のことを話題にしなさい。そうすれば、その人は何時間であろうともこちらの話しを聞いてくれるだろう」と言っています。
たとえば、説得したいと思っている相手と話すときは、相手が話したいと思っていることを存分に話しをさせます。
相手があなたに対して「今度の総理は誰になるのでしょう」と聞いてきたとしても、必ずしもあなたの意見を聞きたいとは限りません。相手が自分の意見を言いたいのかもしれないのです。
したがって、そのようなときに自分の意見をスラスラと述べるのではなく、すぐに相手に「どうお考えですか」とボールを投げ返してみることです。
もしも自分で話したがっていれば、喜んで話しを始めるでしょう。
自分が話したいことをよく聞いてくれる人のことを、嫌いになる人はいません。
話し手は、自分が話したいことを話すことができると満足し、それを引き出してくれた聞き手に好意を抱きます。つまり、相手が話したいことを引き出すより、あなたは有益な情報を獲得するとともに、話し手の好意も獲得することができます。
そのために大切なのが、5W1Hとなります。
私もよく不動産のことをよく話しますが、話し始めたら止まらないんですよね。
質問者自身も、ある程度の知識は必要になってきますね。
相手の話しは真剣に聞くことが重要ですが、同時に真剣に聞いているということが相手に伝わらなければなりません。
相手が話している最中は、相づちを打ち、共感を示し、場合によってはメモをとります。
こうした行動によって「私はあなたの話しに興味があって真剣に聞いています。あなたの話しはとても重要で、あなたは私にとって重要な人です。」というメッセージを形として伝えられることができます。
もちろん、形式だけ整えてもダメです。心から相手に興味を持つことで、自然に質問したいことが湧いてきます。
同時に、相手に対して好意を抱くことにもなります。そうすると、相手もあなたに対して好意を抱くようになります。これを「好意の返報性」と言い、こうしていい人間関係は出来上がっていきます。
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人間関係を構築するには、まずは相手を尊敬するところから始めましょう
いかに質問が人間関係にとって重要とはいえ、初対面の人や、目上の人にずげずげと質問をするのは失礼に当たります。かといって、核心に迫らずにあいまいな質問ばかり繰り返していては、いつまでたっても自分が望む答えは返ってきません。これでは、質問をする意味がありません。
このように、いきなり核心をつく質問がしづらい場合にはどうするのがよいかというと、まず質問をする承諾をもらうための質問をするといいです。
一般的にいうと、ワンクッションいれるということです。
「失礼ですが、お聞きしてもよろしいでしょうか」「今、お話大丈夫でしょうか」など、といったものです。
普段の仲のいい友達同士でも、立ち入ったことを聞くようなことであれば、「〇〇について、聞いていい?」とワンクッションを入れると、相手の印象もよくなります。
これで承諾してくれれば、質問しても失礼には当たらなくなります。
また、質問を承諾した以上、相手もそれに応えなければという心理的強制が働くので、スムーズに会話が進みやすいです。
お聞きしてもよろしいでしょうか。あなた、過去に何か事件を起こしていませんか?
ありません。
気をつけなければいけないのは、こちらの質問に対して相手が警戒している場合です。
たとえば、ある仕事のプロジェクトの企画に対して、社内が賛成と反対に二分されているとします。こんなとき不用意に「あなたはこのプロジェクトは賛成?」と聞いても、相手は警戒して素直に答えてくれないでしょう。
このように、相手が警戒しているときは、まず自分の立場を明かしてから質問すると、相手は応えやすくなります。
たとえそれが重大な事でなくても「批判しようとしているのではないか」「こんなことを答えると変に思われる」など、人は多かれ少なかれ警戒心を抱いています。
質問者が先に自分のことを開示することで、そうした警戒心を解くことができます。
反対に、相手の責任を追及したいような場面では、前置きは一切不要です。ズバリと核心をつく質問を続けざまにしていきます。相手に考えたり、話しをそらしたりする時間的余裕すら与えません。不祥事の際の記者会見や国会質問なんかは、この例ですね。
不意を突かれることで、相手は更に自分の欠陥、不備を露呈するものです。
このように同じ質問をするにしても、内容や場面、立場や相手との関係によって、質問の切り出し方を変えていかなければなりません。質問の切り出し方は様々でも、そこには共通する原則があります。
それは、自分本位の質問は、どんなときでもNGということです。
質問は相手が答えて初めて意味を持ちます。そうであれば、相手が答えやすく質問をするにはどうしたらよいのか、自分の望む答えを言いやすくするにはどう切り込んだらよいのか。
これを常に考えながら質問を切り出していくことが肝心です。
質問は、相手ありきです。
相手との信頼関係を築いてこそ、質問に対していい答えが返ってきます。それには、相手に対して好意(尊重)を抱くことが重要であり、その姿勢を徹底することが重要です。真剣に聞いてくれる人なら、誰だって話したくなりますよね。
もし、質問をしずらい相手なら、まずは質問をする許可を得るようにしましょう。
そして、質問をするには、自分本位な質問ではなく、まず相手の警戒心を解くために自己開示をして、相手に「敵意がない」ということを伝えることも肝心です。
ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。
随時更新していきます。
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