この記事はこんな人におすすめ
- いつまでも健康でいたいけれど、安くて効率のいい方法を知りたい
- 記憶力を下げたくないし、運動機能も低下させたくない
- 認知症リスクを抑える方法を知って、健康寿命を延ばしたい
結論は、健康的にいたければとにかく歩く
いつまでも健康的でいたいと思うのは誰でも同じです。
さらに、若い時と同じような記憶力などの思考力を持っていれば尚更です。
健康は短期間では手に入らず、長期的な取り組みの成果として表れますが、これは脳にも同じです。
高齢者になるほど、認知症のリスクは高まりますが、運動を日常的に取り入れれば発症リスクを抑えることは可能です。
認知症は薬による治療はまだ確立されていないため、現在の対策として最も有効で安価な方法が歩くことです。
認知症にならず、いつまでも若い思考力を身につけられる運動を習慣づけることで、健康でいたいという願いは叶います。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
脳の働きを研究する上で、「ストループテスト」と呼ばれる、色の名前とそれとは別の色で書かれたものを見て、その色の方を答えるというテストがあります。
例えば次のようなもの。
文字ではなく、色を答えてみます。
- あお
- きいろ
- くろ
それぞれ、「あか」「むらさき」「みどり」と答えます。
色名を答えるには、集中力や意志力が必要となります。
若い人であれば、このテストを行う時には、左脳の一部しか活動しません。
一方、70歳の被験者がテストに臨むと、脳全体を使うようになります。
「脳の両側を使う」状態を「HAROLD」(Hemispheric asaymmetry reduction in older adults 高齢者における大脳半球の非対称性減少)と呼びます。
しかし、この現象は体力のある70歳の被験者には見られなかった。
さらに、正答率も、他の高齢者よりも上回っていました。
運動を習慣にしている人の海馬は萎縮せず、成長します。
脳の司令塔である前頭葉も同じで、加齢による縮みを食い止めることができます。
さらに加齢による前頭葉の萎縮の進行度は、カロリー消費量と関係が深く、カロリー消費量が多い人ほど、加齢による前頭葉の萎縮の進行も遅くなるのです。
運動で脳の老化を防げるんですね
前頭葉は「思考」の領域で、高次認知機能をつかさどる場所です。
運動をすればその部位の老化に歯止めをかけられます。
対して、座っていることが多い等、カロリーを消費しない人は、萎縮の進行が速くなります。
これは、短期間運動しただけでは効果がありません。
何年、何十年もかけてカロリーを消費し続ける必要があります。
そのため、「たまに近くをジョギングする」程度では、前頭葉の萎縮は抑えられません。
ある研究では、およそ2万人の70~80歳の女性を、20年以上にわたって調査をしました。
研究によると、定期的に運動をしている女性は、座っている時間が長い女性よりも、過去の出来事をよく覚えていた。
集中力・注意力も、運動をしている人の方が上回り、運動をしている女性は脳が機能的に3年分若かった。
定期的な運動と言っても、毎日20分ほど歩くだけで十分だと考えられています。
歩くだけで脳の老化を食い止められるのか・・・
認知能力が損なわれていないことは、身体の機能が正常に働かせるのと、仕事をする上でも欠かせません。
年齢を重ねるにつれて、集中力やマルチタスキング能力、判断力は緩やかに衰えていくが、これは仕事が続けられなくなることにもつながります。
例えば、航空機のパイロットは、認知機能が完璧であることを常に要求される数少ない職業の一つです。
144名のパイロットを対象にフライトシミュレーターを使って技能を1年ごとにテストしました。
飛行中に想定される、あらゆる緊急事態(エンジントラブル、着陸装置の故障など)への対処を観察し、その技能をみるもの。
調査開始から数年後、パイロットの技能が年々落ちていることがわかってきた。
ところが、144名のうち3分の1のパイロットは、2倍の速さで技能が低下していた。
遺伝子を調べたところ、脳の肥料である「BDNF」の遺伝子が多く変異していました。
変異型の遺伝子は、全人口に置き換えても、3分の1の人が同じ遺伝子を持っていると考えられます。
3人に1人が、脳の老化や海馬の萎縮を早め、知的能力の衰えを促す遺伝子を持っている可能性があります。
生まれ持った遺伝子となると、変えることはできません。
しかし、この研究を指揮した科学者は次のように言っています。
脳内のBDNFを確実に増やす、明確に立証された方法はあります。それは運動です。
運動であれば、コンディションを維持し、脳の老化を抑えることが可能です。
遺伝子は変えられなくても、生活習慣は変えられる!
長く働きたいのなら、運動は欠かせないですね
加齢による認知機能で最たるものが「記憶力」です。
私たちの人格は、記憶によって形成されます。
好きな色から職業、住む場所の選択まで、決めることは過去の経験から来ています。
あらゆる出来事を過去の出来事と照合して、記憶によって紡がれています。
もし、記憶が消えれば、私たちは別人になるでしょう。
認知症の人を見ればわかりますが、記憶する力がなくなるにつれ、もはや別人のように変化します。
認知症は、治すための研究は行われていますが、今の時点では薬はなく、しかし、患者数は増えています。
認知症は予防することこそが肝心です。
短期記憶は別として、経験を忘れないようにしないとですね
運動と認知症発症については、世界中の科学者たちにより研究されています。
週5日、意識的に歩くと認知症の発症率を40%減らせることがわかっています。
科学者たちは、薬ではなく「歩く」という単純で効果的な方法を発見したわけです。
多くの人は、家系に認知症の人がいても、運動には関心を示しません。
認知症は防ぐことができないと、あきらめてしまっているようです。
認知症になりやすい家系でも、歩くことを意識的にすれば、発症する可能性は減らせます。
まずは歩くことから始めましょう。
ボケたくなければ歩けってことか
歩くことは、毎日クロスワードパズルを解くよりも遥かに効果があり、認知症を防ぐだけでなく、認知機能すべての衰えを防ぐことが立証されています。
私たちが歩いたり走ったりするとき、脳内では様々な領域が協調しながら活動しています。
- 視覚情報の処理
- 運動皮質は身体を動かすために広範囲で働く
- 自分のいる場所を認識するために脳全体が活発になる
- 球技ではさらにたくさんの機能が働く
一方、クロスワードパズルでは、言語中枢のみしか働かないため、脳トレには向かない理由です。
身体と脳は、それぞれ連携した1つの器官と考えましょう。
身体を動かすと、血糖値が安定し、フリーラジカル(ガンの原因)の増加も抑えられ、脳の働きを強化することにつながります。
心臓が丈夫になれば、脳に血液と、必要なエネルギーを送り込めます。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」と言われていますが、まさしくこのとおりかと思います。(言葉の解釈は別にして)
血流を増やすと体の不調は改善されるってことか
認知症になるリスクを減らすための運動はどれくらいすればいいのか。
研究によると次のようなものです。
・ウォーキングか軽いジョギングを週にトータル150分
・ウォーキングか軽いジョギングを30分ずつ週に5回行う
・20分のランニングを週3回行う
筋トレについてはまだ明確な効果は明らかになっていないため、歩くか走るかをやりましょう。
自分の生活にあった方法でやるのがいいですね
世界には、幸福かつ健康に長く生きられる地域として「ブルーゾーン」と呼ばれる地域があります。
ブルーゾーンは次の5つです。
- イタリアのサルデーニャ
- 日本の沖縄
- コスタリカのニコヤ半島
- アメリカのカリフォルニア州ロマリンダ
- ギリシャのイカリア島
ブルーゾーンに共通している点を見ていくと
- 大都市ではなく、小さなコミュニティか離島
- 住民たち同士が身近であり、孤独でない環境
- 飽食はせず、栄養不足にならない程度の質素な食生活
- よく身体を動かしている
科学的には、この地域で暮らす人々が長寿で認知症にならない理由は解明されていません。
ブルーゾーンに暮らす人々は、高等教育を受けた人は少ないが、身体を動かすことが多いため、健康と長寿が関係していると考えられます。
日常生活の範囲で身体を動かすことが、病気を寄せ付けない秘訣であり、毎日歩く、バスは使っても少し前の停留所で降りて歩くなどをすると結果が出るのでしょう。
いわゆる、昔ながらの生活ってやつですね
毎日の小さな積み重ねは恩恵を受ける秘訣です
健康的な身体を作るためには身体を動かすことです。
歩くだけでも将来の自分への投資になります
運動脳のまとめです。
- 毎日20分歩くだけでも脳は若返る
- 遺伝的に認知症になりやすくても、歩くことで防げる
- 歩くことは、血圧、血糖値、身体の炎症を防ぐことにもなる
- 筋トレよりも、歩いたり走ったりするほうが認知機能は上がる
- 長寿地域「ブルーゾーン」では生活に身体を動かすことを取り入れている
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