以前書きました、物事の裏側の探し方と視点の探し方の具体的なやりかたを紹介していきます。
裏側も視点探しも、是非やってみたいわ~
ところで、私のメガネどこにあるか知らない?
意外に身近にあるものですよ。
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
世の中のアイデアの多くは、こういう風に「裏側」を見た人が思いついたものです。
たとえば、エジソンやファラデーなど、学校で体系だった勉強をしたわけではないのにさまざまなアイデアを生み出した偉人たちがいます。彼らの偉業はなぜ、実現したのでしょうか。
それは、彼らは学んでいなかったから、先入観抜きで物事を捉えることができたからだと思います。
そこにこそ、発想力の源泉があります。何も知らない第三者のほうが鋭い意見や冴えたアイデアを思いつくと言うのは、どんな環境でもあり得ます。
どうしてそんなことが可能なのかというと、知らない人のほうが「表側」にとらわれず、「裏側」を見ることができるからです。
先入観とか、正しいという思い込みが、バイアスとか、そういう諸々の色眼鏡に左右されずに、きちんと色んな立場から物事を見ることができます。
だから、素朴に「これ無駄なんじゃないの?」「これ、こうしたほうがいいんじゃないの?」と考えられます。
そういうときに、新しい発見やアイデアが生まれるのです。これが、裏側探しとなります。
なぁんだ、じゃあ学校での勉強なんてしなくてもいいんだ~
ヒャッハー!
言うまでもないですが、勉強を否定する主旨でもないですし、勉強の基礎をしておかないと、
その発想がどんな効果を及ぼすのかもイメージできないので、極端な解釈はやめましょう。
ここからは具体的な方法を書いていきます。
試しにみなさんも、日々のニュースや、本や文章の中で描かれている、ちょっとした内容を選んでみるといいです。
どちらかと言えばでいいので、それに対して賛成か反対か、考えてみましょう。
きちんとスタンスを決めて初めて、その裏側が見えてきます。ここは必ず決めましょう。
自分が賛成か反対かを選んだ理由を、いくつか書き出してみましょう。
理由があればあるほど、裏側探しがはかどります。
自分が選んでいない立場にたって、それを支持する理由を書き出してみましょう。
その際、②で描いた理由の「反対から見た言い回し」を考えると、上手くいきます。
<反対からみた言い回しの例>
- 30%もある⇔30%しかない
- 真面目な人⇔冗談が通じない人
- おおざっぱな性格⇔シンプルに物事を考える人
- 労働をする人⇔雇用する人
賛成か反対かだけでなく、別の対立軸や観点の違い(経済的・法的・道徳的・倫理的・歴史的、などなど)や、第3の道(中庸・条件付き賛成や反対など)を考えてみましょう。
つまり、自分の立場を確定し、そこから自分の考えとその理由、その反対の考えとその理由、
さらにそれを踏まえたうえで、新しい発想を生み出すのですね。
自分にあまり関係ないことでやろうとすると、考えがあまり出てこないので、
身近なものから始めてみましょう。
使用例:新型コロナウイルスで外出自粛中に営業していたパチンコ店の店舗名を公表すべきか、しないか」を考える ①「肯定(賛成)」を選ぶ ②肯定する理由 ・パチンコ店は三密がそろう空間であるため、感染症拡大に繋がりかねない ・緊急事態宣言の特別措置法(特措法)に基づくので、法的には認められている ③否定する理由 ・公表することで開いている店舗が周知され、逆に客寄せとなり感染拡大につながる可能性がある。 ・法的に認められているからと言って、なんでも許されるわけではない。生活がかかっている人もいるので、倫理的問題が懸念される ④感染者拡大経路の観点。倫理的な観点と法的な観点の対立。それ以外に方法はないのかという観点。 上記の考えは、あくまで一例です。
自分の中に複数の視点を取り込むほうほうが「視点探し」となります。具体的な方法は次のとおりです。
まずは、いろいろな視点から見たいものを1つ選びましょう。勉強として知っておきたい内容でも、これからの人生のような大きな枠組みで考え、結論を出したいものでも、身近なものでもなんでも構いません。
肯定と否定、楽観と悲観、穏健と折衷。その物事をとりまく色々な立場や意見を探してみましょう。
何らかの戦略でいうなら「勝つ」という目的があるにしろ、「速攻で勝つ」なのか「じわじわ粘って勝つ」のかには差があります。
こんなふうに、1つの物事を複数の視点で考えてみましょう。
先ほどの裏側探しの④も参考になります。
仮に意見が多かったとしても、3つに絞ってまとめてみましょう。
自分にとってはどれが一番いい立場かを考えてみましょう。これは、客観的なものでなく、主観的な判断で構いません。
使用例:新型コロナウイルス感染が拡大している時期に、全国の学校を休校にしてよかったか。 ① 賛成か反対(休校は必要だった/休校は不要だった) ②-1 楽観的か悲観的(全国的な休校をしなくても、地域ごとの休校でよかった。/人の生死が関わっているのだから、多少やりすぎがちょうどいい) ②-2 折衷派(完全休校ではなく、受験がある小学6年生・中学3年生・高校3年生のみ休校を解除する方がよかった) ③人の生死がかかっているのだから、多少やりすぎでもやったほうがよかった。が最も自分にとって理解できる。なぜなら、命にまさるものはないからだ。 ※上記の考えは、あくまで一例です。
頭の中がパンクしそうですよ・・・
発想力を論理的に導き出すには、こういう思考法が大切です。
いきなり「パッと」思いつくのも、きちんと土台があってこそだと思います。
裏側を考えることと視点を探すこと、発想力を磨くにはこういった地道なことが必要になります。
先入観にとらわれないのも大切ですし、こういったプロセスを踏むのも大切です。
全ての物事を上記のように考えることができればいいのですが、人間なのでそうもいきません。本当に考えなきゃいけないことを考えるときに、参考にしてみてください。
今まで、頭がいい人について書いたことを復習していきます。
それではここからは、復習となります。
過去記事の内容をまとめたものなので、
さらっと読む程度で大丈夫です。
日常の解像度
普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。
日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。
日常の解像度のあげ方
例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。
答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。
このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。
覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ
頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。
九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。
記憶するには関連付けておぼえると楽
物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。
丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。
記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです
なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。
覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。
そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。
原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける
物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。
それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。
原因を調べるための具体的な方法4つのコツ
- 特徴的な言葉や数字の原因を探す
- その言葉、数字を使って「何故」と考える
- その数字、言葉の背景を調べる
- 「何故」に対する解答を考える
これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。
他の物事に関連付けて覚える
関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。
そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。
一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。
具体的な関連付けるやりかた
- ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
- 原因から派生する結果を書く
- 原因と結果をつなげる
- そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする
要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人
人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。
要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。
つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。
要約をするためのプロセス
- 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
- その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
- この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる
自己紹介は要約する力を発揮できる
自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。
就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。
20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。
自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。
上流探しをするコツ
①その言葉の定義をはっきりさせる
②そもそもどうしてなのかを探してみる
③その前に何があるかを考える
この3つを踏まえながら考えてみる。
上流と下流が繋がったときに、要約が成立する
下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。
しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。
また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。
要約づくりの具体的な方法
①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する
②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる
③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する
要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要
自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。
説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。
人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。
説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ
人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。
そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。
その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。
目標を設定しても手段ばかりに囚われては、結果に結びつかない
目標と手段、どちらが大切かというと目標の方が大切です。
目標を達成するために手段があるのですが、手段にはテクニックや技術を使うことが多いので、こちらに焦点を当ててしまいがちです。
しかし、手段ばかり重視していると、目標があいまいになってしまい結果が出にくくなります。
必ず、目標を抽象的ではなく明確に設定し(細かく設定する)、手段は二の次と考えましょう。
何を伝えたいのかを徹底的に考える
相手が既に知っている知識が手段で、相手にとって未知の知識が目標となるのですが、この目標を徹底的に考えることで、手段も明確になってきます。
たとえば、会話をするときにも「~について」など、タイトルをつけると相手にも伝わりやすくなります。
話し方の技術も大事なのですが、何をするにも、目的を明確にすることのほうが先決です。
人に何かを説明する時に、相手を過大評価しない
人間は自分の知らないことは理解が難しいですし、そしてその説明が上手くないと、なおさらです。
人に何かを説明する時には、例えば「A」→「B」→「C」と説明する時には必ずこの順番で説明しなければなりません。
説明が下手な人の特徴は、この「B」の部分をはしょって説明することが多いです。そうすると、聞いている側は「なんでそうなった」と思うから、本質的には理解できません。
「これくらい説明しなくてもわかるだろう」という、相手への過大評価をすると、説明をはしょりたくなるので、説明する時は丁寧に説明するように心がけます。
目的探しの具体的方法
①ゴールづくり:何を伝えられれば終わりなのかを考える
②目的選び:達成したいことから逆算して、何を伝えるべきかを考える
③目標づくり:目的をより具体的にする。目的の中に数字に基づいた「目標」を入れたり、期限を設定したり、具体的に
手段選びの具体的方法
①目的の分解:その目的に含まれる言葉を抽出する。
②たとえ探し:①で抽出した言葉やイラストを、見やすいところに貼っておき、定期的に例を探すようにする
③たとえ貯め:見つけた例を、ノートやメモ帳に残しておく。また、文章を読んでいて「いいな」と思った例があった場合も同様に、メモとして残す。
一を聞いて十を知る本当の意味
一を聞いて十を知るという言葉は、みなさんも聞いたことがあるかと思います。
しかし、1つの情報から10の情報を得ると言う意味ではなく、実際には、1つの物事に対して10の視点を持って見ることができることです。
さまざまな角度(立場)からみることで、おのずと色んな発想や考え方を思い浮かぶというものです。
発想力の高い人は確証バイアスにとらわれない
人間には、「これはこうだ」「これはそうに違いない」という確証バイアスにとらわれることがよくあります。
発想力の高さにつなげるには、まずは先入観や偏見をなくすことが必要です。
そして、様々な視点、目の付け所というのをたくさん持っていることで、発想力を上げることができます。
二頂対立の考え方で、発想が枝分かれで増えていく
物事に対して、賛成と反対、両面で答えを考えることで、その1つの情報を様々な角度からみることができます。
この思考法は、考える立場を増やせば増やすほど、その分だけ発想が生まれてきます。
「この人はこういう理由で賛成している」「あの人はこういう理由で賛成している」など、賛成意見のなかでも理由が違うので、その分だけ違う発想になるということです。
あえて反対の意見を考える必要もある
どんな物事にも、裏側があります。この裏側をしっかりとみることができれば、一を聞いて十を知る訓練になり、よりよいアイデアを思いつけるようになります。
言い方に気をつけながら、ダメ出しをしてみるのも時にはいい発想へとつなげることができます。
視点探しで、様々なものの見え方ができる
ディベートをすることで、議論をしてアイデアや考えを深めることができます。
ディベート自体は、3000年以上前から行われてきたものですが、今の時代になっても、この思考法は有効です。
発想力やアイデアを深めるのは、いろんな視点を持つ、つまり、多くの人の意見を出してもらうのがてっとり早いのかもしれません。
参考文献
こちらにも参加しています↓