この記事はこんな人におすすめ
- ジョギング中に何を意識すればいいのかわからない
- 運動は心臓への負担をかけすぎないか心配である
- 運動は激しければ体力がつくと思っている
運動はヘタをすると、心臓病疾患リスクが高まります
運動で健康を維持しようとする人は多いですが、運動方法によっては返って心臓に負担をかけすぎて、疾患リスクを高める原因にもなります。
例えば、軽いジョギングは適度な運動強度になりますが、大きく呼吸をしたり、姿勢を悪くしていると、体への負担は大きくなります。
正しい呼吸法と正しい姿勢で、適切な運動強度を見つけることが、健康寿命を延ばすポイントです。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
アメリカでは、1日に3,000人が「心臓発作」と「脳梗塞」で命を失っています。
この2つの病気は、アメリカにおける死因のトップ3に入ります。
テロや災害のような大惨事は正確に予測することはできませんが、心臓については、毎日をメンテナンスしていれば健康で長持ちさせることができます。
1867年、スウェーデン人の化学者兼発明家兼実業家のアフルレッド・ノーベルが、ダイナマイトを発明しました。
ニトログリセリンにシリカを混ぜると、ニトログリセリンだけでつくるよりも安定した爆薬になるのです。
ノーベルは工事で岩を爆破するためにダイナマイトを発明したのですが、後にこれが戦争や破壊活動につかわれることになってしまいました。
発明から数年後、今度は医師たちが、ダイナマイトと同じ化学物質には、血圧を下げ、狭心症の症状を緩和する効果を発見します。
ニトログリセリンが人体に入ると、一酸化窒素が発生します。
この一酸化窒素は、心臓と血管の健康にとても効果がある物質です。
後にノーベルは心臓病を患い、医師からニトログリセリンを処方されたのですが、これを拒みました。
1896年、ノーベルは脳溢血で死亡し、そして彼の遺言により、遺産の大半は「人類にもっとも大きな貢献をした人物に章を与える」ためにつかわれることになりました。
死の産物を作った反面、生きる薬を発明したことにもなるんですね
新しい発見は、歴史を作り出しますね
ノーベルの死からおよそ100年後、ロバート・ファーチゴット、ルイス・イグナロ、フェリド・ムラドの3人が、一酸化窒素が循環器系の健康を促進することを発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
万能分子と呼ばれる一酸化窒素は、全長10万キロある血管のなかで生成されます。
鼻腔を取り込む副鼻腔の血管でも生成されます。
一酸化窒素は血管に「リラックスして拡張しろ」という信号を出します。
一酸化窒素が少なすぎると、血管が細くなり、心臓は血液を全身に送るために圧力を高めることになります。
庭に水をまくホースが途中で縛ってあるようなものです。
水が通りにくくなるので、向こう側から水を出すには、送り出す水の圧力を上げる必要があります。
すると、慢性的な高血圧によって動脈が損傷し、プラークやコレステロールが血管内にたまります。
血の塊である血餅(けっぺい)ができ、血餅が血管を塞ぐと、心臓や脳に血液と酸素が行きわたらなくなり、心臓発作や脳梗塞につながる可能性もあります。
〇役割
・コレステロールを減らす
・血管の中にプラークが溜まらないようにする
・血の塊ができないようにする
〇増やす方法
・鼻でゆっくり呼吸する
・中度の定期的な運動
・一酸化窒素を生成する食べ物を食べる
〇作られる場所
・副鼻腔
・血管の内部
十分な量の一酸化窒素が生成されると、血行がよくなり、全身に血液が行きわたります。
その結果、重要な臓器が酸素と栄養をきちんと受け取ることができます。
血管がリラックスすると、心臓が血液を送り出すときの力も正常になります。
一酸化窒素の効果はすごいものなんですね
呼吸と運動が健康にいい理由はこれですね
ストックホルムにあるカロリンスカ研究所のヨン・ルンドベリ教授によると、人間の鼻の軌道で一酸化窒素が大量に生成されているとのこと。
そのため、鼻から息を吸うと、一酸化窒素も空気と一緒に肺に送られ、肺の中で血液が酸素を取り込む量を増やす仕事をしてくれます。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)のデーヴィッド・アンダーソン博士もまた、呼吸法が血圧をコントロールのカギを握ると考えています。
ゆっくりとした腹式呼吸を行うと血管が広がることはよく知られていますが、この現象の仕組みはよく解明されていません。
考えられる説として、ゆっくりした呼吸を維持することで体のリラックス反応が活性化し、血液中の気体が正常値になり、その結果として血管が広がるからではとされています。
また、運動すると血行がよくなり、血管の内壁が刺激されることで、さらに一酸化窒素が生成されます。
広島大学大学院歯科保健学研究所の研究チームが、運動強度の違いによる欠航の変化についての研究を行いました。
運動強度とは、運動を行っている本人がどれくらい大変な思いをしているかということです。
普通の歩行運動は、たいていの人は、続けるのが簡単で息切れもしないので「運動強度は低い」と感じます。
医学誌「サーキュレーション」に発表された広島大学の研究によると、強度の低い運動では、血行を理想的なレベルまで上げることはできないとのこと。
一方で、強度の高い運動は、逆に血行を悪くします。
中度の運動(早歩き、軽いジョギング)をすると、一酸化窒素の生成が増え、全身の血行がよくなるそうです。
血行を考えると、運動しなさ過ぎてもし過ぎてもダメなんですね
鼻呼吸で軽いジョギングが適度な運動と言えるでしょう
運動は、一酸化窒素を増やす方法ですが、食事やサプリメント、鼻呼吸にも同じような効果があります。
アイルランド人のクロスカントリーのコーチであるジョン・ダウナーズ氏は、選手にビートのジュースを飲ませたそうです。
すると選手のパフォーマンスが向上し、筋肉のけいれんも減ったそうです。
エクスター大学の研究によると、ビートジュースには、一酸化窒素の生成に必要な硝酸塩(しょうさんえん)が豊富に含まれていることがわかっています。
19歳から38歳の男性を集め、1週間、ビートジュースを毎日1杯飲んでもらったところ、水を飲んでいたグループに比べ、運動するために必要な酸素の量が著しく少なくなったそうです。
ビートジュースを飲んだグループは、16%長く自転車に乗っていられる。
さらに、元々高血圧でなくても血圧が正常値の範囲内でも下がったそうです。
ビートジュースを飲んでから強度のやや高い運動を行うと、運動中に必要な酸素の量が減りということが分かっています。
この現象は「長期にわたる持久力トレーニングを含め、分かっている限りどんな方法でも再現できない」そうです。
このほか、魚や青野菜、ダークチョコレート、赤ワイン(1日1杯)、ザクロジュース、紅茶、緑茶、オートミールにも、一酸化窒素を生成する働きがあります。
逆に、ハムやソーセージ、肉類などは減らした方がいいです。
鼻呼吸に加えて、食生活を少し変えるだけで、循環器系の健康が生涯にわたって維持できる可能性があるということです。
アスリートは食事が大切って聞きますからね
人間は食べたもので体ができているので、食事の大切さは言うまでもありません
自分の心臓や血管の健康について、常に考えている人はほぼいないでしょう。
放っておいても勝手に動き続けますからね。
しかし心臓に問題が起こるのは、心臓病の既往歴がある人だけではありません。
若くて健康な人でも心臓に何らかの問題を抱えることがあります。
この種の問題は、正しい準備さえすれば完全に防ぐことはできます。
正しい準備というのは、呼吸法の改善と一酸化窒素の生成を増やすことです。
1909年、アメリカ人生理学者のヤンデル・ヘンダーソン博士が、呼吸と心拍数の関係を解明する研究について発表しました。
犬を使った実験ですが、犬の配管気を変えることで、心拍数を1分あたり40以下から200までコントロールできたそうです。
「動脈内の二酸化炭素がほんのわずか減るだけでも心拍数は上がる」とのことです。
健康な人でも、「心臓が胸から飛び出しそう」なほど、常にドキドキしている感覚を持っている人はいます。
心電図も、循環器系も正常だが、動悸を感じている。
こういう人たちの原因は、呼吸過多が原因の場合があります。
鼻呼吸でもため息を頻発する、無意識のうちに口呼吸をしていることもあります。
呼吸と心拍数の関係を知りたい場合は、まず自分の脈をとり、それから5~6回、速いペースで大きく口呼吸をしましょう。
すると数秒のうちに、心拍数が上がるのがわかります。
そこでゆっくりした鼻呼吸に切り替えると、心拍数はすぐに下がります。
呼吸量とペースが心拍数に大きな影響を与えるなら、間違った呼吸法は、長期的には心臓に大きな負荷をかけ、影響がでることが考えられます。
心臓は人体で最も重要な臓器です。
そして心臓も筋肉なので、正常に働くためには十分な血流と酸素が必要です。
呼吸量が多すぎると、血中の二酸化炭素濃度が下がります。
低炭酸症になると血流が減り、心臓に行く血液も減り、その結果、循環器系の機能に障害がでます。
呼吸を正常なレベルまで減らすと、血中の二酸化炭素が増え、血行がよくなり、酸素が体中に行きわたり、心臓も正常に機能できます。
健康寿命を延ばしたいから、呼吸も意識するわ
心臓病は突然くるといいますが、メンテナンス不足が原因ですね
心筋梗塞や心臓発作は、心臓への血流が著しく減少したか、まったく血液が行かなくなった時に起こります。
血液が入らないので、酸素が不足し、心臓の筋肉の一部が損傷を受けたり、死滅したりします。
心臓発作は、運動中に運動後、そして心理的に大きなストレスがあったときにおこることが多いです。
どれも呼吸の量が増える状況であり、呼吸が代謝に必要な量を上回ると、肺と血液から二酸化炭素がなくなり、血流が減って心臓に運ばれる酸素も減ります。
呼吸過多による心臓への血流減少は、ある人にとっては心筋梗塞の原因の一部、または全部になります。
呼吸法と呼吸の結果による毛中二酸化炭素濃度が、心臓の健康に大きな影響を与えています。
心臓に何らかの問題を抱えている人は、健康な人よりも呼吸量が多く、呼吸が激しくなる傾向があります。
一方で、呼吸量を正常値に近づければ、心臓病の症状が緩和されることも多いです。
過去の様々な研究からでも、心臓病患者は呼吸量が多い傾向にあるという結果になっています。
そして、呼吸量が多い人ほど、運動時に息切れを感じることも多いです。
安静時から、胸を動かして呼吸をしている人は、運動時にも息切れを感じ、さらに呼吸を増やすことになります。
このように、呼吸過多の悪循環は作られていきます。
呼吸が増えると、血液を体に送り出す機能が衰えるだけでなく、心臓の一部への血流も減り、酸素が十分に行きわたらなくなります。
心臓病になりたくはないな!
心臓を鍛えようとして、逆に弱らせるのは避けたいですね
心臓も筋肉でできていますから、運動によって鍛えることもできます。
しかし、間違った呼吸法でやれば、当然負担がかかりすぎ、病気の原因にもなります。
軽いジョギングで、ただ走るのではなく、フォームも含めて正しい走り方を学んでみるのもいいと思います。
呼吸法についてのまとめです。
- アメリカも日本も、循環器系疾患での死亡者が上位を占める
- 一酸化窒素は人間の健康を維持するためには欠かせない分子
- 一酸化窒素で心臓病を防ぐことができる
- 魚や緑黄色野菜、ダークチョコレートを食べて一酸化窒素を生成する
- 呼吸量が多い人ほど、心臓への負担をかけ過ぎる
- 鼻呼吸でゆっくり腹式呼吸をすることで、健康寿命を延ばせる可能性が高い
ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。
随時更新していきます。
本シリーズまとめページへ
(作成中)
こちらにも参加しています↓