この記事はこんな人におすすめ
- 正しい呼吸というのを聞いたことがない、または知りたい
- 運動性が上がらない、試合で結果がでなくて悩んでいる
- 喘息やあったり、太っていて運動が続かずにあきらめている
睡眠と同じく、人間は呼吸を使って生きています
呼吸と聞いても、普段から意識して呼吸をしている人はそうそういないかと思います。ですが、もし運動のパフォーマンスが上がらない、喘息やちょっと動いただけでの息切れで悩んでいる。そういったことがあれば、もしかしたら呼吸が原因かもしれません。
まずは自分の呼吸を知ることで、自分の人生を大きく変えるきっかけになります。
このブログは、以下の書籍を参考に、自分の考えと経験を加えながら書いています。
人間は何も食べなくても、数週間は生きることができます。
ですが、呼吸を止めると、数分で死んでしまいます。
食べ物や飲み物には気を付けている人は多いですが、呼吸については意識していない人が多いです。
気を付けているといっても、せいぜい、車の排気ガスを吸わないとか、そのくらいでしょうか。
ただ、空気の量はどうでしょうか?
食べ物や飲み物の摂取量にも適正量があるように、空気も理想的があります。
健康のためにと、空気の量、呼吸の仕方を気をつければ健康状態の改善にもつながります。
運動をすると、酸素を取り込むために呼吸をするのですが、呼吸をすればするほど運動性能が上がるわけでもありません。
スポーツに関心があるかたや、呼吸方法1つで、成果がまるで変わることだってあります。
運動パフォーマンスは「肺の機能」によって制限されます。
運動をする人なら想像できますが、運動の限界を決めるのは、筋肉量でもなく、メンタルの強さでもなく、息切れです。
運動パフォーマンスを向上させるのなら、一番大切なのは、正しい呼吸を身につけることです。
何気ない呼吸ですが、体への影響は大きいんですね
呼吸について知る機会があるのは、アスリートくらいでしょうか。
正しい呼吸を身につけることは大切です。
しかし、現代の生活では正しい呼吸の習得がとても難しくなっているのも事実です。
適正な呼吸は体が勝手にしてくれるはずだ、と思っているかもしれませんが、そうではありません。
狩猟採集時代から農耕時代、そして現代と環境は劇的に変化していき、その過程で多くの人が正しい呼吸を忘れてしまったようです。
現代では、慢性的ストレス、座りっぱなし、運動不足、夏は涼しく冬は暖かい。
こういった環境が全て、正しい呼吸の妨げになっています。
そして正しい呼吸ができないことで、倦怠感、肥満、睡眠障害、呼吸器疾患、心臓病などの原因にもなっていると言われています。
狩猟採集時代では、自然の中で生活を送り、もっと体を動かしていました。
出世や経済とも無縁なので、ストレスもほとんど無縁です。、
だからこそ、正しい呼吸ほう芽自然に身についていたのです。
現代人はこうした環境下ではないので、呼吸量は増えてきています。
健康のためには、実は呼吸は減らした方がいいと言われています。
たいていの人は気が付かないうちに、適正量よりも2~3倍、多く呼吸をしています。
アスリートが重たい荷物を運んでも、呼吸量は普通の人よりも少ないはずですね
健康と運動の関係性を妨げるのが、呼吸過多とも言われています
それでは、自分の呼吸がどれほどの状態なのかをみてみましょう。次の質問に、「はい」か「いいえ」で答えてみましょう。
- 日常生活で口呼吸をしていることがある
- 眠っている時に口呼吸している(朝起きたら口の中が渇いている状態)
- 眠っている時にいびき、もしくは呼吸がとまる
- 安静時に、胸やお腹の動きが大きく動く
- 呼吸をしたとき、お腹よりも胸の動きが大きく、頻繁にある
- ため息が多い
- 安静時に自分の呼吸音が聞こえる
- 鼻づまり、倦怠感、ふらつき、めまい等、呼吸過多が原因と考えられる症状がある
以上の項目に、全てやほとんどが当てはまれば、呼吸過多と考えられます。
1日に摂取する水や食べ物の適正量が決まっているように、呼吸にも理想的な量があります。
食べすぎにも健康に悪いように、呼吸のし過ぎにも健康に悪いという事です。
慢性的な呼吸過多は「健康状態の悪化」や「体力の低下」につながり、結果として仕事や運動パフォーマンスが下がります。
運動時もやみくもに呼吸すればいいと言うわけではないですね
正しい呼吸ができないと、日常生活にも影響がでますね
正しい呼吸を身につければ、今よりもずっと健康になれるはずですし、何より日々の生活が快適になります。
アスリートであれば、パフォーマンスの向上もみこまれ、成績もよくなることでしょう。
一般の人でも、呼吸の仕方一つで、眠っていた能力が開花することもあります。
それでは、正しい呼吸のポイントとなるのはいったいなんでしょうか?
それは、安静時の呼吸が運動時の呼吸を決めているということです。
安静時に呼吸過多であれば、運動時も呼吸過多となります。
要は、普段から正しい呼吸ができていないのに、運動時になって正しい呼吸ができることはないということです。
普段から口呼吸や大きく息をすうことを繰り返していれば、それが運動時のさらなる呼吸過多につながり、パフォーマンスが低下します。
いつもの呼吸法が、健康的な人生不健康な人生に分けるポイントとなります。
呼吸過多になると、「気道」が狭くなる原因になる
→体が酸素を取り込む能力が低下する
→血管が細くなる
→心臓などの各臓器に十分な血液が循環しなくなる
といった悪循環となります。
アスリートの場合は、身体能力が高くとも呼吸法ができないだけで、パフォーマンス向上が止まったり、キャリアが短くなったりします。
運動すると、まず最初は息切れが課題ですからね
筋肉疲労よりも、息切れを解決しないと先に進みませんね
人間が生きるのには酸素が必要です。
しかしだからといって、酸素をたくさん取り込んでもいいというわけではありません。
血液中にどんなにたくさん酸素があっても、それを活用できる量が増えるわけではないからです。
人間の赤血球は、95~99%の酸素を含んでおり、運動の過多にかかわらずこれだけあれば十分です。
二酸化炭素と聞くと、息を吐くときにでるもの程度だという認識があるかと思います。
ですが、二酸化炭素は、血中の酸素が体内に取り込まれる量を決める、重要な役割があります。この働きのことを「ボーア効果」といいます。
今から100年以上前に、この効果は発見されていて、血中の酸素が筋肉や臓器に送られるメカニズムを説明しています。
このボーア効果を正しく理解して活用することが、正しい呼吸法を身につけるポイントです。
呼吸の仕方によって、血中の二酸化炭素濃度が決まります。
呼吸過多状態だと、息遣いが荒く、リズムも一定ではありません。
大きく息を吐くと二酸化炭素が体外に排出されるため、肉体が酸素を取り込める量も減ってしまいます。
正しい呼吸で、体が本来備わっている機能を活用することができるのです。
私ずっと口で適当に呼吸していたわ
二酸化炭素は体のゴミではなく、重要な役割を果たしているんですね
最近では、「高地トレーニング」が流行っています。
標高が高いところでトレーニングすることで、心肺機能が向上するため、プロのアスリートもよく取り入れています。
高地トレーニング自体は、1968年の夏季オリンピックで注目され、この年の開催地は標高2300mのメキシコシティでした。
競技を終えた選手たちが標高の低い場所に戻ると、いきなり自己ベストを更新できるようになったそうです。
標高が高いと大気圧が下がり、その結果として酸素の量も減ります。
これに対して人間の体は、赤血球の数を増やすことで、酸素の少ない環境下に適応しようとします。
赤血球の数が増えると、筋肉に酸素を運搬する能力が高くなり、乳酸も溜まりにくくなります。
結果として、運動パフォーマンスや持久力が向上して、炎症やケガのリスクも低下します。
とはいえ、高地トレーニングは誰でもできるわけではありません。
そこで、疑似的に高地トレーニングを行う一つとして「鼻呼吸」があります。
口は大きく息を吸い込み、吐くことができるため呼吸過多になりやすいですが、鼻であれば呼吸量をかなり抑制することができます。
運動中に鼻の呼吸を意識するということですね
口は食事をするため、鼻は呼吸をするため、とよく言われていますからね
それではここで3つ事例を紹介します。
運動選手であるデーヴィッド選手
この本の著者はアイルランドのタブリンが出身であり、ここではゲーリック・フットボール(アイルランド発祥の団体球技)が人気で、試合の日には毎回大勢のファンが押し寄せるほどの、国民的スポーツです。
そのスポーツで活躍していたデーヴィッドという選手がいました。
彼は当時20歳でスター選手として活躍していました。
チームとともの週5日間のトレーニングをこなし、よく鍛えられた体つきでしたが、激しい運動をするとすぐに息切れ、鼻詰まりや咳に悩まされていました。
彼は医師に相談し、薬も処方してもらったようですが、それでも息切れはほとんど改善せず、このまま症状がつづくと他のチームメイトに取り残され、戦力外になる危険性がありました。
著者の元を尋ねたデーヴィッド選手ですが、彼は呼吸過多の症状を全て見せていたそうです。
安静時でも洗い口呼吸で、肺に酸素を取り込む量が多く、アスリートとして不可欠な、正しい呼吸法が身についていませんでした。
間違った呼吸法を長年続けた結果、肉体と呼吸がかみ合わずに体に必要な二酸化炭素を保てなくなっていたそうです。
そんなデーヴィッドに対して、呼吸量を減らす、運動中に息を止める、寝ている間も鼻呼吸をするといったエクササイズを実行させました。
その結果、デーヴィッドはチームのスター選手として、息切れを心配することなく活躍しているそうです。
最近運動するようになったダグさん
ダグさんはアメリカ人の大学教授です。
年齢は40代半ばで、仕事で大きな成果を出しています。
ダグさんは子どものころから喘息に苦しみ、ずっと運動が苦手だったそうです。
自分の体はどこかおかしいと感じていたそうですが、そんなダグさんは大学生になると、父と同じボート部に入ったそうです。
しかし、トレーニングの度に肺が悲鳴をあげ、自分の心肺機能の弱さで思うように運動できず、ボート部も1年でやめてしまったようです。
その後、老いた父親が弱っていくのをみて、ダグさんは、自分の子どもや孫たちに、年をとっても元気な姿をみせるように、ついに体を鍛える決心をしたそうです。
ですがやはり、ジョギングを始めても、ほんの数メートル走っただけで息切れしてしまいました。
デーヴィッド選手と同じように、著者のエクササイズを受けたダグさんは、最初な口を閉じたままだと3メートルくらいしか走れませんでしたが、数カ月で10キロは走れるようになり、さらに数カ月後ははハーフマラソンも完走できるようになりました。
呼吸過多のクセを改めることがなければ、本来の自分の才能を開花させることもなかったでしょう。
体重を減らして健康になりたいドナさん
呼吸法は、減量という視点でも重要な役割を果たします。
ここではドナさんの例を紹介します。
ドナさんは「糖質制限ダイエット」「サウスビーチダイエット」「ゾーンダイエット」「ウェイトウォッチャー」等、たくさんのダイエット法を試してきました。
しかし、どんなダイエット法でも、最初は減量できますが、減った体重は次第にもとに戻り、敗北感に打ちのめされていたそうです。
ドナさんは、運動にも挑戦していたそうですが、すぐに息切れをしてしまい、あきらめてしまっていました。
筋力不足による筋肉疲労よりも、まず先に息切れが発症して運動ができなかったそうです。
ドナさんの体は、酸素を正しく代謝できていなかったそうで、必要なのは体と呼吸に過度な負担をかけずに、早く結果を出せる方法でした。
そこで著者は、テレビを見ている時やデスクワークをしている時にできる「鼻呼吸」を教えました。
それから約2週間程度で、食生活は変えずに体重が3キロ近く減ったそうです。
鼻呼吸で酸素を効率よく使えるようになった結果、食べたものを効率よく吸収し、食欲も正常になりました。
そしてその後、体重を14キロ減らすこともでき、その減った体重も維持できるようになっています。
私も運動は週に2~3回はしますが、その時は全て鼻で呼吸をしています。
冬場なんかは、口呼吸すると口の中がカラカラネバネバしますが、鼻呼吸であればそれもなくなります。
鼻呼吸で全てを解決できるわけではありませんが、改善できるきっかけにはなるはずです。
呼吸法についてのまとめです。
- 呼吸法で人生が大きく変わる可能性がある
- 慢性的な呼吸過多は、病気の原因にもなる
- 自分の呼吸量、呼吸方法を知ることから始める
- 呼吸一つで、健康にもなれるし不健康にもなれる
- 体が活用できる酸素量は二酸化炭素が決める
- 呼吸を変えただけでも、運動、ダイエットにも効果はある
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