この記事はこんな人におすすめ
- 良いアイデアを思いつきたいけど、中々思いつかず悩んでいる
- 創造力を高めて絵を描いたり、自分の曲を作りたいけど上手くいかない
- アイデアを出すためのコツや方法を知りたい
結論は、歩けば発想が得られる
仕事でも日常生活でも、より効率的に、より楽しく過ごすためいいアイデアはないかと悩むことは多いです。
ただ、アイデアは机の上で考えていては、虚無の時間を過ごすだけになってしまいがちです。
アイデアを出したい、つまり創造力を高めるには、身体を動かすことが重要です。
特に、ブレインストーミングなど、多角的で大量のアイデアを出すときは歩きながら考えるのが効果的です。
アップルの共同創業者でCEOを務めたスティーブ・ジョブズ氏は歩きながら会議を行ったエピソードは有名です。
アイデアを出すだけならIQは関係ないため、とにかく身体を動かしてみましょう。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
世界でも有名な作家である村上春樹さんは、「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋)によると、創作のプロセスをこう語っています。
毎朝4時に起床し午前10時まで仕事。
昼食後は10㎞のランニングをして水泳をする。
その後、読書などの余暇を過ごしながら午後9時には就寝します。
1つの作品を作るためには、運動が創造性を高める必要があり、多くの作家や芸術家も、日常的に運動を取り入れています。
皆さんも、ランニングやテニスをした後、あるいは歩いている途中でアイデアをひらめくことはあるかと思います。
運動と創造性のある仕事は、とても相性のいい組み合わせです。
運動で素晴らしい芸術を生み出せるんですね
運動によって創造性が増すことは、多くの著名人も証明しています。
アルベルト・アインシュタインは、自転車をこいでいる時に相対性理論を思いついたそうです。
ベートーヴェンは40代の頃に聴覚を失い、その後も散歩を日常にしていたそうです。
イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンは、「ダウン・ハウス」の名で知られる屋敷の周りの散歩道を「思索の小径」と呼び、何時間も歩いたそうです。
アップルの共同創業者でCEOを務めたスティーブ・ジョブズは、歩きながら会議を行ったことで有名です。
このやり方は、Facebook(現在メタ)のマーク・ザッカーバーグやTwitter創業者のジャック・ドーシーたちも取り入れています。
歩くことでアイデアを模索できるんですね
創造性の研究では、発散的思考と収束的思考の2つの思考の枠組みで分類されます。
〇発散的思考・・・ブレインストーミングのこと。多角的で相関性のある答えを多く想起する。
〇収束的思考・・・唯一の正解に素早くたどり着くための思考。与えられた情報の本質的な要素を見抜く。
発散的思考をするときは、与えられたキーワードと決められた時間内で、より多く答え、具体的、別個(重複しない)の答えを出す必要があります。
非現実的な回答などは含まれません。
創造性はIQとは無関係です。
創造性を測るテストでは、IQが高くても、言葉に詰まる人もよくいるそうです。
収束的思考は、たとえば3つのキーワードを与えられたときに答えを導き出すものです。
「清水寺」「伏見稲荷大社」「嵐山」の共通点は何かと問われたら、答えは「京都の観光地」です。
発散的思考よりも、速さと論理性を求められるため、脳の負担も大きくなります。
「突拍子もない、非現実的な発想に飛ばない」という点で創造において重要な思考となります。
創造性には発想だけでなく論理性も必要になるんですね
創造性は現実的な思考も大切だということです
創造性を測るテストのおかげで、近年では運動をすると創造性が増すことが科学的にも立証されてきています。
その中で目覚ましい結果を報告したのが、スタんフォード大学の研究チームの実験です。
176名の被験者が参加し、被験者たちは屋内や屋外で歩いたり、座ったりといった条件下でテストを受けます。
結果として、被験者が歩きながらテストを受けた場合、5人に4人の割合で好成績を挙げました。
特に、ブレインストーミングと新しいアイデアを出す能力において、歩きながらテストを受けた被験者の成績は、歩かなかった被験者の約60%も差が開きました。
一方、収束的思考の正しいか思考や共通点を探す能力は上がらなかった。
研究グループの1人、マリリー・オペッツォはこう述べています。
「ウォーキングをしたからといって現代のミケランジェロになれるとはかぎらない。だが、創造のプロセスにおける最初の段階をスタートさせてくれることは間違いない」
発散的思考とウォーキングは相性がいいのか
先ほどのスタンフォード大学の研究では、創造性が増すのに、歩いた場所は関係ないとわかりました。
実験では、キャンパスを歩いたものもいれば、屋内でトレッドミル(ルームランナー)の上を歩いたものもいた。
それでも、両者の創造性は増しています。
さらに、車いすでキャンパス内の遊歩道を動き回った被験者もいました。
しかし、車いすのグループよりも、歩いたグループの方が創造性は増していたため、創造力を高めるのは環境ではないこともわかりました。
精神状態については、多くの人は運動後には気分が爽快になるかと思います。
運動で気分がリフレッシュすると創造性が高まる、と言う人も言います。
しかし、運動後に気分が改善しなかった被験者でも、創造性のテストでは成績が良かった。
新しいアイデアをひらめく力は、環境や精神状態は関係なく、身体を動かすことが大切ということです。
アイデアを出したければとにかく身体を動かすんですね
創造性を増すための最適な活動は、断定はできないががウォーキングよりもランニングか、それと同じような活動により効果があると言われています。
身体にある程度の負担がかかる活動のほうが、創造性において効果が高い。
活動時間は、少なくとも30分は取り組む必要があります。
創造性は、主に運動のあとに高まります。
創造性が高まる効果はあくまでも1時間~数時間と言った短時間です。
インスピレーションを得るには、日常的に歩くか走るかをする必要があります。
ですが、疲れてしまうほどの活動は創造性を高められないのでおすすめできません。
スタンフォード大学の実験でも、運動を頑張りすぎた被験者は、創造性のテストで芳しくない成績だったようです。
疲れるほど運動をすると、血液が脳から筋肉へと流れを変えるため、脳の血流量は減ります。
脳への血流量が低下すると、脳自体の効率も落ちると言われています。
疲労状態で思考力が低下するのは、このためです。
歩くのが最適な運動という人は、それでもいいと言う事か
モーツァルトは、楽器にまったく手を触れずに作曲したと言いますが、実際には違うやり方だったようです。
モーツァルトは、仕事とじっくり向き合い、既存の作曲法や音楽理論を取り入れて曲作りを行ったことを伝えています。
納得がいくまで調整や修正を繰り返し、完成させるまでに途方もない時間をかけたと言います。
ニュートンが万有引力の法則を思いついた話では、リンゴが落ちてひらめいたものですが、これもモーツァルトと同じです。
ニュートンは、このアイデアをひらめく前から、何十年もの間、数学や物理学に取り組んでいました。
法則を証明できたのは、リンゴが落ちてから20年も経ってからだったとのこと。
モーツァルトもニュートンも、瞬間的な閃きでなく、長い時間をかけて勤勉な努力を重ねた結果であることは、あらゆる記録に残っています。
もちろん、誰もが努力すれば名作を生み出せるわけではありませんが、創造力を高められることは変わりません。
ここに身体を動かしながら努力を重ねれば、なおのこと可能性は上がるでしょう。
努力の下地の上に閃きが活かされるんですね
すぐれたアイデアを思いつくためには、ブレインストーミングのときにアイデアをたくさん思い付き、自由な発想ができ、次から次へとアイデアがあふれ出るタイプが向いています。
発散的思考における創造性のテストを行った研究では、アイデアをたくさん思いついた人ほど、すぐれたアイデアもたくさん思いつく傾向にありました。
役に立たないアイデアを含め、できるだけ多く想起すれば、その中の1つはすばらしい発想が埋まっています。
最小限のアイデアだけでは、すぐれたアイデアは出にくいものです。
創造のプロセスにおいては、粘り強く、根気よく創造に取り組むことが欠かせません。
運動は、発散的思考や収束的思考に役立つばかりでなく、地道に努力するための気力を養うことにも役立ちます。
発想力は、とにかく量が大切ですね
創造性に運動を加えれば、いい閃きが出やすいですね
創造力を発揮する時に脳内で起きていることを探る研究は進んでおり、その謎も解明されつつあります。
創造性の研究に携わる研究者たちは、前頭葉だけでなく、脳の深部の「視床」に注目しています。
脳では、膨大な数の情報が絶え間なく選別されています。
目で見ているもの、腕や脚の位置、今いる環境の気温、呼吸する時の肺の感覚・・・
意識的に行うか行わないかに関わらず、瞬間ごとに情報を受け取っています。
視床は、情報の波にのまれないように、意識のフィルターとして働いています。
脳の中心部にあり、受け取った情報は視床で集約され、どれをシグナルとして意識に送るかを選別する。
もちろん、視床が正常に機能しないと、情報が溢れかえってしまい正しい判断ができなくなります。
疲れた頭では、正しい判断はできないのは当たり前だな
現代科学で、脳内で情報があふれかえってしまう現象は「統合失調症」の症状だと考えられています。
現実から離れ、妄想にとらわれ、視覚や聴覚による幻覚に襲われてしまう。
脳が情報を大量に受け取り過ぎたため、現実の世界が認識できなくなってしまい、無意識のうちに別の世界を作り出してしまう。
統合失調症の方は、奇妙な思考パターンが見られ、普通なら到底思いつかないような奇想天外な思考が見られるようです。
視床があらゆる情報を情報を素通りさせたからと言って、必ずしも弱点や精神疾患にはつながりません。
思いもよらないアイデアがひらめく、既成概念にとらわれず物事を考える、といったプラスの面もあります。
情報のシグナルが大量に意識に送られると、独特の発想を得たり、普通の人とは違った視点で物事が見えたりするようになります。
妄想はイメージ力を豊かにさせるってことか
視床のフィルターが正常に働くためには、適量のドーパミンが必要です。
しかし、適量意外だと、脳内は情報過多となり、これがプラスにもマイナスにも働きます。
視床のドーパミンの量が適正でないと創造性が高まる可能性も、精神を病む可能性もあるということ。
発散的思考の創造性テストにおいて、バツグンの成績を挙げた被験者は、視床のドーパミンの受容体が少なく、ドーパミンの値が適正でなかった。
被験者たちの視床のフィルターは通常よりも多くの情報を通過させ、結果的に思考の創造性が増していた。
一方、テストで成績のよかった統合失調症の患者も、これと同じ作用が働いていた。
統合失調症の場合も視床のドーパミンが少ないと言われているが、この場合は精神病を招いている。
ドーパミンが適量でないと「創造の天才」と「精神疾患」を分岐することになります。
今の科学では原因はまだ解明されていませんが、一案として、脳のほかの機能が正常であれば、たとえ情報量が多すぎても病気にならずに「創造性」の恩恵だけを受け取れるのではないかと言われています。
脳が強ければ、ドーパミンの量に問題があっても、独創的で創造性に富んだ自由な発想ができる。
脳が適切に機能しなければ、情報の波に溺れて精神を病んでしまう可能性がある。
正しく意図して創造性を挙げるためには、脳内のあらゆる部位にアプローチできる運動が最適と考えられます。
運動で脳の機能を上げれば発想力が生まれるチャンスが広がるんだな
歴史上でも、創造的な才能と精神疾患が隣り合わせとなっていた人物もいます。
画家のフィンセント・ファン・ゴッホや、哲学者フリードリヒ・ニーチェは有名です。
両者とも、創造性に富む反面、人生のある時期には精神を患っていました。
ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの数学者ジョン・ナッシュも、人並み外れた創造性に富みながらも、深刻な精神の問題をかかえていました。
彼の半生を描いたアカデミー賞に輝いた映画「ビューティフル・マインド」では、ナッシュは世界的な数学者だったが、統合失調症を発症した。
幻聴や妄想にとらわれ、自分が尾行や脅迫を受けているなど、思い込んでいました。
ナッシュは、この病気はプラスとマイナスの両方の面を持つことを自覚していました。
彼はみずからの創造力について「もし正常に物事を考えることができたら、こんなにもすばらしい科学的な発想は一つとして思いつけなかったでしょう」と語っています。
こういった人たちはみな、視床のフィルターが膨大な情報量をとおし、そのために人並み外れた独特の思考がうながされた。
そして脳が過剰な情報量に対処できた人は、その状態を活かすことができた。
扱いきれなかった人は、精神病を患ってしまう。
天才と言うリターンを得られるか、精神病というリスクを受けるか、だな
生まれたアイデアを視床のフィルターに通して、それを活かす働きを担うのは前頭葉だと言われています。
この前頭葉は運動によって強化できます。
あふれ出るアイデアの下地をつくるには、運動やトレーニングでできるというわけです。
運動やトレーニングをすると、アイデアを活かす力が高まるだけでなく、アイデアそのものがあふれ出るようになると考えられています。
このメカニズムは解明されていませんが、ドーパミンが作用するためだとも言われています。
運動をすることで、ドーパミンのシステムが調整され、私たちの気分や視床をとおる情報量も適宜制御されます。
結果として、創造性が増していく。
持って生まれた創造の才能は人それぞれで、変えることはできません。
しかし、創造性を高める要素は一つではなく、効果を発揮するのは運動です。
才能は生かすも殺すも自分次第なので、迷ったらとりあえず走りだしてみましょう。
継続的な努力は、いつになるかわわからないが報われるからな
閃きを活かすには運動をすることです。
創造力を高めたり、活かしたりするには運動と相性がバツグンです
運動脳のまとめです。
- 運動により創造性を高めることができる
- 多くの著名人は、身体を動かすことでアイデアを出している
- 発散的思考で多くのアイデアを出すには、身体を動かすことが大切
- ブレインストーミング系はとにかく場所を問わず歩くこと
- 歩くことで高まった創造性は、1~数時間程度、効果は持続する
- 閃きは、継続的な努力により発生する
- アイデアは質より量を重視すること
- 脳内にある視床では、大量の情報からキー情報のみ選別する
- 脳が強ければ、大量の情報から独創的な発想を得られる
- 脳が弱ければ、大量の情報にさらされ精神疾患となる
- 運動で多角的に脳の各部署へアプローチして、脳を鍛えられる
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