人に説明をするときの目的探しと手段選びについて以前説明しましたが、今回はその具体的な方法を紹介します。
どちらも大切なのですが、どうやったらいいのかわからないという疑問もあるかと思います。
一例をあげていきますが、色々と応用はできますので、是非試してみましょう。
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目的探しの方法
目的探しは、ゴール→目的→目標の順番で決めていくイメージをするといいです。
まず、自分がどんなことを説明したいのかを思い浮かべましょう。この時点では、そこまで深く考える必要はなく、なんとなく、こういうことを話したいと思えるものならば構いません。
①ゴールづくり:何を伝えられれば終わりなのかを考える
「これが相手にわかってもらえたら、それでいい」とか、「この問題を解決するために、こうしたい」など、一番伝えたいことがゴールとなります。
②目的選び:達成したいことから逆算して、何を伝えるべきかを考える
このゴールから逆算して、目的を考えます。
ゴールを達成するために、何を伝えるべきかを考えましょう。
③目標づくり:目的をより具体的にする。目的の中に数字に基づいた「目標」を入れたり、期限を設定したり、具体的に
②でつくった目的を具体的にしていきます。
特に、目的を達成するために数値的な目標を設定するのは有効です。
「多くの人に知ってもらう」が目的だったら「1万人の人にみてもらう」などのように、数字でよりわかりやすい目標を設定します。
目的探しの具体的な例
それでは、いくつか例をあげて紹介します。
人の評価に関する文章を書きたいとするとしましょう。
①ゴール:人の評価なんて気にしていても意味がない、と伝える
②目的:評価が後世になって変化した偉人のエピソード、を紹介する
③目標:評価が後世になって変化した偉人のエピソード、を3つ以上探し、伝える
就活で自分の大学生活に関する文章を書きたい(エントリーシート等をイメージ)とするとしましょう。
①ゴール:様々な活動を通して自分が成長できたこと、を伝える
②目的:自分の成長につながった出来事、を伝える
③目標:自分の成長につながった出来事、を2つ以上探し、自分がどんな活動をしていたのかも踏まえて伝える
と、こんな感じになるかと思います。
目的探しは、実は人に何かを説明するときだけでなく、あらゆることに応用できます。
今自分がやっていることのゴールは何か。どうしたらそのゴールを達成できるのか。
そんなふうに、目的探しで日常の解像度を高めれば、色々なことがうまくいきます。
手段選びの方法
手段を選ぶ際は、まずは目的をしっかりと確認しておく必要があります。
①目的の分解:その目的に含まれる言葉を抽出する。
たとえば、「努力すれば結果は出てくる」ということを伝えたいのであれば、「努力」と「結果」が当てはまります。
②たとえ探し:①で抽出した言葉やイラストを、見やすいところに貼っておき、定期的に例を探すようにする
ニュートンはリンゴが落ちた時に、引力に気が付きました。
マジックテープは、植物のゴボウの実(ひっつき虫)を取っているときに思いついたアイデアだそうです。
これらと同じように、常に「これを説明するのにいい例はないか」と考える癖をつけましょう。
そのために、できるだけわかりやすい場所に、抽出した言葉やイラストを書き留めておきましょう。
③たとえ貯め:見つけた例を、ノートやメモ帳に残しておく。また、文章を読んでいて「いいな」と思った例があった場合も同様に、メモとして残す。
大きさを説明する時は、いつでも東京ドームという表現がつかえます。
このように、優れた「たて」は色々な場面で使いまわすことができます。
人の説明で「これはわかりやすい」と思ったものは常にメモをとっておきましょう。
それを自分の説明にも活かせるようになれば、なおいいです。
手段選びの具体的な方法
それでは、いくつか例をあげていきます。
真面目に頑張れば必ず報われる、と伝える場合
①「真面目に頑張る」「報われる」
②いいことをしている人は、短期的な結果はでないかもしれないが、いつか必ずいいことがおこる、ということを表す例、言葉を探す
③「因果応報」「水は低きに流れ、人は渇きに流れる」
何事においても、応用よりも基礎の方が重要だとと伝えたい
①「基礎」「応用」
②難しいことに挑戦するよりも先に、基盤となる基礎を固めるほうがいい、という例や言葉を探す。
③「初心忘るべからず」「砂上の楼閣」
とこんな感じになります。
このとおり順を踏んでいくと、相手に伝わりやすくなります。
優秀なライターさんやブロガーさんは、こういったもの基礎がしっかりとできているので、読んでてわかりやすい内容になっています。
おわりに
今回は目的探しと手段選びについて具体的な例をあげて紹介しました。
特に、わかりやすい説明というのは、何を伝えたいのか、どんな方法で伝えたほうがいいのか、良い例えはあるか、といった基本的なところを使っています。
もし、文章では上手く伝えられるけど、言葉では伝えられないとか、そういった場合でも、基本的には一緒なので、まずはここを意識するといいでしょう。
復習
頭のよさについて今まで書いてきたことです。
日常の解像度
普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。
日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。
日常の解像度のあげ方
例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。
答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。
このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。
覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ
頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。
九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。
記憶するには関連付けておぼえると楽
物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。
丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。
記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです
なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。
覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。
そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。
原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける
物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。
それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。
原因を調べるための具体的な方法4つのコツ
- 特徴的な言葉や数字の原因を探す
- その言葉、数字を使って「何故」と考える
- その数字、言葉の背景を調べる
- 「何故」に対する解答を考える
これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。
他の物事に関連付けて覚える
関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。
そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。
一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。
具体的な関連付けるやりかた
- ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
- 原因から派生する結果を書く
- 原因と結果をつなげる
- そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする
要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人
人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。
要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。
つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。
要約をするためのプロセス
- 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
- その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
- この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる
自己紹介は要約する力を発揮できる
自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。
就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。
20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。
自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。
上流探しをするコツ
①その言葉の定義をはっきりさせる
②そもそもどうしてなのかを探してみる
③その前に何があるかを考える
この3つを踏まえながら考えてみる。
上流と下流が繋がったときに、要約が成立する
下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。
しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。
また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。
要約づくりの具体的な方法
①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する
②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる
③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する
要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要
自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。
説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。
人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。
説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ
人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。
そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。
その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。
目標を設定しても手段ばかりに囚われては、結果に結びつかない
目標と手段、どちらが大切かというと目標の方が大切です。
目標を達成するために手段があるのですが、手段にはテクニックや技術を使うことが多いので、こちらに焦点を当ててしまいがちです。
しかし、手段ばかり重視していると、目標があいまいになってしまい結果が出にくくなります。
必ず、目標を抽象的ではなく明確に設定し(細かく設定する)、手段は二の次と考えましょう。
何を伝えたいのかを徹底的に考える
相手が既に知っている知識が手段で、相手にとって未知の知識が目標となるのですが、この目標を徹底的に考えることで、手段も明確になってきます。
たとえば、会話をするときにも「~について」など、タイトルをつけると相手にも伝わりやすくなります。
話し方の技術も大事なのですが、何をするにも、目的を明確にすることのほうが先決です。
人に何かを説明する時に、相手を過大評価しない
人間は自分の知らないことは理解が難しいですし、そしてその説明が上手くないと、なおさらです。
人に何かを説明する時には、例えば「A」→「B」→「C」と説明する時には必ずこの順番で説明しなければなりません。
説明が下手な人の特徴は、この「B」の部分をはしょって説明することが多いです。そうすると、聞いている側は「なんでそうなった」と思うから、本質的には理解できません。
「これくらい説明しなくてもわかるだろう」という、相手への過大評価をすると、説明をはしょりたくなるので、説明する時は丁寧に説明するように心がけます。
参考文献
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