この記事はこんな人におすすめ
- 子どもがアスリートを目指したいけど、何を気をつければいいかわからない
- 最近の試合で思うように結果が出せない
- 昔、競技選手だった親が毎日無茶なトレーニングをしてケガが心配
結論は、食事の知識武装は早めに
アスリートになりたい場合、どの競技の道に進むかは自分が好きに決められます。
同時に、食事への知識を身につけていかないと、アスリートとして成功するのは難しくなります。
子どものころから食事を学び、トレーニングの一環として取り入れることは競技結果にも影響がでます。
各世代ごとに食事の知識をつけることで、長い運動人生を送るポイントです!
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
成長には栄養素が欠かせない
小学校高学年~中学校世代は、身長が伸び、体重が増え、心肺機能も発達してからだが大きく成長する時期です。
エネルギーも栄養素もからだの中でどんどん消費されるので、どんな子でも食事をしっかりとることが大切です。
ましてや運動系の部活をしたりアスリートを目指すのであれば、からだの成長に加えてトレーニングで使うエネルギーが必要なのでなおさらです。
ジュニア期に必要な食事量は、実は大人と大差ありません。
1日の栄養所要量を見比べてみましょう
30歳~49歳のデスクワーク中心の男性・・・2,300㎉
特別な運動をしていない12~14歳男性・・・2,400㎉
ジュニア期でアスリートを目指す場合、むしろ大人より食べるのは当たり前のことです。
何を食べるかも重要ですね
からだに投資をする大切さを学びましょう
何を食べているかを知っておく
必要な栄養素をしっかりとることは難しいものです。
そこで活かしたいのが学校給食です。
多くの子どもにとって、1日の食事のうち1回を占める重要な食事です。
保護者や指導者であれば、子どもたちが給食でどんなものを食べていることを知っておきましょう。
給食の献立は、管理栄養士や栄養士によって考えられたものです。
子どもたちに必要なエネルギー量、栄養所要量、栄養素の組み合わせを計算したうえで作成されています。
「管理栄養士監修の食事」と思えば、これほどラッキーなことはありません。
給食のメニューを知ることで、朝や夜で何を食べればよいか、どんな料理を作ればよいか。
保護者や指導者にも、給食から学べることは多くあります。
ジュニア期に、朝食を食べない、おやつを中心にする、と言った食生活をするとアスリートにとって苦労します。
ジュニア期においては、周囲の大人たちが気を配りながら環境を整えることが大切です。
朝起きてすぐにたべられないなら、余裕をもって起きて、からだをゆっくり目覚めさせる習慣をつけましょう。
朝食までに少し時間をおけば食欲がわいてきます。
日中の激しいトレーニングでからだが疲れると、食欲が減衰することがあります。
就寝直前の食事は控えたほうがいいですが、その代わり朝はしっかり食べるなどの工夫は必要です。
競技でのパフォーマンスアップにつながる食事をみつけて鍛えていきましょう
献立がよく分からない場合は、給食を参考にするといいですね
給食と自宅で食べるゴハンが一緒だと偏食になります
ジュニアアスリートは捕食(間食)も大切
給食のエネルギーや栄養素の計算は1人分を間食した場合の数字ですから、残さず食べるのがポイントです。
アスリートの場合はほかの子どもより運動量が多いので、通常1人分よりもたくさんのエネルギーと栄養素が必要です。
そこで足りない量を補うために、朝食はしっかりと食べることがコツです。
さらに学校が終わって部活動等をする前には捕食(間食)をしてもいいでしょう。
捕食は運動に必要なものを選んで食べるのがポイントです。
例えば、すぐにエネルギーになる糖質を多く含むもの、ビタミンやミネラル類も必要です。
部活動の大会で結果を出す、アスリートを目指す場合、自分に足りない栄養素を本人が考えて食べることもトレーニングの一環です。
家庭での食べるもののヒントはやはり学校給食にあります。
大抵の場合、1カ月の献立や使用食材、食材に含まれる栄養素が載っています。
その日の給食が揚げ物が多かった場合、過程では煮物や蒸し料理などのあっさり系にする。
お肉料理が中心であれば、魚料理や豆腐などの大豆料理を中心にする。
献立表を見ることで食材や調理法のダブりを防ぎ、1日のなかでバランスのよい栄養素を摂れます。
ジュニア期から食事への意識を高く持つことで、その後のアスリート人生(または運動人生)が変わります。
自分がどんなスポーツ選手になりたいか、どんな分野で活躍したいか、子どもの主張を理解することが大切です。
ジュニア期は特にカルシウムが欠かせません。
〇10代で摂ったカルシウムの量で将来の骨格が決まる
〇骨塩量は大人になってから増やすのは難しい
〇思春期に偏食になりやすい
大人になって強い身体をつくるには、ジュニア期の食事が大切です。
食事から学ぶことは多いですからね
給食がなくなって栄養バランスが乱れやすい
高校生になると本格的に競技に取り組むようになります。
そして、本人が取り組んでいるスポーツについて、アスリートの道を往くのか、趣味の道に留めるのかを見極める時期でもあります。
小中学生に比べるとからだが大人に近い状態になり、競技力のレベルも上がります。
しかし、アスリートとしての技術が未熟にもかかわらず専門的なトレーニングも増えるため、故障の原因になることも多いです。
また、給食もなくなることで、必要なエネルギーや栄養素が摂り切れなくなることもあります。
女子であれば体型を気にする子も増え、食事制限などを始めたりする子もいます。
まずは、自分のトレーニングとそれに必要な食事量を把握しましょう。
そして、栄養の専門書を読んだり、学校に家庭科の先生がいれば相談するのもポイントです。
また、男女問わずストレス発散方法として食べることをしがちな世代でもあります。
お金も自分で稼げ、外食もできるため、カップ麺やお菓子をたくさん食べるなど偏食になりがちです。
その結果、食生活が乱れていきます。
スポーツをしている、していないにかかわらず高校生にありがちな問題です。
ですが、アスリートの場合はさらに練習を長時間することによる食事時間のずれや、トレーニング量に見合った栄養素を食事からとれず疲労が蓄積するなど、スポーツ選手ならではの問題点も追加されます。
管理栄養士監修の食事がなくなるんですね
食べてはいけないものを学ぶことが大事です
小中学校で学んだ習慣が発揮される
高校生の時期は、無理な減量やダイエットをするために食事回数や量を減らすと、故障、慢性疲労、筋肉がつかないなどといった体組織への影響もでます。
高校から自宅までは今までよりも遠方になることが多いです。
この場合、部活後から帰宅までの通学時間を考えると捕食もポイントになります。
普段の食事は我慢するけど、お菓子などの間食はちょくちょくつまんでしまいます。
お菓子に含まれる糖類はすぐに吸収されますが、エネルギーとして使いきれなかった分は脂肪になりやすいです。
糖質以外の栄養素も含まれておらず、食事の代わりにとっても栄養バランスが壊れるだけです。
保護者が管理できない分を本人がどれくらい管理できるか、がこの年代の競技力向上の要になります。
バランスのよい食事、胃腸や消化管に負担をかけない食事、食べ方、休養のとりかたなど、食に関する自分のスタイルを確立していきます。
そのためには、食事について相談できる大人を見つけたり、本などで勉強して正しく知識武装をすることがカギです。
高校生になると行動範囲が広がって色々挑戦したくなりますね
食事の失敗はありがちなので、そこから学ぶことが大事です
食生活の自立と自律
大学生活でも本格的にスポーツを続けている人は、セミプロレベルの高い技術力を持った選手もいます。
そのために常に高い技術力を求められ、それと同時に質の高い食生活も必要です。
大学生になると、一人暮らしを始める学生も多いです。
毎日ハードな練習に追われ、食事はつい外食やコンビニ弁当で済ませがちになることも多く、これが栄養バランス崩壊につながります。
正しい食事への知識を身につけ、スポーツに必要なエネルギー量を確保することが大切です。
特に一人暮らしだと、高校生までで身につけた食生活が顕著に表れる世代でもあります。
栄養価は高いのに簡単に食べられる、もしくは調理の工程が少ないものを摂りましょう
〇卵
〇フルーツ(リンゴ、キウイなど)
〇食べきりパックの納豆
〇切り干し大根
〇乾燥わかめ
〇みそ汁(普通の味噌にお湯を注ぐだけ)
〇ヨーグルト
タンパク質が中心ですが、発酵食品も食べることで抗ストレスをつけます
学生寮の食事だと、一般的に寮生全員同じメニューとなります。
アスリートとしてハードな練習を必要とする学生にとっては、自分の適量を把握するのは大きなアドバンテージになります。
それぞれの競技によっても必要な栄養素も変わってきます。
自分の競技にあった食生活を身につけましょう。
また、学生のアスリート仲間とも交流して食事の知識をシェアするのもいいでしょう。
新しい環境に入ると、それまで当たり前だったことが遠ざかることもありますが、今までの習慣と新しい環境の差に気が付いて対策することもできます。
大学生活は楽しいけど慢心は禁物ですね
食生活が乱れると廃人になりかねません
理想に追いつく食事計画をたてる
実業団は大学生よりもさらに高い技術力が必要になります。
それとともに、年齢によるコンディション維持の難しさや、体力低下を徐々に感じる時期でもあります。
自分が描く理想の姿と現実にギャップが生じるため、心身のコンディション管理と食事の管理が必要です。
実業団でスポーツを続ける人は、食事や栄養の面でサポートしてくれる専門家が近くにいるのがベストです。
ですが、本人が体力のうちどこを強化したいか、どう体を作りたいか、目的が明確でないと専門家のアドバイスも役に立ちません。
自分が思い描く理想のからだをイメージしたうえで、自分の習慣や食生活などのパターンを把握するのが大切です。
社会人ともなるとお酒の付き合いが避けられない場面が多くなります。
お酒は飲まないことがベストです。
しかし、お酒好きにとってはついつい飲んでしまうもの。
お酒が自分の体にどう影響するのかを知ったうえで、飲むか飲まないかの判断をしましょう。
お酒のデメリットは色々あります。
〇脂肪が体につきやすい(からだの優先度は、アルコールの分解>食事で摂ったもの)
〇空腹の状態だとなおさら吸収しやすい
〇飲み過ぎによる脱水症状
対策としては、アルコールと同量の水を飲むことで、水分不足の状態を防ぎます。
お酒は少量でもからだにとっては毒に変わりありませんね
実業団選手はさまざまな誘惑とストレスとの戦いです
からだは老いていることを意識
シニア世代は無理して競技に取り組むと、健康を損なう危険性があります。
シニアがスポーツをするうえで必要なのが、疲労回復に時間がかかること、からだが衰えていることを自覚することです。
若いころ本格的にスポーツをしていた人ほど自分の体力や身体能力を過信して、年齢的に無理なトレーニングを行い、ケガや病気を招くことがあるので注意です。
加齢によりからだの機能の維持が低下するため、脱水を起こしやすくもなります。
水分補給と、トレーニングによるエネルギー消費量に見合った食生活を心がけ、健康的に競技を続けられるようにしましょう。
シニアは体調の変化も起こりやすいので、その日の体調に合わせてトレーニングメニューや食事の内容を変えることも重要です。
たとえば食欲がない日は消化のよいものに変えるなど、臨機応変に対応します。
シニア世代は、肉や魚などのたんぱく源になるものを食べましょう。
健康への意識で野菜が多くなりがちですが、トレーニングによる消費エネルギーに合わせた栄養を摂りましょう。
また、運動しているという安心から、必要以上に食べすぎてしまうと様々な病気の原因にもなりかねます。
生活習慣病や予備軍の人は、専門家の意見を聞きながらトレーニングをすると、効果的に行うことができます。
うちのお父さんが現役なみに動くから心配・・
食事でサポートをしてあげましょう
食事量の変化がポイント
どの世代のアスリートでも、引退はやってきます。
アスリート時代は競技に適した食生活をしていましたが、現役と同じ生活をしていれば当然エネルギー過多になります。
現役引退後でも、ある程度の運動を続けていても、生活習慣病や食事量には気を付けましょう。
そのためにも、今の自分の食事の量、トレーニング方法などを把握して、引退後の生活と比べてみましょう。
運動量が大きい人ほど、引退後の食事量が相対的に増えるので気をつけます。
引退は人生のターニングポイントでもありますね
食欲が収まらないので、ついつい食べ過ぎになります
ジュニア期からシニア期まで、気を付けるポイントは世代によって変わります。
からだの基礎ができるのはジュニア期ですが、その後の変化に対応していくことも大切です。
自分の体は毎日違う、そう意識すると食生活も見直しやすいです
アスリートの栄養学のまとめです。
- 小学生は給食を通じて食べることを学ぶ
- 中学生は習慣化した食生活を作る
- 高校生は食生活が乱れやすく栄養バランス自分でみる
- 大学生は生活が大きくかわるため日常生活も自立する
- 実業団はコンディションを維持するために食生活を見直す
- シニアは自分のからだの状態を自覚することから始める
- 引退後は食事量の変化がポイント
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