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呼吸を増やしても運動効果が上がらない理由は、大きく酸素を取り入れても体は活用しきれないから

呼吸を増やしても運動効果が上がらない理由は、大きく酸素を取り入れても体は活用しきれないから

この記事はこんな人におすすめ

  • 正しい呼吸をしてみたいが、何が正しいのかを知りたい
  • 部活や大会で思うように活躍できずに悩んでいる
  • 運動中にはどう呼吸を意識したらよいかわからず悩んでいる
masaる
masaる

睡眠と同じく、人間は呼吸を使って生きています

深呼吸と言えば、大きく息を吸って、大きく息を吐くことをさしますが、運動中にはお勧めしません。

呼吸を大きくしたからといって、運動パフォーマンスが上がるわけでもなく、逆に下がることが多いです。

しかし、深呼吸には自律神経を整えリラックス効果もあるため、使い分けをすることが肝心です。

このブログの信憑性

このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。

深呼吸は体によくない!?

この本の著者は、ダブリン・シティー・マラソンを翌日に控えた選手を対象に、こんな質問をしたそうです。

「安静時に大きく息をすると、血中の酸素は増えると思うか?」

参加者の選手たちほぼすべてが、この質問に同意したそうです。

フィットネスの世界では、間違った知識が広まり、似たような勘違いをしている人が多くいると実感したそうです。

実際には、安静時にたくさんの空気を肺に入れても、血中酸素は増えません。

むしろ、持久力を高めたいのであれば一番やってはいけないことです。

しかし、多くのアスリートは、トレーニング時にあえて大きく息をするようにしています。

激しく動いた後は、深呼吸が大切だと考えています。

フツオ
フツオ

深呼吸をしたらダメってことですかね?

masaる
masaる

運動との相性はよくないということですね

呼吸のメカニズムを改めて知ってみる

呼吸器の役割は、空気中から酸素を体内に取り入れ、体内で発生した二酸化炭素を排出することです。

人間の呼吸器システムには、たとえ激しい運動をしているときでも、適量の酸素を取り入れるための機能がそなわっています。

ですが、その機能が必ずしも正しく働いているとは限りません。

口や鼻で吸い込んだ空気は、まず気管を通り、気管支と呼ばれる場所で二手に分かれます。

一方の空気が右の肺へ、もう一方の空気は左の肺へ行きます。

肺の中に入ると、そこから細気管支とよばれるさらに小さな気管支によって細かく枝分かれします。

最終的に、肺胞と呼ばれる空気を入れる小さな袋に到達します。

敗の中にはおよそ3億個の肺胞があり、それぞれの肺胞は毛細血管でおおわれています。

余談ですが、肺胞と毛細血管が触れている面を全てつなげると、テニスコート一面と同じ広さになるそうです。

ちなみに、この複雑なシステムを理解するには、逆さまになった樹木を想像するとわかりやすいです。

イメージ図

・木の幹が気管

・太い枝が左右に分かれていることろが気管支

・太い枝から生えている細い枝が細気管支

・枝の先端についている葉が肺胞。肺胞から血管に酸素が送られる

樹木が光合成で酸素を作り、それを人間が呼吸で肺に取り込んでいるわけですので、人と植物の呼吸器は似ているところがあります。

酸素は筋肉を効率的に動かすためのエネルギーになりますが、血液は常に酸素が飽和状態なため、呼吸で増やそうとしても物理的に不可能です。

そこに更に酸素を追加するというのは、水で満杯になっているコップに、さらに水を付け足すようなものです。

サ・ラリー
サ・ラリー

呼吸をすればするほどいいという、単純な話しじゃないですよね

masaる
masaる

呼吸自体はシンプルですが、学校ではここまで深く教えてくれないですからね

酸素飽和度と血液を理解する

酸素飽和度とは、赤血球の中にあるヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの割合のことです。

安静時であれば、健康な人は平均して1分に4リットルから6リットルの空気を吸い込んでいます。

その結果、血液の酸素飽和度は95%から99%になります。

血中の酸素は常に細胞に送られているので、酸素飽和度を100%に保つことはできません

酸素飽和度が100%になるのは、酸素とヘモグロビンの結合が強すぎて、酸素を体内に送りこむ力が弱まっていると考えられる状態です。

血液の仕事は、酸素を保持することではなく、臓器や筋肉に運搬することです。

安静時には75%が呼気として排出され、運動時には25%排出されます。

人間の体内には必要以上の酸素が存在しています。

なので、酸素飽和度を100%に増やしても、あまり意味がないということです。

大きく呼吸をしてたくさん酸素を取り込むということをしなくても、酸素は十分足りているということです。

ただ、実際に深呼吸をすると、気分がよくなるのも事実です。

ストレス軽減、ヨガでも深呼吸が取り入れられています。

肺に大量の酸素を入れると、上半身がストレッチされ、ネコが伸びをするのと同じように気持ちいいです。

フツオ
フツオ

気分がよくなる=体にいいということにはならないんですね

masaる
masaる

もちろん、絶対ダメというわけではないです。

呼吸で大切なのは酸素でなく二酸化炭素

呼吸には、2つの側面があります。

1分あたりの呼吸の回数と、1回の呼吸で肺に取り込む空気の量です。

2つは別々の作用ですが、互いに影響を与えています。

1回の呼吸で吸ったり吐いたりする空気の量はリットルの単位で表し、大抵は1分間に呼吸する量で計測します。

一般的な健康な人は、1分間に10回から12回の呼吸を行い、1回の呼吸で約500ミリリットルの空気を取り込みます。

1分間になると、5リットルから6リットルとなり、2リットルのペットボトル3本分は空気を取り込んでいます。

呼吸のペースが速く、1分間に15回、20回と増えれば、1分間に取り込む量も大きくなります。

ですが大切なのは、呼吸過多の原因は、呼吸のペースだけではないということです。

ペースが遅くとも、1回の呼吸で取り込む空気の量が多ければ、それも呼吸過多となります。

呼吸回数が10回でも、1回につき1リットルの空気を吸っていれば、呼吸過多となります。

正しい呼吸で大切なのは、二酸化炭素です。

呼吸のペースと量を決めているのは、脳の中にあるサーモスタットのような機能で、脳も呼吸を調節しています。

サーモスタットと言うのは、車のエンジンを冷やす冷却水の温度調節をする部品です。

脳の中にある受容体が監視しているのは、血液中の「酸素と二酸化炭素の量」と「血液の酸性度(pH値)です。

血中の二酸化炭素濃度がある一定の値を超えると、脳の受容体はそれを感知して、「呼吸で余分な二酸化炭素を出せ」と命令します。

つまり、呼吸の一番の役割は、余分な二酸化炭素の排出ということになります。

体内で二酸化炭素が生成されるのは、食事によって摂取した脂肪と炭水化物が分解された結果です。

組織や細胞で生成された二酸化炭素は、血管を通って肺に送られ、余分な量が呼気として排出されます。

しかし大切なのは、排出されずに体内に残る二酸化炭素のほうで、正しい呼吸は二酸化炭素が適量残っていることがポイントです。

体を正しく鍛えたり、健康的な体を目指す場合は、このメカニズムは知っておくといいでしょう。

ガク・シュウ
ガク・シュウ

つまり、呼吸の量と回数、そして二酸化炭素を体に適量残すことが大切ってことですかね

masaる
masaる

呼吸過多を避けるには、その3点を意識するといいでしょう

二酸化炭素への耐性が下がると呼吸が増える

慢性的な呼吸過多やその原因は、口呼吸などで普段の呼吸で必要以上に空気を体内に取り込んでいるからです。

ですがそれが必ずしも、パニック障害で息ができなくなるといった重症につながるわけではありません。

吸い込む空気の量が多すぎると、吐く息の量も多くなるので、必然的に排出される二酸化炭素の量も多くなります。

そして、血中の二酸化炭素の濃度も下がります。

血中の二酸化炭素が減ると、体に酸素が行きわたらない状態になりますが、短い間であれば特に問題はありません。

しかし日常的に呼吸過多の状態にあると、肉体の構造が変化して、二酸化炭素に過敏に反応するようになります。

二酸化炭素への耐性が低くなると、脳の中になる受容体が「体内の二酸化炭素量が多い」と判断して呼吸を促し、呼吸量が増えます。

その結果、慢性的な呼吸過多につながり、不健康になっていきいます。

さらに、その状況によって間違った呼吸法を身につけ、さらに悪くなります。

呼吸量が多くなる

排出される二酸化炭素の量も増える

血中の二酸化炭素濃度が下がる

体に酸素が行きわたらない状態になる

↓  → 短期間であれば問題ないが・・・

慢性化する

二酸化炭素に過敏に反応(耐性が下がる)

呼吸量が増える

おあばさん
おあばさん

普段のジョギングが効率的にならない原因がここにあるのね

masaる
masaる

ジョギングで息切れするかたは、普段の生活で呼吸を意識しましょう

まとめ・個人的所感

masaる
masaる

深呼吸と言えば、ラジオ体操の最後で必ず行いますが、体操で高揚した気持ちをリラックスする効果があるためですえn。

しかし、ジョギング等の運動中に、呼吸を早めたり大きくしたりしても、体は楽になりません。

息は吸うよりも、吐く方も大切ですね。

呼吸法についてのまとめです。

  • 深呼吸をしても体内の酸素は増えない
  • 血中には常に酸素が飽和状態なため、息を吸ってもそれ以上取り込めない
  • 深呼吸にはリラックス効果があるが、運動効率的には相性が悪い
  • 呼吸は酸素よりも、二酸化炭素のほうが作用が大きい
  • 普段の生活から、大きく息を吸い過ぎない

復習編

masaる
masaる

ここからは、このシリーズのまとめページに飛びます。

随時更新していきます。

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(作成中)


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