この記事はこんな人におすすめ
- 鼻呼吸と口呼吸の最大の違いを教えてほしい
- 病気や高血圧、高血糖などが改善されずに悩んでいる
- 部活動や試合で、更に結果を出したいがこれ以上記録が伸びない
口呼吸と鼻呼吸では、効果はまるで違います
口は食事をするためであり、呼吸をするためではない。呼吸は鼻でしろ。
よく聞く話ですが、具体的に鼻呼吸のメリットと口呼吸のデメリットの最大の差は、健康状態が変わるということです。
鼻呼吸は、病気への耐性、生活習慣病の予防、運動パフォーマンスの向上と、メリットが多い呼吸法です。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
呼吸量を正常にして、BOLT(体内酸素レベルテスト)スコアを伸ばすには、日中も睡眠中も鼻で呼吸ができるようになることです。
人間の鼻は呼吸のためにあり、口は食事のためにあります。
生まれたばかりの赤ん坊は、みんな鼻呼吸です。
人類は狩猟採集時代から、ずっと鼻呼吸をしてきました。
口呼吸をするのは、命の危険が迫ったときだけです。
体を激しく動かす事態に備え、口呼吸で息を大量に吸い込みます。
つまり、口呼吸は緊急事態のサインとなり、脳がストレスを感じ「戦うか、逃げるか」のモードに入ります。
しかし、現代時の場合は、ストレスを感じても、戦ったり逃げたりして体を激しく動かせません。
そのため、呼吸を正常に戻す機会がないのです。
口呼吸をすると胸が動きますが、鼻呼吸の場合はお腹が動きます。
自分がどちらの呼吸になっているか知りたい場合は、
①鏡の前に座る
②片方の手を胸に当てる
③もう片方の手をお腹に当たる
④口で普通に呼吸し、胸が動くのを確認
⑤鼻で呼吸し、同じ程度に呼吸して、お腹の動きを確認する
胸式呼吸は一般的にストレス反応だと考えられます。
鼻呼吸は一定のリズムの静かな腹式呼吸で、横隔膜をきちんと使った正常な呼吸です。
深呼吸というと、胸をふくらませて肩を上げるような呼吸を思い浮かべる人が多いですが、実際は違います。
ストレス対策としての深呼吸は正しいですが、本当の深い呼吸は腹式で、静かでゆったりした呼吸です。
それぞれの特徴をまとめると、次のようになります。
特徴 | 腹式呼吸 | 胸式呼吸 |
呼吸方法 | 鼻呼吸 | 口呼吸 |
呼吸量 | 適正 | 多くなる |
体への影響 | 緊急時には向かない | 集中力、体力減少 |
僕も気が付いたら口呼吸でしたね
子どもの時からの習慣で口呼吸をしている人は多いです
歯科医や矯正歯科医の話しによると、慢性的に口呼吸をしていると、顔の形が変わるそうです。
口呼吸は、あごが細い、歯並びが悪い、ほお骨が沈んでいる、鼻孔が小さいなどの特徴があります。
現代の子どもの多くが歯の矯正をしていますが、太古の昔は矯正しなくても、キレイな歯並びだったそうです。
スコットランド沖のヘブリディーズ諸島に暮らすゲール人を訪ねた時、あることに気が付いたそうです。
両親が昔ながらの魚介類を中心にした食事をやめ、現代的な食生活に変えた家庭の子どもは、たいてい慢性的な口呼吸だったそうです。
現代的な食生活には、精製した小麦粉で作られた料理、まーまーれーど、缶詰野菜、砂糖菓子などが含まれます。
加工食品は体内で酸を形成し、現代的な食生活と呼吸過多のつながりを証明したといえます
私たち人類は狩猟採集時代から、95%がアルカリ形成食品、5%が酸形食品の生活を送ってきました。
しかし、現代ではこれがほぼ逆転している生活を送っている人が多いです。
酸形とアルカリ形かは、その食品を燃やした時に残った灰が、酸性かアルカリ性かで分けられています
【酸形食品】
加工食品、乳製品、肉類、魚類、パン、砂糖、コーヒーなど
【アルカリ形食品】
果物、野菜、水など
酸形の食品は呼吸を促します。
呼吸したいと欲求が高まったとき、口を開けて空気を吸うのが自然な反応です。
しかし、この状態が長く続くと、空気を大量に取り込む呼吸に脳がなれるので、慢性的な呼吸過多になります。
酸形、アルカリ形、含まれている栄養素が違うため、どちらの食品に優劣はありません。
バランスよく摂取することが重要ですが、加工食品や即席食品の多量摂取は控えましょう。
食生活でも、呼吸は関わってくるんですね
酸形食品は消化に体力を使うのが多いため、呼吸をしたくなりますね。
19世紀アメリカの画家、ジョージ・カトリンは、全米を回って先住民の絵をかきながら、あることに気づいたそうです。
先住民の母親は、赤ちゃんの呼吸にとても気を使っています。
赤ちゃんが口で呼吸をしようとするたびに、母親は優しく赤ちゃんの口をつまんで口をとじ、鼻呼吸をさせるようにしたそうです。
またカトリンは、先住民の子どもは入植した白人の子どもよりも、かなり病気が少ないことにも気が付きました。
彼は1882年に「口を閉じて長生きする( Shut Your Mouth and Sabe Your Life)」という本を出し、次のように言っています。
「荒野に暮らす貧しい先住民の女性は、授乳が終わると、眠りにつこうとする赤ん坊の唇をつまんで口を閉じる。そのようすを見た私は思った。
『これはすばらしい育児だ!このような母親は、皇帝の乳母に雇うべきである』」
一方で、ヨーロッパからの入植者の赤ちゃんがみんな口を開けて寝ていることも指摘しました。
換気が悪く暑い部屋で寝ているので、息苦しいのです。
鼻から入った空気は、鼻甲介と呼ばれる髪を巻いたような形をした海綿状の骨を通過します。
この骨の役割は、入ってきた空気を規則正しい一定のパターンに整えることです。
鼻の内部は袋小路のようで、弁と鼻甲介が空気の向きと速さを調整し、細い動脈と静脈が張り巡らされたネットワークに、最大限空気が触れるようにします。
同時に、鼻の粘膜にも最大限の空気が触れて、肺に送られる前に空気を温め、過失と殺菌が行われるようになっています。
このため、運動時でハイパフォーマンスを出すには、安静時から鼻呼吸をする必要があるのです。
鼻呼吸の役割は体への負担を減らすんですね
口だとダイレクトで空気が送り込まれるので、続けていると・・
1世紀以上も前に書かれたヨガの本「呼吸の化学(The Science of Breath)」のなかで、著者、ヨギ・ラマチャラカは、鼻呼吸と口呼吸についてこういっています。
『ヨガの呼吸法で最初に学ぶことの1つは、広く行われている口呼吸をやめて、鼻呼吸の方法を学ぶことだ』
また、同書の最後には
『文明人がよくかかる病気の多くは、間違いなくこの口呼吸が習慣が原因』
と言っていますが、当時は鼻呼吸でなく、口呼吸がさらに広まったそうです。
それでは、鼻呼吸と口呼吸を対比してみましょう。
鼻呼吸 | 口呼吸 |
---|---|
呼吸への抵抗が50%上昇=呼吸量の減り、 体内に取り込める酸素量が20%増える | 猫背になり、気管が弱くなる(特に子ども) |
吸い込む空気を温め、湿度も上げる ※外で摂氏6度の空気は、のどの奥に達するまでに30度に 上昇し、肺に到達するころには体温と同じ37度になる | 脱水症状になりやすい |
吸い込んだ空気から大量の細菌やバクテリアの除去 | 口の中が乾き、歯や歯茎の病気になりやすい |
運動時は、有酸素運動と同じ効果 | 構内のバクテリアの種類が変わり、口臭の原因になる |
一酸化窒素の貯蔵庫 ※健康維持に欠かせない気体 | いびきや睡眠障害の原因になる |
こうしてみると、口呼吸のデメリットは大きいですね
特に誰かとよく会う人は気をつけたいですね
1980年代までは、一酸化窒素は毒ガスであり、光化学スモッグなどの公害原因と考えられていたそうです。
この、一酸化窒素がとても重要性があると指摘されたときには、当時の科学者には信じがたい話しでした。
一酸化窒素の研究はすでに10万以上おこなわれているそうで、意思や科学者の関心を集めています。
1992年には、科学誌「サイエンス」で、その年の「分子オブ・ザ・イヤー」に選ばれました。(そんなのあるというツッコミは心の中で・・)
神経科学、生理学、免疫学を統合する働きがあり、細胞同士のコミュニケーションや、細胞の防御能力に関して、科学の常識を覆したそうです。
1998年には、心血管システムで重要な情報伝達の機能を担っていることが発見されました。
この本の著者も、主な器官や臓器の全てに効果を与え、ガンなどの病気を予防し、長寿を促進してくれる利点に気が付いたそうです。
一酸化窒素が作られる場所は、鼻腔と、全身に張り巡らされた、全長10万キロにも及ぶ血管の内壁です。
一酸化窒素は、鼻呼吸によって、鼻→気管→肺へと送られます。
しかし、口呼吸だと、鼻の奥にある一酸化窒素を素通りするため、メリットを活かすことが出来ません。
・肺の中の軌道や血管を拡張する働き
・血圧の調節(高血圧の予防)
・コレステロール値を下げる
・動脈の老化を防ぐ
・動脈瘤の予防
・心臓発作の予防
・脳卒中の予防
・抗ウイルス、抗菌(病気のリスク減)
・気管の平滑筋の拡張(アスリートは重視したい)
気管が広がると、運動時の酸素の運搬能力が上がるため、運動パフォーマンスが向上します。
鼻呼吸最高じゃないですか!
さぁ、これを読んでまだ口呼吸をしますか?
口で呼吸をすると、鼻の血管が炎症を起こして腫れあがります。
さらに、粘液の分泌も増えるために、鼻が詰まったような不快な症状が出ます。
鼻がつまると鼻呼吸が難しくなり、結果として口呼吸がますます習慣化します。
さらに、口呼吸が続くと、鼻詰まりも慢性化します。
一般的には薬で対処療法しますが、症状が治まるのは薬が効いている間だけです。
BOLTが10秒未満の人や、高血圧、糖尿病、妊娠中、重度障害の方はやめておきましょう。
①鼻から静かに小さく息を吸い、鼻から小さく静かに吐く
②指で鼻をつまみ、息を止める
③息を止めたまま歩けるところまで歩く(強い負荷は必要だが、限界までやりすぎないこと)
④呼吸を再開する時も、必ず鼻で呼吸し、静かな呼吸に戻す
⑤再開時は、大きな呼吸になるが、2~3回目の呼吸で静かな呼吸に戻す
⑥1~2分待ち、①~⑤を再度行う(6回ほど繰り返す)
※最初は辛いので、軽めの負荷から始めるといい(10歩歩くなど)
今日から鼻呼吸に切り替えてみようって、できるかな
徐々に負荷をかけるのがコツです。続けることに意味がありますからね
デトックス効果がでやすいのは、食欲の減衰です。
空腹を感じたときだけ、食べるようにしましょう。
また、白湯を飲むことでも、心を落ち着かせることができます。
私は子どものころ、運動時には口呼吸をしていたので、あの時はかなり苦しかったですね。
運動時にも鼻で呼吸を意識していたら、今とは違う人生になっていたかもと思う時はあります。
それくらい、鼻で呼吸する効果は大きいので、皆様もお子様がいらっしゃれば、鼻呼吸を推奨しましょう♪
呼吸法についてのまとめです。
- 鼻呼吸は、太古の昔から伝わる呼吸法
- 加工食品や肉類は、呼吸過多の状態になりやすい
- 鼻での呼吸は科学的にもメリットのある呼吸
- 鼻呼吸は、病気や生活習慣病など、健康状態の維持にも役立つ
- 鼻詰まりが起こるのは、鼻呼吸ができていないから
ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。
随時更新していきます。
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