この記事はこんな人におすすめ
- ヨーグルトやみそ汁など、発酵食品を摂ってもお腹の調子が良くならず悩んでいる
- 偏食が多いけど、その結果どうなるか知りたい
- FODMAP食ってなんなのか知りたい
腸内環境が全て!
発酵食品やオリゴ糖など、腸にいい食べ物を積極的に摂ることがおすすめされていますが、摂取してもお腹の調子が良くならない場合があります。その場合はもしかしたら「SIBO」が原因かもしれないので、整腸作用のある食べ物を摂ると、逆にお腹の調子が悪くなります。
お腹の調子が悪い場合は、低FODMAP食を摂って、糖質の過度な摂取を控えて症状を改善する方法もあります。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
最近では様々な病気や体調不良の温床となる腸の衰えがクローズアップされています。
その中でも、腸管粘膜のバリア機能が低下して有害な細菌や毒素が体内に透過・侵入しやすくなる「リーキーガット症候群」です。
また、リーキーガット症候群とともに、多くの病気や体調不良を招く腸の衰えがあり、それが「小腸内細菌増殖症(SIBO)」です。
SIBOとは、小腸内で腸内細菌が異常に増える病気で、子どもから高齢者まで幅広い年齢層におこります。
通常、腸内細菌は大腸に約9割以上が生息しており、小腸にいるのは約1割ほどです。
腸液1ml当たり、空腸の部分には約10の3乗個(1000個)、回腸には約10の7乗個(1000万個)、大腸には約10の12乗個(1兆個)の腸内細菌がいると考えられています。
ですが、SIBOの人は、空腸の腸内細菌の数が腸液1mlあたり約10の5乗個(10万個)に増えています(約100倍)
SIBOが起こる主な原因は、消化管の手術(胆のう摘出など)にゆおり、小腸と大腸をつなぐバウヒン弁(回盲弁)が緩むことが考えられます。
バウヒン弁が緩むと、大腸にいる腸内細菌が小腸に侵入して増殖します。
また、偏食、小腸憩室症(腸管粘膜に袋状の空間ができる病気)、消化酵素の不足(慢性すい炎であることが多い)、腸管運動の低下(糖尿病性神経障害であることが多い)などもSIBOの原因になります。
SIBOの症状は、腸内にガスが大量発生することによる腹部膨張感、腹痛、便秘、狭心症、心筋梗塞、ビタミン欠乏症など、ほかの病気を併発することもわかっています。
SIBOになると、下痢が長引いたりするので、心配なかたは消化器内科を受診しましょう。
偏食な人は気を付けたほうがいいということですね
沢山の種類の食材を摂取することが大切ですね
SIBOは、海外の研究によると、健康な人でも31.25%はSIBOに該当すると報告されています。
直接的な症状は、お腹の張りや便秘、下痢なので、あまり気にしていない方も多いですが、様々な病気を併発しやすいです。
特に併発しやすいのが「過敏性腸症候群(IBS)」です。
IBSには、腸に炎症や潰瘍はないのに、腹部膨張感、腹痛、便秘、下痢などが表れる病気で、自覚症状はSIBOに似ています。
IBSと診断された人を調べると、約8割がSIBOであったという研究報告もあります。
さらに、SIBOになると腸内でのビタミン群の吸収力が低下するため、ビタミン欠乏症が起こります。
また、肥満でSIBOの人は血液中のLDL(悪玉コレステロール)が増え、狭心症や心筋梗塞が起こりやすくなります。
当然ながら、SIBOになるといいことはないですね
大きな病気の引き金になるのが怖いですね
一般的に、便秘や下痢、腹部膨張感に悩んでいる人は、発酵食品やオリゴ糖がおすすめされます。
整腸作用のある食品を摂ると、腸内で善玉菌が増え、腸内フローラを改善するのに役立つからです。
ですが、発酵食品やオリゴ糖などの整腸食を摂っても、逆にお腹の調子が悪くなってしまう人は、SIBOの疑いがあります。
SIBOは小腸内で細菌が激増します。
本来なら小腸では食べ物の消化・吸収がメインですが、腸内細菌が異常に増えると、消化物の残りカスが過剰に発酵して、ガスや短鎖脂肪酸を大量に発生します。
腸内でガスが増えたら、お腹が張って苦しくなります。
また、短鎖脂肪酸は大腸のエネルギーとなるほか、免疫細胞の活性化、血糖値の安定、肥満予防など健康に有効ですが、小腸内で増えすぎると腹痛や便秘、下痢を招きます。
なので、SIBOの人が発酵食品などを積極的に摂ると、それが小腸で激増した腸内細菌のエサになるため、症状が悪化するわけです。
SIBOの人は、ヨーグルト、納豆、オリゴ糖などは控えておくのが無難です。
SIBOの症状を悪化させる栄養素は、食品の中に含まれる「糖質」です。
パンや米などの主食、甘いもの、乳飲料などに豊富に含まれています。
ですが、全ての糖質に気を付けるべきでなく、警戒すべきは「FODMAP食」に分類される食品ですので、気を付けましょう。
腸活していても効果が感じられない場合は病院を受診したほうがいいですね
SIBOの場合でなくても、糖質の摂りすぎは厳禁です
FODMAP食とは「Fermentable Oligosaccharides Disaccharides Monosaccharides And Polyols」(発酵性オリゴ糖二糖類単糖類とポリオール)の頭文字を合わせて命名された食品群です。
FODMAP食は発酵性糖質が多いか少ないかの目安なので、通常は発酵性糖質の多い食品を「高FODMAP食」、少ない食品を「低FODMAP食」に分けられます。
内科でSIBOの治療を行う場合、第1の選択肢となるのが高FODMAP食をさけ、低FODMAP食をとる食事療法です。
治療目的で低FODMAP食を実行するときは、発酵性糖質の多い高FODMAP食を3週間控えなければなりません。
ほかにも、薬類では非吸収性抗菌薬、消化酵素材などが処方されます。
こうした治療でも症状改善されますが、SIBOには再発しやすいという特徴があります。
症状が安定するまでは低FODMAP食をしばらく続ける必要があり、症状が安定したら高FODMAP食を少しずつ摂取してもいいでしょう。
低FODMAP食は、過敏性腸症候群の改善にも有効なので、一度試してみましょう。
〇オリゴ糖
本来は小腸を通過し、大腸の善玉菌のエサになる。豆類のガラクトオリゴ糖、小麦のフルクタンなどがある
〇二糖類
カルシウムや鉄の吸収を促す作用や抗肥満作用がある。牛乳や乳製品に含まれる乳頭も二糖類の一種。
〇単糖類
加水分解されない糖で甘みが強い。腸で分解されず、リーキーガット症候群の原因になる。
〇ポリオール
糖アルコールとも呼ばれ、人工甘味料として用いられ、腸内で悪玉菌によって過発酵を起こす原因になる。
栄養素的には、低FODMAP食がダメというわけではなさそうですね
あくまでも糖質という観点でみた場合の表ですね
SIBOや潰瘍性大腸炎、クローン病などの人は、低FODMAP食を実行したり、非吸収性抗菌薬、消化酵素製剤を服用して改善を図りますが、それでも十分に症状が改善しない場合もあります。
そのため、今注目されている治療法が「FMT治療(糞便微生物移植治療)」です。
FMT治療は、ドナーから採取した便を別の人の腸内に移植する治療法で、もともとは偽膜性大腸炎に対して欧米で行われるようになりました。
最近では、SIBO、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性偽性腸閉塞症、腸管ベーチェット病など多くの腸疾患の治療法として、一部の大学病院などで臨床研究がおこなわれています。
今後、この研究がすすめば、有用な腸内細菌のみを培養して体に取り込めるため、安定した治療効果が予想されます。
腸は第二の脳ともいわれるほど重要な器官ですので、研究成果を期待して待っていましょう。
健康な微生物を移植して健康寿命も延びそうですね
私は情報発信しかできないので、研究は専門家にお任せするのが一番ですね
便利な世界に変わっていますが、その分病気のほうも多様性になりつつあります。
私たちは現代病に悩む生活習慣をしていますが、旧石器時代のような生活をするわけにもいきません。
健康について、新しい知識と対策を身につけ、人生を楽しく過ごしていきましょう
腸活についてのまとめです。
- SIBO(小腸内細菌増殖症)が現代の食生活では増えている
- 健康な人でもSIBOになっている人は多い
- SIBOになると、ガス腹、お腹の膨張感、腹痛などに悩まされ、ビタミン吸収率も下がる
- SIBOは偏食が原因で発生する
- SIBOは発酵食品やオリゴ糖の摂取は逆効果
- 整腸食品を摂ってもお腹の調子が良くならない場合は、病院を受診してみる
- お腹の調子が悪い場合は、低FODMAP食での食事療法を試してみる
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