この記事はこんな人におすすめ
- 作った資料が他人と違い過ぎて気になっている
- 相手が上手く納得してくれない、誤解した受け取り方をして悩んでいる
- 深夜まで頑張って資料作成をしているが、上手にできずに悩んでいる
考えも一晩寝かせれば質が高まる!
アウトプット(伝え方)で最も大切なのは、相手にどう受け取ってもらうかです。
それには、誤解を与えたり、自分が意図していない受け取り方をなるべくさせないようにしたいところですが、自分が作った資料は自分本位になりがちです。
料理と同じく、作った資料も一晩寝かせて翌朝見返すことで、客観的な目線で見直してクオリティを上げることができます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
ものごとをアウトプットするには、アウトプットをする軸が全ての中心となります。
軸がしっかりしていれば、アウトプットもブレのないものになり、手間や時間も少なくなります。
基本的な考え方はつぎのとおりです。
アウトプットを作っている時に、「これで合っているかな?」と疑問がわきますが、これはデータや計算間違えをなくすという意味では正しいです。
しかし、「間違っていない=正しい→アウトプット完成」の図式が出来てしまうのは危険です。
ビジネスでは、正しいことを書いていれば正解ということは少ないです。
正しい計画や提案だけで結果がでるなら、今頃全ての人が結果が出せてしまっている世の中になっています。
つまり、アウトプットの正しさに囚われてしまうと、仕事の仕方を間違えてしまいます。
意識する点は、アウトプットに価値があるかです。
頑張って収集した情報も、誰でも知り得る情報で終わってしまうのでしたら、評価されないので意味がありません。
アウトプットで評価されるのは、どんな新しいことがあるかどうかです。
誰でも知っている情報でも、そこから新しい発見が生まれれば一気に価値がつきます。
他の人が知っていることと何が違うのかがわかれば、アウトプットの価値がでます。
価値で判断するのは、何もお買い物だけではないということです
考え方を学んでいると、自動的に誰でも同じようなアウトプットが出来上がるかもと感じるかもしれません。
そして、「他の人と違う結果になったから、間違えたかな」と感じることにつながりがちです。
しかし、これは間違いです。
自分の判断や行動に役立つような、質の高いアウトプットを作り出すためには「誰もができる」ものから一歩踏み出す必要があります。
他の人と違う結果になることは、ある意味当然です。
仮に、同じ分け方をしても、データの集め方や整理の仕方、整理したデータの読み取り方や重点の置き方によっても、人それぞれです。
同じ対象を見ても、その対象を移す角度が変われば、見え方は変わってきます。
わかりやすく言うと、富士山をみたその感想は、人それぞれというのと同じことです。
他人と同じ結果になってしまうほうが稀です。
自分ならではの考えで、価値を生み出し、その結果それでも同じということならばそれでいいということです。
他の人と比較するなら、どういう掘り下げ方をして結果がでたのか、さらに質の高いアウトプットを追及することを意識しましょう。
自分は自分です。考え方に優劣はありません。
アウトプットの軸を作るときに気を付けるのが、ボリュームです。
一言で表せるようになると、アウトプットの中で自分が一番重要だと思っていた部分がハッキリします。
「一言」がポイントであり、冗長とすると、軸としては適切ではないということです。
ですが、キーワードだけで勝負しようとしても、具体性がなくなり、結局何をすればが見えてこないです。
この罠に陥ると、全体的にバラバラな行動が発生し、個々が自分がいいと思う行動に移すようになります。
長すぎず、短すぎずというのが、アウトプットの軸を作るコツです。
①内容面でつくる
アウトプット全体の内容を70%程度を占めているもの。
作成した資料で述べている内容の70%くらいの内容を一言でまとめてみましょう
②ボリューム面でつくる
文字数を「50~70字前後」にすること。
テーマにもよりますが、実務でアクションに結びつくようなことを説明をするには、最低限これくらいは必要です。
これよりも短いと、スローガンといったものになりやすいです。
ちなみに、箇条書きについて補足します。
上司から資料提出を求められたとき「箇条書きでいいよ」と言われることがよくあると思います。
もちろん、提出する時はそういう指示なので箇条書きで提出する必要がありますが、あくまでも結果の段階です。
アウトプットの軸を作らずに箇条書きをすると、自分の頭の中でまだ十分にデータがまとまっていない状態でアウトプットしているのと同じになります。
アウトプットの軸を作るのと、完成させるのは違うという事です。
軸は基本なのは、どれにも言えることですね
頭の中にある軸を、一度紙に書いてみるのもいいですね
アウトプットの軸をつくるとき、重要になるのはデータの中身ではありません。
定量データの数値や定性的なデータのコメントの中身は、アウトプットの軸にはほとんどでてきません。
アウトプットの軸を考える場合、よくデータそのものを入れようとしますが、それをしたら「一言」でまとまった軸にはなりません。
そこから意味をよみとるには、そのデータや情報をとおして何がみえるかということです。
では、どこに意味があるかというと、数表で言えば縦や横に書かれている言葉であり、定性的なデータなら個々の特性です。
数値やデータがどんな役割を果たすかと言うと、アウトプットの軸で言おうとしていることの「具体的な例」程度のレベルです。
試しに、次の表の調査結果からどんなことが言えるかみてみましょう。
自動卵割り機 | 2015年 | 2020年 |
価格 | 75% | 60% |
品質 | 70% | 65% |
デザイン | 60% | 50% |
メンテナンスの良さ | 55% | 65% |
保障の充実 | 50% | 65% |
問い合わせ対応の的確さ | 45% | 60% |
これを一言でまとめると「顧客が購入時に重視する要因は、購入時に魅力を感じるものから、使用時に重要になるものに変化している」となるかと思います。
このアウトプットの軸には、ひと言も実際の数値は入っていません。
アウトプットの軸を考えるときは数値は重要な役割を果たしていますが「価格を重視した人の割合が75%から60%に減少」ということをいちいちと入れる必要はありません。
重要なのは、「価格、品質、デザイン」が何を意味し、「メンテナンス、保証、問い合わせ対応」が何を意味するかをまとめていること、そのトレンドがどうなっているかを表現することです。
数値を入れると冗長になりますね
表から読み取ると言うのは、ひと言で表すとという意味で今度から読みましょう
ビジネス書ではよく見かけるテーマがあります。
「わかりやすいプレゼンの仕方」「インパクトのあるグラフ作成方法」「わかりやすい話し方」
これらのテーマに共通することはなんでしょうか。
それは、いずれもアウトプットの作り方(相手への見せ方)ということです。
ビジネスパーソンにとって、アウトプットを見栄えの良いものにするのは、永遠のテーマだと感じますね。
ですが、こうした手法を重視したことも大切ですが、その手法以上に考え方は重要です。
見栄えのよいグラフや、聞きほれるプレゼンはどうすればよいでしょうか。
するとここで、「センス」と思う方もいるかと思います。
確かに、美的感覚に優れている人は、グラフの作り方や話し方に一味二味も違ってきます。
何より、その人が得意としている分野なので、訓練だけではどうしようもない部分もあります。
それでは、その他の人はどうすればいいでしょうか。
それは、「自然に考えれば、このようなアウトプットになるだろう」という必然性が必要になってきます。
論理的思考やロジカルシンキングと同じような考え方ですね。
この必然性の部分は非常に重要で、センスを持っている人でも、この必然性を掴んでいなければ要領を得ないものになるでしょう。
そして、必然性は実践していけばスキルとして身につけられます。
センスも重要ですが、それは必然性を補完するためのものですので、プレゼンが苦手だと言う人もがっかりする必要はありません。
私もセンスはありませんが、訓練をすることはできまぁす!
必然性のあるアウトプットをするためには、どんな点に気を付ける必要があるでしょうか。
①基本的に相手を迷わせず、誤解させず
アウトプットを伝えるときに困るのは、受け手は自分が理解しやすいように受け取るので、こちらの想定通りに理解しないという事です。
受け手がしっかりと理解できない場合もありますし、誤解して受け取ってしまうケースもあります。
これを避けるには、一貫性のとれたアウトプットにする必要があります。
一貫性がないと、その部分が引っかかって理解が追いつかなくなったり、自分の意図からずれた理解になります。
例えば、
・プレゼン資料がモノクロだったのがいきなりカラーになった
・新商品の説明なのに、商品説明の建前が長くて本題が全然でてこない
このような場合だと、「なんでこういう見せ方をしたのかな」と気になり、受け手の頭に入ってこない場合があります。
こうならないように、一貫性を持たせましょう。
一貫性とは、「ある意味で当たり前のこと」を指します。
資料はカラーで統一する、箇条書きならレベルを合わせる、同じレベルの項目は同じ位置にする、土俵をそろえる。
これを徹底すると、一貫性がある資料に出来上がります。
「自分は気にしない」でも、受け手は気になるものです。
②メディアの特徴をつかむ
ワード、エクセル、パワーポイント、グラフ、口頭などなど。
どんなメディアでアウトプットをするか、これは結構重要です。
根本的なところでいえば、口頭なのか文章なのかという点です。
依頼をする場合、口頭(電話)で行うのか、それともメールで頼むのかという選択があります。
資料作りでも、プレゼンのスライドを作成するときに定量データを数表でみせるかグラフで見せるかといったレベルのものもあります。
と、考えると、つぎの3点からある程度必然的にメディアは決まってきます。
①目的
アウトプットをした後、受け手がどうなっていたいか(=期待すること)。
グラフを使う(全体のトレンドの把握)か、数表を使う(数値の意味合いを考えてもらう)かは目的によって使い分けます。
②受け手の状況
受け手に時間がない状況なら、簡易的な資料が望ましいですし、理解を深めたいなら、詳細に書いた資料が望ましいです。
③各メディアの特徴
口頭の場合は残存性がない、ワードであれば読み取り方が受け手によって変わる可能性がある。
こうした特徴をつかみながら、何が最適なメディアかを使う場面に応じて変えます。
万能なツールはないということです
③何をアウトプットするかをまとめる
色々な情報をインプットすると、それを全てアウトプットしたくなりますが、それは控えておきましょう。
受け手にとっては、頑張った感ではなく、内容そのものが重要です。
一般的に、プレゼンのスライドのようにアウトプットに含む内容は多くしがちです。
本当に必要なものに絞るという意識が大切です。
一枚のスライドに、小さい文字で全て詰め込むというのは自分本位のアウトプットにしかなりません。
質問を避けるために盛り込んでいる人もいますが、それは受け手のことを理解していないからです。
どんな受け手にプレゼンをするかを考えれば、乗せるべきこと、省いていいものがわかります。
学校の教科書はいい例だと思いますね
小学生用、中学生用と受け手のことを考えて作られていると思います。
センスと言うのは、ひと言で言うとその人の個性であり、無味乾燥なアウトプットもその個性によって味付けが異なります。
その味付け方法として、次のようなものがあります。
①見せ方としての効果
同じグラフでもどの種類を使えばよいかは決まってきます。
では、どの色を使うかは人によります。
どの色を使うか、、どう配色するかは、受け手のことを考えながら最も効果的なものを決めていきます。
②意外性
漫画「NARUTO」では、主人公のナルトは「意外性ナンバー1忍者」と呼ばれています。
必然的に決まっているアウトプットも、実はあえてその必然性から外れると、意外な効果を生み出します。
本来ならこのような表はみせないが、あえて表にしてみる、など、意外性があると受け手を惹きつけることができます。
しかし、あくまでも意外性なので、何度も必然性を脱線してしまうと、誤解を生じやすくなります。
ここはセンスの世界がよく絡むところです。
できない人は、無理にやる必要はないということですね
練習のような環境なら、試してみてもいいですね
アウトプットは、寝かせることで質を高めることができます。
発酵食品のような考え方ですが、当然、自然と資料が完成されるわけでなく、自分の頭の中でクオリティが上がるという意味です。
一晩経つことで、自分が作ったアウトプットを客観的な目線で見ることができます。
作ったときは「これがベストだ」と思っていますが、一晩経って見ると「ここは変だな」と冷静な目線で見ることができます。
加熱した料理を少し冷ますと美味しくなるのと同じで、熱くなった頭で作ったアウトプットを少し冷ますことで、改善点を見つけられます。
当然、自分一人で行う必要はなく、第三者にみてもらうというのも大いにありです。
ただ、第三者は作成者ほど精通していないので、期待通りのフィードバックをもらえない可能性はあります。
逆に、数週間など、個人差はありますがあまり長い期間寝かせてしまうのも考えものです。
内容を思い出すのに時間がかかったり、感情的に見直したくないとなってしまう可能性があります。
アウトプットを寝かせる時間がない人は、考え方を変えましょう。
寝かせるための時間を確保するのもアウトプットをする重要な要素なので、それも徹底して時間管理を行う必要があるのです。
夜中に頑張って作った資料が翌日ポンコツにみえるのも、これが原因ですね
一日に頭をフル回転できる回数は限られていることを知っておきましょう
アウトプットの質を高めることは誰でもできますが、ですが簡単にはできません。
意識して考えて実行するか、それともただ忙殺されて実行するのかではスキルアップ面でも大きくかわります。
センスの部分はともかく、訓練できるところは訓練して、いいアウトプットを作り上げていきましょう
思考についてのまとめです。
- アウトプットは、どんな価値を提供できるかが大切
- アウトプットは、自分ならではの考えが大切
- アウトプットは、ひと言で言い表せるレベルまで作るのが大切
- データをそのまま入れるのでなく、読み取れることをアウトプットする
- 「こうだから自然にこういう考え方になる」を意識して必然性の高いものをつくる
- 一貫性をもった表現をする
- 受け手に誤解をあたえないように、レベルをそろえる
- センスは味付けの世界
- 一晩寝かせることで、アウトプットは質が高まる
関係ページのタグです。
気になる方はどうぞ!!
本シリーズのタグ
思考
こちらにも参加しています↓