この記事はこんな人におすすめ
- 二度寝が習慣化しているけどどうやって改善したらいいかわからない
- 朝食のメリットが多いときくけど、食べないデメリットを知りたい
- 入眠のタイミングがよくわからずに悩んでいる
起きたかったら光を浴びよう
人間は入眠するのは苦労しますが、起きるときは比較的簡単です。
一番手っ取り早いのは、朝に太陽光を浴びることで体は「朝だ」と認識してくれるので、体内時計の調整もできます。
逆に、午後に起きて太陽を浴びると体と実時間がずれて、生活リズムが崩れていきます。
朝起きたら、窓際でも曇りでも効果はあるので、陽の光を浴びるようにしましょう。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
「睡眠時間は90分の倍率がいい」という都市伝説が広がっていますが、これはもちろんウソです。
人間が入眠して最初に出てくるノンレム睡眠はおよそ90分ですが、個人差があるのでこれはあくまでもおよそです。
また、同じ人でも疲れている日と普通の日では異なりますし、体調でも変わります。
研究では「70~120分の差がある」とデータもあるほどです。
うつ病などでは、ノンレム睡眠が短くレム睡眠が早く出ますが、うつ病が回復すれば元に戻ります。
「眠りはじめの90分」も目安でしかありません。
仮に、最初の深いノンレム睡眠がぴったり90分だったとしても、浅い眠りと深い眠りが交互に訪れる周期は、睡眠中に4~5回繰り返されます。
明け方にはレム睡眠が増えるので、90分サイクルで区切られているはずがないのです。
仮に、1サイクル10分のずれがあれば、起床時には40~50分のずれが生じます。
つまり、どのくらいずれるかは予想不可能です。
ですので、睡眠時間を90分単位にするとこだわる必要は全くないのです。
眠たくなったら眠ればいいんです
浅いノンレム睡眠やレム睡眠時に起きるのが理想的ですが、それを狙って寝るのは困難です。
すんなりと起きられたときには、レム睡眠だったと考えるくらいでいいでしょう。
そんなときは、目覚めがよくリフレッシュしていると思います。
レム睡眠には、夢を見ている時には覚醒しにくくなるという特性があります。
また、罰則を設けた場合、ノンレム睡眠に比べて起きやすいと言った特性もあり、レム睡眠=浅い眠りとは一概に言えません。
うまく利用すれば、自分だけの理想的な目覚まし時計が作れるかもしれませんので、これは挑戦してみてもいいかもしれません。
逆に、目覚ましが何度なっても起きられない、起きてもぼんやりしている場合は、深いノンレム睡眠の時に起きている、睡眠負債がたまっているのでしょう。
目覚めの感覚派、睡眠の量や質を評価する役割もあるので、意識してみましょう。
今度から寝起きの感覚に全集中ですね
寝起きにマインドフルネスでもしてみましょう
入眠も覚醒も「体温と脳」が重要です。
入眠時の流れは次のとおりになります。
- 表面血流を増やし皮膚温を上げる
- 熱放散増強で深部体温が下げる
- 「入眠スイッチ」が入れる
- 入眠モードになる
覚醒はこれの逆の手順をすればいいのです。
覚醒する神経伝達物質は多いので、起きるのは簡単?
朝、すっきりしたいから冷水を飲む。
一見よさそうですが、実は冷たい飲み物が眠気を誘い、暖かい飲み物が覚醒スイッチをオンにする、という実験結果があります。
起床時の水分補給として水を飲むのはいいのですが、キンキンに冷やした水は少量にしておきましょう。
体の芯を温めて覚醒するために、朝の飲み物温かい飲み物にしましょう。
特に、味噌汁であれば体温上昇と、発酵食品特有の整腸効果も期待できるのでおすすめです。
お味噌汁は朝食でも手軽に作れますね
シャワーを浴びたり入浴したりすれば確実に体温を上げることはできます。
しかし、体温が上がった後は下がります。
ホメオスタシスの効果で、現状維持に戻ろうとするので、こういうことが起こります。
ぬるめのお湯であれば、副交感神経を刺激して交感神経を抑制する効果もあります。
なので、入眠時には役立ちますが、覚醒時には逆効果ということになります。
朝にシャワーを浴びる場合は、ぬるめのシャワーを短時間という程度にしましょう。
もしくは、冷水で手や顔を洗うこともおすすめです。
入眠は皮膚温と深部体温差を小さくして、覚醒は皮膚温を下げ体温差を大きくします。
早朝の起床前の時間帯から深部体温が上がってくるので、手や顔を冷やすことで皮膚温を上げ、体温差を大きくすることができます。
朝起きたらササっと顔を洗うといいですね
運動も確実に体温を上昇させますが、これも入眠同様の性質があります。
つまり、激しい運動をして体温を上げすぎると、一時的には目覚めますが90分~120分ほどで、ホメオスタシスにより元に戻る働きがでます。
すると、体温が下がり、眠くなってしまいます。
朝ランニングをする習慣を持つ人は多いですが、「良い目覚め」の観点からは全力は厳禁です。
汗をかかない程度がいいのですが、その習慣で問題ない人は無理に辞める必要はありません。
ウォーキング、ヨガ、ストレッチ、このようなゆるやかな有酸素運動に留めておくのがほどよい運動になります。
ストレッチであれば寝起きすぎにもできますね
もちろん、健康のために運動はすばらしいですよ
温かいものを摂取すると深部体温が上がります。
朝起きたら、飲み物だけでなく、できれば朝食も摂りましょう。
代謝も上がるので、一石二鳥です。
朝の太陽光は、体内時計に朝ということを知らせてリセットさせますが、朝食も同様です。
ずれやすい体内時計を、太陽光と朝食でしっかりと体のリズムを整えれば、夜のいい入眠につながります。
睡眠と覚醒は、表裏一体の関係です。
睡眠の問題を抱えている人は、同時に朝の生活習慣の不調から始まっていることが多いです。
- 体温が上がる
- 代謝が上がる
- 体内時計が整う
- カラダのリズムが生まれ、自律神経も整う
- 1日の初めにエネルギーが補給される
朝食はいいことが多いので、是非取りましょう!
朝起きられれば、朝食のメリットを享受できますね
睡眠の質を落とす最大の原因は睡眠時無呼吸症候群です。
それをさけるために肥満は厳禁ですが、朝食はダイエット効果もあります。
私たちの体は「食べ物を取ることは生命を維持するうえで重要な仕事」ととらえています。
今日1日エネルギーを消費しようとする朝の時点でお腹が空っぽだと、体は「飢餓になるかも」と省エネモードになります。
結果として、代謝を落として脂肪をため込もうとします。
筋肉はカロリーを消費しますが、朝食をとらないと筋肉をエネルギー源にしようとして筋肉量がダウンして、基礎代謝が低くなります。
これは、狩猟採集時代の人間にとってはありがたいしくみですが、現代人にはありがた迷惑な機能です。
人間の体は数万年経ってもアップデートされていません
人参、大根、ワカメ、豆腐など、朝食の味噌汁は咀嚼が増えるものや、低脂質や食物繊維を摂りましょう。
特に、噛むというのは筋肉を使う運動です。
間で味わう咀嚼は、感覚神経の上行枝(じょうこうし)への刺激になり覚醒を引き起こします。
味噌汁やスープなどの汁物で体温を上げて、大きめの具をしっかり噛むことで、朝食のメリットを最大化できます。
味噌汁などに含まれる必須アミノ酸の摂取は大事です。
たとえば、必須アミノ酸のトリプトファンが気分の調節に関わるセロトニンに、そしてセロトニンが睡眠ホルモンのメラトニンに合成されます。
これら必須アミノ酸の摂取のためにサプリを飲む必要はなく、バランスの良い食事をとれるのであれば心配いりません。
セロトニンは体の中に蓄えられますが、メラトニンは貯蔵できないので、夜に光を浴びる悪影響はすぐに表れます。
朝に摂取したトリプトファンなどは、その日のうちにメラトニンに合成されるわけではありません。
セロトニン生合成は光で促進しますが、セロトニンは体内に蓄えられるので、短時間の光量不足ではさほど問題ありません。
朝食はやっぱみそ汁が一番ですね
発酵食品であることもポイントです
脳をリラックスモードにするスイッチは1~2個程度ですが、覚醒のスイッチはたくさんあります。
これを使って、モーニングルーティーンを取り入れることもできます。
運動でなくても、1日の予定をチェックする、スマホでメッセージを確認する。
緊張を伴う作業をするとドーパミンなどが出て覚醒のスイッチがオンになります。
集中して読書をすると、ノルアドレナリンやヒスタミンの分泌が期待できます。
仕事に必要な、完全な覚醒には、複数の覚醒システムを同時にオンにする必要があります。
体は起きていても、集中や注意ができなければいい仕事はできません。
意欲や気分も大事ですが、これも同じ覚醒系の神経伝達物質が関係しています。
こういった物質の分泌にも当然、日内リズムが関係しており、生活リズムを安定させメリハリをつけることが重要です。
集中力を上げるには生活リズムで生み出すんですね
運動すると気分がよくなるのも、覚醒スイッチが入ってるからですね
朝の光を浴びると目が覚めるのはよく知られていますが、そのメカニズムは分からない人は多いです。
メラトニンは脳の松果体に分泌されるホルモンで、体温を下げて入眠しやすくする作用があります。
朝、起きて光を浴びると分泌が止まり、14~16時間すると再び分泌されるので、体内時計を調整する役割もあると考えられています。
地球の自転は1日24時間ですが、人間の体内時計は1日24.2時間だと言われています。
この12分のずれを毎日リセットして、私たちは生活しているのです。
メラトニンは加齢で産生量が減少します
目の網膜に障害があって光を感知できない人は、体内時計がリセットできないため、地球の自転とは関係なく自分のリズムで生活する傾向があるようです。
地球の自転の1日24時間とのずれが蓄積され「1日目は12分遅れ、2日目は24分遅れ・・・」となっていき、やがて昼夜逆転します。
しばらくするともとに戻りますが「光を浴びなければ人は24時間より少し長い固有のリズムで生活するようになり、時間は後ろにずれていく」ということです。
日没でメラトニンを投与すると24時間の生活リズムができるようです
時間が後ろにずれていく理由はまだあります。
地球上のほとんどの動物は、光によって地球の時計とそれぞれの体内時計を合わせていると考えられています。
マウスを使った実験では面白い結果がでたようです。
体内時計が24時間より短いマウスは、光が全くない条件では24時間より短いリズムで生活しているので、生活リズムは前へずれていきます。
ですが、同じマウスを用いた時差の実験などでは、24時間より長い後ろ方向にずらしたほうが、現地の生活リズムとの同調が早かったようです。
光の照射タイミングにより、体内時計の周期を短くしたり長くしたりする効果があることがわかっており、これらも複雑に日内リズムに影響します。
人間の場合だと、船などでゆっくりと移動する場合は時差ボケはありませんが、飛行機などで急な移動をすると時差ボケが問題になります。
日本からイタリアに行った場合、現地についても、出発地での体温変化などの体内リズムが残っています。
現地などの就寝などの生活リズムと出発地の影響を受けた体内リズムに、脱同調というずれが生じます。
ちなみに時差ボケは「jetlag」と呼ばれ、いわゆる現代病の1つです。
アメリカ(例えば西海岸)と日本では、日本の方が17時間進んでいます。
時差を直す再同調をするには、24時間を基準に時差が少ないほうにずれていきます。
なので、同調幅は最大で12時間です。
日本からアメリカに行くとき、+17時間差があり、同調はー7時間になり、10日から2週間程度時差で苦しい状況がつづきます。
毎日1時間ずつ早く起きるような感じになるので、これが時差ボケがきついと言われる理由です。
人間は、後ろにずらすほうが同調が早く楽で順応しやすいです。
日本から海外旅行に行く場合、ハワイやアメリカはキツイのですが、イギリスやドイツに行く方が比較的らくだということです。(帰ってくるときは逆になりますが・・)
グアムや韓国、台湾は時差の影響は少ないです
光の中でも一番強いシグナルになるのは太陽光です。
曇りの日であっても、窓際であっても、朝起きて太陽の光を浴びれば、体内時計をリセットできます。
太陽光は白色光で、覚醒やリズム形成に重要な、波長の短いブルーライトなど全ての波長の光を含みます。
室内でも窓際であれば太陽光の明るさは数千ルクスはあり、数分程度の短い間でも効果はあります。
ですが、屋外で浴びれば体も動かせて、一石二鳥です。
1~2日程度なら朝日を浴びなくても問題ありませんが、遮光カーテンで暗くした部屋でずっと暮らしていると体のリズムは崩れます。
光を浴びるタイミングも重要で、初めて浴びる光が午後だと、体は「朝」と認識するので、体内時計が後ろにずれます。
これが夜勤などがあるシフトワーカーを悩ませる元凶になっています。
こうしたことから、リズムが後ろ倒しにならないために、朝に光を浴びるのが推奨されています。
光の使い方で生活リズムができあがるのですね
光と上手に付き合いましょう
現代ビジネスパーソンは、眠りのトラブルを抱えている人は多いです。
中高齢になると、「途中で目が覚めてしまう」という悩みがでてきます。
二度寝は一般的には良くないと言われています。
睡眠は分割してとるよりも、まとめてとる方が効果的だからです。
朝、起きる時間にまだ眠たくて、その時間に起きられない、起きたくない、起きてもすっきりしないなどが二度寝の原因でしょう。
こういった状態に陥る原因は
- 睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害があり、持続できる深い睡眠がない
- 睡眠負債などの慢性な睡眠不足で、朝でも深い眠りがでる
- リモートワークなどでリズムが後ろ倒しになっていて、朝がきても活動モードにならない
なので、二度寝は不足している睡眠量を補う役割があり、メリットは多少ありますが、根本的には解決できません。
しかし、そうは言ってもまとまった睡眠時間を確保できない人もいます。
そういった場合は、二度寝ではありませんが、分割睡眠を使ってこまめに眠るという方法も必要です。
睡眠負債を抱えるくらいなら、少しでも負担を減らそうという考え方です。
一般的な人であれば、まとまった時間で寝るのが一番ですね
分割睡眠は最終手段だととらえておきましょう
いい目覚めができたということは、いい睡眠ができたと言っていいでしょう。
人間は、入眠するのは苦労しますが、覚醒するのは比較的簡単です。
特に、太陽光を使えば体は簡単に覚醒するので、それに朝食を摂るなどをするといい覚醒習慣ができます。
睡眠についてのまとめです。
- 90分サイクルで起きる必要はなく、目覚めのよさで見極める
- 軽い運動、暖かい飲み物、冷水で顔を洗うと目が冴える
- 朝食は具沢山の味噌汁で、咀嚼と発酵食品で目覚めと腸活ができる
- 脳の覚醒スイッチをオンにするモーニングルーティーンをつくる
- 体内時計を調整するには朝の光が効果的!
- どうしても睡眠時間が確保できなれば分割睡眠する
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