説明力も大切ですが、ではそれはどうやって身につけるのかという疑問があるかと思います。
その前に、説明力を身につける前に、まずはその目的をはっきりとさせることが大切です。
手段ばかりに囚われてしまっては、目的を見失うことがありますので、気を付けましょう。
極端な話し、手段を達成したら、結局何のためにやってたんだっけ。こう思わないようにしましょう。
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説明力をつけるには、まずは目的を明確にすることが大切
説明力を身につけるためのテクニックである「目的思考」について紹介しますが、先ず確認ですが、目的の反対の言葉は何でしょうか。
それは手段となります。
何を成したいかという未来に向けた思いが目的で、それを叶えるための現在の行動のことを手段と言います。
目的思考とは、物事を「手段」と「目的」の2つに分けて考えることをさします。いったいどんな手段をとれば目的に近づけるのか。今とっている手段はどんな目的を達成するためのものなのか。そういう思考をすることが、目的思考となります。
ここからの話しは、一見すると説明と関係ないため、唐突生を感じるかもしれませんが、後ほどつながっていきますので、ご容赦ください。
頭のいい人のもっとも優れている資質は「目的思考」と考えられます。目的をしっかり持つからこそ、結果を出すことができます。当たり前と言えば、当たり前の話しですが。
ですが「目的とか、そんなの他の人と差がある?」と考える人もいるかもしれないですが、頭のいい人はこの「目的」の解像度が全然違います。
たとえば、みなさんが偏差値の高い大学に入りたいと思ったとしましょう。先ずなにをするでしょうか。勉強とか、志望大学のことを調べるとか、色々とあると思います。
しかし、頭のいい人の回答はほぼ1つに絞られ、それはまずその大学で何点取れば合格なのか、どの科目でどれくらいの点数をとれば合格できるのかという目的設定をします。
おまけに、この目標設定がかなり細かいです。
「英語では80点取る。この場合、1aでは6点、1bでは8点、2aでは10点・・・残りの点数の振り分けは・・・」等と、各科目の大問ごとに目標点数を設定して、「1aの要約問題で点数をとるためにはこの参考書が必要だから、やろう」と目的に合わせて勉強をしていきます。
これはごく少数はではないようで、頭のいい人というのは、こういう緻密な計画を立てながら実行に移していくようです。
頭のいい人は、日常生活のレベルから、目的の解像度が非常に高いです。
「数学の成績を上げたい」などではなく、「次の数学の試験で偏差値を5、点数なら15点、指数関数・対数関数の分野で成績を上げる」。
「料理が上手くなりたい」ではなく、「1週間後に友達に料理を振る舞う機会までに、10種類以上の料理を普通の水準で作れるようにしたい」。
と、こんな感じで具体的で次の行動に落とし込みやすい目標を設定するのです。
目的の具体化で手段もわかりやすくなる
「行動に落とし込みやすい」というのはつまり、「手段」の明確化ということになります。
「数学や英語の成績を上げたい」という目的では、どの問題種をどれくらいやればいいのかがふわっとしています。
ですが、「次の試験の数学と英語の試験では偏差値を10上げる。そのためには、この部分でこれくらい点数をとる必要があって・・・」と考えていけば、「何をするべきか」がしっかりとわかります。
こちらのほうが目的を達成しやすくなります。
そして実際に「手段」として選んだ行動をしているときも、「今やっていることがどのように目的と合致するのか」を考えることで、ムダな事をする必要がなくなります。
「数学の成績を15点上げるんだから、この勉強は今やっていても意味がない」と、目的に合わせて手段を明確にできるようになります。
手段にとらわれずに、まずは目的をはっきりしなければいけない理由
「とりあえず数学の成績を上げたいから、この参考書をやろう」
「とりあえず営業の成績を上げるために、電話100件かけよう」
「とりあえず全集中の呼吸を使いたいから、毎日深呼吸をしよう」
と、目的を明確化しないままで「手段」に取り組み、いつのまにかその手段を一生懸命やることばかりに目が向きます。
「とりあえず1冊参考書を読みきった!」「100件電話した!」「今日も深呼吸を10分やった」と、手段は達成できても、目的と結びついていないから結果につながらない。
こういうことは非常によくあります。
多くの人は結果(下流)ばかりみていますが、本当に大切なのは原因(上流)となります。
手段ばかりみるのではなく、目的のほうをこそ、しっかり考えないといけません。
しかし、手段ばかりに囚われてしまうのは、書店などに行くとわかりますが、手段や手法のみを紹介した書籍はたくさんありますが、目的から選ぶような書籍があまりみないからだと思います。
書籍の販売はやはり商売なので、世間的にはテクニックや技術の方が需要が大きいため、本の見出しもそのようなものが多くなります。
こういったことに流されないように、書籍や備品でも、目的にあったものを買うようにしていきましょう。
おわりに
説明力を身につけるためには、まずは目的をはっきりとさせましょう。
行動する時は、目的と手段の2つを考えなければなりませんが、この手段ばかりに囚われていては、目的がふわっとして、結果が伴わないことになります。
目的を設定するにしても、ざっくりと抽象的なものではなく、「~するためには、~を達成する必要があるから、~を設定する」等と、細かく目標設定をしてみましょう。
目標を細分化して明確化できれば、自分がその目標を達成する手段が自ずとわかるようになります。
復習
頭のよさについて今まで書いてきたことです。
日常の解像度
普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。
日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。
日常の解像度のあげ方
例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。
答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。
このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。
覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ
頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。
九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。
記憶するには関連付けておぼえると楽
物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。
丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。
記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです
なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。
覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。
そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。
原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける
物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。
それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。
原因を調べるための具体的な方法4つのコツ
- 特徴的な言葉や数字の原因を探す
- その言葉、数字を使って「何故」と考える
- その数字、言葉の背景を調べる
- 「何故」に対する解答を考える
これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。
他の物事に関連付けて覚える
関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。
そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。
一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。
具体的な関連付けるやりかた
- ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
- 原因から派生する結果を書く
- 原因と結果をつなげる
- そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする
要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人
人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。
要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。
つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。
要約をするためのプロセス
- 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
- その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
- この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる
自己紹介は要約する力を発揮できる
自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。
就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。
20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。
自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。
上流探しをするコツ
①その言葉の定義をはっきりさせる
②そもそもどうしてなのかを探してみる
③その前に何があるかを考える
この3つを踏まえながら考えてみる。
上流と下流が繋がったときに、要約が成立する
下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。
しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。
また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。
要約づくりの具体的な方法
①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する
②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる
③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する
要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要
自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。
説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。
人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。
説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ
人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。
そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。
その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。
参考文献
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