この記事はこんな人におすすめ
- 自分が成功するには他人にかまけている時間はないと思っている
- キャリア形成をするには同僚や知人に配慮が必要な理由を知りたい
- 急がば回れと言うが、回り道する意味がよくわからない
結論は、他人への配慮も必要だけど自分自身のコントロールも重要
他人から自分に与えるバイアスはどれくらいあるでしょうか。
立ち止まって考えてみると気が付くのは、自分自身のバイアスが思いのほか多いこと。
あなた自身が成長するには、他人をコントロールするよりも自分をコントロールすることが簡単です。
一方で、他者への賛辞や配慮をすることで、得られる恩恵も多いくこれを活かすことで、キャリア形成は上手く進みます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
同僚と毎日一緒に仕事をしている人には、より近しいと思える同僚とそうでない同僚がいるでしょう。
大学生の場合だと、部活やゼミ(クラス)の中にできたいくつかの小グループが、それぞれの仲間同士で食事したり行動している様子を見かけます。
人は、「内集団」を形成する傾向がある。
決まったメンバー同士でイベントに出たり、集まったり、雑談を交わしたりすることが多い。
内集団は、表面的には問題ありません。
しかし、緊密な内集団が、なりたい自分になるための機会を奪ってしまっている可能性もあります。
無数のバイアスによって、内集団のメンバーは自分達のことだけを考えがちになります。
「何かの機会が生じたら仲間内で共有する」というのも、その一つ。
単純接触効果(familiarity effect) によって、グループ内のメンバーは優遇され、ハロー効果(halo effect)も現れます。
何かを評価するときに、目立つ特徴に引きずられ、ほかの特徴への評価が実際以上に高くなったり、逆に低くなったりすること。
自分の友達や仲間は、近い関係という理由だけで、スキル、力量、才能などを肯定的に評価する。
「俺たちは強い」となんとなく思ってしまうんですね
「内集団バイアス(intergroup bias)」が働いた場合も、同じ集団に属しているメンバー同士はより好意的に互いに評価します。
大きな問題に直面すると、仲間同士でより強くつながり、集団外の人たちに冷たく振る舞いかねない・・・
内集団には、排他的な考えをもつ有害な内集団と、平等な関係性に基づく内集団がありますが、2つは全く異なります。
私たちは生きている以上、互いにつながり合う必要はあります。
近くにいる個人同士が一緒の時間を過ごし、公共的な利益にかなう関係性を築くときに平等な内集団は生まれる。
平等な内集団に加わるメリットは2つ。
①他人や他人の考え方の中に身を置くことは、あなた自身の成長につながる。
②良質な社会的ネットワークの構築は、あなたの人生の幸福度を高めてくれる。
ですが、集団に関わることだけが全てではありません。
薄い関係性でもキャリア形成をこなしている例もありますので、あなた自身の特性にあった関わり方をみつけましょう。
人に優しくすれば、あなたは進歩できる。
さぁ、どんどん優しくしよう。
良い環境というのは、平等性も大事ということですね
どんな仕事でも必ず「人とのつながり」は発生します
相手を褒めることを研究することは大切です。
「褒めて伸ばす」ことが重要視されているように、賛辞や賞賛は良好な関係性を作る役割や、なにより自己肯定感があがります。
それが例え、お世辞であったとしても、素直に受け止められれば効果は大きいでしょう。
ある個人について語られた描写が誰にでも当てはまる一般的な内容であるにもかかわらず、言われた当人だけには自分だけに当てはまると感じること。
平たく言うと無意味なお世辞。
バーナム効果は自尊心への働きかけることができます。
人はみんな、自身を持ちたいと思い、自尊心があるから満たしてくれる相手により長く時間を割こうとします。
誰かに頼みごとをするときは、相手の自尊心をくすぐり、自発的に頼みを聞きたいと思ってもらうようにすると喜びます。
大きなポイントは、偽りのない賛辞は効果が長続きする。
正直な誉め言葉は嬉しいですからね
あるアイデア(企画でも)に対して「承認」が欲しい場合は、そのアイデアをことあるごとに話題にしてみます。
理由は、人は自分が繰り返し見聞きしたものを支持する傾向が高い、接触効果(exposure effect)があるため。
あなたがアイデアを他人に伝える時には、ある種の方法論があることを示しています。
良い副次的影響としては、伝えた相手のフィードバックをもらえれば、そこから自分のアイデアに磨きをかけるチャンスも得られます。
CMでみる商品を買いやすいのはこのためですね
コミットメントバイアスも活用できます。
例えば、ある会議で承認を求めたい人が出席していたとすると、言い出しやすい雰囲気になったら全員の前で求めます。
コミットメントバイアスが働くと、公の場で承認した人は、その意見を取り下げづらくなります。
承認してもらう可能性を上げるためには、ときにはこちらの不利益になるような内容も受け入れる、「互恵性の心理(reciprocity bias)」も大切です。
原則として、自分が接してもらいたいような方法で相手に接することから始める。
すると、周りにアイデアを支持しようという仲間が増えるので、必要になったらお返しする。
社内派閥とも無関係なので、人によってはこちらが働きかけやすいとも言えます。
自分のアイデアを受け入れてもらうもバイアスは使えるんですね
相手に喜ばれるお願いの仕方は大切です
仕事でもプライベートでも、相手から「ノー(NG)」と言われることもあるでしょう。
むしろ、「ノー」と言われず、却下もされず、失敗もしていないのなら、それはまだ本気で挑戦していない可能性があります。
「ノー」と言われ、答えが不当なものであったり、行動バイアスや盲点を抱えているときの対応は次のとおり。
①アイデアがもたらす価値にもう一度要請するため、あなたの提案を退けた人たちと直接話す
②相手から受けたフィードバックを踏まえてアイデアを改定したうえでもう一度頼み、それでもダメなら他の人にあたる。
前に進むためには、たった一人(あるいはグループ)に固執する必要はない。
目の前の扉を開いては閉じられる悪循環を繰り返すような状況は避けましょう。
キャリア形成のショートカットをしようとして、停滞してしまっては意味がありません。
否定はスタートラインと前向きに考えるんですね
失敗は前提条件です
私たちは、他の人たちをバイアスから遠ざけることにも意識を向けるべきです。
本人の実力、スキル、才能とは関係ない特徴を褒める時、そうしたバイアスが生じています。
自分たちのキャリア形成をするには、他人のバイアスを避ける努力をする一方で、別の場所で友達や同僚が公平な機会を得られているかについても気にかけたほうがいいです。
今、世界中の企業や公共団体、大学などで、アイデンティティーに基づくアフィニティ・グループ※が作られています。
※直接、行動を共にする3~20人程度の小規模グループ
このグループが適切に運営されれば、高度の「心理的安全性(psychological safety)」が保証され、お互いが経験、心配事を共有する場にもなります。
自分が声を上げても罰や屈辱を受けないとわかっている、安心できる環境のこと。
言いたいことを言っても、非難されない場所やグループ。
親友と一緒にいるときも心理的安全性が働きます
もし、公開イベントに参加する場合、同一アイデンティティー以外の人たちも参加できることが重要です。
誰しも自分の所属集団だけに閉じこもれば、そこに勝者と敗者が生まれ、実力やスキルとは無関係な特徴に恩恵が与えられる不平等が残ってしまいます。
私たちの多くが、自分と異なる集団の抱える悩みを学ぶことから、真の変化は生まれます。
同じ行動をとる人の数が増えて
「ティッピング・ポイント」に達したときに変化は訪れる
多数の小さな変化が積み重なって、それよりもはるかに大きな変動を引き起こす転換点。
折に触れて互いの話しに耳を傾けあい、相手の立場になって考える事が大切。
あなたがキャリア形成のプロセスを進む中で、他人の支援と指導、チャンスを求めて「イエス」を期待するのと同じく、お返しとしてあなたに支援を求める人たちにも「イエス」を送ります。
いわゆる「GIVE」の精神で相手にも与えるってことですね
コメントしてくれたら、コメントを返してあげるということ。
仕事やプライベートで、他人からのバイアスと戦う日々を考えると、憂うつな気分になるかもしれません。
他人以外にも、自分へのバイアスにも配慮が必要・・・
そこで思考訓練。
他人と自分、どちらに多くバイアスがかかっているかも一度立ち止まって考えてみましょう。
他人と自分のバイアスは2:8だったり、ほとんどが自分へのバイアスが中心だと気づいてきます。
つまり、キャリア形成のプロセスの大半は、自分でコントロールできるということ。
なりたい自分になるには、他人のバイアスを考慮することも大切ですが、時間をかけすぎも問題です。
自分と向き合い、自分をコントロールするほうが、効率的にキャリア形成をしていくことができます。
あくまでも中心は自分でいることを忘れずに
他人のバイアスのせいにしてはNGです
他人との付き合い方も大切ですが、人生の主役はあくまでも自分。
自分をコントロールするために、バイアスというものを学びます。
なりたい自分になるショートカット思考のまとめです。
- 平等性があるグループと関われば成長や新しい発見につながる
- 自尊心をくすぐることで協力者を集める
- 「ノー」と断られてからが本番であり、本気である証拠
- 他人のための行動は結局は自分に恩恵が帰ってくる
- 多くのバイアスは自分が原因であるために、立ち止まって考えることも重要
他にも知りたいかたはこちら、
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本シリーズのタグ
思考
【確証バイアス】
以前から持っていた考えを裏付ける情報を好んで選択しようとする
【フューチャーセルフ】
視覚化された未来の自分。
人はよく未来の自分に感情移入し、長期的に恩恵が得られるような投資を行う。
【システム1(速い思考)・システム2(遅い思考)】
素早く直感的に、無意識に行うのがシステム1
慎重に決断したり、熟慮するのがシステム2
【ベン・フランクリン効果】
他人に恩恵を施した人は、次回も同じ相手に恩恵を施す可能性が高い。
他人から恩恵を施されるよりも、その効果がでかい。
【フレーミング効果】
ある情報や選択肢を、プラス面とマイナス面の両方に焦点を合わせて伝えるかによって、伝わるイメージの違いが生じる
【即時コストと即時恩恵の配分調整】
日々活動するためにかける時間はいま発生するコストだが、恩恵は遠い将来にしか得られない。
活動をやり通すためにアメとムチを用意して、長期コスト・ベネフィットも今感じられるように調整。
【自身を育む】
自信をつけることは簡単だと認識。
いざ困難な作業に取り組むときは、自分の能力に対する不安は一時的な感情なため、キャリア形成の過程で消える
【時間の見積もりは1.5倍以上】
スケジュール表での作業は、考えている1.5倍に修正。
【キャリア形成ゴールに立ち返る】
定期的に時間をとり、振り返りを行う。
プロセスの大切さを自覚すれば、活動を続けようとする意識も高まる。
【意義はモチベーション】
理想的な自分がしている仕事を明確にして、折に触れて思い返せばモチベーションを維持できる
【成果を測定】
活動内容を定期的に事後評価して、活動を妨げる障壁を突き止める。
【運と努力の分類】
作業の進捗や結果は、自分がコントロールできるところかできないところを検証。
自分の決断が成果につながった局面や、自分のコントロールが及ばない要因が結果を出したのか明確に。
【感情でなく合理的に】
キャリア形成に重大な影響を及ぼす判断は必ず冷静な時に。
【オール・オア・ナッシングでない】
作業量はToDoでなく、大量・普通量・少量に分類し、その日のエネルギー量に見合ったレベルで妥協してこなす。
【毎週の計画に罰を組み込む】
小さなアメとムチで原動力にならなければ、出来なかった場合のコストを今負担する。
コミットメントデバイスで、お金や同等の価値を持つものを失う危険性を認識。
【人脈とインフルエンサーの選定に潜むバイアスの罠】
自分の人脈を広げるためには、自分の性質と異なるメンバーを集める意識が必要
【キャリアのゴールは本当に正しいか】
自分でやって楽しいと思える活動を、そのまま最終ゴールにしてもいいのか
【損失回避】
失敗は恐れすぎず、成功の可能性はあると言い聞かせる
【自分の価値を知る】
業界の水準を知り、自分が生み出している付加価値に見合う報酬をもらう
【必要なことはもっともとめる】
仕事の成果は自分で報告する。他人はそこまで自分にかまっている時間はない
【フィードバックを受ける】
批判的な内容にも耳を傾け、検証すること
【見栄を張りすぎない】
失敗する姿を他人に見られていても、他人はそれほど覚えていないので行動する
【新しいチャンスを受け入れる】
チャンスに対して行動したときよりも、行動しない後悔のほうが大きい
【説明責任を負って成長】
失敗したときは他人のせいにはしないが、成果が出なかった原因は正しく振り返る。
【息抜きは忘れない】
キャリア形成はマラソンのようなので、休憩しながら活動を続ける
【アンコンシャス・バイアス、代表性ヒューリスティック、統計的差別】
この3つを止めると、あなた自身が特定の役割が適任だとわかってもらう特徴を出せる。
【他人のアドバイスは全てが平等ではない】
自分へのフィードバックが間違っていると感じたら、複数人からも聞いてみる
【不正確なレッテルを回避】
コミュニケーションスキルで、利害関係者とは意思疎通を絶やさない
【情報カスケード】
別の案を発する時は、共有情報へ敬意を示すことで、相手に話しを聞いてもらえる。
考え方の裏付けるデータは特に強調。
【プレゼンは自信があれば最初、特徴的でなければ最後に】
ピーク・エンドの法則で、プレゼンは一番最後に、ストーリーを仕立てて伝える。
【内集団のメンバー】
他者との関係性を築くのは大切で、学びや暖かな支援作りで相互関係の恩恵を受ける
【小さな「イエス」の積み重ね】
相手にも心からの賛辞を送り自尊心を訴える。
日常的に自分の考えを発することで、賛同者は増えていく。
【ノー!と言われても諦めない】
改めて頼み込むか、フィードバックでアイデアを改善して変更する。
それでもダメなら他の人にあたる
【他人のための行動】
同僚(友人)が公平な機会を得られるようにも意識。
多くの人が少しずつ同じ行動を取ることでティッピング・ポイント(転換点)はやってくる。
【自分のバイアスが大半】
他人からの影響は少なく、自分自身が原因なのが大半であるため、リラックスしよう。
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