この記事はこんな人におすすめ
- 比較データを作ってみたけど、なんだかよくわからないものが出来上がって悩んでいる
- データを基に判断をしているけど、結果が伴わなくて悩んでいる
- 比較するときのコツが知りたい
比較する時は、比較する相手を間違えないように
仕事上でデータを比較して、自社の状況や問題解決への糸口を探すことはよくあります。
しかし、データの使い方や、そもそもの使うデータが誤っていれば、判断ミスにもつながりかねません。
比較する時は、比較して何を知りたいか、何がしたいか、そして一貫性を持たせることが重要です。
都合の良いデータを作るのではなく、適正なデータを生み出して初めて問題解決へとつなげることが出来ます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
プレゼンをする場合、数値を示しながらやっても、データがブレていると言いう指摘が入る場合があります。
根拠資料を見せても、相手が納得しない場面がありますが、それは何故でしょうか。
データをもとに指示を出しているなら、その内容に説得性はあるはずですし、指示する側にもブレはないような感じはします。
それでも、その指示がブレていると思われる時があります。
この場合は、使っているデータに目を向ける必要があります。
例えば、小学校の頃、テストの点数が低かった時「友人よりは高かった」「他の科目よりよかった」「前よりは上がった」・・・などなど、言いわけの内容がその時々で変わる子がいたかもしれません。
この場合のように、比較している材料が違うと、何を目指せばよいかわからなくなります。
つまり、仕事でもデータの裏付けをしても、その時々で異なる内容のデータを使っていたら、その指示に一貫性はなくなります。
私たちは、何かと比べながら意思決定をしていることが多いです。
例えば、スマホを買い替える場合「新機種がでた」「機能性が高いものに買い替えたい」「古くなったから」・・・と、今、自分の持っているスマホと比較して買うかどうかを決めます。
このように、情報をアウトプットする段階では、比較ということを自然に行います。
また、買い替える場合、どの機種にするかきめなければなりません。
機種を決める場合「同じ機種の最新場だから、使い方がわかっている」「みんながいいと言うから」「この機種限定の新機能を使いたい」など、候補となるスマホを比較します。
ただ、その比較の仕方は「使用感と連続性」、「人気」、「機能の有無」など、観点はそれぞれ違います。
このように、比較するとき、何を比較するか、何と比較するかで、大きく判断が変わります。
つまり、比較の仕方で意味のあるアウトプットになるかどうかが変わります。
ただ実際、ここまで注意をして比較する人は少ないです。
例えば、ただ人気があるからで買い換えては、自分の求めているものではなかったという結末が待っているかもしれません。
比較の際に注意を怠ると、判断ミスを起こします。
データは比較をすることで初めてアウトプットになります。
また、問題点を把握するために優劣を判断したり、あるいは特徴を明らかにするために共通・相違点をとらえます。
データは単独では分かりませんが、比較対象を示すことで、1つの判断材料とすることができます。
目的にそったデータを使わないとダメってことですね
同じフィールドで比べられるようにしましょう。
比較は、アウトプットを生み出すのには欠かせません。
しかし、安易な比較は役に立たず、かえって歪んだ結果となることもあります。
比較のワナにハマりやすいパターンは、次の3つがあります。
①比較しやすいから比較する
手元にデータがあり、算出に時間がかからないから、と目的を意識せずに比較するパターンです
②とりあえず比較して、何が何だか分からなくなる
大量の数値データがある場合、整理しようとExcelを使うことがありますが、意図を考えずに比較しようとするとデータを見る目を捻じ曲げる可能性があります。
③数字をいじって、何を比較したのかわからなくなる
結論ありきの場合、その結論に合わせるために関係ないデータを使って帳尻を合わせたりします。すると、得体のしれない指標で比較するという結果につながります。
例えば、A店、B店、C店のそれぞれの売上率や粗利益率で比較するというのはよくあることかと思います。
総合的にどの店舗の成績が良いかと比較する時に、それぞれの店舗が持っている率を、全てかけ合わせてしまい、その結果で判断してしまうと、歪んだデータが出来上がります。
このように各店舗の特徴を消して、数値だけの総合成績で見ると、経営判断にも支障が出てしまいます。
適当に比較しても意味がないってことですね
仕事してる感は出るんですけどね
比較をするときにワナにハマらないためには、比較についてもう少し深く考える必要があります。
ビジネスシーンで利用される比較対象は、次の3つに分類できます。
①時系列での比較
過去と同じデータを比較対象とするもの。
「前年比」「前年同期比」などがその典型例です。
時系列の比較対象は、短期的なものでも現状を簡単につかむことができ、長期間で推移を見れば大きな傾向が見えます。
ただ、過去からの敬意をベースに考えるため、現状踏襲的な観点からの比較になりやすいです。
つまり、ゼロベースや発展的なアイデアには結び付きにくいということです。
また、推移を見る際にも、いつから見るのか(時点)を統一しないと、ピントがブレたアウトプットになります。
②自分なりの基準で比較
「計画比」「目標達成or未達」などが該当します。
自分なりの基準を設けることができるので、背伸びをした目標設定もできますし、現実性のある設定もできます。
ただ、感覚的に決められるので、何故その基準で設定したのかがよくわからなくなる傾向があります。
いつの間にか目標が一人歩きして、なぜその目標になったのかわからないまま進んでいる、ということになりかねません。
③ほかに比較できそうな対象と比較
客観性を持った基準にするために、外部の比較対象を活用するもの。
事業で言えば競合と比較、個人で言えばライバルや全体平均と比較ことがあります。
この場合は何を比較対象とするかが注意点で、比較できないものを対象にしても意味がありません。
ケースバイケースで使い分ける必要がありますね
比較対象は、特定の競合企業や個人である「個別の比較対象」と業界全体の傾向や平均などの「全体の傾向」の2つに分けられます。
個別の比較対象は、その比較対象は適切かということも考える必要があります。
全体の傾向で比較する場合も、その値で比較することが妥当かをチェックする必要があります。
特に、平均を使う場合は要注意で、少数の対象が著しく高い(もしくは低い)数値を出し、平均を押し上げてしまっている場合があります。
すると、仮に自分が平均未満だった場合、それでガッカリするのも変な話です。
平均値は、あくまで参考値にしかならないので、それを元に行動に移すと判断を誤ることに繋がります。
※お金の世代別貯蓄率を見る場合も、平均だと少しかけ離れた数値になっているので、中央値で見たほうが現実的な数値になったりします。
個人パン屋さんなのに山崎製パンさんと比較しても規模が違いすぎるということですね
比較対象を選ぶ場合は、「何を基準、もしくはいいと考えているか」によって決まります。
例えば、時系列での比較を行う場合「過去の水準にまで到達していたい」と考えています。
また、競合と比較する場合も「競合より自分が優れていたい」と考えています。
その典型的な例として、目標を設定する場合です。
自らあるべき状態を設定して、その状態と比較しようとしています。
つまり、考えるべきことは、どのような状態が望ましいか、もしくは標準ととらえるかということです。
何かを比較するということは、比較して何を知りたいかと考えることが重要です。
あるべき姿を考える場合、自然と何かと比較していますね
比較する際に気を付けることは、できるだけ同じようなものを比較することです。
例えば、新車販売店が、近隣の販売店と比較して売上改善の糸口をつかみたい時、中古車販売店の業績と比較するのは、すこし違うということです。
同じ自動車販売店でも、新車と中古車では品ぞろえや営業方法も変わるため、比較するのには適していません。
比較する場合は、比較するものと対照がそろっている(自分と同じ)ことが前提です。
どこまでそろえるかは人それぞれですが、比較する際は意図はハッキリしておかないと、結果の受け方が変わってきます。
コメダ珈琲とスターバックスも経営形態は同じようで違うからな!
同じものを比較する時に気をつけたいのが、比較しやすいようにすることです。
ダイレクトに比較できないようなものの場合は、指標化(要因の数値化)するということです。
指標化を行う時は、そろっていないものは何かを意識することが重要です。
コスト比較で例えると、企業の規模がそろっていないから、企業の規模を代表するもので指標化します。
企業の規模を代表するものなら売上高でなくてもよく、従業員数や店舗数などでも構いません。
ただし、それらの数値が規模を示すものになっているかに気を付ける必要があります。
労働集約型の産業なら従業員数も規模を代表するものなら適切ですが、省人化した産業では不適切です。
また、指標化の際には目的にも気を付けましょう。
社員の生産性の高さで比較するなら、従業員あたりで指標化しますし、企業競争に勝つのならシェアを指標化する必要があります。
比率で比較することはよくみかけますね
比較するためのコツをつかんでいても、実際にはピントがブレた比較をしてしまうこともあります。
比較する際には、次の2つを工夫してみましょう。
①幅広く比較する
比較対象を決める場合、最初からひとつの比較対象に絞る必要はなく、ある程度数値を見てから決めても遅くありません。
可能な限りいろいろな視点に基づいて比較を行うことを心がけましょう。
自分にとって最も意味があると思える比較対象と、それ以外の参考的な比較対象とは自分の中で明確に色分けしておきます。
すると、多面的な観点からの比較につながり、幅広い観点からの意味を読み取ることができます。
この最初の段階では、何か特徴のある傾向が見えても、いきなり結論づけないようにしましょう。
幅広く見ている段階で何か面白そうな比較結果があると、往々にしてそれに飛びついてしまいます。
すると、他の部分に目が行き届かなくなる恐れがあります。
②比較対象を組み合わせて比較する
たとえば、競合企業との業績比較を時系列でみていく場合は、「時系列」と「他に比較できそうなもの」の2つを組み合わせたものです。
比較対象を組み合わせると、色々な比較を一度に行うことができます。
ただ、比較対象を組み合わせる場合、どちらに重点を置くかで比較対象の主従の置き方は変わります。
2つの起業の売上推移を比較する場合、両社の相対的な差を時系列でみて比較するのと、両社の成長率の差を比較することです。
どのアプローチがよいかも、何を知りたいかという目的によって変わります。
両社の差がどのように変化しているのかを知りたければ前者ですし、成長率の差を知りたければ後者です。
比較対象を組み合わせる場合、比較した結果に含まれる情報量がその分増えるので、読み取りの際にはうまく活用しましょう。
あまり急いで比較しても、かえって誤情報を生み出すことになるですね
ここでも、目的が大切ですね
仕事では、比較することで問題解決や特徴をつかむことにつなげていきますが、上手にできない場合も多いです。
この記事で、自分は何がしたいか、どこまで達成できているかを確認する方法としてわかっていただければ幸いです。
ただ、プライベートであまり比較しすぎると、メンタルがやられる可能性があるので参考程度に留めておきましょう
思考についてのまとめです。
- 比較するデータを使う場合、一貫性を持たせる
- 「何を」「何と」比較するかで、その後の判断に大きく影響がでる
- 比較は、問題を把握、優劣の確認、共通点や相違点を調べるのに使う
- とりあえず、なんとなく比較するのは危険
- 比較対象は①時系列②自分なりの基準③類似性のもの、の3種類がある
- 比較する際は、適切なものと比較する
- 比較するときの工夫は、幅広く比較する、組み合わせて比較する方法がある
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