この記事はこんな人におすすめ
- いつも疲労感がある。または疲れている状態が続いて悩んでいる
- 朝起きた時にすっきりとしない。睡眠時間を確保しているのに寝覚めが悪い
- 部活や試合でいい結果が出せずに悩んでいる。どうすれば記録が出るか悩んでいる
睡眠と同じく、人間は呼吸を使って生きています
普段何気なくしている呼吸ですが、食事と同様に、呼吸も吸い過ぎ、吐きすぎは禁物です。
普段から運動習慣もなく、慢性的な疲れに悩んでいる場合は、呼吸過多の状態が考えられます。
息の吸い過ぎ、吐きすぎは効率的に体を動かすことはできません。
正しい呼吸の知識を身につけることが必要です。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
自分は疲れやすい、そう感じている人は多くいると思います。
パルスオキシメーターという道具を使うと、血液の酸素飽和度を測定することができます。
この本の著者は、このメーターを使って数千人の血中酸素飽和度を測ったところ、大部分の人が95%~99%という、正常な数値だったそうです。
血中酸素飽和度は正常なのに、慢性的な疲労感に悩まされている人が多いということです。
つまり、ここでの問題は、血中の酸素が足りていないことではなく、きちんと筋肉や組織に放出されていないことが問題だということです。
なぜ放出されないかというと、呼吸によって大量の二酸化炭素を体外に排出してしまうからです。
慢性的な呼吸過多の状態にあると、血中の酸素が体内にうまく放出されません。
そうすると、日々の生活では倦怠感、運動時の息切れにつながります。
ここで関係してくるのが、ボーア効果となります。
人間の呼吸は、必要な量の2~3倍になっても、特に気づくことなく見過ごされることが多いです。
呼吸過多の状態が普通になると、定期的に大きく息をしたり、ため息をついたりします。
大きく息をする、ため息を頻繁にするなど、常に必要以上の空気を体に取り込む状態になると、次のようになります。
①体の構造に変化がおこる
②活動が大きく妨げられるようになる
③起きている時間以外にも、寝ている時間は口を開けて眠る
④睡眠時の呼吸で、体力や気力の減衰につながっていく
慢性的な疲労は、現代社会では誰もが抱える問題ですね
食事、睡眠、呼吸、疲労感の原因はさまざまですね
それでは、深呼吸でなく、軽い呼吸はメリットがあるということですが、何故それほど世間的には注目されていないのでしょうか。
この本の著者は、次の5つの要因があるからだと語っています。
①空気には重さがなく、計測が難しい。呼吸量はすぐに変えられるので、普段の呼吸法を知るのも難しい。
②ボーア効果の説明が、医学の教科書の最初の方にでてくるため、学習を終えるころには忘れてしまう。
③呼吸過多の症状は人によって違う。症状が炊きに渡るため、根本的原因は同じという事に気づきにくい。
④呼吸過多の状態だからといって、必ずしも目に見える症状があるとは限らない。
⑤呼吸量と健康の関係があまり知られていない
呼吸に関する知識を改めれば、呼吸法の改善によってダイエット(減量)にも大きく効果がでることが期待されています。
最高のフィットネスを手に入れるには、正しい呼吸法を身につける必要があります。
二酸化炭素は、地球の大気に含まれる割合はとても低いです。
つまり、息を吸い込んでも、二酸化炭素は体内には入ってこないという事になります。
体内の二酸化炭素は、食べ物や酸素をエネルギーに変換するときに、組織や細胞の中で生成されます。
呼吸の量を適正に保っていると、肺、血液、組織、細胞の中に残る二酸化炭素の量も適正になります。
二酸化炭素の役割はたくさんありますが、主に次の3つです。
・血中の酸素が体内の細胞に放出されるのを助ける
・気道と血管の壁の平滑筋(緊張の保持と収縮を司る筋肉)を拡張する
・血液のpH値を調整する
二酸化炭素ばかり吸うのはよくないですが、無視するわけにはいかないということですね
鬼滅の刃に登場する「回復の呼吸」は二酸化炭素が関係しているかもしれません
ヘモグロビンは血液中のタンパク質であり、その役割の1つとして、肺の中にある酸素を全身の組織や細胞に届けることです。
血中の酸素が筋肉や組織に放出される仕組みを、ボーア効果と呼びます。
ボーア効果の理解を深めることで、血中の酸素を効率よく活用できるため、体調がよくなり集中力が増します。
その結果として、ハイパフォーマンスを出すことにもつながります。
ボーア効果は、1904年に発見されました。
発見者は、デンマーク人の生理学者であるクリスティアン・ボーア氏です。
ボーア氏は次のことを言っています。
「血中の二酸化炭素の圧力は、体内の呼吸代謝において重要な役割を果たしている。適正な量の二酸化炭素を使えば、人間の肉体はより効果的に酸素を活用できるようになる」
重要なのは、ヘモグロビンが体内に酸素を放出するのは、血中に二酸化炭素があるときだけです。
呼吸過多の状態では、吐く息が多すぎるので、肺、血液、組織、細胞の中の二酸化炭素が適量よりも少なくなります。
この状態は「低炭素ガス血症」とも呼ばれ、ヘモグロビンが酸素を手放さなくなることにつながります。
その結果、組織や臓器に送られる酸素も少なくなります。
酸素が足りない状態の筋肉は、自分が思うほど効率的には動いてくれません。
運動中に体が動かなくなってきたときに大きく息をしても、筋肉に酸素が供給されないということです。
逆に酸素が減ってしまうということです。
一方で、呼吸のレベルを適正に保っていると、血中の二酸化炭素の圧力が高まり、ヘモグロビンが酸素を手放しやすくなります。
酸素がきちんと筋肉や臓器に放出されるということです。
運動時、筋肉に酸素を効果的に送ることができるほど、筋肉はよりハードに、長時間にわたって働いてくれます。
ボーア効果の観点から考えると、呼吸過多によって体内で血中酸素の放出が制限され、筋肉の働きが低下することがわかります。
呼吸を意識することは、大きく息をすると考えがちでした
息を吸う量、吐く量、時間、この辺を意識するといいですね
呼吸過多は、血流の減少にもつながります。
たいていの人は、2分も呼吸過多の状態を続けると、脳を始め体全体の血流が減少するそうです。
脳の血流が減ると、めまいやふらつきの原因にもなります。
一般に血中の二酸化炭素が減るのに比例して、脳への血流も減ることになります。
アメリカ精神医学ジャーナル誌に発表された、ダニエル・ギブズ博士は研究結果で次のとおり言っています。
「呼吸過多によって静脈が収縮すると、人によっては血管の内径が半分にまで小さくなることもある。」
血管の内径が半分になると、血流の量は4分の1になります。
ほとんどの人が、呼吸のしすぎで頭がくらくらした経験があると思います。
口呼吸で大きく息を吸ったり吐いたりすれば、だいたい2~3回で脳への血流が減るのを自覚することができます。
同じように、眠るときに口呼吸をしている人は、朝起きた時から疲れています。
どんなに適正な睡眠時間を確保していも、寝起きから2~3時間は元気がない時間が続きます。
起きている時、寝ている時、慢性的に口呼吸をしている人は、疲労感、集中力、生産性の低下や不機嫌などの症状があると言われています。
口呼吸は、質の高い生活にも、効果的な運動にもつながらないということです。
また、職業上、教員や販売員など、たくさん話す仕事をしている人にも同じことが言えます。
これらの職業の人たちは、仕事が終わるといつもぐったりとしていることが多く、自覚している人も多いでしょう。
疲れの原因は、体や頭を酷使していることもありますが、何よりも話す量が多いからです。
話す量が多いと、それだけ呼吸の回数。量も増え、呼吸過多の状態になります。
運動時は体が酸素を欲しているので、呼吸が増えるのは普通です。
しかし、話すだけの場合は、体が酸素を欲していないのに、体に入ってくる酸素が増えます。
結果として、血中の期待のバランスがくずれて血流が悪くなります。
話すのが好きな人は、いくら喋っても疲れないという人もいますからね
話すことが好きな人は、リアクションも同時に大きくとっているような気がします。
二酸化炭素には、血液の酸性度(pH値)を調整する働きもあります。
pH値とは、アルカリ性か酸性かを測る値です。小学校の理科の授業でも聞いたことはあるかと思います。
血液の正常なpH値は7.365であり、これを正常に保っていないと、体に何らかの負担がかかります。
たとえば、血液がアルカリ性に傾くと、呼吸が少なくなります。(野菜や果物を食べすぎた場合など)
体内に二酸化炭素を増やして酸性の方向に戻すためです。
逆に賛成に傾くと、二酸化炭素を体外に出すために呼吸が多くなります。(加工食品を食べすぎた場合など)
血液のpH値を正常に保つことは、人間が生きる上で欠かせないということです。
pH値0 | pH値6.8 | pH値7.365 | pH値7.8 | pH値 |
酸性 | 細胞が死ぬ | 正常値 | 細胞が死ぬ | アルカリ性 |
二酸化炭素は、私たちの健康状態も決めているということです。
正しく呼吸をすれば、体内の二酸化炭素の量も適正量になり、体の各部位が正しく機能します。
運動時に、体力、持久力を維持でき、ハイパフォーマンスを出すことができます。
血中の二酸化炭素が少なすぎると、血管が収縮し、ヘモグロビンが酸素を放出しなくなります。
結果として、筋肉に十分な酸素が行きわたらず、パフォーマンスの低下につながります。
運動して息切れ → 息が切れるから大きく息を吸う → それによってさらに息が切れる という悪循環を繰り返します。
運動でハイパフォーマンスを出すには、呼吸を理解するところから始めないと、成果はでにくくなります。
隣の人がいつもはぁはぁ言っているのはそのせいかしら
口呼吸が多い人は体調も崩しやすいと思います。気にかけてもいいかもしれません。
現代ビジネスパーソンは、とにかくストレスや長時間労働で疲労がたまりやすいです。
そこへ呼吸過多の状態が追加されると、ますます悪くなります。
もし今、口呼吸をしているのであれば、鼻呼吸に切り替えることからお勧めします。
呼吸法についてのまとめです。
- 慢性的な疲労や疲労感は、間違った呼吸をしている可能性もある
- 日常生活では呼吸量を減らすことが最大のメリットになる
- 酸素を活用させるには、二酸化炭素の量が大切
- 口呼吸は、だるさ、疲れを生み出す悪魔の呼吸法
- 呼吸法で健康状態が良くも悪くもなる
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随時更新していきます。
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