この記事はこんな人におすすめ
- よく眠りたいけど、寝付けが悪くて悩んでいる
- 入眠前になにをすればリラックスできるかわからない
- よく聞く「睡眠にいい方法」が本当に正しいのか知りたい
ベッドは眠るためだけの場所にしましょう
寝る前にはいかにしてリラックスしておくかが、良い睡眠に入るポイントです。
現代では、目が冴えるようなことが起こりやすいく、そういった環境にも入りやすい時代です。
逆に言えば、興奮するような環境をさけることで、頭も心も落ち着き、不眠対策にもなります。
入眠前のリラックス方法は人それぞれですが、リラックスルーティーンを見つけられれば良い睡眠を得られます。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
なかなか眠れないという人はたくさんいます。
仕事、日中のいやなこと、そればかりを考えてしまう、理由はないけど眠れない。
不眠の悩みを持っている人たちに共通しているのが、過緊張・過覚醒の状態が持続しているということです。
日中であれば当然、誰でも緊張や覚醒をしています。
なので、「覚醒のスイッチ」がオンの時は、複雑な仕事をこなしたり、難しいことを学べたり、はたまた会話や機器の操作が行えます。
ですが、寝つきが悪い人は、覚醒のスイッチが簡単にオフにできません。
アーティストなどの場合などは、覚醒のスイッチをオンしたまま眠り、寝起き後すぐに創作作業に入る人もいますが、一般の人はこんなことはできません。
興奮していたら眠れないのと同じです
不眠症は完全に解明されていませんが、要因は大きく3つに分けられます。
- ①心疾患や精神疾患に伴うもの
- ②薬の影響によるもの
- ③生理的なものや心理的なものによるもの
不眠症は「症候群」(同時におこる一連の異常)であり、全てが同じ要因から生じているかがわかりません。
①と②の複合だったり、あるいは全ての要因が混ざり合っているかもしれません。
ただ、寝付けが悪い人は③に該当するひとが多いので、ここを改善する方法を試すのがいいでしょう。
生活習慣を見直せば改善も可能です
私たちの体には、覚醒するスイッチがたくさん備わっています。
ドーパミン、ノルアドレナリン、ヒスタミン、セロトニンの「モノアミン」と呼ばれる神経伝達物質が緊張状態を生み出してくれます。
ですが一方で、覚醒をオフにするスイッチは1~2個程度しかありません。
人類の進化の過程を考えれば、厳しい環境下で生活してるときに直ぐに覚醒スイッチがオンにできないと、命の危険が生まれます。
私たちの祖先は日中、クタクタになるまで日々食料調達をしていましたから、夜はこれらの覚醒神経細胞は活動をやめて自然と眠ります。
当然、電灯などもないため、寝付けが悪いということもなく、オフのスイッチは不要だったのでしょう。
人間の体は、旧石器時代からバージョンアップしていないということです
人間が入眠するときは、皮膚内部の血流が増え、体の表面温度(顔や手足の体感温度=皮膚温)が上がり、やがて皮膚から放熱することで深部体温(体の中の体温)が下がります。
覚醒時は、皮膚温と深部体温の差は約2℃ですが、入眠時は深部体温が下がり1.2℃の差に縮まります。
脳についても、覚醒状態からリラックス状態に切り替えて休ませる必要があります。
つまり、深部体温を下げ、脳をリラックス状態に持っていくことが入眠モードに入るコツです。
だから、入眠前の軽い運動や入浴がおすすめなんですね
個人差はありますが、入眠90分前を目安に入浴は済ませましょう
日本人はお風呂好きな人が多いですので、深部体温を下げてぐっすり眠るためのスイッチとして、入浴は活用したいです。
例えば38~40℃のお湯に15分ほど入浴すれば、皮膚温も深部体温も上昇します。
ただし、熱すぎるお風呂や長湯は禁物です。
逆に刺激が強すぎて交感神経(緊張状態)が優位になります。
ゆるやかな体温が上がると、体温上昇は体にとっては危険信号なので、体温を一定に保とうとする恒常性(ホメオスタシス)が働き、汗をかき、手足で放熱するなどして、皮膚温・深部体温は共に下がり始めます。
入浴して90~120分後、元に戻った深部体温がさらにさがり、皮膚温との差が1.7℃程度と小さくなります。
このタイミングで入眠すうると、覚醒のスイッチがオフになります。
熱いお湯に入るとキツイ運動をしているのと同じ感覚ですね
上記のとおり、深部体温が下がるのは時間がかかるため、入浴直後は眠気がありません。
なので、「そろそろ寝るか!」と入浴すると、入眠にとっては逆効果ということです。
この場合は、さっとシャワーを浴びて入眠するのがいいでしょう。
どうしても入浴したい場合は、38℃程度のぬるめのお湯にさっと入りましょう。
ちなみにこれは朝風呂にも同じことが言えるので、朝風呂派の人は気を付けましょう。仕事中に眠気がでます。
よく眠るコツは、時間帯によってお風呂とシャワーを使い分けることです。
僕は夜風呂派なので、入浴タイミングをうまく使います
「温度」という観点でみると、90~120分前が最適ですね
睡眠習慣は、出来る限り固定したほうが上手くいきます。
同じ時間に寝て、同じ時間に起きて、同じ場所で寝るという「睡眠のワンパターン環境」が望ましいです。
私たちの体は、1日24時間の地球の自転に合わせて動いて(日内リズム)います。
昼夜のメリハリ、体温の変動、就寝のタイミングもこの日内リズムに支配されています。
安定したリズムは安定した生活を生み出してくれます。
特に体温変化のリズムを安定させれば、寝付けがよくなり、深い睡眠も得られやすいです。
人間固有のリズムは24時間より少し長いので、油断するとすぐに後ろにずれます。
在宅ワークも増え、リズムが狂いやすい環境になっていますが、出来る限り整えましょう。
なので、うたた寝することはデメリットになり得ます。
いつの間にかリビングで少し寝て、起きてまた寝直すという行動はリズムを崩しやすいです。
睡眠圧が高く「眠りはじめの90分」という一番大切な時間を、最適な睡眠環境ですごせないのはかなりもったいないです。
睡眠の質を評価するため、「6時間まとめて眠った場合」と「2時間ずつ3回に分割して眠った場合」の比較研究が行われました。
「まとめた場合」と「分割の場合」では、「まとめて眠った場合」のほうがノンレム睡眠が多いため、深くぐっすり眠れることが分かりました。
深いノンレム睡眠は、入眠直後の90分に最もでて、その後はレム睡眠になります。
そして、その後は明け方まで4~5回ノンレムとレム睡眠を交互に繰り返しながら目覚めていきます。
ノンレム睡眠のトータル時間が多いほど「深くぐっすり眠れた」ことになります。
入眠時は、寝室やベッドの上では「寝る」以外の行動を封じたほうが、脳が「寝る場所」と認識するので入眠しやすくなります。
お昼に15分程度の仮眠はパフォーマンスアップにつながるんですよね
帰宅時や夕食後のうたた寝は気を付けましょう
眠りたいけど眠れない場合は、大きく分けて2つのパターンがありますので、それぞれ対策するといいでしょう。
眠気があるならさっさと眠ってしまいましょう。
うとうとしながら作業をしても効率が悪く、ミスもでます。
ダラダラと徹夜をするよりも、眠りはじめの90分を活用して疲れをさきにとりましょう。
具体的には、眠気を感じたら朝までに必要な作業時間から逆算して、できれば90~120分後に目覚ましアラームをセットしてすぐに眠ります。
深いノンレム睡眠時に脳と体をしっかり休め、その後の浅いノンレム睡眠で起きるのが理想です。
毎日できることではないですが、その日限りで終わる作業であればお勧めです。
慢性的に続くなら、環境を自分で変えないといけません
眠れない場合はいっそ眠れなかったら・・・睡眠の研究者であるウィリアム・C・デメント教授(スタンフォード大学教授)が行った実験があります。
1965年に「アメリカの男子高校生がギネスの不眠記録に挑戦する」と地元紙が報じたため、デメント教授は研究のため観察を申し出ました。
男子高校生はさまざまな眠らない工夫をし、結果的には11日間も眠りませんでした。
チャレンジが後半になるほど、ろれつが怪しい、言い間違い、些細なことにイライラする、幻聴や被害妄想も多少でていたようです。
また、眠気があるときは単純な足し算や引き算も間違えが増えてきました。
しかし、眠気がない時はほとんどコンディションに影響がなく、教授とのバスケットボールでは勝っており、実験終了の翌日は14時間40分眠ったあと、普通に起きていました。
人間は強い意志があれば起きられ、死ぬことはありませんが、個人差はあるのでみなさんはマネしないようにしてください。
不眠症の人の中には神経質な人も多く、自分の睡眠障害を過大評価し、寝なないと死ぬと悩み、それで余計に眠れなくなる人も多いです。
当然、睡眠は大切ですし、睡眠の質はパフォーマンスに繋がりますので軽視はできません。
ですが、過度な心配をする必要はありません。
眠れない時は横になるだけでも効果があると数年前までは言われていました。
しかし、睡眠は単に疲れを取るだけではないので、横になるだけでは睡眠の全ての機能は使えません。
私たちは、寝るために生きているのではなく、日中のパフォーマンスを上げるために寝ていることを認識しましょう。
自分の回復力を信用してあげるってことですね
睡眠を軽視せず気にしすぎず、バランス感覚も大切です
「音楽を聴きながら眠る」「アロマを焚きながら眠る」
入眠前にはこういったパターンを持っている人は多いと思います。
世間でも、〇〇の香りは入眠にいい、等と言われているくらいです。
ですが、これはあくまでも「個人的な見解」の部分が強く、何によってリラックスして眠れるかは個人差がかなり大きく表れます。
ですので、睡眠前に何をすればいい、悪いとは一概には言えないでしょう。
入眠前には脳をリラックス状態に持っていければいいのですが、なかなかできない人は「悪い習慣をやめる」ことをやっていきましょう。
抽象的に言うと、「悪い習慣=寝室で目が冴えること」です。
例えば、ベッドでスマホやテレビ、勉強をするなどすると、脳が「ここでは眠らなくていい」と判断して眠りにくくなり、悪い習慣につながります。
逆に「眠くなるまではベッドに入らない」と決め、「ベッドは眠る場所」と思い込めばいい習慣に変えられるということです。
脳に誤認させる、といえばいいでしょうか。
睡眠障害は心理的、外的、身体的な要因で起こります。
室温、布団や枕といった外的な睡眠環境を良くしていくと同時に、メンタル面もよくしていきましょう。
「528Hzの音楽を聴きながら眠る」を試し、それで上手く眠れれば習慣にして、ダメならやらない、と決めていくといいでしょう。
ちなみに、世の中には「漫才」を睡眠用に応用したものもあるので、これも合う人がいたら是非、習慣化してみるといいでしょう。
その他にも、「1/fゆらぎ」が含まれる自然の音を聞きながら眠るという方法もあります。
1/fゆらぎは、予測できない不規則なゆらぎであり、「規則的な音」と「不規則でランダムな音」が調和した状態です。
このゆらぎに身をまかせると、脳がリラックスできると言われています。
オーケストラでも、モーツァルトの楽曲のなかにも、1/fゆらぎが含まれ、その他にも、宇多田ヒカルさんや美空ひばりさんの歌も一部含まれているそうです。
当然ですが、「無音」を好む方もいるため、そんな人が音楽を聴きながら眠ることをすれば、逆効果になることは言うまでもありません。
私は基本的に無音で寝ています
参考までに私の入眠前のポジティブルーティーンはというと、
- 入浴後、入眠1時間前くらいに読書をする(電子書籍リーダーです)
- ベッドに入る前に水を飲む
- ベッドでマインドフルネスを行う
- そのまま横になって眠る
今はこんな感じになっています。
ものすごく疲れている場合や、帰宅が遅くなった場合は読書時間を多少削ったりもしていますが、2~4は固定です。
睡眠にはプラシーボ効果が不思議と相性がよく「自分はこれでよく眠れる」と思っていれば自然と眠れるようになります。
個人差が出やすい部分なだけ、自分でカスタマイズしやすいルーティーンとも言えます。
自分だけの睡眠前にリラックスできるルーティーンを作っておくといいですね。
共通点は興奮しないこと、ですかね
自分だけのリラックス方法はあなたしかわかりません
ある会社の調査で、スマホをベッドに置いている30代、40代は7~8割になるそうです。
これより若い世代は、スマホと共に育っているので、今後も増えていきそうですね。
現代ではスマホはビジネスとして、緊急通信のツールとして役に立ちますので、一概にベッドの上から切り捨てることは難しいですね。
「スマホのブルーライトは、睡眠に関係するホルモン、メラトニンの分泌を抑えるから眠れなくなる!」と言われてもう10年以上経つでしょうか。
現在では、ブルーライトカットフィルター以外にも、元々のスマホの機能に「おやすみモード」と言われる、ブルーライトを設定から出さない機能も付いています。
みなさんがお持ちのスマホにも、搭載されているかもしれませんので、簡単に回避することはできます。
また、スマホや枕元の明かりは入眠には影響しないことがわかっています。
スマホ自体の光量はすくないため、そこから出る光がメラトニンを強く抑制するほどではありません。
これと同じく、枕元の明かり程度でも、入眠に影響がでるほどとは言えないでしょう。
とはいえ、真っ暗闇でないと眠れないという人もいるので、この辺りは人それぞれ、というところが強いです。
ほんのり明るくないと眠れない人は、それでいいということです
スマホの光量自体は問題ないのですが、何をするかによって寝付けが悪くなります。
たとえば、LINEやメールを返信するとか、進撃の巨人の動画を観たりするなど、頭が冴えるようなことをすれば眠れません。
風景動画を観てリラックスしたり、528Hzの音楽を聴きながら眠るといったのなら問題はありません。
スマホとの付き合い方は、まだ学びを得てないのでなんとも言えませんが、少なくとも「眠りはじめの90分」やノンレム睡眠を妨害するようなことはやめておきましょう。
スマホは現代人にとってかかせませんからね
一方で、スマホ開発者は自分の子どもにスマホの利用制限はかけているようです
自律神経の重要性は最近よく知られるようになってきました。
自律神経は、呼吸・心拍・体温などをコントロールしているので大切なのは間違いなく、睡眠にも関わってきます。
自律神経は、朝~昼は交感神経を優位にして、夕~夜は副交感神経を優位にして整えていきます。
交感神経が優位になる「覚醒モード」の条件はたくさんあります。
大きな音、強い光や匂い、地震のゆれ、刺激の強い情報、激しい運動。
逆にこれらを避けることで、副交感神経が優位になる「リラックスモード」に入ることができます。
副交感神経を優位にする一番てっとり早い方法が「目の回りや首を温めて血管を拡張させる」ことです。
副交感神経の束である迷走神経は、頸部(けいぶ)の皮膚に近い部分を通っているため、首を温めることで、副交感神経に影響を与えられます。
目のまわりも、三叉神経などの脳神経を介して副交感優位になることがわかっています。
入眠前に、お風呂に入る時間がないかたは、蒸しタオルなどを使って、目や首を温めるのもいいでしょう。
最近では専用の家電もたくさんありますね
ホットアイマスクなんかもいいですね
よく眠れるようになるポイントは、とにかく入眠前にリラックスモードに入ることです。
当然、眠る前に目が冴えるようなことをすれば眠れませんので、いかにしてその行動を避けるかがポイントです。
私もいい睡眠を求めて、寝る前のゲームはやめました。
睡眠についてのまとめです。
- 不眠の原因は、心疾患や精神疾患、薬、生理的や心理的な要因などがさまざま絡み合う
- 人間は覚醒はしやすいけどリラックスモードにはなりにくい
- 体温と脳をコントロールすることで入眠しやすくさせる
- 寝る前に時間があればお風呂(38~40℃)、なければシャワーがおすすめ
- うたた寝はやめ、同じ時間に起きて寝て、同じ場所で眠る
- 自分にあった入眠にいいことを習慣化してリラックスさせる
- 寝る前のスマホ操作は脳を覚醒しやすい
- 首や目のまわりを温めて、リラックス効果を引きだす
関係ページのタグです。
気になる方はどうぞ!!
本シリーズのタグ
睡眠
こちらにも参加しています↓