お知らせ

頭がいい人は「対立する立場」のどちらの立場も理解することができる!

二つの立場を理解する

たとえば身近な問題が起こったとき、対立する2つの立場があったら、あなたはどちらの考え方に賛成するでしょうか。どちらの考え方に賛同するのか、はたまたどちらかの考え方も理解しようとするのか。発想力は立場のとらえ方でも変わってきます。

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両面でみることで得られるものがある

偏差値の高い学生は、「複数の目のつけどころ」の大切さを理解して、自覚的に目の付け所を増やそうとします。

英作文や小論文の問題でよく、「これについて賛成か反対かを述べなさい。またその理由も述べなさい」というものがあります。

通常、こういう問題を見たら多くの人は、「じゃあとりあえず賛成(もしくは反対)意見で考えてみよう」と、どちらか一方の意見のみを書くかと思いますが、ここが違います。

極度に時間がない時を除き、偏差値の高い学生のほとんどは「賛成」「反対」両方の意見を書きます。必ず2種類の解答をつくるのです。

なぜこのようなことをするのかというと、「両方の立場に立って初めて、わかることがある」「片方の立場だけで解答すると、あまり次に活かせない」ためです。

つまり、賛成だと決めたら賛成の見方しかできなくなる。逆に反対だと決めたら、反対の意見のみを頭の中で構築してそれ以外のものが見えなくなってしまうという、確証バイアスになってしまいます。

だからこそ、両面で書くことで、その1つの情報をさまざまな角度からバランスよく見る訓練をしています。

「賛成」と「反対」のように、対立する考え方のことを「二頂対立」の両方を考えるメリットは、「賛成」「反対」の2つの面が理解できることだけではありません。

両面をみれば、どの部分が論点なのか、どうすれば両方の意見を取り入れた形で進めることができるのかなど、「賛成と反対の先にあるもの」が見えてきます。

二頂対立の考え方

東大入試では「この1つの資料・グラフ・データから読み取れることを書きなさい」という問題が出題されることがあります。

「賛成・反対の両方の意見を書く」のは、こうした問題に対応する訓練にもなります。

たとえば、「日本の食料自給率37%」という情報をポジティブな立場からだけ受け止めたら、解釈は1つです。「日本は37%も国内で生産したものを食べている」というふうに。

しかしネガティブな立場になったら、「日本は63%も海外からの輸入に頼ってしまっている」と解釈することができます。

ここで、この両方の立場に立つことができれば、今度はまったく新しいものが見えてきます。

「なら他の国の自給率と比べて、この37%という数値は高いのか、低いのか。」「内訳はどうなんだ。37%のうち、どんなものが国内で生産されているのだろう」と、考えることができてきます。

このように、立場を変えたり、他の情報と組み合わせたりすることで、違う情報が見えてきます。これもまた、一を聞いて十を知ることの本質です。

二頂対立を深めていくと、視点が増えてくる

「二頂対立 というのは、2つの立場だから、一を聞いても二を知る事しかできないのでは?」と考える人がいるかもしれませんが、そうではありません。

たとえば、死刑制度に関する議論で、「死刑賛成」「死刑反対」は 二頂対立 になります。「死刑は容認されるべきだ」という人もいれば「死刑は容認されるべきではない」という人もいて、これは 二頂対立 に見えます。

ですが、賛成派の中にもいろいろな立場があります

「経済的な観点から言って、死刑は容認されるべきだ」という人もいれば「被害者遺族の感情を考える倫理的な観点から、容認されるべきだ」という人もいます。

逆に、「経済的な観点からみれば、むしろ死刑はよくないのでは」と考える人もいますし、「倫理的な観点というのならば、刑を執行する刑務官の感情を考慮すると死刑はやめたほうがいい」と考える場合もあります。

「賛成」「反対」という 二頂対立 に加えて、「経済的」「倫理的」という対立軸が新たに生まれました。これで、4つの立場が生まれました。

世の中には、このように色々な対立軸があり、単純に「2つ」に分けることができるわけではないのです。

「政治的な右か左か」「賛成か反対か」を組み合わせると4つの立場が生まれます。

もっと言えば、「左右か、それとも中庸か」「賛成か反対か、条件付きの賛成か、条件付きの反対か」で考えれば12の立場が生まれます。

このように、 二頂対立 を深く追っていくことで、「2つ」以上の、さまざまな立場を理解できるようになります

これもまた、発想力をつけるための思考法となります。

おわりに

発想力を磨くときの考え方として、2つの立場に立って考えてみるという思考法があります。

身近な問題でも構わないですが、このことについて「賛成か反対か」と議論があったときに、片方の立場だけで考えると、新しい考え方が見えてこなかったり、あるいは違う考え方を組み合わせて別の発想をするということが難しくなります。

二頂対立 を深めていくことで、2つ以上の様々な立場や考え方を理解することにつながっていきます。

復習

頭のよさについて今まで書いてきたことです。

日常の解像度

普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。

日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。

日常の解像度のあげ方

例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。

答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。

このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。

覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ

頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。

九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。

記憶するには関連付けておぼえると楽

物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。

丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。

記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです

なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。

覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。

そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。

原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける

物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。

それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。

原因を調べるための具体的な方法4つのコツ

  1. 特徴的な言葉や数字の原因を探す
  2. その言葉、数字を使って「何故」と考える
  3. その数字、言葉の背景を調べる
  4. 「何故」に対する解答を考える

これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。

他の物事に関連付けて覚える

関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。

そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。

一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。

具体的な関連付けるやりかた

  1. ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
  2. 原因から派生する結果を書く
  3. 原因と結果をつなげる
  4. そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする

要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人

人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。

要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。

つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。

要約をするためのプロセス

  • 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
  • その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
  • この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる

自己紹介は要約する力を発揮できる

自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。

就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。

20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。

自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。

上流探しをするコツ

①その言葉の定義をはっきりさせる

②そもそもどうしてなのかを探してみる

③その前に何があるかを考える

この3つを踏まえながら考えてみる。

上流と下流が繋がったときに、要約が成立する

下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。

しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。

また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。

要約づくりの具体的な方法

①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する

②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる

③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する

要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要

自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。

説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。

人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。

説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ

人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。

そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。

その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。

目標を設定しても手段ばかりに囚われては、結果に結びつかない

目標と手段、どちらが大切かというと目標の方が大切です。

目標を達成するために手段があるのですが、手段にはテクニックや技術を使うことが多いので、こちらに焦点を当ててしまいがちです。

しかし、手段ばかり重視していると、目標があいまいになってしまい結果が出にくくなります。

必ず、目標を抽象的ではなく明確に設定し(細かく設定する)、手段は二の次と考えましょう。

何を伝えたいのかを徹底的に考える

相手が既に知っている知識が手段で、相手にとって未知の知識が目標となるのですが、この目標を徹底的に考えることで、手段も明確になってきます。

たとえば、会話をするときにも「~について」など、タイトルをつけると相手にも伝わりやすくなります。

話し方の技術も大事なのですが、何をするにも、目的を明確にすることのほうが先決です。

人に何かを説明する時に、相手を過大評価しない

人間は自分の知らないことは理解が難しいですし、そしてその説明が上手くないと、なおさらです。

人に何かを説明する時には、例えば「A」→「B」→「C」と説明する時には必ずこの順番で説明しなければなりません。

説明が下手な人の特徴は、この「B」の部分をはしょって説明することが多いです。そうすると、聞いている側は「なんでそうなった」と思うから、本質的には理解できません。

「これくらい説明しなくてもわかるだろう」という、相手への過大評価をすると、説明をはしょりたくなるので、説明する時は丁寧に説明するように心がけます。

目的探しの具体的方法

①ゴールづくり:何を伝えられれば終わりなのかを考える

②目的選び:達成したいことから逆算して、何を伝えるべきかを考える

③目標づくり:目的をより具体的にする。目的の中に数字に基づいた「目標」を入れたり、期限を設定したり、具体的に

手段選びの具体的方法

①目的の分解:その目的に含まれる言葉を抽出する。

②たとえ探し:①で抽出した言葉やイラストを、見やすいところに貼っておき、定期的に例を探すようにする

③たとえ貯め:見つけた例を、ノートやメモ帳に残しておく。また、文章を読んでいて「いいな」と思った例があった場合も同様に、メモとして残す。

一を聞いて十を知る本当の意味

一を聞いて十を知るという言葉は、みなさんも聞いたことがあるかと思います。

しかし、1つの情報から10の情報を得ると言う意味ではなく、実際には、1つの物事に対して10の視点を持って見ることができることです。

さまざまな角度(立場)からみることで、おのずと色んな発想や考え方を思い浮かぶというものです。

発想力の高い人は確証バイアスにとらわれない

人間には、「これはこうだ」「これはそうに違いない」という確証バイアスにとらわれることがよくあります。

発想力の高さにつなげるには、まずは先入観や偏見をなくすことが必要です。

そして、様々な視点、目の付け所というのをたくさん持っていることで、発想力を上げることができます。

参考文献



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