この記事はこんな人におすすめ
- 試合開始直後、体が重たい、息切れをして悩んでいる
- 正しいウォーミングアップがわからずに悩んでいる
- 体力不足を改善したい
鼻呼吸とウォーミングアップは大切です
競技や運動開始直後、体が重たかったり、すぐに息切れをしてしまう場合は、ウォーミングアップが足りていません。
ウォーミングアップには、体の血流をよくする効果があるため、最低10分は行い、ジョギングやストレッチを入念に行います。
そして、鼻呼吸で、リラックスした状態で行うことで、競技や試合開始直後からハイパフォーマンスで動けます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
長年にわたって口呼吸だった人が完全な鼻呼吸に変えるのは、大きな決断であり、途中であきらめない粘り強さも求められます
多くの人が本来の呼吸から離れてしまい、口呼吸が普通になっています。
私たちの祖先は、運動時でも鼻呼吸をしていました。
現代でも、「走る民族」として有名なメキシコ北部のタラウマラ族などは、祖先の鼻呼吸をそのまま受け継いでいます。
具体的な数字で見ると、フルマラソンを走るときのタラウマラ族の心拍数は、1分間に130でした。
これはかなり低い数値であり、欧米のマラソン選手の平均は、1分間に160~180です。
この結果をみれば、たとえ強度の高い運動をしていても、鼻呼吸であれば楽で規則正しい呼吸を維持できます。
口呼吸は、どちらかと言えば、新しい呼吸法ですが、運動時のパフォーマンスは上がりません。むしろ逆です。
ハーバードで学んだ人類学者のウェイド・デイヴィスは、先住民族の研究をライフワークにしています。
彼によると、アマゾンに暮らす狩猟民族は五感が極端に敏感で、40歩離れた先にある動物の尿の匂いを嗅ぎ、雄か雌かがわかるらしいです。
ある日、デイヴィスは彼らの狩りに同行することになりました。
狩りは早朝から、ジョギングとランニングを繰り返す、ずっと走り続けるものでした。
動物の足跡をみつけると、ランニングまでペースを上げて動物を追いかけます。
動物が疲れ果てて走れなくなるまで粘り強く走り続け、至近距離で仕留めます。
トライアスロン経験者であるデイヴィスでさえクタクタだったが、この時のハンターたちは、みんな常に口呼吸でした。
つまり、先住民たちは長時間にわたって口を閉じたまま強度の高い運動を行っていたのです。
最初のうちは、運動中に鼻で呼吸することに違和感を覚えるかもしれません。
しかし、鼻は呼吸をするためにあります。
・吸い込んだ空気が肺に入る前のいらないものを除き、温めて湿気を与える
・心拍数を下げる
・一酸化窒素が肺に送られ、気道と血管が広がる
・酸素が全身に効率的に運搬される
・動いている筋肉にたくさんの酸素が送られ、疲労物質の乳酸が減少する
アスリートは強度の高い運動ができて当たり前ですからね
今度、鼻呼吸で軽く走ってみるといいですね
ビル・ハングというカリフォルニアの矯正歯科医がいますが、彼は数十年にわたる治療で、何千人もの患者の口内と気道を観察してきました。
ハング医師が他の医師と違うのは、歯並び以外にも、矯正が患者のあご、顔の広さ、気道の広さに与える影響にも注目していることです。
取り込んだ酸素を効率的に使うのは大切ですが、それ以外にも、肺から出入りする空気の通り道である気道の広さも大切です。
小さな子供や10代が、5年か10年の間、ずっと口呼吸をしていると、あごが細くなって正常に発達せず、気道も通常より細くなります。
成長期に鼻呼吸を維持することは、気道が正常に発達するために欠かせません。
気道が細いと、運動能力は阻害されます。
どんなに激しいトレーニングを積み、健康で、意思が強くても、気道が狭くては空気を取り込めず体に酸素が行きわたりません。
例えるなら、生産工場で、超優秀な生産ロボットを導入しても、ロボットが作ったものを運ぶラインに運搬能力がなければ、工場の生産性は上がりません。
運動中に口呼吸から鼻呼吸に切り替えると、気道がきれいになって呼吸量が増えます。
その症状として、運動中に鼻水が出るという作用があります。
これは特に大きな問題でなく、数週間で鼻水は出なくなります。
鼻呼吸を取り入れたハング医師も、パサデナ・マラソンに出場し、自分の年代別グループでは2位になったそうです。
しかも、長い上り坂以外では、ずっと口を閉じて走っているのだそうです。
フルマラソンを走るコツは、鼻呼吸なんですね
効率も上がるため、これは時短につながりますね
トレーニングの効果を最大限に高めたい場合は、少ない呼吸でたくさん動けるように鍛える必要があります。
そのためには、空気を吸う量を減らす必要があります。
日々のトレーニングで少ない呼吸を心がけていると、呼吸の効率が上がり、運動パフォーマンスが向上し、競技中の息切れと乳酸の生成を抑えます(疲れにくくなる)。
さらに重要なのは、肉体を極限まで酷使する必要がないことです。
ケガや心肺機能の問題などの健康リスクが減ることにつながります。
運動時の鼻呼吸は、肉体を酷使しすぎることの予防にもなります。
次のとおり実践してみましょう
・体をリラックスさせ、肺に取り込む空気を少なくする
・鼻呼吸をしながらトレーニングの強度を上げる
・運動中に息を止める
鼻呼吸に切り替えたばかりだと、最高の強度でトレーニングすることができなくなったと感じるかもしれません。
鼻呼吸で呼吸量が減るため、体の負担が増え、最初の数週間は以前の強度が保てなくなるからです。
ですが、そのままトレーニングを続けていれば、依然の強度を上回るトレーニングを実践できます。
日常的に強度の高いトレーニングをしているアスリートなら、全体的な呼吸パターンの向上のために、口呼吸と鼻呼吸を交互に行うといいでしょう。
特に、強度の高いトレーニングで筋肉を鍛えるには、定期的に鼻呼吸から口呼吸に切り替える必要があります。
一方で、強度が高くないトレーニングや安静時は、常に鼻呼吸でいることが大切です。
一般的な市民ランナーや、週に数回運動する程度の運動量の人であれば、鼻呼吸だけでできるようにしましょう。
口呼吸は、あくまでも鼻呼吸という基礎ができてからこそですね
市民ランナーでも、記録を求めるのなら取り入れましょう
運動時は安静時に比べ、組織や筋肉への血流を増やす必要があります。
ウォームアップの目的は、血流を増やし、より強度の高い運動に向けて肉体をならすことです。
つまり、ケガのリスクが減り、全体的なパフォーマンスも向上します。
体が温まるまで時間はかかりますが、いったん温まれば運動時により効果的に体を動かせます。
・体内の二酸化炭素が増え、血流からより多くの酸素が放出され、組織や臓器に行きわたる
・最大酸素摂取量の向上、持久力の向上、ケガのリスク減少
・血管と気道が拡張して血流がよくなり、呼吸が楽になる
実際のところ、適切にウォームアップしているアスリートはそれほど多くないです。
たいていは、2~3分のジョギングとストレッチですませ、すぐに強度の高い運動を始めてしまいます。
これでは全くウォームアップが足りません。
サッカーやラグビーなどで、試合開始の立ち上がりが悪いけど、後半になると動きがよくなる選手がいますが、これもウォームアップ不足が考えられます。
試合開始時に息切れを起こす場合は、最低でも10分はウォームアップに費やす必要はあります。
特に、寒い日や年齢が高い場合は、30分程度費やすこともあります。
ウォームアップは軽視する人もいますが、これをおろそかにしていると、最高の力が出しきれずに試合終了を迎える可能性もあります。
漫画やアニメでは、試合後半に動け、それで勝利する展開が多く、話しとしては面白いです。
ですが現実は、試合開始から動ける状態のほうがよく、試合後半は、意思や精神力でも十分体を動かせます。
最初から動けたほうが、試合の戦略の幅が広がりますからね
ウォームアップでバテてしまうのは、根本的に体力不足です
それでは、ここからはウォームアップを見ていきましょう
- ラクなペースで歩く
- ウォームアップの間は静かで規則正しい鼻呼吸を心がけ、横隔膜を活用してリラックスした呼吸をする
- 息を吸った時はお腹が膨らむのを、息を吐いた時はお腹がへこむのを感じる
- 全身、特に胸とお腹のあたりをリラックスさせる
- 1分程やや早足で歩いたら、鼻からゆっくりと息を吐き、吐き切ったら指で鼻をつまんで息を止める
- 息をとめたまま、10歩から30歩、または中度の息苦しさを感じるまで歩く
- 息苦しくなったら、呼吸を再開する
ウォームアップ時に息を止めて息苦しい状況をつくるのは、運動前に体内の二酸化炭素を増やしておくためです。
運動強度が上がれば、それにともなって呼吸量も増えます。
このとき、二酸化炭素がたくさんないと、呼吸で吐き出され、二酸化炭素の全体量が減ってしまいます。
血中の二酸化炭素が減ると、筋肉が運搬される酸素の量が減ると同時に、気道と血管も収縮します。
すると、運動開始から10分くらいで、息切れ、呼吸がくるしくなります。
ウォームアップのやり方、そういえば具体的に知らなかったな!
やり方がわからないから、自己流で適当になりがちです
走っている時に、呼吸を完全にコントロールできるかどうかが重要です。
このとき口を閉じたまま走るのは苦しいと感じるなら、それはペースが速すぎということです。
ペースを落とすか、歩いて呼吸を落ち着かせましょう。
運動時に強度が強すぎるかどうかを判断するには、普通に息を吐き、それから5秒息をとめる。
5秒たって呼吸を再開するとき、規則正しい鼻呼吸ができていたら問題ありません。
再会時に呼吸がコントロールできていないのなら、運動強度が高すぎです。
わざわざ心拍計を使う必要もなく、鼻、呼吸のリズム、体の感覚で運動の強度を測れます。
運動中、ずっと口を閉じていられたら、呼吸が通常のペースに戻るのも早くなります。
3分から5分歩き、次の呼吸を行いましょう
1 鼻から普通に息を吸い、息を吐く
2 鼻をつまんで、そのまま2~5秒息を止める
3 自然な鼻呼吸を10秒続ける
4 クールダウン中、1~3を繰り返し、通常の呼吸に戻す
運動後のクールダウンも大切よね
クールダウンをしないと、体に疲れが残りますからね
鼻呼吸はメリットが大きいですが、本当に激しい運動をしている時は、口呼吸も併用しましょう。
そして、運動前にはウォーミングアップを忘れずに入念にやりましょう。
私も学生の頃、ウォーミングアップの重要性はよくわかりませんでしたが、社会人になったら痛感しました・・
体を温めることで、即臨戦態勢に入ることができますよ
呼吸法についてのまとめです。
- アマゾンの先住民族も、鼻呼吸で狩りをしている
- 長時間動き続けるには、鼻呼吸は必要不可欠
- 鼻呼吸をすると、気道がきれいになり酸素をたくさんとりこめる
- 運動中に息を止めたり、強度の高いトレーニングを鼻呼吸で行う
- ウォーミングアップで試合開始直後から絶好調状態にする
- 正しいウォーミングアップで、調整する
- 鼻呼吸で息苦しくなったら、強度が高すぎる運動と判断する
- クールダウンも呼吸を意識して行う
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随時更新していきます。
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