なにかトラブルが起こったときに、解決する人のことを「トラブルシュータ―」といいます(逆の人をトラブルメーカーといいます)。
トラブルシュータ―はどんな業界でも必須の人物であり、的確に問題を解決できる人は重宝されます。
今回は、そんなトラブルシュータ―はどんな人なのかを見てみましょう。
僕もトラブルシュータ―や名探偵にあこがれていましたよ。
物語の主役になる人物にも当てはまることが多いですからね。
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
問題を解決できる人は、どういうところが優れているのか。
ミステリー小説やサスペンスドラマ、名探偵コ〇ンを想像してみると、大抵探偵役の人が事件を解決する場面があります。
ですが、探偵は何故、事件を解決できるのでしょうか。
たとえば、名探偵コ〇ンでは「あれ、こんなところに何かの痕跡が・・・これはなんだ?」などと発見し、話し合ったり、思考を巡らせるたりする場面があります。
これは絶対、何かの伏線となります。
たとえば、その後に新たな事件を起こすものなのかもしれないですし、犯人を指し示す証拠にもなったりもしています。
その痕跡が偽証工作で、捜査を惑わすのかもしれません。
何かはわかりませんが、意味ありげに描写がされたということは、絶対に意味があります。そのまま最後まで、その痕跡のことに触れられないということは、ないはずです。
探偵役は、こういう何気ないところに目を向けています。終盤になって、「あ、なるほど。あの痕跡が事件のキーだったんだ」と気づいて、それを糸口に解決していくわけです。
周りの誰もその痕跡に目を向けていなかったのに、探偵だけはその痕跡のことを覚えてて(発見してる)、そして事件を解決する。これがミステリーの王道パターンです。
「一見事件とつながらない伏線」を目ざとく見つけることができる。これが、探偵が事件を解決できる大きな要因の1つです。
伏線を全て回収してこその探偵ですよ。
世界に一つだけの真実!
余談ですが、漫画やドラマでも、「伏線」というのはたくさん取り入れられています。
「伏線」がないと、盛り上がりに少し欠けてしまいますね。
ちなみにこれは、東大の入試問題でも同じようで、過去に東大入試の地理で、次のような問題が出題されています。
これは、地理の知識がなくても解ける問題なのですが(それは「地理」で出題していいのかというツッコミはいったん置いといて)、この問題のどのポイントが「問題を解くキー」になるのでしょうか。以下に紹介します。
問題 成田空港から北京や上海に向かう航空便の利用者数は、過去10年間に増加してきている。その理由を60字以内で述べよ。 (2005年東大地理第3問A問題より抜粋。一部改変)
この事件を解決するには、まずキーワードを見つけないといけない。
そのキーワードが、つまり問題を解決するための「伏線」となるわけです。
上記の問題には、重要なキーワードがあるというのは、名探偵が言う通りですが、それは、「成田空港」「北京」「上海」「航空便の利用者数」「過去10年」「増加」、このどれかかもしれないですし、「60字」も当てはまるかもしれません。
この問題で一番重要なのは「過去10年」となります。
この問題が出題されたのは2005年ですから、ここから見て「過去10年」となりますので、1995年前後の出来事が関係してきます。
これもミステリーと同じで、問題を出す側も無駄なことは書きません。
「過去10年」と書いたからには、そこには絶対に意味があります。
過去5年でもなく、過去20年でもなく、「過去10年」ということは、10年前に起こったことがなにかしらの意味をもっていると解釈できます。
論理的にいくとここで「では、10年前に日本や中国で起こった出来事はなにか」と、問題解決の手がかりを探すことになります。
そう考えながら問題を読み返すと「航空便の利用者」と書いてあります。
つまり、中国に行く人が増えたということになります。なので、中国で、過去10年の間に何かが起こり、それによって中国に行く人が増えたということになります。
つ、つまりどういうことだってばよ。
もったぶらずに早く犯人(真実)を教えてくれ!
10年前の中国。その年は改革開放(簡単に言うと経済政策)が進展していった時代でもあり、2001年には中国はWTO(世界貿易機関)に正式加盟しています。こういった事柄が中国には起こっていました。
なので、改革開放やWTOの加盟で、中国への観光客が増えていき、ビジネス客も増えていると考えることができます。
そ、そんな・・・
そんなことがあったなんて・・・
わたしは、私は何もしらなかった
るぅ~るるぅ~~るぅ~~~(コ〇ンの犯人告白のテーマ)
関係ないものを除外していって、残ったものの背景が真実なんですよ。
たとえそれが、信じられなくても、真相なんです。
探偵も偏差値の高い受験生も、問題を解決する能力が高い人の特徴は同じです。
要は、何気ない物事の中から「伏線」を見つける能力が高いです。
細かいポイントに気づいて、それを解決の糸口・問題を解決するキーにすることができます。だから問題を解決できます。
これも、日常の解像度の高さの違いとなります。
日常生活でも、何気ないところに気が付く人とか、細かいところに気が付く人というのはいるかと思います。
そういった人たちというのは、なにか問題を解決する時の、伏線を回収する能力が高いです。
普段から目ざとい人は、問題を解決する能力が高いという事です。
余談ですが、みなさんもクレームを受けたことがあるかもしれませんが、これも「何かの伏線」があってクレームにつながっていることが殆どです。その「伏線」を事前にみつけ、回収しておくことで未然に防げるクレームもありますので、普段のお仕事も、ちょっとだけ目ざとくやってみるのもいいでしょう。
今まで、頭がいい人について書いたことを復習していきます。
それではここからは、復習となります。
過去記事の内容をまとめたものなので、
さらっと読む程度で大丈夫です。
日常の解像度
普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。
日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。
日常の解像度のあげ方
例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。
答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。
このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。
覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ
頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。
九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。
記憶するには関連付けておぼえると楽
物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。
丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。
記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです
なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。
覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。
そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。
原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける
物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。
それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。
原因を調べるための具体的な方法4つのコツ
- 特徴的な言葉や数字の原因を探す
- その言葉、数字を使って「何故」と考える
- その数字、言葉の背景を調べる
- 「何故」に対する解答を考える
これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。
他の物事に関連付けて覚える
関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。
そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。
一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。
具体的な関連付けるやりかた
- ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
- 原因から派生する結果を書く
- 原因と結果をつなげる
- そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする
要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人
人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。
要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。
つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。
要約をするためのプロセス
- 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
- その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
- この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる
自己紹介は要約する力を発揮できる
自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。
就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。
20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。
自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。
上流探しをするコツ
①その言葉の定義をはっきりさせる
②そもそもどうしてなのかを探してみる
③その前に何があるかを考える
この3つを踏まえながら考えてみる。
上流と下流が繋がったときに、要約が成立する
下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。
しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。
また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。
要約づくりの具体的な方法
①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する
②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる
③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する
要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要
自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。
説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。
人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。
説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ
人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。
そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。
その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。
目標を設定しても手段ばかりに囚われては、結果に結びつかない
目標と手段、どちらが大切かというと目標の方が大切です。
目標を達成するために手段があるのですが、手段にはテクニックや技術を使うことが多いので、こちらに焦点を当ててしまいがちです。
しかし、手段ばかり重視していると、目標があいまいになってしまい結果が出にくくなります。
必ず、目標を抽象的ではなく明確に設定し(細かく設定する)、手段は二の次と考えましょう。
何を伝えたいのかを徹底的に考える
相手が既に知っている知識が手段で、相手にとって未知の知識が目標となるのですが、この目標を徹底的に考えることで、手段も明確になってきます。
たとえば、会話をするときにも「~について」など、タイトルをつけると相手にも伝わりやすくなります。
話し方の技術も大事なのですが、何をするにも、目的を明確にすることのほうが先決です。
人に何かを説明する時に、相手を過大評価しない
人間は自分の知らないことは理解が難しいですし、そしてその説明が上手くないと、なおさらです。
人に何かを説明する時には、例えば「A」→「B」→「C」と説明する時には必ずこの順番で説明しなければなりません。
説明が下手な人の特徴は、この「B」の部分をはしょって説明することが多いです。そうすると、聞いている側は「なんでそうなった」と思うから、本質的には理解できません。
「これくらい説明しなくてもわかるだろう」という、相手への過大評価をすると、説明をはしょりたくなるので、説明する時は丁寧に説明するように心がけます。
目的探しの具体的方法
①ゴールづくり:何を伝えられれば終わりなのかを考える
②目的選び:達成したいことから逆算して、何を伝えるべきかを考える
③目標づくり:目的をより具体的にする。目的の中に数字に基づいた「目標」を入れたり、期限を設定したり、具体的に
手段選びの具体的方法
①目的の分解:その目的に含まれる言葉を抽出する。
②たとえ探し:①で抽出した言葉やイラストを、見やすいところに貼っておき、定期的に例を探すようにする
③たとえ貯め:見つけた例を、ノートやメモ帳に残しておく。また、文章を読んでいて「いいな」と思った例があった場合も同様に、メモとして残す。
一を聞いて十を知る本当の意味
一を聞いて十を知るという言葉は、みなさんも聞いたことがあるかと思います。
しかし、1つの情報から10の情報を得ると言う意味ではなく、実際には、1つの物事に対して10の視点を持って見ることができることです。
さまざまな角度(立場)からみることで、おのずと色んな発想や考え方を思い浮かぶというものです。
発想力の高い人は確証バイアスにとらわれない
人間には、「これはこうだ」「これはそうに違いない」という確証バイアスにとらわれることがよくあります。
発想力の高さにつなげるには、まずは先入観や偏見をなくすことが必要です。
そして、様々な視点、目の付け所というのをたくさん持っていることで、発想力を上げることができます。
二頂対立の考え方で、発想が枝分かれで増えていく
物事に対して、賛成と反対、両面で答えを考えることで、その1つの情報を様々な角度からみることができます。
この思考法は、考える立場を増やせば増やすほど、その分だけ発想が生まれてきます。
「この人はこういう理由で賛成している」「あの人はこういう理由で賛成している」など、賛成意見のなかでも理由が違うので、その分だけ違う発想になるということです。
あえて反対の意見を考える必要もある
どんな物事にも、裏側があります。この裏側をしっかりとみることができれば、一を聞いて十を知る訓練になり、よりよいアイデアを思いつけるようになります。
言い方に気をつけながら、ダメ出しをしてみるのも時にはいい発想へとつなげることができます。
視点探しで、様々なものの見え方ができる
ディベートをすることで、議論をしてアイデアや考えを深めることができます。
ディベート自体は、3000年以上前から行われてきたものですが、今の時代になっても、この思考法は有効です。
発想力やアイデアを深めるのは、いろんな視点を持つ、つまり、多くの人の意見を出してもらうのがてっとり早いのかもしれません。
参考文献
こちらにも参加しています↓