「いい質問ですねぇ」と言われることがあると嬉しいですが、そもそも質問の仕方がわからない、何を聞いていいかがわからないという人は多くいるかと思います。今回は、そんな質問をするときに意識したいことをお話します。
この記事はこんな人におすすめ
- 質問を求められたとき、何を質問したらいいかわからない
- そもそも質問の仕方がわからない
いい質問、ダメな質問というのはどういうことなんですかね。
質問をするには、まずは頭の中を整理するところからですね
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
まずそもそものお話ですが、質問をしないと、「わからない」ということすらわからないのは、みなさんもなんとなくわかるかと思います。
歴史上の偉人でもそうなのですが、例えば「レオナルド・ダ・ヴィンチ」はルネサンス期を代表する大物芸術家ですが、彼は質問の天才でもあったようです。
子どもの頃から、あらゆる質問をまわりの大人になげかけ、生涯、それを続けました。
「なぜ鳥は空を飛べるのか」と、自らに問いかけたことが、後年飛行機の設計図を描くことに結びついています。計算機、潜水艦、機関銃といった彼の多くの発明の源泉は、彼の質問力にありました。
「なぜ、リンゴは木から落ちるのか」
これも有名な話ですが、ニュートンは木から落ちるリンゴをみて、万有引力の発見につながりました。これもニュートンの質問力(疑問に思うことも質問とみなします)となります。
レオナルドとニュートン、両者の質問に共通しているのは、いつも私たちが目にし、当たり前のこととして受け止めている事象だという事です。だから、誰もそんな質問を考えつかなかったのです。
「よい解決法はないか」「よいアイデアはないか」私たちは、その答えを探し出すために、日々、知恵をしぼっています。しかし、よい質問がなければ、よい答えを得ることはできません。
そのためには、どんな答えが正解かを考える前に、まずは「この質問の仕方は正しいのか」「どんな質問をすべきか」という質問から出発するべきです。
本当に必要な情報を得るためには、教えを請う姿勢と素朴な疑問を持つことが大切なんですね。
質問するということは、疑問を持つという事です。そこから「調べる」「教わる」という行動にまでつなげていくことが大切です。
ニュートンやレオナルドは素朴な疑問を持っていましたが、私たちの回りにもそういった人間がいます。
そう、「小さな子供」です。
「なぜ空は青いのか」「なぜ鳥は空を飛ぶのか」「なぜ風はふくのか」こういった素朴な疑問を持つというのは、子供にぴったりな感じがしますね。
ですが、こうした質問というのはかなり厄介で、単純にですがとても難しい質問だからです。
ですがどうして、子どもはこすいた質問ができるのでしょうか。それは、子どもたちには「当たり前」という先入観がないからです。
「それは知っている」「当然でしょ」と、自分の情報の多さや確かさを誇示したくなるのが人間というものです。
年を取ったり、仕事で役職についたりすると「知りません」とか「教えてください」とかは妙なプライドで言いづらい人もいます。しかしこれでは、本当に必要な情報を得ることができません。
「インテリジェンスを本当にビジネスに生かしている人間は、『こうなることはだいたい読めていた』とは絶対いいません。『知っていた』ではなく、必ず 『』教えてください と言うんです」( 『インテリジェンス 武器なき戦争』佐藤優・手島龍一)
情報を本当に自分に生かそうとすれば、教えを請う姿勢、質問をする姿勢が必要となります。
私にだって、わからないことはありますからね
教えてもらう姿勢は特に大切ですね。教えてもらって当然という考えを持つのは危険です。
いざ、質問をしてみようと思っても、すぐに質問が思い浮かぶものではないです。研修やセミナーで、「質問があるひと?」と聞かれても、聞きたい質問が思い浮かばなかったり、営業先で相手の関心を探ろうとしても、よい質問が思い浮かばないことのほうが多いかと思います。
そんなときに、簡単に的確に質問を作り出す方法があります。
それは、王道である「5W1H」です。
「なぜ Why」「なにを What」「だれが Who」「どこで Where」「いつ When」「どんな方法で How」。
相手の発言に対して、これら6種類の質問をしていくと、相手の話しを発展させやすくなります。
これは会話の基本中の基本ですが、普段の会話の中ではこれを意識ことはほとんどないかと思います。
会話が苦手な人は、この原則を意識していないので、あまり広がっていきません。
広げようとする場合は、どんどん使ってみるといいでしょう。
たとえばですが、相手が「実は先日、車を買いました」と言ったとします。
これに対して「よかったですね」といっただけでは、そこで会話が終了します。また、「そうなんですか?」と問い直すだけでも、やはり会話は広がりません。
質問が上手になるには、5W1Hを意識して、明確な質問のかたちを作るのがコツです。
「何を買ったのですか?」「前の車には、いつから載ってたんですか?」「その車のどこが気に入ったんですか?」「どこのディーラーで買ったんですか?」「営業さんはどんな人でしたか?」「でも、お高いんでしょう?おいくらですか?」等等、質問がいくつも出てきます。
こうした質問を使って話しを展開していけば、話し手から自分が話したいことを存分に引き出せます。
営業トークの雑談でも、こういうのはよく話しますよ。
相手が特に気に入っているものなら、ひと言質問すればベラベラと喋ってくれますからね。
ときどき、何が聞きたいのかわからない質問に出くわし、何を答えていいかわからず困ってしまうこともあるかと思います。
こうした困った質問になる大きな原因は、明確な質問のかたちをとってないことにあります。
5W1Hを意識して、明確な質問のかたちをつくることで、質問される側だけでなく、質問する側の頭も整理されます。整理されたわかりやすい質問なら、誰もが答えやすく、話しがより深くなっていきます。
5W1Hを使って頭の中で質問をつくって、どんどん聞いてみましょう。そうすれば、相手の話しは意外な広がりをみせることもあります。
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という感じで、なんの脈絡もなく質問をされても、精通している限りでなければいきなり答えるのは難しいのです。
質問には2種類あって、 情報を引き出す質問であるオープンクエスチョンと、回答を導く質問であるクローズドクエスチョンの2種類があります。
オープンクエスチョンは、話し手が自由に話しを展開できるように促す質問です。
「それをやろうとしたきっかけは何だったんですか?」「貯金を増やすにはどうしたらいいですか?」といったものです。
クローズドクエスチョンは、答えが二者択一的に終了して、そのあとの展開を要求しないような質問です。
「それやったんですか?」「明日は晴れになると思いませんか?」といったものです。なので、質問者の想定の範囲内でしか会話が進行しないことが多いです。
しかし、オープンクエスチョンは、答えの内容を相手にゆだねるので、質問者が予想もしない内容が返ってくることもよくあります。
なので、相手から自分が知らない情報を引き出したい場合は、相手が話しを展開しやすいオープンクエスチョンが有利となります。
一方クローズドクエスチョンは、はっきりとした答えを引き出したい時によく使います。
「したのか、してないのか」「あるのか、ないのか」「いつできるのか」といったような、明確な答えが欲しい時にクローズドクエスチョンが有利です。
裁判で行われる反対尋問は、ほとんどがクローズドクエスチョンです。
「あなたは当日、被告人を見ましたか?」「その時、メガネをかけていましたか?」というように質問をします。
反対尋問とは、相手方が自分に有利になる証言を引き出すために用意した商人に対する尋問のことです。
こちらに不利になることを言おうとする人に対して、不用意に質問をしてしまうと、相手の思うつぼになってしまいます。
そのため、「こちらが予想できる範囲内だけ」の答えになるように、意識的にクローズドクエスチョンを使います。
ビジネスの場面でも、「どちらにしますか?」というように、営業場面で明確に答えを限定して迫りたいときや、上司が部下に対して「あれはやったか?」といったように、状況を即座に把握して明確な指示を出したい時などに使用されます。
相手に答えをまかせて話しを広げたい場合はオープンクエスチョン。
こちらが有利に話しを進めたい場合はクローズドクエスチョンがおすすめということですね。
普段の雑談をするにはオープンクエスチョンがおすすめですね。
いい質問をするための基本的なことは、5W1Hを意識することです。これは基本中の基本ですが、やはり意識していないといつか忘れてしまい、何を聞いていいか分からなくなってしまいます。
そうすることで、何を聞いているのかわからないという、悪い質問をしなくなります。
また、質問をするときは、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分けましょう。
自分の知らない情報を引き出したい場合はオープンクエスチョン、答えを限定して話しをリードしたい場合はクローズドクエスチョンを使い分けながら、質問力を磨いていきましょう。
ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。
随時更新していきます。
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