この記事はこんな人におすすめ
- お昼ご飯を食べた後の眠気で悩んでいる
- もっと作業能率を上げたいけど、思うように上がらず悩んでいる
- 睡眠をとるより、圧倒的に働いたほうが結果を出せると思っている
睡眠不足は自分や他人の命を削ります。
日中に出る眠気というのは作業能率を大幅に下げます。
欠勤で休むよりも、眠気のほうが能率が悪いので睡眠不足は仕事の生産性すら奪っていきます。
夜の睡眠できとんと取れない場合は、30分未満の昼寝が効果的ですが、1時間以上になると逆効果です。
ハイパフォーマンスな仕事をしていくには、睡眠をいかに味方にするかがポイントです。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
朝の光と朝食で体内時計を合わせて、脳を覚醒させるモーニングルーティーンという方法があります。
ですが、午後になれば眠気が出てくることも当然あります。
慢性的な睡眠負債、睡眠時無呼吸症候群などで眠気の質が悪かったりすれば、いくら覚醒スイッチをオンにしても眠くなります。
運転中でさえ、睡魔に襲われることはあります。
眠気は突然と現れるので、いつ何時にくるかがわかりません。
根本的に解決するには睡眠の質と量を確保するのが一番ですが、それができない人は大勢いるでしょう。
時間は有限というのを痛感しますね
アメリカでも、仕事の能率を考える際には「アブセンティズム」が注目されていました。
しかし最近では、プレゼンティズムが問題視されるように変化しています。
- アブセンティズム・・・欠勤、遅刻や早退など仕事をを休んでいる状態
- プレゼンティズム・・・健康の問題を抱えながら仕事をしている状態
プレゼンティズムはいってみれば、お店は空いているけど従業員が働いてない状態です。
出社してもぼんやりしている、集中力がなくてミスをする、こんな状況であれば能率が下がります。
企業側からすると、働く人がプレゼンティズムであれば、人件費だけかかって生産性が悪い状態となります。
従業員での比率からみれば、欠勤や遅刻をする人よりも就業時間に働いている人が多いのは明らかです。
どちらが経済事情に影響を与えるかも当然後者です。
プレゼンティズムの健康問題は、体や心の様々な原因がありますが、睡眠時無呼吸症候群の質と量の低下も当てはまるかと思います。
睡眠が日中のパフォーマンスにどう影響するのかは明らかです。
そこで、無理矢理起きて働くくらいなら、昼寝をしたほうがいいといった、メリハリのある働き方が推奨されています。
仕事だけではありません。
勉強も眠気に気を付けて、集中力をだせるようにしていきましょう!
休むことも仕事だと考えましょう
仕事の成果は全体の20%の仕事量で決まるとも言われています
昼食後に眠気がすごくて困ってる!という悩みを持つ人は多いと思います。
ですが、昼食と午後の眠気の因果関係は科学的には証明されておらず、スタンフォード大学では「因果関係はない」と結論付けられています。
「消化吸収が行われ、脳に行く酸素や血液がへるから眠くなる」というのはデマです。
仮に本当であれば、朝食後も夕食後も猛烈な眠気に襲われます。
脳には何があろうと一定の血液が供給されるようになっています。
小学生の頃に先生からそう言われたことはありますね
昼食には関係なく、午後2時は「アフタヌーン・ディップ(午後の眠気)」の時間帯で、眠気に襲われることがスタンフォード大学の研究でわかっています。
〇体内時計の働きにより、生物として眠くなる時間帯である
〇人が覚醒している時間はおよそ16時間とされ、起床から徐々に「睡眠圧」が高まるため
実権では、コーヒーを飲んだり、朝は普段よりも長く寝るなどの対策は一定の効果はありました。
しかし、昼食を抜いても眠気はほとんど変わらなかったようです。
午後2時はうとうとしやすい時間帯なので、大事な案件は控えたほうがよさそうです
本当に重要、頭を使う仕事は朝一にやることをおすすめします
昼食と眠気は関係ないですが、実際に眠たくなる人は多いと思います。
その感覚は、眠気ではなく倦怠感から来ています。
ラーメンや揚げ物でお腹いっぱいになる昼食で血糖値が上がる
↓
血糖値が急上昇してオレキシンの分泌利用が抑えられる
↓
覚醒のスイッチがオフになる
↓
倦怠感が上がる
リーズナブルなランチでリラックスしながら食事を楽しむ場合は、満腹のリラックスモードになっても問題ないかと思います。
ですが、忙しさでそれでいて昼食後の眠気に悩んでいる場合、軽いものを腹6分目くらいにしたほうがいいでしょう。
倦怠感を抑えられ、午後を活動的に過ごせます。
また、よく噛んで食べることで刺激が加わり覚醒の役に立ちます。
緊張状態で満腹になるのは危険なんですね
車を運転する場合も、あまり食べすぎないようにしましょう
日本人の平均睡眠時間は、1960年代にはおよそ7時間半でしたが、㈱ブレインスリープの調査によれば現在では約6時間半となっています。
現代社会では、60年も経てば確かに色々と変化はおこりますが、生物の基本的な生理現象が変化する時間としてはあまりにも短いです。
世界の大都市の睡眠時間を比較した統計でも、東京の睡眠時間はワースト1位で6時間未満、ワースト2位のニューヨークでも6時間半はあります。
当然、睡眠負債が溜まっている人の方が多いので、眠い時に昼寝をすることは、デメリットよりもメリットのほうがでかいです。
昼寝後、一時的にパフォーマンスが上がることは経験的にも実験的にも確かめられていますが、最近では病気のリスクも防げることが研究でわかったようです。
認知症患者とその家族を合わせたおよそ600名に対して、昼寝の習慣があるか質問をし、認知症リスクを比較した日本の研究があります。
過去に昼寝の習慣がない人の認知症発生率を1とします。
1日30分未満の昼寝を毎日する習慣があった人の発症率は、1/6~1/7に減っていました。
糖尿病でも同じ結果が出ています。
毎日30分~1時間の昼寝の習慣がある人は、1/2程です。
1時間以上の昼寝は、認知症のリスクは2倍程に増えます。
30分未満の昼寝はまさに現代社会の味方です
上記の研究結果では「30分未満」ということがポイントです。
眠りはじめの90分は確かに大事ですが、昼寝の場合は30分未満に留めておいたほうがよさそうです。
昼まではたとえ入眠直後であっても、深いノンレム睡眠は出にくいです。
昼寝が長く深いノンレム睡眠が出てしまうと、せっかく調整した体内時計が狂います。
1日かけて徐々にたまっていく睡眠圧も減り、「夜に眠れない」となり本末転倒です。
睡眠慣性という現象があり、深い睡眠後には、一時的に頭が働かず作業能率が下がります。
入眠後の深い睡眠途中に無理矢理起こされたような状態で、パフォーマンスアップのための昼寝としてはダメです。
昼寝はあくまでも応急処置なので、30分未満にしましょう。
昼寝は使いこなしてこそですね
人によっては昼寝は15分が最適ともなります
勤務先で昼寝はあり得ない!という価値観はもう過去のものです。
この昼寝という習慣は、かつてはGoogleなど一部のIT企業特有のものでしたが、現在ではほとんどの企業で認知されているでしょう。
人件費的にも、長い目で見て従業員の昼寝は「会社のため」になるので、昼寝を認知していない企業は考えを改めたほうがいいですね。
多くの会社では、仮眠室はないかと思いますので、「机の上に伏して寝る」か「椅子に座って目を閉じる」ことになるでしょう。
楽な姿勢が望ましいですが、昼休みが1時間の場合、半分は昼食や趣味に、もう半分は昼寝で過ごしてもいいでしょう。
新型コロナの影響でリモートワークも随分増えています。
在宅での昼寝の仕方も様々ですが、「体を休める」ことが本質なので、ソファやベッドで横になってもいいでしょう。
気をつけたいのが、30分以上眠らないことです。
目覚ましアラームや家族に起こしてもらうなど工夫しましょう。
昼寝で数時間過ごしてしまう人は、かなりの睡眠負債がたまっている可能性があるので、睡眠外来の受診をおすすめします。
昼寝ではないですが、マインドフルネスもいいですね
仕事や学校からの帰りの電車内で「夕寝」をする人もいるでしょう。
理論的には、「夜眠れなくなるので夕寝は避けるべき」と言われていますが、疲れた体に心地よい電車の振動でついついうとうとしてしまいます。
これも個人の経験によって変えるべきで、「電車で寝ても夜に眠れる」という人は、睡眠負債がたまっているので夕寝をしてもいいでしょう。
特に子どもの場合は、午後の遅い仮眠は夜眠れないこともありますが、絶対にしてはいけないとは言えません。
しかし、「電車で寝たら夜眠れなかった」という人は、居眠りをさけるようにしましょう。
もはや勤務時間中でさえ、休む時間を確保する必要がありますね
脳を適度に休ませて、ハイパフォーマンスを出せるといいですね
眠気を取りたい時は、熱い飲み物が効果的です。
ホットコーヒーが定番なのは、カフェイン含有量が1杯あたり150㎎と、緑茶や紅茶に比べて多いためです。
カフェインには睡眠を促進する疲労物質アデノシンの効果を阻害する働きもあります。
コーヒーには深煎り、浅煎りと多々ありますが、「覚醒」という意味では酸味がある浅煎りを選ぶのも1つの手段です。
名古屋大学の調査によると、味覚刺激が強いのは「酸味→塩味→苦み→甘味」の順とされています。
酸味と苦みが強いマンデリンのようなコーヒーに、ナッツ類を食べてみてもいいでしょう。
日本でも販売されている複数のエナジードリンクも覚醒効果はありますが、常用するのは考えものです。
※エナジードリンクは糖分が多く、覚醒効果は短時間しかなく、効果が切れると急激に眠くなります
コーヒーは古くから世界中で飲用され、1日500~600㎎のカフェインは体に良い効果もあります。
ただ、体内で代謝する速度は遅いので、就寝前の飲用は睡眠の質を悪くします。
コーヒー愛好家の人は無理にやめる必要もないですね
サンフランシスコのFM局で「KDFC」というクラシック音楽を24時間CMなしで流す番組があります。
日本でも聞けますが、時差の関係で午前中はまったりする音楽が流れることが多いです。
クラシックは「入眠にいい」とされ、たくさん発売されていますが覚醒用というのはほとんどありません。
眠りは覚醒も大切なので、この本の著者は覚醒に良いクラシックを調査したようです。
30程のクラシック曲を選び、20~60代の男女164人をモニターとして、午前と夕方に分けて聴かせたそうです。
レーティングしたところ「アップ系だと感じる曲」と「ダウン系だと感じる曲」がくっきりと分かれました。
以下の曲は私がアップ系とダウン系に分けたものですが、概ね印象としては同じかと思います。
作曲家 | 曲名 | テンポ |
ベートーヴェン | 運命 | アップ系 |
オッフェンバック | 天国と地獄 | アップ系 |
カバレフスキー | 道化師のギャロップ | アップ系 |
チャイコフスキー | 交響曲第6番「悲壮(第3楽章)」 | アップ系 |
ベートーヴェン | ピアノソナタ「悲壮(第2楽章)」 | ダウン系 |
ドビュッシー | 月の光 | ダウン系 |
ただ、音楽は個人的主観が強く、科学的に「睡眠や入眠に効果がある」とまでは立証されていません。
音楽もポジティブルーティーンとして取り入れるは効果的なので、クラシックでなくても、ゲーム音楽でもいいかと思います。
FFやドラクエも曲によっては眠りやすいですね
バトル中心のゲームだとテンションが上がる曲が多いですね
日中の眠気は昼寝で対策できますが、それでも根本的な解決は夜の睡眠の質と量を改善するべきです。
ここで厄介なのが、睡眠時無呼吸症候群であり、この症状が出ていると昼間でも眠気がでてきます。
十分に眠っていても、眠気が出る人は睡眠時無呼吸症候群を疑った方がいいです。
- 中等度以上の人が治療しない場合、約4割が8~9年で死亡
- 新型コロナなど上気道の感染リスクが、約8倍以上になる
- 生活習慣病(高血圧、肥満、糖尿病など)のリスクが上がる
- 循環器系疾患(心筋梗塞、脳出血など)のリスクが上がる
これほど恐ろしい病気ですが、日本でも成人男性20人に1人以上がり患している身近な病気です。
子供や若い人、女性もり患するので、珍しい病気とは言えません。
軽度のものから重度のものまで差はありますが、太っていない人でも睡眠時無呼吸症候群はでるので、深刻ではあります。
もはや誰でもり患する可能性がある病気です
睡眠負債が溜まっていれば、睡眠時無呼吸症候群でなくても問題です。
1990年代後半、アメリカのニュージャージー州でマギーという学生が高速道路を走行中、追突事故に合って即死しました。
横から追突してきた加害者のドライバーは、連続30時間も眠っていなかったようです。
当時は、飲酒運転であれば刑事罰になりますが、寝ていないドライバーは運転禁止の法律がないため、日本円にして数万円程度の罰金のみで収監もされずに処理されたようです。
数年後、24時間以上睡眠をとらずに運転した場合は刑事罰になる、という法律ができましたが、やはり睡眠負債は根本的に深刻です。
居眠りはマイクロスリープといい、1秒~10秒程度完全に寝落ちしている状態です。
車の場合、時速60キロであれば4秒で約70m進みます。
もしこの間に子供の列、お店や赤信号が待ち構えていたら・・・想像できますね。
アルコールを摂取すると反応速度が落ちます。
日本では血中濃度で0.05%検出されれば飲酒運転に当たり免許取り消しとなります。
この状態で運転すると、非飲酒時に比べて約8%反応速度が低下しますが、睡眠不足時も同レベルに反応速度が低下します。
睡眠不足で運転をしても免許取り消しにはなりませんが、よく眠れていない人は、アルコール摂取したときと同じくらいの危険性があると考えて運転しましょう。
日本の交通事故の根本的原因は、睡眠不足なのかもしれません
アメリカだろうが日本だろうが、交通事故を起こすと悪いのはドライバーだと言われています。
ですが、そのドライバーも仕事中であれプライベートであれ、「誰かのために」運転していることがほとんどです。
長距離運転手であれば、ネットショッピングで買った商品を運んだり、家族のために運転してあげたりと様々な場面があります。
交通事故が起きたらただ単にドライバーを責めるのではなく、私たちもそうならないように意識する必要があります。
睡眠不足にしている原因はどこにあるんでしょうか
睡眠負債を解消すればこの国、まだまだ成長できますよ!
日中の眠気と言うのは、仕事の能率を大幅に下げます。
眠ければいっそのこと休憩したほうが能率的です。
個人の睡眠負債は、決して自分だけの問題ではないということを覚えてください
睡眠についてのまとめです。
- プレゼンティズム(健康問題を抱えながら仕事する)を解決しないと能率があがらない
- ランチメニューはリラックスして、腹6分目に抑える
- 昼寝は30分未満が効果的だが、1時間以上は逆効果
- 夕寝は夜も眠れれば構わないが、眠れなければ控える
- 酸味が覚醒をより強くするので、コーヒーを飲むときはホットのマンデリン
- 自分が覚醒できる音楽で眠気をなくす
- 寝ても寝ても寝足りない場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性がある
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