この記事はこんな人におすすめ
- 子ども寝ろと言っても眠ってくれずに悩んでいる
- 同居している高齢の親のボケ防止にどうしたらいいか悩んでいる
- ペットを飼っているが、一緒の布団で寝てもいいかわからない
睡眠も教育です
寝る子は育つと言われていますが、日本人は子どもの睡眠時間も減っており、睡眠負債を抱える要因になっています。
小学生くらいからはライフスタイルが一気に変わるため、睡眠時間を確保できなくなりますが、子どもの睡眠負債は成長が止まったり学力低下したりとデメリットが非常に大きく重たいです。
子どものころから睡眠の習慣をよくするためには、影響を受けやすい親の生活習慣も考える必要があります。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
年齢によって眠りは変わってきます。
小さな子どもがいる人、受験生がいる人、パートナーが睡眠に悩んでいる人、高齢な親が心配な人。
「自分よりも、家族の睡眠が心配」という人たちもたくさんいると思います。
特にこどもについてですが、日本人の睡眠時間は少ないですが、それは子どもであっても同様です。
子どもは親の影響を受けやすいので、親が睡眠不足だと子どもも不足し「眠らない家族」になります。
子どもの頃から睡眠負債がたまると
- 昼間の眠気が強くなる
- イライラする、キレやすい
- 授業中座っていられない、
- 先生の話しが理解できない
- やる気が低下する
- 倦怠感などの身体症状がでる
大人と同様に体のパフォーマンスがさがります。
すると、明らかに学力低下が起こりますし、そもそも健全な生活とはかけはなれてしまいます。
親から子どもへの影響力は大きいです
人間の赤ちゃんは、見えない、歯がない、歩けない状態で生まれてくるため、生まれてからはずっと寝ています。
生まれたての赤ちゃんの睡眠はレム睡眠と言われていますj。
なぜずっと眠っているかと言うと、それは脳の発達に睡眠が関係しているからだと考えられています。
特にレム睡眠が脳の発達に関係しいるという説が有力です。
NTT東日本と協働した㈱ブレインスリープの調査では、3~9歳までの子どもを持つ親5,774人を対象に睡眠実態調査を行いました。
NTT東日本と協働した㈱ブレインスリープは、3~9歳までの子どもを持つ親5,774人を対象に睡眠実態調査を行いました。
子どもの睡眠時間は、
〇3~5歳は10~13時間半
〇6~9歳は9~11時間
しかし、調査結果からは、日本の子どもは世界標準より1時間ほど不足していました。
特に、5~6歳の子どもが睡眠負債が多く、理想の睡眠時間より1時間半~2時間近く不足しています。
その行動、成長を犠牲にする必要はあるのでしょうか
小学生になっても、突然と身体が成長するわけではありません。
脳も当然同じで、ライフスタイルの変化で睡眠時間が削られても、脳はそれについていくことはできません。
ヒトの場合、だいたい8~12歳で大人の睡眠になると言われています。
小学生になっても、よく眠る必要はあるのです。
ですが、親が夜型の生活をしていると、子どももそれにつられます。
「うちは夜型だから」と笑い、夜遅くに外出させている親は、自分の子の成長を阻害している可能性があります。
また、夜に入眠する時間が理想的な時刻よりも50分ほど遅くなっていて、朝の起床時間も数分程度遅くなっていますが、これでは睡眠不足解消にはなりません。
特に週末の起床時間が遅いことが多く、これが睡眠負債の予兆です。
親の睡眠習慣が乱れていると、子どもの睡眠習慣も乱れます。
そういう子ほど、欠席、風邪、頭痛が多いと言われています。
睡眠は大切という認識がなければ、この傾向は変わることはないでしょう。
ある意味怖い話ですね、これ。
子どもが寝ないのは、親の寝ない習慣から来ているかもしれません
子どもの睡眠は大人と比べると、質よりも量が大切だと思われがちですが、そうではありません。
授業中に居眠りをする場合、もしかしたら質が悪い可能性が高いです。
子どもの中程度以上の睡眠時無呼吸症候群の有病率は3.5%です。
成人女性は2%なのでこれよりも大きく、扁桃体肥大などの影響があります。
居眠り、昼間の眠気、注意力欠如、重症だと背が伸びない影響がでます。
扁桃腺の手術で改善することもあるようで、術後に身長が伸びたという報告もあるようです。
子どもの頃から下の運動を行う、電気刺激を行う、鼻呼吸に変える方法もあります。
小児を専門としている日本睡眠学会の睡眠専門医も少なからずいます。
睡眠専門医院を受診すれば、小児専門医を紹介してもらえます。
重症だと思い切って相談するのも手段です
学校で居眠りが出るほどであれば、夜に子どもがどう寝ているかを把握しておきましょう。
いきなり動画はやりすぎなので、そっと覗く程度からやってみましょう。
睡眠時随伴性症候群と呼ばれるものがありますが、例えば以下の症状です。
- 夜尿症
- 寝ぼけ
- 激しい寝言
- 夜驚症
これらは脳の発達過程で起こるので、成長と共に改善していきます。
発育途中の脳は、脳の各所で成長の度合いが違うため、アンバランスが生まれるためです。
睡眠といってもいろいろな脳部位が関係し、レム睡眠の場合は生理的に脱力が起こり、その調節は脳の根本の部位で行われます。
睡眠記録は主に大脳で行い、大脳皮質の神経活動が同期したり非同期になったりして、睡眠深さが変わります。
レム睡眠やノンレム睡眠で、筋肉の緊張が低下しなければ、寝言、怖がり、歩き回りにつながります。
症状がひどくなければ、それほど気にする必要はないでしょう。
親は子どもの睡眠の質に責任を持った方がいいですが、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
無責任でないけど過保護にならずってラインですね
睡眠改善と言っても、仕事や生活環境など、個々のライフスタイルが違うため一概に同じアドバイスは難しいです。
睡眠を改善したいけど方法がわからない場合は、同じ子育て世代の親から学ぶのが感情的にも共感しやすいでしょう。
特に受験生の場合、昔は四当五落といって、睡眠を5時間とれば受験に失敗と言われていましたが、現代では問題です。
一夜漬けは暗記にほぼ効果はありませんし、最近の試験傾向は暗記した知識で思考や考察をする設問が増えています。
そういった状況下で、睡眠時間を削ってまで勉強に時間を当てるのは問題だと考えています。
どうしても時間がないのであれば、日常生活の中から勉強につながる視野を持たせて、些細なことでも勉強になることを教えてみましょう。
中学生くらいになって、朝起きない場合は、何が原因かを調べたほうがいいかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群の例もありますし、ただ単にスマホやゲームをやっていたという場合もあります。
なんでゲームをしていたのか、なんでスマホを見ていたのか。
ただ否定するのではなく、できればその根本的な原因を探って解決できるといいですね
ここでも睡眠時無呼吸症候群の凶悪さがでてくるんですね
私たち大人が無事に成長できたのは、睡眠できたからですね
自分自身が年齢を重ねていっても、睡眠については過度に心配しないようにしましょう。
全く無視するわけにはいきませんが、良い睡眠方法を取り入れても高齢の場合は睡眠の質が劇的によくなるわけではありません。
ですが、子どもと違い、高齢者が自覚がないままおかしな行動をしていたらなんらかの手立てを講じましょう。
就寝・起床時間、睡眠時間、使っている寝具
このあたりは把握しておけば、脳と体の健康パロメーターを測ることにつながります。
高齢者には高齢者の対策が必要です
睡眠中の観察は、子どもよりも高齢の親にこそ試みるべきかもしれません。
子どもの寝ぼけは心配いりませんが、大人の場合、レム睡眠行動異常障害です。
睡眠時随伴性症候群の一つで、レム睡眠の時に大脳の運動野が覚醒時のように活動してしまいます。
レム睡眠行動異常障害の人は、寝ている間に筋肉が弛緩しないので、例えば走る夢をみたらそのまま動き出すことになります。
アメリカでは、夢の通りに配偶者を殴って死亡させてしまった事例もあります。
これは悪性の病気です。
脳の変性疾患に伴って出てきて進行性があるのも怖いです。
本人はもちろん夢をみているだけですからね
睡眠中は脳の老廃物が除去されています。
起きている時にも行われるのですが、寝ている時には日中の活動時の4~10倍もの老廃物が除去されています。
脳の神経細胞が通常よりも早く減って、認知機能が徐々に低下する病気。
古くなったアミロイドβの断片が処理されず、脳に残って貯まることが原因と考えられる。
アミロイド自体は脳にあるたんぱく質で、細胞の修復に役立っている。
しかし、使い終わったアミロイドが効率よく処理されないと、未処理として増え、凝集しやすい断片が脳内で沈着します(老人班と呼ばれるもの)。
アミロイドβの分泌にはパターンがあり、正常であれば日中の分泌量が高く夜は低くなります。
ところが、眠らない場合、日中も夜も高い傾向になり、さらに睡眠不足が続くと、老人班がだらけになります。
睡眠不足がたまった後、十分な睡眠を確保すれば元に戻っていきます。
アルツハイマーは突然発症するのではなく、長期的に潜伏して変化が起こります。
早い人だと、40代くらいから始まるので、気を付けましょう。
たまに出る「勘違い」であれば、それほど気にする必要はないので、いちいち認知症だと心配しすぎないようにしましょう。
もちろん、悪くなる一方、最近おかしいと疑問に感じたら、病院を受診しましょう。
認知症って自分ではわからないのが厄介ですね
眠らないことのリスク、大人でも大きいんですよ
同居している親が明け方から起きだしたり、実家の親が早朝に電話をかけてくる・・・。
疲れていて睡眠負債がたまっている現代世代が、親の「朝攻撃」に困っている人もいるでしょう。
しかしこれはやむをえません。
若い世代の体内時計は後ろにずれやすいですが、高齢者の場合は前にずれることが多いです。
それが早朝覚醒が増える理由でもあると考えられています。
将来的で可能性の話しになりますが、サーチュイン遺伝子というものがあります。
このサーチュイン遺伝子の中には、その脳内での局在から、またサーチュイン遺伝子を活性化する酵素の中に、時計遺伝子の増減に影響をあたえるものがあります。
そのため、ある種のサーチュイン遺伝子が体内時計のリズムに影響すると考えられています。
ずれてしまう体内時計をサーチュイン遺伝子なら正せないか、という研究も始まっています。
将来的には、サプリメント等で早朝覚醒が改善されるかもしれません。
高齢の親とは生活ルールを決めておきましょう
脳が発達する時には刺激を受けて神経回路が形成されています。
その過程で生じた不要なものを除去しているのがレム睡眠です。
20~30年前は「脳の神経細胞は1度分化したら、新たに分割・再生できない」と考えられてきました。
ですが最近の研究によると、若い人の海馬では新しい神経細胞が作られ、大人になってもある程度続いていることがわかってきました。
脳梗塞などで受けたダメージでは脳の神経細胞は再生しませんが、残されたまわりの細胞が配線を変えるように再構築され、失われた機能を補います。
こうした働きにはリハビリが関与していますが、レム睡眠はこのリハビリに一役買っています。
つまり、浅いレム睡眠は、大人になっても脳の可塑性(かそせい:変形したものが力を加えずともそのままの形でいる性質)を最大限に活かすカギになっています。
「眠りはじめの90分」は今を支えるのに重要ですが、レム睡眠は将来を支えるのに役立つかもしれません。
ノンレム睡眠とレム睡眠をうまく両方活かすには、やはり生活習慣がポイントとなります。
睡眠はまだまだ未解明の部分が多いですね
睡眠の研究はその道の人にまかせ、私たちはいい生活を送りましょう
パートナーの呼吸が止まっていて、突然死ぬかもしれない!と心配する人もいます。
多くの場合、前段階として気になるのはいびきです。
いびきをかく人は、睡眠時無呼吸症候群の予備軍となります。
男性でも女性でも睡眠時無呼吸症候群のリスクは同じです。
〇体を横向けにする
〇背中を軽く触る
ただこれだけのことで、いびきは結構とまります。
あまり強くやると目が覚めてしまいますので、優しくしてあげましょう。
怒りにまかせてどついてはいけません
頻繁に寝がえりをうつのは、呼吸が止まって苦しいからかもしれません。
神経や血管の圧迫でも寝がえりは起こりますし、個人差も大きいの一概には言えませんし、一晩で何十回も寝返りしても問題ない人もいます。
「うつ伏せと仰向けのどちらが言い睡眠なのか」と疑問に思うかたもいますが、入眠しやすければどちらも問題ありません。
ただし、うつ伏せでは「乳幼児突然死症候群」と呼ばれる乳児の突然死のリスクはあがります。
日本では年間に150人ほどですが、突然死をもたらす疾患なのでうつぶせ寝は配慮しましょう。
大人の場合はうつぶせ寝でも仰向けでも好みの問題です。
よく「仰向けがだめ」「うつ伏せが睡眠に良い」と言われますが、仰向けでもうつ伏せでもそれぞれ一長一短がありますので、そこまでして必要はありません。
人によって寝やすい姿勢は違います
睡眠時無呼吸症候群の人は新型コロナに感染しやすいですが、その原因の1つに口呼吸があります。
質が悪い睡眠で免疫力が下がっている体に、さらに口呼吸による低温・乾燥はウイルスの増殖を高め、乾燥した粘膜は当然感染しやすくなります。
鼻呼吸であれば、ウイルスや雑菌が入ってきても適切な加湿・加温を受け、鼻の粘膜によてブロックされ、次に扁桃腺でブロックされ、最後は免疫力で撃退します。
口呼吸だとこのしくみが上手くいかないため、ダイレクトに空気を取り込むことになります。
乾燥は確実にウイルス増殖の要因となります。
鼻呼吸ができてない場合は濡れマスクでもいいので、特に冬場は睡眠時の呼吸対策はしておきましょう。
特に鼻呼吸は日中でもできていないといけませんね
冬場は加湿器をつけて寝ています
ペットを飼っている人であれば、愛犬や愛猫と一緒に眠ったりする人もいますが、質を考えればやめたほうが無難です。
犬や猫はレム睡眠も多く、頻繁に目を覚まします。
また、レム睡眠中は体がぴくぴくと動き、勝手に動いたり、出てったり、戻ってきたりと、熟睡の妨げになります。
飼い主の寝返りでペットに足をぶつけてしまったり、ペットの睡眠を妨害することにもなりかねません。
ペットは一緒に寝るほどかわいいと思いますが、お互い健全な生活をする上では、別々の寝床にしたほうがいいでしょう。
犬も猫も、昼間の間に結構寝ています。
1日中寝たり起きたりを繰り返しています。
動物は1日に複数回の睡眠をとる、多相性の分割睡眠が標準的です。
人間は日中ずっと起きていられるわけですが、シエスタの習慣があるように、習慣的に昼寝をする地域や民族があります。
睡眠スタイルの変化には脳の重量やノンレム睡眠とレム睡眠の発生サイクルなど、色々と要因はある、社会的要因もその一つです。
そもそものライフスタイルが違うので一緒に寝るのは難しいということです
睡眠は本能的にできてしまうため、子どもに対しても「寝ろ」の一言で片づけられがちです。
しかし、睡眠負債を抱えることが多いのは子どもも同じです。
良いライフスタイルは睡眠から学んでいくのが近道だと思います。
睡眠についてのまとめです。
- 子どもの睡眠不足は学力低下だけでなく、成長も止まる
- 睡眠時無呼吸症候群の子どもは背が伸びない
- 睡眠生活は親の影響をよく受ける
- 高齢者の寝言や寝ぼけは認知症のサイン
- 睡眠負債はアルツハイマーとして返ってくる
- レム睡眠で大人の脳は再生する
- いびきがうるさければ体をさする
- ペットと一緒に寝てはいけない
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