この記事はこんな人におすすめ
- 野球で投手に負けないようなホームランを打ちたい
- 毎日筋トレをしているけど、いまいち効果が表れずに悩んでいる
- 筋肉をつけて試合で活躍したいが、食事はなにを食べればいいかわからない
結論は、筋トレだけでは筋肉はつきません
瞬発力や持久力を活かす競技は多くありますが、今回は瞬発力、いわゆるハイパワー系競技についての説明です。
その一瞬で体の力を出す競技ですが、日々のトレーニングでいかに体を作り上げているかがポイントです。
筋トレも大事ですが、体を作るタンパク質やその働きをサポートするビタミン・ミネラル類の摂取、そして成長ホルモンを分泌する睡眠も重要です。
瞬発力を作る筋肉はすぐには作り出せず、時間をかけて育てていく必要があります。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
短時間で勝負が決まる
数秒から長くても1分程度の、ごく短い時間に最大のパワーを発揮することを求められるのがハイパワー系競技です。
同じハイパワー系競技に分類されていても、競技によって求められる筋力は異なります。
選手の体型もそれぞれですが「短時間に最大限のパワーを発揮できる筋力をつける」のは共通事項です。
野球のように試合時間自体は長くても、ボールを打つ、投げる、取るといった動作は全て瞬発力によって実現するものです。
もちろん、競技なので瞬発力が全てではないですが、試合中に投げる投手であれば持久力も必要になってきます。
陸上短距離 | ボクシング | ゴルフ | 体操 |
水泳短距離 | 相撲 | アメフト | 投擲 |
スピードスケート短距離 | 柔道 | 野球 | ウェイトリフティング |
瞬発力があってこそって競技ですね
瞬発力をどのタイミングでどう活かすかが重要な競技です
筋肉を使うタイミングを見極める!
重いバーベルを一気に持ち上げる、短距離走で地面を強く蹴り返す、長打を狙いフルスイングでバッドやクラブを振る。
一瞬の間にパワーを発揮するきは、筋肉細胞に含まれるアデノシン三リン酸(ATP)という物質が活用されます。
ATPはエネルギーを放出したあと、体内にあるクレアチンリン酸(CP)の働きで瞬時に再生します。
このエネルギーの使われ方を「ATP-CP系」と呼びます。
※ATPを作り直す仕組みは、「ATP-CP系」「解糖系」「有酸素系」の3つがある。
〇体内に貯蔵できる量が少なく、10秒弱程度しか持続しない
↓
以降、筋グリコーゲンの分解によるATP産生がメイン
〇運動する時間が長くなると酸素を利用したATP産生のエネルギー産生の割合が増える
↓
以降、エネルギー産生栄養素を利用したATPが合成
全力疾走が数秒程度しか持たないのもこのためです。
瞬発力を高めるためには、筋肉をできるだけ早く強く収縮させる必要があります。
特にハイパワー系の競技を行う人は、「速筋線維」を強くすることが最優先事項です。
速筋線維は筋力アップのためのウェイトトレーニングを行うと強く太くなります。
瞬発力はタイミングを間違えるといけませんね
チーターも長時間走れないのは瞬発系の筋肉が発達しているからですね
体格にあったタンパク質の量を摂取
ハイパワー系競技に欠かせない瞬発力を高めるには、筋力アップのためのウェイトトレーニングは必須です。
ですが、ウェイトトレーニングだけでは筋力をつけることはできません。
ウェイトトレーニングで筋肉に負荷をかけると、筋線維が破壊され、逆に細くなります。
トレーニング後に筋肉の材料となる良質なタンパク質をしっかりとり、適度な休養も必要です。
筋肉の修復期間を作ることで、より強く太い筋線維へと生まれ変わります。
運動中は、筋タンパク質の分解が進んで消費されるため、通常よりもタンパク質の必要量は増えます。
ですが、タンパク質も摂取すればするほど良いと言うものでもありません。
タンパク質摂取量を1日当たり0.86g/㎏ → 1.4g/㎏に増やした場合
〇非運動群ではタンパク質合成量は増えない=筋肉が増えない
〇運動群ではタンパク質合成量が増える=筋肉が増える
タンパク質摂取量を1日当たり1.4g/㎏ → 2.4g/㎏に増やした場合
〇運動群でもタンパク質合成量はほとんど変化しない
つまり、筋肉の合成につかわれなかった余分なタンパク質は、エネルギー源や体脂肪になり、逆効果となります。
重要なのは、体格にあった適切なタンパク質量を摂るという事です。
日本人の場合、動物性タンパク質の摂取量が少ない傾向のため、体重1㎏あたり1日1.5~2gのタンパク質を摂取することを推奨されています。
筋肉も育てる時間が必要ということですね
毎日のトレーニングと休養で筋肉をつけましょう
タンパク質はバランスよく摂る
良質なタンパク質とは、必須アミノ酸がバランスよく含まれたタンパク質のことです。
アミノ酸スコアが100であれば、次のような食べ物が良質なタンパク質と言えます。
動物性タンパク質=豚肉、マグロ、卵
植物性タンパク質=大豆
注意したいのは、一度の食事でタンパク質を大量にとっても、体内でうまく活用することができません。
3食食べる場合は、3回の食事で大体1/3ずつ摂るようにしましょう。
必須アミノ酸は、全てのアミノ酸がバランスよくそろっていないと、体をつくる材料として上手く活用できません。
9種類の必須アミノ酸のうち1種類でも不足していたら、全体の利用率が大幅に下がります。
例えるなら、穴の開いたバケツのように、1か所でも穴が開いていると機能しなくなるイメージです。
野菜やお米などは、タンパク質に関してはあまり良いとは言えません。
ですが、アミノ酸スコアが低い食品でも、高い食品と組み泡あせることで全体のスコアを上げることができます。
筋力アップを図るなら、他の栄養素も摂る必要があります。
筋肉をスムーズに動かすには、筋肉以外の部位も強化する必要があります。
この部位を強くするために、ビタミン類、ミネラル類(カルシウム、鉄など)も摂りましょう。
ちなみに、筋トレで一番重要なのは、睡眠です。
睡眠中に成長ホルモンが分泌されるので、睡眠時間を削ってまでトレーニングするのはやめましょう。
いい筋力をつけるには、筋トレと休養がセットということですね
ビタミン・ミネラルは調整役です
亜鉛で筋力アップサポート
強度の高い筋力トレーニングを終えた後はできるだけ早く、タンパク質を摂取するのがベストです。
筋肉量を増やすには、体タンパク合成が重要な役割をします。
ビタミンB6は、分解されたアミノ酸がタンパク質に再合成されるときに働く成分で、タンパク質を多く摂る人ほど必要量が増えます。
ビタミンB6は神経伝達物質の合成にも必要です。
セロトニン、ドーパミン、アドレナリンなどは運動を行う上でも重要になります。
レバー、鶏肉、カツオ、マグロ、サケ、ブロッコリー、アボガドに多く含まれます。
冷凍保存や調理過程で損失が大きい栄養素なので、鮮度の高いものをとりましょう。
筋肉はトレーニングで傷つき、修復されて強くなります。
新しい細胞をつくるために行われるタンパク質合成を促進する酵素は、亜鉛が欠かせません。
つまり、最大筋力向上のためには、亜鉛が不可欠です。
亜鉛は主に骨格筋、骨、皮膚、肝臓、能、腎臓などにあり、その多くがタンパク質と結合しています。
亜鉛は優秀なサポーター
〇タンパク質が筋肉の材料になるのを助ける
〇様々な酵素の働きを促す
〇成長を促す
〇性機能の発達や維持
〇味覚の維持
〇SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)の生合成を促す
※SOD=活性酸素を除去する酵素
〇ケガややけどの回復に効果的
〇アレルギー抑制
〇貧血予防
亜鉛は、カキ、豚レバー、牛肉ロース、大豆、種実類などに豊富です。
鉄や銅、ビタミンCと一緒に摂ると効率よく摂れるので、カキにレモンをかけると美味しくいただけます。
亜鉛で気を付けること
〇加工食品(フィチンさん、ポリリン酸など)は吸収を妨げる
〇発汗で失われる
〇過剰摂取でめまい、免疫障害、吐き気などが起こる
ファンからの過剰なサポートは帰って邪魔になるということですね
優秀故に「適量」を心がけましょう
亜鉛を摂りすぎず、摂らなすぎず
亜鉛を多く含む食べ物の一覧です。
食品名 | 可食部100g当たりの亜鉛含有量(mg) | 食品の目安単位(廃棄部分含む) | 食品の目安重量(廃棄部分含む) |
---|---|---|---|
かき 養殖 生 | 14.0 | 1個(むき身) | 15g |
かたくちいわし 田作り | 7.9 | 1食分 | 20g |
しらす干し(半乾燥) | 3.0 | 大さじ1 | 5g |
加工品 かつお節 | 2.8 | 1食分 | 2.5g |
うなぎ かば焼 | 2.7 | 1串 | 100g |
まさば 生 | 1.1 | 1尾 | 500g |
まあじ 皮つき 生 | 1.1 | 1尾 | 160g |
食品名 | 可食部100g当たりの亜鉛含有量(mg) | 食品の目安単位(廃棄部分含む) | 食品の目安重量(廃棄部分含む) |
---|---|---|---|
ぶた レバー 生 | 6.9 | 1人前 | 100g |
牛肉もも 赤肉 生 | 4.8 | 1枚 | 200g |
牛肉 リブロース 赤肉 生 | 4.5 | 1枚 | 200g |
ぶた かたロース 赤肉 生 | 3.2 | 1枚 | 200g |
ぶた かた 赤肉 生 | 3.1 | 1枚 | 200g |
にわとり もも 皮つき 生 | 1.6 | 1枚 | 200g |
食品名 | 可食部100g当たりの亜鉛含有量(mg) | 食品の目安単位(廃棄部分含む) | 食品の目安重量(廃棄部分含む) |
---|---|---|---|
あまのり 焼きのり | 3.6 | 1枚 | 2g |
カットわかめ(乾) | 2.8 | 1人前 | 10g |
あおさ 素干し | 1.2 | 小さじ1 | 2g |
刻み昆布 | 1.1 | 1食分 | 2.5g |
ひじき ほしひじき(乾) | 1.0 | 大さじ1 | 2g |
廃棄部分もあるから実際にはもう少し減る感じですね
意外に海苔やワカメにも豊富です
ハイパワー系競技をする人は、とにかく瞬発系筋力が必要です。
筋トレはやった分だけ、食事と睡眠でインターバルを置くことで筋肉が育ちます。
また、亜鉛が不足しがちなので、適量をとるよう心がけましょう
アスリートの栄養学のまとめです。
- 瞬発力を活かす筋肉をつけてハイパワー系競技で勝つ
- 瞬発力は数秒しか持続しないため、使うタイミングを見極める
- 筋力向上が最優先だが、食事や睡眠もセットで行う
- タンパク質は貯蔵できないので、毎食バランスよく摂る
- 9種類の必須アミノ酸を摂ってアミン酸スコア100を摂る
- ビタミンB6等のビタミン類・亜鉛等のミネラル類もとって筋トレのサポート
- 亜鉛はカキ、豚レバー、大豆、海苔などに多く含まれる
他にも知りたいかたはこちら、
関係ページのタグです!
本シリーズのタグ
食事
こちらにも参加しています↓