課題や問題を解決するには、どこに注目するかという視点が重要となります。頭のいい人というのは、この視点の持ち方が大変上手です。ということで、今回はミクロ視点とマクロ視点、このことについて話していきます。
この記事はこんな人におすすめ
- 物事を捉える視点がよくわからない
- 考えようにも、何を考えればいいのかわからない
ミステリー小説を読むとき、新参登場人物を全員を疑います。
疑問を持つことは重要です。その視点をどういう風にみるかを見ていきましょう。
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
「伏線」を見つけ、それを問題解決のカギにする能力は、別の言い方をすると「ミクロ視点」と「マクロ視点」の両方をもっていると言えます。
「ミクロ視点」とは、細かく小さいところを部分的にみることです。逆に「マクロ視点」とは、広く大きい視野で全体的にみることです。経済を学ぶと「ミクロ経済」「マクロ経済」を聞いたことがあるかと思いますが、ミクロとマクロはこれと同じ意味になります。
新聞を読むときとか、虫眼鏡で一部分を拡大することもできれば、大きく広げて全体を眺めることもできます。
頭のいい人は、一部分を拡大することも全体を眺めることも、自由自在にできる人のことです。
ミクロとマクロ、両方の視点で見ることができるからこそ、どんな問題も解決できるのです。
ミクロは小さいもの、マクロは大きいもの
この両方ができればいいのか~
もちろん、ただ広くしたり、細かくしたりすればいいということではないです。
そこを見る目がピンボケしていれば、意味がないですね。
ミクロというのは部分的なものを見ることです。 ミステリー系のもので例えるなら、 その場にあった痕跡とか、その場に居合わせた人のちょっとした仕草とかです。
課題とかでいえば、文章の何気ない数字とか、場所とか、そういったものです。
日本には1億人以上の人がいるわけですが、その1億人の中にもいろんな人がいるわけで、1人一人の生活があります。この何気ない、ちょっとした、1人一人の部分が「ミクロ」となるのです。
ミステリーやドラマに出てくる「伏線」も、ただの一部分しかないということです。
「細かいことが気になってしまうのが、悪い癖」という人もいますが、「伏線」はまさにそういう「細かいところ」です。
全体を見ているだけではわからないような細かいところを指して「ミクロ」と呼びます。
事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ!
ということですかね。
その使い方は語弊があるかもしれませんが、細かいところを見るには実際の現場じゃないとわからないという意味では、当てはまりますね。
ですが、細かいところが気になるだけでは、問題は解けません。
先ほどのミステリーの話しを書きましたが、「痕跡」だけでは何の意味もありません。細かいところに気が付く、気になるだけでは、何も起こりません。
その細かいポイントが、実は全体の中では重要な意味を持っていることに気づいて初めて、解決の糸口につながります。
大切なのは、その細かいポイントを、いかに問題全体と結びつけるかです。
なにか課題があるとしたら、その中からキーワードを見つけ、それを問題全体へと結びつけることで、その裏にある背景や出来事に起こった更なるキーワードを見つけることができます。
ミクロをマクロに結びつけることで、解決できるようになります。
マクロは全体を見る視点です。
部分部分ではなく、全体を俯瞰(ふかん)してとらえる視点です。ミクロとは対照的な考え方ですね。
ミステリーの事件でいうのであれば、その事件がどういう事件なのかを大枠でとらえようとしたときに見えてくるもののことを言います。
短期的ではなく長期的に、目の前のことではなく大きな流れの中で物事をとらえる。これがマクロなものの見方です。
「頭のいい人=物事を広い視野で全体を把握することができる人」だと考える人も多いかと思います。
広い視野で、長期的な展望で何かを語る人は、社長やリーダーの資質のある頭のいい人というイメージがあります。
囲碁や将棋でも、「大局(たいきょく:物事の全体のありさま)をつかむ人」は非常に強いと言われます。短期的に駒や石をとられても「大丈夫、この部分は捨てても問題ない。こっちの局面が重要だ」と長期的な視野で戦うので、最終的には勝っている。大局観がある人は頭がいいと言えるでしょう。
しかし、これもミクロの時と同様に、全体を俯瞰して物事を見ることは重要でも、それだけでは問題解決にはなりません。
広く、長期的に物事をとらえているだけでは、目の前のことがおろそかになりがちです。
将棋でも囲碁でも、十手先を考えていたら次の一手で勝負がついて負けてしまった。そんなことも起こる可能性があります。
大局観は「ミクロ視点」に支えられて初めて意味があるのです。
宇宙の歴史からみれば、今かかえている問題なんて小さすぎるから気にしない気にしない
それくらいマクロな視点でみると、全部の物事をスルーできそうですね。
日常生活でも同じことがいえます。
たとえば仕事でも、まったく現場にこないで、ただ10年後のことだけを考えて指示しているリーダーも、今が見えていないので全然魅力的ではありません。
超優秀な成績を収め、医学のいろはをしっかり勉強した医学生でも、現場で一度も患者さんと対面していなければ信用なりません。
会社でも、物事を俯瞰してみている管理職側と、毎日一生懸命働いている現場側とでは、意見が分かれるというのはよく聞くはなしだと思います。
大枠や全体だけを見ていたら、細かい部分を忘れてしまう。でも、細かい部分だけを見ていても、大枠や全体を理解できない。両面を持ち合わせていないといけません。
手だったらたくさんあるけど、今は視点も重要なんだね♪
二つの視点でみて、たくさんの救いの手を差し伸べる(行動に移す)ことも大切ですよね。
ミクロ視点とマクロ視点、二つの考えは対立的なものですが、頭のいい人はこの二つの視点を上手く使いこなしています。
ミクロ視点は細かいところ、マクロ視点は広いところですが、どちらか極端に偏っていては、課題に対しての問題解決へとつなげることがむずかしいです。
両方の視点を持つことが重要ですが、もし、自分一人ではどちらかの視点しか持てない、あるいは片方は苦手という方は、誰かに頼ることも一つの手段です。
今まで、頭がいい人について書いたことを復習していきます。
それではここからは、復習となります。
過去記事の内容をまとめたものなので、
さらっと読む程度で大丈夫です。
日常の解像度
普段の生活の中からでも、常に感度を上げている人はそこから知識を増やすことができます。身の回りのことをはっきりとみることで、自分で疑問を持つことができ、そこから考えを掘り下げていくことができます。
日常生活を常に「解像度の高いカメラ」でみているようなものです。
日常の解像度のあげ方
例えば、牛乳を例にとってみると、東京に住んでいる場合は生産地「群馬県」「千葉県」と書いてあります。牛乳は北海道とイメージがありますが、なぜなのでしょうか。
答えは小学生の社会の授業でならった「近郊農業」です。鮮度が大切な食糧は、近くで生産して輸送した方がコスパもいいですからね。
このように、日常生活の中にあるものからでも知識を増やす機会になります。これは、ビジネスにも役に立つ方法です。
覚えやすいものと覚えにくいものは人それぞれ
頭のいい人でも、全てのことを覚えられるわけではありません。
九九の段を覚えるのが得意な人と苦手な人がいるように、記憶力は人によって違います。
記憶するには関連付けておぼえると楽
物事(漢字や英単語も)にはなぜそうなったのかという背景や、歴史で言えばその出来事の前後の脈絡があります。
丸暗記でなく背景や脈絡を知ることで、記憶をしやすくなります。
記憶するにしても、頭の中を整理しながら覚えると記憶しやすいです
なんでもかんでも関連付けて覚えると言うよりは、きちんと頭の中を整理しながら覚えると、より記憶しやすくなります。
覚えるときも、クローゼットの中を整頓するがごとく、最小限の物だけを収納するように覚えてみましょう。
そのコツとしては、同じものでも違った角度でみることで、覚えやすい解釈を得ることができます。
原因があって結果が存在するため、「なぜ」という疑問を常に持ち続ける
物事には原因があって結果があるのですが、世の中のほとんどのものは結果しか見えていません。
それをいきなり覚えようとしても中々覚えられないので、まずは原因を追究するところからはじめると、理由を知ることで物事の記憶する力がついてきます。
原因を調べるための具体的な方法4つのコツ
- 特徴的な言葉や数字の原因を探す
- その言葉、数字を使って「何故」と考える
- その数字、言葉の背景を調べる
- 「何故」に対する解答を考える
これらを基にして、原因思考法を実践してみましょう。
他の物事に関連付けて覚える
関連付けて覚えることができれば、そのことを覚えやすく忘れにくくなります。
そして、記憶する努力も、最小限の力で最大限の成果を発揮することができます。
一つ覚えればまた一つ、関連付けて頭の中を整理して覚えることで、思い出すときも一つ思い出せば芋づる式に思い出すことも可能です。
具体的な関連付けるやりかた
- ノートやメモ用紙を用意し、一番上に「原因」と書く
- 原因から派生する結果を書く
- 原因と結果をつなげる
- そのノートをとっておき、他の結果と結びつけられるようにする
要約する力である要約力こそが頭の整理がよくできる人
人の話しを聞いたり、本を読んだりしたときに、その内容をまとめることができる要約する力もまた、頭のいい人と言われます。
要約するという事は、無駄なところを削ぎ落して必要なところだけを残すという力になります。
つまり、大事なところ、言いたいところを理解する力があるので、これができる人は重宝します。
要約をするためのプロセス
- 具体的な中身に入る前に、それに至る流れを理解する
- その流れの中で、具体的な中身がどのように位置づけられるかを考える
- この2つのプロセスの中で、重要なポイントを探し、マーカーを引くようにその点を重点的にみて、覚えて、まとめる
自己紹介は要約する力を発揮できる
自分自身を紹介する自己紹介、多くの方が経験していますが、短い数十秒、長くて1分で自分のことを相手に伝える行為となります。
就職活動では、この自己紹介の良し悪しで自分の未来が決まると言っても過言ではありません。
20年以上生きてきた経験を、たったの数十秒にまとめて話すのですから、最も言いたいことだけを言うしかない場面です。
自分の根幹をなしている「背景」や「元」になることを話すと、相手によく伝わります。
上流探しをするコツ
①その言葉の定義をはっきりさせる
②そもそもどうしてなのかを探してみる
③その前に何があるかを考える
この3つを踏まえながら考えてみる。
上流と下流が繋がったときに、要約が成立する
下流(結果)と上流(背景)をつなげることで要約することができます。
しかし、上流が1つでも、下流が1つとは限らず、同じ背景でも、結果は複数になることが多いです。
また、本や文章では、最初と最後の部分にこそ、上流と下流となる要素が詰まっているので、そこが重要な部分になります。
要約づくりの具体的な方法
①流れ探しの中でみつけた上流の中から、キーワードのみを抽出する
②そのキーワードと、要約したい事項がリンクする部分を考えて、つなぎ合わせる
③つながったキーワードを使って上流の説明をしつつ、事項を説明する
要約力や記憶力だけでなく、それを説明する説明力も重要
自分が記憶するために要約しても、それを誰かに説明(アウトプット)できるようにするための「説明力」も重要になります。
説明が上手な人は、相手の立場や目線にたって、説明してくれます。つまり、説明を受ける側が理解できるように説明してくれるのです。
人は自分が知っている物事は理解しやすいですが、知らないものについては理解できません。新しいものを説明する時や企画を立てるときでも、相手の知っているもので例えて説明すると、より理解されやすいです。
説明上手な人は、例え話しも上手。説明力の大切さ
人が物事を理解するためには、自分の知っている知識と結びつけることが重要です。
そして、人に物事を説明する時は、相手の知っている既知情報と自分の話したい未知情報をつなげる必要があります。
その代表例として、一般的な物事や、相手が知っている例える話しをすることで、つなげられます。
目標を設定しても手段ばかりに囚われては、結果に結びつかない
目標と手段、どちらが大切かというと目標の方が大切です。
目標を達成するために手段があるのですが、手段にはテクニックや技術を使うことが多いので、こちらに焦点を当ててしまいがちです。
しかし、手段ばかり重視していると、目標があいまいになってしまい結果が出にくくなります。
必ず、目標を抽象的ではなく明確に設定し(細かく設定する)、手段は二の次と考えましょう。
何を伝えたいのかを徹底的に考える
相手が既に知っている知識が手段で、相手にとって未知の知識が目標となるのですが、この目標を徹底的に考えることで、手段も明確になってきます。
たとえば、会話をするときにも「~について」など、タイトルをつけると相手にも伝わりやすくなります。
話し方の技術も大事なのですが、何をするにも、目的を明確にすることのほうが先決です。
人に何かを説明する時に、相手を過大評価しない
人間は自分の知らないことは理解が難しいですし、そしてその説明が上手くないと、なおさらです。
人に何かを説明する時には、例えば「A」→「B」→「C」と説明する時には必ずこの順番で説明しなければなりません。
説明が下手な人の特徴は、この「B」の部分をはしょって説明することが多いです。そうすると、聞いている側は「なんでそうなった」と思うから、本質的には理解できません。
「これくらい説明しなくてもわかるだろう」という、相手への過大評価をすると、説明をはしょりたくなるので、説明する時は丁寧に説明するように心がけます。
目的探しの具体的方法
①ゴールづくり:何を伝えられれば終わりなのかを考える
②目的選び:達成したいことから逆算して、何を伝えるべきかを考える
③目標づくり:目的をより具体的にする。目的の中に数字に基づいた「目標」を入れたり、期限を設定したり、具体的に
手段選びの具体的方法
①目的の分解:その目的に含まれる言葉を抽出する。
②たとえ探し:①で抽出した言葉やイラストを、見やすいところに貼っておき、定期的に例を探すようにする
③たとえ貯め:見つけた例を、ノートやメモ帳に残しておく。また、文章を読んでいて「いいな」と思った例があった場合も同様に、メモとして残す。
一を聞いて十を知る本当の意味
一を聞いて十を知るという言葉は、みなさんも聞いたことがあるかと思います。
しかし、1つの情報から10の情報を得ると言う意味ではなく、実際には、1つの物事に対して10の視点を持って見ることができることです。
さまざまな角度(立場)からみることで、おのずと色んな発想や考え方を思い浮かぶというものです。
発想力の高い人は確証バイアスにとらわれない
人間には、「これはこうだ」「これはそうに違いない」という確証バイアスにとらわれることがよくあります。
発想力の高さにつなげるには、まずは先入観や偏見をなくすことが必要です。
そして、様々な視点、目の付け所というのをたくさん持っていることで、発想力を上げることができます。
二頂対立の考え方で、発想が枝分かれで増えていく
物事に対して、賛成と反対、両面で答えを考えることで、その1つの情報を様々な角度からみることができます。
この思考法は、考える立場を増やせば増やすほど、その分だけ発想が生まれてきます。
「この人はこういう理由で賛成している」「あの人はこういう理由で賛成している」など、賛成意見のなかでも理由が違うので、その分だけ違う発想になるということです。
あえて反対の意見を考える必要もある
どんな物事にも、裏側があります。この裏側をしっかりとみることができれば、一を聞いて十を知る訓練になり、よりよいアイデアを思いつけるようになります。
言い方に気をつけながら、ダメ出しをしてみるのも時にはいい発想へとつなげることができます。
視点探しで、様々なものの見え方ができる
ディベートをすることで、議論をしてアイデアや考えを深めることができます。
ディベート自体は、3000年以上前から行われてきたものですが、今の時代になっても、この思考法は有効です。
発想力やアイデアを深めるのは、いろんな視点を持つ、つまり、多くの人の意見を出してもらうのがてっとり早いのかもしれません。
問題解決をする力が高い人も、頭がいい人の特徴
問題を解決するトラブルシュータ―と呼ばれる人たちも、頭がいい人の特徴となります。
彼らは、普段から細かいところに気がついたり、物事が起こった痕跡を探すのが上手です。
そしてそこから、問題解決をするための糸口をみつけられます。
推理系でいうと、探偵役の人に当てはまりますね。
参考文献
前月のブログ状況報告↓
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