自分が思っていたものと違う。こういうことはよくあるかと思います。しかしこれも、質問をすることで回避することができます。というのも、自分の中でイメージしているものと、相手がイメージしているものは食い違いが起こることがよくあるからです。
それが商品だったら、クレームにまで発展する可能性があります。
アンジャッシュのすれ違いコントみたいなことが、現実ではよく起こるという事です。それを防ぐには、質問して確認することが大切です。
今回は、相手が怒っているの対処法と、それを質問で防ぐことを紹介していきます。
この記事はこんな人におすすめ
- 自分が求めていることと、相手の答えがなんか違うことに悩んでいる
- 怒り狂っている人を、どうにかして落ち着かせたい
怒っている人をなだめるのは、大変ですよ。
今回はあくまでも、論理的に話しが通じる場合に限ります。
↓文章を読み上げてくれます(.WAV)
他人を説得するための鉄則は、とにかく「押し付けないこと」に限ります。
基本的に人間は、自分が考えたことに縛られがちです。
自分の考えが正しく、他人が間違っていると考えたいものです。したがって、他人から意見を押し付けられることを嫌います。
他人に指摘されたことには従わないくせに、たとえ同じ内容でも自分が気づいたことは「あぁ、そうか。なるほどね」と言ってすぐに考えを切り替えてしまいます。
誰もが持つこうした特徴を、交渉事において上手く使うこともできます。
それが「質問」によって誘導できます。
たとえば、商品に対して、お客様からクレームがあったとしましょう。お客様はかなりのご立腹です。
「いったいどうなってんだ!ふざけんな!てめえのところの気かは!全然使えねえよ!返品して金返せ!」
という感じに怒り爆発で、いくら謝っても聞く耳を持ってくれそうにありません。商品のなにもかもがとにかく気に入らない様子です。
こうしたときは、十分に誠意を表したうえで、満足な部分と不満な部分を分離します。
今は商品全てに不満を感じているお客様も、商品を購入した時点では、その商品に何か魅力を感じた部分があります。そこで、次のような質問をします。
「大変申し訳ございません。ところで、一番のご不満な点はどこでございますか?」これが、クレームでの一番重要なところを聞き出せます。
それと同時に、お客様のほうも、いちばん不満な点を出したところで、不満な部分と満足している部分を意識の中で切り分けることができます。
すると、「返品だ」と言っていたお客様の怒りも鎮まっていき、クレーム部分に対処すればよくなります。そこでもし「説明書通りに動かしても、電源が入らない」等と、問題点を割り出せれば、これに対処すればよいだけです。
このように、相手自身に気づかせるような質問によって、こじれていた問題がほぐれていきます。
もちろん、この方法で全てのクレームを解決できるわけではありません。
また、悪質なクレーマーもいます。ですがそういったクレーマーは、こちらからどんどん質問していけば、本当のクレームと見分けがつくようになります。悪質クレームは、言う事が支離滅裂だったり、論理的に筋が通っていなかったり、同じことを繰り返して言うだけです。
怒り狂っている人は、とりあえず落ち着いてもらうようにするというのがポイントですよね
すんなりいかないのもクレームの特徴です。エネルギーを使うので大変ですよね。
特に、話しを脱線させないようにするのも苦労しますね。
話しをするとき、いつもいつも論理的に考えて、理路整然と展開できるわけではありません。話しが脱線したり、感覚的に話したり、聞いているほも、話しているほうも混乱してしまう場面もあります。
感情的な相手と話していると、お互いに混乱してしまう場面が多いものです。
ビジネスや日常生活の中で、このような場面に合うこともままあります。
そんなとき、相手を落ち着かせるには、「共感している」というサインを送ることも必要です。
共感を示すというのは、同意を示すということではありません。いったん相手をそのままに受け入れるということです。
たとえば、「それはごもっともです。私があなたの立場なら、やはり同じように感じます。」というように、相手を否定せず、まず相手の考えを受け入れます。
ところどころで相手の話しを整理して「こういうことですね?」と確認していくと、怒りで狂っている相手の頭も徐々に整理され、冷静さが戻ってきます。
そこで初めて、相手はあなたのいう事を聞いてみようという心の余裕が生まれます。
ここでようやく、あなたが話しかけるターンとなります。
よ、ようやく相手のターンが終わった・・・
よし、次は俺のターン!
ドロー!「オキモチワワカリマス」!
やってはいけないことは、火に油を注ぐ行為です。
相手のターンが更に伸びます。
こちらが勧める商品やサービスに興味を持っているのに、なかなか買う決断をしないお客様がいたとします。そんな答えを決めかねている相手に対しては「ご購入のご決断を頂けない理由は何でございましょう」と質問する手もあります。
もし、「アフターサービスが・・・」という回答が出た場合は、まず、指摘された点でなく、他の点の可能性を次のような質問でつぶしていきます。
「左様でございますか、他にございますか?」「でわ、アフターサービスの点さえクリアできれば、ご購入いただけますでしょうか。」と言質を取っていきます。課題になっている点だけ、最大限努力すればすみます。
ですが、もう少し悩んでいたら、自問してみましょう。「アフターサービスとは、具体的に何を気にしているのか」という風にです。購入した後の、保守や修理のことを指しているのか。それとも、自分が考えているアフターサービスと、お客様が求めているアフターサービスとでは、違う可能性も十分にあります。
顧客が要求を示してきたときには、その言葉を自分側の都合で勝手に解釈してしまってはいけません。
せっかく最後の詰めの段階にきて、またすれ違いが生じてしまうからです。
顧客が何かヒントを示してきたときには、その真意を探るべく、とことん質問して確認することが重要です。
「今のアフターサービスでは、どこがご不満でしょうか?」といった具合にです。
その答えが、たとえば「今使っている商品は、故障したら1時間以内に駆けつけて対応してくれるんだよ。でもあなたのところはそれはできないんですよね。それだと、私も都合が悪くて・・・」といったとします。
そうすると、本当の課題は「何時間以内に来られるか」ではなく、「故障している時間をいかに短縮するか」がポイントとなります。
それがわかれば、「ですがお客様、弊社の商品は購入後3年以内に故障する確率が0.88%という数字があります。その理由は・・・」とか「故障してからは、技術者が直接伺いますので、修理に時間がかかりません」と、言うようにすればいいだけです。(もちろん、本当にそういう体制ができていないといけませんが)
質問を繰り返すことで、本当のニーズを聞き出すことができます。
自分も話している相手も、同じ人間ですが育った環境は全然違います。考え方も異なっていて当然です。
自分の思い込みにとらわれずに、相手が真に求めているものを質問で引き出していく必要があります。
私もよくモノを買うけど、買った後に思ってたのと違うというのがよくあるのよね~
消費者側も、店員から説明を受けたことをそのまま鵜呑みしないようにしましょう。
自分がイメージしたものと、相手がイメージしているものは違いますからね。
相手が怒り狂っている人を落ち着かせるには、とにかく共感することが大切です。相手のいう事を一旦受け入れるという事です。そうすれば、相手は自分の理解者だと思い、徐々に落ち着きを取り戻してくれます。
また、相手の要望を受け入れる場合は、その言葉を額面どおりに受け取るのは少々短絡的かもしれません。相手が思っていることと、自分が思っていることは違っていることが多いです。それを防ぐには、質問を繰り返して確認する必要があります。
質問というのは、ようはすり合わせです。自分の考えと相手の考えを共感することで、やっと同じ土俵にたつことができます。
ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。
随時更新していきます。
参考文献
前月のブログ状況報告↓
2021年10月近況報告
こちらにも参加しています↓