この記事はこんな人におすすめ
- 頭痛や便秘、ストレスに悩んでいる
- コンビニ弁当ばかり食べていて、何がダメなのか知りたい
- 炭水化物制限ダイエットがダメな理由を知りたい
腸内環境が全て!
食生活の変化は腸内フローラに影響を及ぼし、それが体調不良や病気の有無に繋がっていきます。
動物性タンパク質や脂質を多く摂りすぎていると、腸内の悪玉菌が増え、腸内フローラも乱れていきます。
腸内フローラの乱れは様々な病気や体調不良の原因になるので、食生活の見直しや運動をすることで、腸内の善玉菌を増やして健康寿命を延ばせます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
急に便意を催す「過敏性腸症候群」とうい病気があります。
ポリープや潰瘍などの器質的な異常がないにも関わらず、腹部の痛みや不快感、便秘、下痢が長期間続く機能性疾患です。
今の日本人は、毎年約120万人以上の人がこの病気になやんでいます。
これだけではなく、腸の難病である「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」などの炎症性腸疾患も増えてきています。
潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜が強い慢性炎症を起こしてびらんや潰瘍が生じ、重度の腹痛と下痢をくりかえす病気です。
20~30代、50~60代に発症が多くみられる、根本的治療が難しい、国の指定難病とされています。
クローン病も、潰瘍性大腸炎と似ている病気で、大腸ばかりでなく小腸など消化管の粘膜に強い慢性炎症や潰瘍を引き起こします。
10~20代の多く、重度の腹痛・下痢・発熱・体重減少、腸管の狭窄(きょうさく)や穿孔(せんこう、穴があく)が起こります。
場合によっては、腸管の切除などの手術が必要になり、国の指定難病です。
潰瘍性大腸炎もクローン病も欧米人が多くかかる病気でしたが、1980年ごろを境に日本でも急増しています。
どちらの病気も、原因不明とされていますが、腸内細菌や腸内フローラの乱れが関連していると疑われています。
1980年ごろと言えば、「食生活の欧米化」が背景にあり、肉類や油脂類の摂取が増えた一方で、野菜類や穀類の摂取が減り始めたときです。
腸内フローラが乱れ、ある種の腸内細菌に対する「異常な免疫反応」が炎症性腸疾患の発症に強く関わることが明らかになりつつなるそうです。
肉や油は美味しさの源ですからね
欧米食文化も大切ですが、偏るのは危険ですね
急速に増えたのは、過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎だけでなく、大腸がんも増えています。
この40年ほどの間に大腸がんの罹患率は約7倍に増え、死亡数でみると女性で1位、男性で3位を占めるに至っています。
その一番の理由と考えられているのが「食生活の欧米化に伴う腸内フローラの乱れ」です。
例えば、悪玉菌の一つに、「ウェルシュ菌」があります。
ウェルシュ菌は、動物性たんぱく質を腐敗させ、アンモニア、アミン、インドール、スカトールなど、悪臭を放つ有害な化学物質(毒素)をたくさん放出します。
これらの毒素は、大腸粘膜を直接傷つけて炎症を起こし、大腸がんの芽を作るとも言われています。
腸内に悪玉菌が増えると「アリアケ菌」と呼ばれるスーパー悪玉菌が出現し、二次胆汁酸という毒素が作られます。
この二次胆汁酸が体内に吸収されると、肝臓で炎症を起こし、機能障害を発症する危険性も指摘されています。
例えるなら、ゲーム「桃太郎電鉄」で借金のある状態でキングボンビーが色々と悪さをするような感じで、息をしているだけで不利益になっています。
メタボリックシンドロームの人に増えて危険視されている「非アルコール性脂肪性肝炎」(NASH)や、それに伴う肝細胞がん、すい臓がんなどとの関連性が指摘されています。
腸内フローラの乱れは、腸管粘膜を構成する細胞同士の結合がゆるみ、腸内の様々な異物が体内に浸透しやすくなります。(リーキーガット症候群)
腸内に異物が入り込んでくると、免疫が過剰に働いたり、各所で炎症を引き起こしたり、代謝異常などのアレルギー疾患が起こります。その結果として次のような現代病を発症しやすくなります
・アトピー性皮膚炎
・ぜんそく
・しんましん
・食物アレルギーなどのアレルギー疾患
・関節炎などの自己免疫疾患
・メタボ
・糖尿病
・動脈硬化などの慢性炎症疾患
・うつ病や自閉症などの精神疾患
・パーキンソン病等
現代病について詳しく知りたい場合は、住友ファーマ(株)の健康情報サイトがあるので、こちらも見てみるといいでしょう。
現代病と一言でいっても、様々ですね
私たちの体は進化せず、文明だけ進化していますからね
人間の体は、食べたものでできていますので、腸内フローラの状態も食べたものに強く影響されます。
動物性脂肪をとれば、動物性脂肪をエサにする腸内細菌が増え、動物性タンパク質をとれば動物性タンパク質をエサにする腸内細菌が増えるわけです。
食生活の欧米化は、動物性食品が多く、これらをエサにする腸内細菌は「悪玉菌」です。
その代謝物は毒素となって、腸に炎症を起こし、血流にのって全身に運ばれ、血管や内臓を傷つけます。
つまり、食生活の欧米化→日本人の腸内フローラも変化→欧米人に多い病気が日本でも多く発症
という流れになるのです。
マウスを使った実験によると、1日中好きなだけ高脂肪食を食べさせておくと、腸内フローラが肥満菌に支配されてしまったそうです。
また、中国の研究では、217人の男女を対象に、高脂肪食をとる人たちは糞便中にインドールなどの毒素が多いですが、低脂肪食をとる人たちは抗炎症作用を持つ短鎖脂肪酸を作るスーパー善玉菌が多かったそうです。
動物性脂肪たっぷりの肉料理、油っこい揚げ物や炒め物、ファストフード、スナック菓子、洋菓子を過剰に摂取する食生活が続くと、カロリーの過剰摂取以外にも、腸内フローラの乱れが介在するというわけです。
動物性脂肪の摂りすぎは厳禁ですね
適度に摂る分には問題ありません。食事は過剰摂取が危険と覚えておきましょう。
食生活が欧米化し、高脂質の食事は多くなる一方で、食物繊維の摂取が大幅に減りました。
食物繊維は、人間の消化酵素によって消化されない食物中の難消化性成分の総称です。
食物繊維の1日の摂取量の平均は、戦後の1947年は27.4gでしたが、2018時点では、男女ともに14.4gです。
国が定めた「日本人の食事摂取基準」(2020年播)では、1日の摂取目標量は18~64歳で、男性21g以上、女性17g以上です。
令和元年の国民健康・栄養調査報告書によれば、平均値は15歳~19歳では18.5g、20代では16g、30代では17gとなり、目標摂取量には足りていない状況です。
食物繊維は、心筋梗塞・脳卒中・2型糖尿病・乳がん・胃がん・大腸がんの発症リスクの低減が期待できると言われています。
欧米では1日24g以上とされていることから、日本人も同量の摂取が必要であると考えるのが妥当でしょう。
食物繊維10g増やす場合、バナナは約9本分、レタスは中3個分、サツマイモ2本弱分、キャベツは1/2個分です。
野菜や果物以外にも、イモ類・きのこ類・海藻類・豆類が多く含まれています。
こうした食品を意識してとることで、食物繊維が不足しない食生活を送ることができ、腸内フローラも健全に保つことができます。
食物繊維は第6の栄養素とも呼ばれているんでしたね
個人的には海藻類の摂取がおすすめです。お味噌汁と一緒に摂れば効果バツグンですね
日本人の食生活は伝統的に「一汁三菜」で親しんできました。
主食・汁物・主菜・副菜で構成されるのが一汁三菜です。
食物繊維は、穀類・野菜・イモ類・きのこ類・海藻類・豆類に豊富ですが、和食に多用されている食材です。
昔から和食生活をしているかたは、自然と食物繊維の摂取量を心配する必要はなかったのです。
しかし、現在では食生活はかなり変化しています。
食の欧米化が進んだことで食物繊維の摂取量は減り、和食でもゴハンは「玄米」や「麦飯」を食べる習慣がなくなったことも拍車をかけています。
一般的な白いゴハンは、玄米から精製されたものですが、精製されたゴハンは食物繊維が約1/6まで減ります。
白いゴハンだけで食物繊維を補おうとすると、茶わん10杯以上食べなくてはいけず、そうすると糖質の過剰摂取にもつながり、結果的に現代病になってしまいます。
近年では、ダイエットのために「炭水化物制限ダイエット」を行う人も多くなっています。
炭水化物は、糖質と食物繊維を含んでいるので、結果的に腸内フローラが乱れる原因にもなります。
血糖値の上昇を食物繊維の摂取(水溶性食物繊維)で抑えることも重要ですが、腸内フローラの乱れも考慮すると、やはり極端な炭水化物制限は控えたほうがいいでしょう。
炭水化物制限を行うのであれば、精製されたゴハン、パン、麺類は食べないようにし、精製前の炭水化物を摂ることの方が、ダイエットには効果的です。
白いゴハンやパンは、エンプティ―カロリーと呼ばれているんでしたね
栄養素がないカロリーだけの食べ物ですね
腸内フローラの乱れは、「高脂肪食」と「食物繊維不足」と「塩分・糖分のとりすぎ」も原因になります。
近年の研究では、塩分6g余分に摂取すると、血圧上昇を抑制する腸内の乳酸菌類が明らかに減少し、それに呼応するかのように全身の慢性炎症を促す因子が活性化されます。
別の実験でも、高血圧の人が塩分制限をすると、血管の柔軟性を高めて血圧を下げる酪酸やプロピオン酸などの短鎖脂肪酸が増えることも確認されています。
この変化は、特に女性に顕著に現れたそうです。
塩分は、1日では男性約7.5g、女性約6.5g未満に抑えておきたいところです。
砂糖も、腸内では悪玉菌のエサになり、腸内フローラの乱れの原因になります。
これは人工甘味料も例にもれず、サッカリン、スクラロース、アステルパームも腸内フローラに変化をもたらします。
世界保健機構(WHO)では、砂糖の1日の摂取量は総エネルギー量の5%未満(概ね25g相当)と発表しています。
塩分も砂糖も特に摂りすぎてしまうな
食後のデザートには気を付けましょう
腸内フローラの乱れを防ぐために気をつけたいのが「抗生物質」です。
抗生物質とは、病原菌を殺したり増殖を抑えたりする薬ですが、当然、腸内細菌にも作用し、腸内フローラを乱す原因になります。
抗生物質の作用で「偽膜性大腸炎」(大腸に小さな円形の膜がh掃除る炎症性の病気)を起こし、風邪を引いたからと言って安易に使用するのはやめておきましょう。
長期服用の際は、必ず医師と相談をするようにしましょう。
また、胸やけや胃酸分泌を抑える胃薬(プロトンポンプ阻害薬)も、腸内フローラを乱します。
さらに、ファストフードや加工食品などに含まれる添加物「乳化剤」や「酸化チタン」も、腸粘膜の粘液バリアを破壊することが懸念されており、過剰摂取は控えたほうがいいでしょう。
加工食品ばかりの食生活がだめな理由がわかりますね
乳化剤といっても、種類はたくさんあります
国内では、約1000万人以上(潜在患者ふくむ)が慢性便秘で悩んでいると言われています。
しかし、便秘で病院を受診することは少なく、市販の便秘薬(下剤)を気軽に常用することが多いです。
市販の便秘薬は腸を刺激して排便を促すタイプが多く、センナ、ダイオウ、センノシド等の成分が含まれています。
このような刺激性の便秘薬、とくにアントラキノン系の刺激成分が含まれた便秘薬を長期服用すると、腸の粘膜細胞が傷害されて黒くなります。
また、酸化マグネシウムの便秘薬も、心臓や腎臓に持病のある人には注意が必要です。
一方で、ルビプロストン、エロビキシバット、リナクロチドなどの新しい便秘薬も登場し、長引く便秘も改善に期待がされています。
腸管粘膜のバリア機能を回復させる作用も報告され、腸内フローラに効果を及ぼすこともわかってきているそうです。
便秘だからといって、安易に薬に走るのはよくないですね
食生活を見直した方が、経済的になるかもしれませんね
ストレスが多い現代社会は、腸や腸内フローラにとってもストレス時代となります。
人間関係、悩み、不安、感染症問題、経済的問題などなど、人によってストレスになる要因は様々です。
人間はストレスを感じるとお腹が痛くなります。
ストレスを感じた時の信号は自律神経を介して腸に伝わり、腸の蠕動運動を妨げ、下痢や便秘を引き起こします。
その刺激は、腸内細菌にも伝わり、腸内フローラにも影響することがわかっています。
反対に、腸内フローラが乱れて腸管粘膜が炎症を起こすと、脳での不安感が増し、行動や食欲に変化をもたらします(脳腸相関)
運動不足も、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病の原因になります。
これまでの研究でも、大腸がんの予防においても、規則的な運動習慣の重要性は明らかです。
WHO(世界保健機構)の報告でも、大腸がんの確実なリスク要因は「過体重(肥満)」と「低い身体活動」と示されています。
運動をすると、酪酸などの短鎖脂肪酸を生み出す善玉菌を増やす効果がわかっています。
アメリカの研究では、座りっぱなしの仕事や生活だった人が持久力を鍛える運動を6週間続けたら、糞便中の酪酸・酢酸・プロピオン酸などの短鎖脂肪酸の濃度が上昇し、スーパー善玉菌が増えたと報告されています。
健康維持のためであれば、1日に汗をかく程度(30~60分)の運動を臭3回行い、継続することが重要です。
運動は健康予防では万能と呼ばれるほどの効果があります
食生活の変化は今後も時代と共に変化していきます。
絶対にダメ、良いというものはないので、健康維持のためには何が不足しているかを振り返る時間が必要です。
みなさんも、年を積み重ねると同時に、食生活を振り返ってみましょう。
腸活についてのまとめです。
- 日本人は食生活の欧米化が始まったことで、腸内フローラも乱れている
- 現代病は腸内フローラとは切れない関係性がある
- 高脂肪食は悪玉菌を増やし、腸内フローラをボロボロにする
- 食物繊維不足は腸内フローラが改善されず、ボロボロのまま
- 塩分と砂糖の過剰摂取で、腸内フローラの破壊が加速する
- 抗生物質や食品添加物の乳化剤も、腸内フローラに悪影響を及ぼす
- 下剤の連用は腸内がボロボロになる
- ストレスや運動不足で、腸内環境は汚くなる
関係ページのタグです。
気になる方はどうぞ!!
本シリーズのタグ
腸活
こちらにも参加しています↓