この記事はこんな人におすすめ
- フィードバックを受けてもなんだか的を射てないような意見をもらう
- 自分をもっと売り込みたいのに何故か上手くいかずに悩んでいる
- 活発な意見を出し合って意見を聞きたいけど、上手くいかない
結論は、様々な視点でみることでバイアスに囚われない
貴重なフィードバックを受けるときには他人のバイアスも意識しておく必要はあります。
他人は、思い込みによりあなたのことを「この人はこういう人だ」と、バイアスに囚われた視点で視ていることも。
フィードバックでなくても、集団の会議の場合でもバイアスは常に影を潜めています。
今回は、外部から影響を受けるバイアスの一部と、その考え方を紹介しますので、対人関係に悩んでいる場合はどうぞご覧ください。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
人生で特に気をつけないといけないバイアスは、次の3つがあります。
概念は別々に区別されています。
【アンコンシャス・バイアス】
自分でも気づいていない無意識のバイアス。
「外見で人を判断していない」と思っても、実は判断している。
例:男性だから高収入。見た目が清潔感があるから仕事ができそう。など。
【代表性ヒューリスティック】
その人と初めて会う前に、性別や年齢などの特性で、特定の職業についている人の多くと共通していると推測。
何かを判断する場合に、過去の経験則から意思決定をすること。
例:この名前だから女性だ。拙い文章だから子どもが書いたのだろう。など
【統計的差別】
他の人も同じ行動や考え方をしているから、あなたもそうするだろうと推測。
例:月曜の出勤日は誰もが憂うつだろう。お昼ご飯は12時に食べたいだろう。など
この3つのバイアスは、時には相互作用で働く可能性もあるため、自分で認識するのは難しいです。
このバイアスを回避する手段はどの場合でもあまり変わりません。
「ショートカット思考」を行う際は、ステレオタイプやヒューリスティックがつくるイメージに惑わされないこと。
特定の役割を担う人について。あるべき外見イメージが社会的に形成されているとしたら、自分がその型にハマっていないことは良いことです。
型にハマっていないのだから、その役割を既に担っている人たちと比べて有利な立ち位置にいる。
「多様性」はビジネスにおいては重要な言葉で、曖昧さや軽く使ってはいけません。
もしも自分が、これまで同じゴールを追求してきた
典型的な人たちと異なるタイプだとしたら
それは素晴らしいことだと認識する
気をつけなければいけないのは、型にハマらない人は成功できるが、型にハマっている人たちよりも圧倒的に優れていなければいけないこと。
「成功するには、自分以上に適役がいるだろうか。」と自問しながら仕事をするといいでしょう。
周りに流されない、ということですね
自分が、将来思い描いた自分がしている仕事をしたい場合、そのために身につけたいスキルと関連する特徴を見つけるのは大切。
いくら自分が優秀でも、他人は自分のことを優秀だと知る術を持っていることは多くない。
自分がやりたい仕事と関連する特徴を把握しておけば、その情報を相手に提示することができます。
自分がその仕事に適していると判断できる特徴は、例えば特定の会議、特定のサークルでの人脈作りです。
特徴と並行して、自分がもつスキル・力量・才能を公開して、できる限り自分をオープンに。
ほとんどの場合、ステレオタイプへの反応は無意識に行われる。
したがって、積極的に特徴を活用し、できるだけ早く専門家としての認知を高める
自分を商品として売り込むことですね
バイアスを回避しながら行います
フィードバック面談の背景にある考え方は、本来はポジティブなもの。
会社の社員だと、何が達成できたか、何が上手くいかなかったのか、ということに一年に1~2回ごとに評価を受けます。
ただ、評価の内容は面談者によってかなりバラつきはあります。
フィードバックを受ける前に意識したいことは、自分自身のどの部分についてなら他人の意見を受け入れられるのか、ということ。
妥協するつもりがない特性をはっきり意識していれば、自分らしさを見失うようなことはありません。
他人からの誤ったアドバイスを受けることもあるだろうが、譲れない境界線を持っていれば、自分を偽らずにすみます。
フィードバックを受けるときはしっかり聞くこと。
面談者も最も大切なリソースである「時間」を自分のために費やしてもらっているから。
内容は関係なく、感謝は必要ですね
もしも、ネガティブなフィードバックを聞いて、自分に当てはまらないと思った場合は、他の複数人(3人以上目安)聞いてみることをおすすめします。
自分自身のバイアスで聞く耳をもたなくなっていないか、意見をくれた人が行動バイアスや盲点の持ち主なのかを確かめやすくなります。
複数人であれば、それぞれの意見が互いに関連していないとみなすこともできます。
複数人からのバイアスの結果が次のとおりなら・・・
〇全員同じ・・・自分の一つの傾向として真摯に受け止める
〇一人だけ違う・・・行動バイアスや盲点の影響を受けている可能性があるため無視
このように、フィードバックは全ての意見が平等ではありません。
時間がたつにつれ、誰のフィードバックが重要かを判断できるようにもなります。
フィードバックの内容を検証するのも大切です
長所をもっと伸ばし、短所を克服するためのフィードバックをしてくれる相手を探す必要はありません。
わざわざ人に嫌われることをするべきではない。
身の程を思い知らせてやろうと考えるような人に目をつけられる可能性だってあります。
そんなときは、優れた成果を上げている人を叩きたくなる性向の被害にあっています。
優れた人材は人に叩かれやすい性向のこと。
スタートアップ企業の社長や、成功した女性などに当てはまりやすい。
様々な人に影響を及ぼすことがわかっているため注意。
他人からのフィードバックに関してはそのまま鵜呑みにせず、複数人から聞くのが基本ルールとするのは重要です。
アドバイスも複数人から聞いた方がいいのはそのためですね
「この人の言う事は絶対」と妄信してはいけません
印象というのは記憶に残りやすいものです。
自分に関する思い込みとして語られている内容が、実際の自分とは少し違うと感じることは多いと思います。
「この人は誰からそんな話を聞いたのだろう?」と。
それはおそらく「基本的な帰属のエラー(fundamental attribution error)」の犠牲になっています。
ある人の行動を、状況ではなくその人の属性と結びつけてしまうこと。
たとえば、朝の出勤時に電車が止まってしまい遅刻した場合、理由を知らない人は「時間性と仕事の熱心に欠ける人」と思われてしまう。
簡単いうと、誤解されているということですね
仕事で納期が間に合わず、遅れてしまう経験をした人も多いはず。
自分のことを当てにしていた人たちからみれば、状況のせいにするよりも担当の自分に不注意があったとみなすほうが簡単です。
一時的にしくじっただけかもしれないと言った冷静な反応をするより、瞬間的に「くたばれよ」的な反応をおこしてしまう。
「基本的な帰属のエラー」は、「よく知らない相手」や「「知りたいと思わない相手」に起こしやすい
その時点で確証バイアスも現れます。
自分が信じている情報を裏付けるために追加の情報を探したり、思い出したりしようとする。
歴史的骨とう品も、知らない人がみたらゴミ同然にみえるのと同じですね
2004年、ジョエル・バウムとブライアン・シルバーマンが発表した論文によると次のことばわかったようです。
「ベンチャー投資家は成功するスタートアップ企業に共通する特徴を捉えるのがとても上手な一方、状況軽視するバイアスも抱えている。特に、自分が支援する企業の人材を過大評価してしまう。」
基本的な帰属のエラーは、もろはの剣のように、幸運があればポジティブな印象を残すこともできます。
簡単でなく、コミュニケーション能力に頼る部分も大きい。
不運にあったら、たまたま起こったものだと説明する。
話術に長けていれば、面白いエピソードにするのもいいでしょう。
そうでない場合は、事実に即して伝え、相手が咲いてくれた時間への配慮はハッキリ示します。
利害関係者には、次はよい成果が上がると楽観視していると伝え、安心してもらう。
上手くつかいこなせれば、世渡り上手になれそうですね
だからこそ、第一印象というのは大切なんですね
カスケードとは、連なった小滝のこと。
情報カスケードは、前に話した人に次の人たちが引っ張られてしまい、その内容に新たな価値を加えられるはずの自分の意見を披露しなくなった場合に起こります。
私たちが、ある集団の中でなじみのある情報や納得してもらいやすい情報を持ち出すと、全員が共通の土俵にいるという認識を持てるため、集団メンバーたちはみな好意的に受け入れます。
逆に、異論を持ち込もうとすると、戸惑いが発生します。
情報カスケードが進歩を邪魔する状況が2つあります。
①あるグループに対してプレゼンを行った後、相手が内容やパフォーマンスの審議をするとき。
審議しているひとりが否定的な意見を述べると、ほかの審議者も続いて別の否定的意見を言及する。
②重要な会議で自分自身も発言権を持っているようなとき。
リーダーシップの潜在能力、創造力、革新性を示す必要性があるのなら、重要会議でのパフォーマンスが「キャリア形成」と深く関わってきます。
重要事項というのは、集団で討議して決めるのが基本。
ですが、自分の声は他の人よりも等しい重さで検討されているかどうか、を認識する必要があります。
ここで大切なことは2点あります。
①自分の進歩に関わる重要な決定は、自分が参加している会議で決めている。
②重要な会議における意思決定プロセスは、バイアスの影響を受ける。
議論しても実際にはバイアスに決められているんですね
一人の知恵よりも、二人の知恵のほうがよい結論に繋がりやすいことは事実です。
仮に1人が盲点を抱えていても、軌道修正は可能なため、集団で出した結論の方が個人よりも優れたものになりやすいはずです。
集団での結論が優れるためには、参加者全員が自由に参加でき、発言権を有することが必要です。
しかし実際には、世の中の殆どは「グループシンク(集団浅慮)」に影響されています。
いくつかの大きな問題を起こします。
①互いの共有情報だけに焦点をあてて満足
既にみんなが知っている話を繰り返すのは、明らかに時間の無駄。
②日々の決断に影響する認知バイアスの多くが、集団の場では誇張
フレーミング効果やサンクコストの誤りなど、一つ一つのバイアスを誇張するのと同時に、集団メンバーが共有する知識に焦点を当てすぎてしまう
重要なのは、自分が純粋に良いと思ったもの(意見)は、再度強調しても構わないということ。
会議の進行中にいきなり異論を出すと反感を買いますが、良い意見には賛同する姿勢を示しておくと収まりがよくなります。
意見を述べるときには、次の点にも気をつけます。
- できるだけ簡潔に、自分の独自意見を述べる
- 感覚でなく、事実や証拠に基づいて提示する
- 対談者の自尊心に訴える努力を
重要な問題に対して意見を述べる場合は、事実やデータを駆使して臨みましょう。
集団討論はテーマとキーワードを見つけるといいですね
グループ会議で、自分の意見を提示し終えたらリーダーの意志に任せるのでなく、特定の話し手に次の発言を促してみましょう。
「私が挙げたポイントは、〇〇さん(参加者の名前)のご意見によって裏付けられています。それは・・・」という具合に。
リーダーでなく、話しの順番を決められない立場でも、次に話す人を上手く誘導できるようになります。
これにより、さらに議論を深めることができ、自分が示した論点をより際立たせられます。
リーダーであれば、カスケードを止める有効な方法のひとつが、次に話す人をランダムに指名することです。
会議後に、アンケート調査を行うことがあると思います。
これも一種のフィードバックですが、この目的は2つあります。
①内向型や会議で発言しない人たちも実質的に議論に参加してもらう
②意思決定を次の会議までに持ち越す
カスケードに抗って、新企画を提示する時と採択するときに時間が空けば、感情を排した決断が可能になり、アイデアの実現の可能性も高まります。
議論を深堀したければ、誰かの意見に言及することも大切ですね
もちろん、本題に沿った内容を深堀することが大切です
日々の生活では、私たちは様々な面で「審査」されています。
就活、転職、講演、企画のプレゼン、同僚との打ち合わせなどなど・・・
こうした状況のどれをとっても相手から注目され、性向かどうかを誰かに判定されます。
どれだけ準備をしても、審査プロセスは行動バイアスと盲点で溢れている。
「最初か最後か」
審査やプレゼンでの提案をする場所や順番によって、結果は大きく変わるようです。
評価が点数形式の場合は、その日の遅い順番でプレゼンをしたほうが効果的なようです。
面接のような評価点数が公式に計算されてない場合は、次の2つのことを意識します。
①「親近性効果(recency effect)」により、いくつかの研究によれば、記憶に残るため提案はできるだけ遅い順番が良い。
②「初頭効果(primacy effect)」により、最初に見た人が最も正確に判定される
自分のアイデアが傑出していると思うのなら、常に1番手でプレゼンをします。
そうでない場合や、審査が全案を相互比較する場合は、最後の枠を選びます。
最も感情が高ぶったときと最後の体験が一番記憶に残りやすいというもの。
プレゼンでは記憶に残れば勝率もあがりますが、逆に忘れられてはそもそも対象外になってしまいます。
絶対に避けるべき順番の枠は、真ん中のあたり。
しかし、提案内容が1日のピークが真ん中であれば、この限りではありません。
「寝る間を惜しんで」というタイプですね
ゴールをしても再起不能のダメージを追っていたらダメですね
他人からのアドバイスは鵜呑みにしない反面、感謝はします。
検証することで、バイアスがかかった意見かどうかを判断できます
なりたい自分になるショートカット思考のまとめです。
- アンコンシャスバイアス・代表性ヒューリスティック・統計的差別は生涯きをつける
- 他人からのアドバイスは全て平等でないが、感謝をする
- 印象の力は強いため不正確なレッテルを貼られないように
- 集団会議もバイアスで結論が導き出されている
- 一番最後のプレゼンは印象に残りやすいが、傑作は最初に行う
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思考
【確証バイアス】
以前から持っていた考えを裏付ける情報を好んで選択しようとする
【フューチャーセルフ】
視覚化された未来の自分。
人はよく未来の自分に感情移入し、長期的に恩恵が得られるような投資を行う。
【システム1(速い思考)・システム2(遅い思考)】
素早く直感的に、無意識に行うのがシステム1
慎重に決断したり、熟慮するのがシステム2
【ベン・フランクリン効果】
他人に恩恵を施した人は、次回も同じ相手に恩恵を施す可能性が高い。
他人から恩恵を施されるよりも、その効果がでかい。
【フレーミング効果】
ある情報や選択肢を、プラス面とマイナス面の両方に焦点を合わせて伝えるかによって、伝わるイメージの違いが生じる
【即時コストと即時恩恵の配分調整】
日々活動するためにかける時間はいま発生するコストだが、恩恵は遠い将来にしか得られない。
活動をやり通すためにアメとムチを用意して、長期コスト・ベネフィットも今感じられるように調整。
【自身を育む】
自信をつけることは簡単だと認識。
いざ困難な作業に取り組むときは、自分の能力に対する不安は一時的な感情なため、キャリア形成の過程で消える
【時間の見積もりは1.5倍以上】
スケジュール表での作業は、考えている1.5倍に修正。
【キャリア形成ゴールに立ち返る】
定期的に時間をとり、振り返りを行う。
プロセスの大切さを自覚すれば、活動を続けようとする意識も高まる。
【意義はモチベーション】
理想的な自分がしている仕事を明確にして、折に触れて思い返せばモチベーションを維持できる
【成果を測定】
活動内容を定期的に事後評価して、活動を妨げる障壁を突き止める。
【運と努力の分類】
作業の進捗や結果は、自分がコントロールできるところかできないところを検証。
自分の決断が成果につながった局面や、自分のコントロールが及ばない要因が結果を出したのか明確に。
【感情でなく合理的に】
キャリア形成に重大な影響を及ぼす判断は必ず冷静な時に。
【オール・オア・ナッシングでない】
作業量はToDoでなく、大量・普通量・少量に分類し、その日のエネルギー量に見合ったレベルで妥協してこなす。
【毎週の計画に罰を組み込む】
小さなアメとムチで原動力にならなければ、出来なかった場合のコストを今負担する。
コミットメントデバイスで、お金や同等の価値を持つものを失う危険性を認識。
【人脈とインフルエンサーの選定に潜むバイアスの罠】
自分の人脈を広げるためには、自分の性質と異なるメンバーを集める意識が必要
【キャリアのゴールは本当に正しいか】
自分でやって楽しいと思える活動を、そのまま最終ゴールにしてもいいのか
【損失回避】
失敗は恐れすぎず、成功の可能性はあると言い聞かせる
【自分の価値を知る】
業界の水準を知り、自分が生み出している付加価値に見合う報酬をもらう
【必要なことはもっともとめる】
仕事の成果は自分で報告する。他人はそこまで自分にかまっている時間はない
【フィードバックを受ける】
批判的な内容にも耳を傾け、検証すること
【見栄を張りすぎない】
失敗する姿を他人に見られていても、他人はそれほど覚えていないので行動する
【新しいチャンスを受け入れる】
チャンスに対して行動したときよりも、行動しない後悔のほうが大きい
【説明責任を負って成長】
失敗したときは他人のせいにはしないが、成果が出なかった原因は正しく振り返る。
【息抜きは忘れない】
キャリア形成はマラソンのようなので、休憩しながら活動を続ける
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