制約と誓約？人が眠くなる条件を満たして睡眠の質を上げましょう

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睡眠の質を上げるには、寝る前の数時間の頭と体を何もしないと書いていましたが、現実的には難しいので、体温で着目して質を向上していきましょう。

深部体温と皮膚温度を知っておこう。体内の温度と表面上の温度。

人間の体温は、一定の体温を保っているわけではなく、日中でもあるていど変化しています。

人間には、「深部体温（体の内部の温度）」と「皮膚温度」の二つの体温があります。

深部体温については、たとえば、平熱が36℃の方でも、一日の体温は±0.7℃程変化しているようで、日中活動する時間帯は体温が高くなりますし、夜、休むときは体温が低くなります。

皮膚温度については、日中は低くなり、夜には高くなるようです。

深部体温と皮膚温度の差が縮まっていくと、人間は眠くなっていきます。

ちなみに、深部体温が下がると、手足の温度が暖かくなっていきます。

体温をコントロールして、眠りに入りやすくしてみよう。

日中と入れで眠時の深部体温と皮膚温度をみてみましょう。

日中

深部体温のほうが皮膚温度よりも２℃ほど高いようです。例えば、皮膚温度が３５℃の場合は、深部体温は３７℃になるということです。

この深部体温と皮膚温度の温度差が起きてからどんどん広がっていき、覚醒状態になっていきます。

健康なかたであれば、日中眠くならないのはこの温度差が大きいからです。

入眠時

皮膚温度と深部体温の差が２℃以下に縮まるようです。例えば、皮膚温度が３５℃の場合は、深部温度は３６.５℃に下がっていきます。

この温度差が縮まっていくと、人は眠くなっていきます。入眠前に手足が暖かくなると感じる人もいるかと思いますが、これは手足から熱が放熱されて、深部体温が下がっているからです。

深部体温と皮膚温度の差が最も表れるのが、「赤ちゃん」です。子育てしている方ならわかるかと思いますが、眠い時はほっぺたが赤くなって手足が急に暖かくなります。

これは、顔や手足の血流が増え、毛細血管から放熱されて深部体温が下がっている現象です。大人はこれほど目立つようにはわかりませんが、同じ状態になります。

入眠９０分前の入浴で、睡眠の質を上げてみよう

入眠時に皮膚温度を上げて熱を拡散して、深部体温を下げることが眠くなる条件です。

このように体温をコントロールする方法が「入浴」となります。

皮膚温度については、そもそも簡単に変化させることができ、外部からの影響で上下させることが可能です。

冷水に手を浸ければ血管は縮小して皮膚温度も下げられますし、逆にお湯に浸かったり、ストーブに手を当てたりすると皮膚温度は上がり、血流が増えます。

余談ですが、疲れをとるために、お湯（サウナ）や水風呂に交互に浸かって、血流をよくする方法もあります。試している方も多いのではないでしょうか。

皮膚温度は容易に外部に影響を受けますが、外部と同じ温度になるわけではありません。

たとえばサウナ（８０℃～９０℃）に入ったからといって、皮膚温度もそこまで上がるわけではないということです。そこまで変化しては、人間はすぐに死んでしまいますね。

人間が生きられるように、自律神経が勝手に温度を調整してくれるので、実際の皮膚温度の変化は1℃前後となります。

深部温度については、40℃のお風呂に15分入った場合、0.5℃程上がるようです。

この入浴によって深部体温を上げるのが、ぐっすりと眠りやすくなるうえで重要なことになります。

深部体温は上がった分、より大きく下がろうという性質があります。

つまり、入浴することで、

①皮膚温度が上がる②放熱の準備を整える③深部体温を上げる④入眠時に深部体温を大きく下げる⑤入眠しやすくなる

ということになります。

お風呂に入ったあとに眠くなるのは、体の中でこういうことが起こっているからですね。

上がった深部体温が元に戻るまでの時間が「約９０分」となるため、入眠９０分前に入浴することが、睡眠の質を上げるコツとなります。

ちなみに、入浴後に直ぐに寝ようとするのは逆効果で、そのころはまだ深部温度が高い状態なので、入眠しようとしてもできません。どうしてもすぐに寝たい方はシャワーですませるのがいいでしょう。

また、軽い運動を行うのもいいですが、運動不足の方は軽い運動でも重労働となるため、やりすぎると寝つけが悪くなります。

おわりに

睡眠の条件を整えることで、睡眠時の質を上げることができますが、条件が整っていない場合は、質は上がりません。

漫画、「HUNTER×HUNTER」の念を使う時みたいに、条件がそろえば効果は発動しますが、そろわなければ効果が弱いです。

制約の部分に関しては上記に書いてきましたが、誓約の部分については、入眠のルールを把握することで体も健やかになりますが、ルールをやぶれば体は壊れていきます。

体は一番の資本なので、しっかりと休むようにしましょう。

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